8月30日(日)
昨日は、本番環境でしかテストできないプログラムのユーザ検証を行うため
休日出勤になってしまった。いつもよりは早く我が家に帰り着いたのだが、
息子はすでに眠っていた。
帰って夕食を食べ、電源コードの接続が緩んだまま通信していて頓死した
カミさんのPowerBookの復旧作業をする。ふと気がつけば食卓の下にヤオイ
マンガの山ができている。ううーむ。
◇
今朝も最初に目を覚ましたのは息子だった。カミさんはまだ寝ている。昨夜は
私の方が遅くまで起きていたのだが、今日はカミさんの体調が悪い日なので、
起きて息子と一緒に階下に下りる。
まだ咳が止まらない。気管支の奥で痰が絡んだように、深い咳をゴホンゴホン
とする。とくに身体を横に傾けると出るようだ。もう1ヶ月以上になるんだ
けどなあ。
居間に着くと、息子は早速「まんま」の連呼である。カミさんからパンを
食べさせるよう言われているので、台所を探す。とある袋を持ち上げ、中身を
確認するとパンではなかったので、元の位置に戻すと、息子はその場でよよと
泣き崩れる。おいおい、そんなに悲劇のヒロインになったみたいに悲しまなく
ても…
パンを見つけてオーブンに入れると、すぐに食べさせてくれないというので
また泣く。こんどは仰向けである。もう少し待てっちゅーの。
パンとミルクが温まったので、食卓に持ってゆく。息子はついてきて、椅子に
登ろうとしてバランスを崩し、食卓で顔を打った。いちだんと激しく泣く。
カミさんが起きてきてしまった。
親子三人で朝食を食べ終わり、私が息子を連れて買い物に行くことにする。
買うものも店も決まっているので、それだけだとすぐに終わってしまうから
まず書店巡りをすることにしよう。あんまり早く帰るとかあちゃんに悪いし
キミも昼寝がしにくいだろうからな。
最初に入った本屋で、ピカチュウを見つけるたびに指差して「てっちー」と
叫ぶ。言われてみれば、本屋の中はピカチュウだらけだ。ドラえもんの
等身大の人形があるので、それをいじって遊ぶ。天井を指差して「でんしゃ、
でんしゃ」と叫ぶので、何かと思ったら小児向け雑誌の広告に「きかんしゃ
トーマス」が載っていたのだった。
2軒目の本屋では、向かいにある文房具屋の看板が回っているのを見て
「ぐぢゅぐぢゅぐぢゅぐぢゅ」。なんだかとても気に入ったようで、
店に入ろうとしない。店内に入ると、私が本を見ているスキに、本の山を
崩してしまった。復旧しようとしていると「返品する本だからいいよ」と
言われた。早々に退散する。
2軒回ったが目当ての本がない。スーパーのビルの中に入っている本屋に行く。
息子はエスカレータに乗れてゴキゲンである。本屋のある3階に着くと、彼は
私を引っ張って吹き抜けになっているホールを見に行く。透明な板が張り巡ら
されていて、彼でも下でうごめいている人々を見下ろせるのである。しかし、
彼はまだ高いところの恐怖というものが理解できないので、平気で透明な板に
もたれて下を覗き込む。見ている方は心配で仕方がない。足の裏がムズムズ
してきた。今日も、透明なチューブの中をエレベーターが昇降するのを見て
興奮する。
ようやく彼を本屋に向かわせたが、今度はプリクラの機械に興味を奪われる。
踏み台の上に乗ってレバーやボタンをガチャガチャ触る。
ひととおり本屋で品揃えをチェックし、隣のレコード屋でCDを見ていたら
すぐ横にエスカレータがあるので、息子はそちらに行きたがる。ちょっとの
間だから、というので抱き上げても泣きわめく。そしてエスカレータを上る
と……そこは遊技場だったのだった。
遊技場では事由に走り回らせて、興味を持ったゲーム機があるとその前に
座らせて触らせる。まだ、ハンドルやボタンをガチャガチャいわせるだけで
満足なので金はかからない。
ひとしきり遊ばせた後、薬屋でビタミン剤を買い、スーパーでジュースを
買って帰宅する。家に帰ると昼食の用意ができていなかったので、また
パンを買いに出かける。息子はすでに玄関に入っていたのだが、いっしょに
出かけようと言っても出てこない。せっかくだから、また息子を自転車に
乗せて最寄りのスーパーに行く。
帰り着くと、最初に家を出てからすでに3時間が経過していた。息子はもう
ヘロヘロである。腹は減っているはずなのだが、パンを食べさせようとすると
嫌がる。しかし、親が食べているのを見るとそれを欲しがる。食べ終わって
みれば、けっこうたくさん食べたような気がする。
食事を終えたらお昼寝である。私も疲れた。歯を磨いて息子と一緒に寝る。
けっきょく、夕食に起こされるまで私は目覚めなかったのだった。