でんしゃ

4月5日(日) 晴後曇
息子は電車が好きである。

今日はカミさんが熱を出しているので、家族3人カミさんの実家で過ごした。
紙オムツが足りない、と言うので、息子を連れて薬局に買いに行ったのだが
家を出ると近鉄の線路の方を指差して「でんしゃ」と言うのである。むむっ、
ここではそれほど過ごしていないはずなのだが、あっちの方に電車が走って
いるということを知っているのか。

手をつないで、かなり長い距離を歩けるようになっている。いいもんだね、
こういうのも。つないでいる彼の掌が汗ばんでくる。もう、そういう季節
なのね。

カミさんが昼寝をするときにも、息子が寝ないので散歩に連れていくように
頼まれた。そこで、電車を見に行くことにする。舗装されていない道で、
線路の方に向かっているものがあったので、踏切はないだろうと判断して
入ってゆく。予想通り、その先は畑になっていて線路の近くまで道が伸びて
いる。

電車が通ると真剣に見入っている。もういいだろうと思って引き返させよう
とするのだが、遠くで警報機の音が鳴り出すと、振り返って逆戻り……
警報機が鳴ると電車が来る、というのがわかるのだな。こりゃ、帰るのに
苦労するぞ。

畑沿いの未舗装の道なので、犬の散歩をさせている人がよく通る。息子も
犬を見ると、指差して「わっわ」と言う。そのうち、コロコロした子犬を
連れた御婦人がやって来た。その犬も甘えたい盛りのようで、人を見ると
飛びついてくる。息子にも「好意に値するよ(意訳)」といいながら飛び
ついてくる。おお、異種生物との一次的接触! 犬が甘えたいだけなのも
わかるし、息子に危害を加える力もないと判断したので、接触を許可する。
息子も、パニックになることなく犬を受けとめて動かない。飼い主に感心
されてしまった。ただ、彼はまだ犬とコミュニケーションをする方法が
わからないので、棒立ちになってされるがままだったのだが……

家に帰る途中も、あちこち寄り道する。満開の桜には関心が無いようである。
マンホールがあると上で踊ってみる。中から水の音が聞こえると、じっと
聞き耳を立てる。水たまりがあると、足でペチャッとやってみる。まだ立つ
だけで精一杯なので、足を水たまりに入れようとすると、よろける。


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