6月30日(火) 晴
今日は、上司の上司を「このままじゃ、今月の残業、100時間超えまっせ」と
脅して休みを取った。久しぶりの休日である。
昨夜も遠方より帰ってきたので午前様であった。眠っていると遠く上の方から
カミさんの声が聞こえてくる。分厚い疲労の底に沈んでいる意識に、ようやく
届いてきた。「図書館、行こう。本屋さん、行こう。遊びに行こう」と言って
いるようだ……うう、もうこんな時間か。身体が重い。まるで泥の中に沈んで
いるようだ。
鉛のように重い上半身をゆるゆると立ち上げる。まあ、たまには家族サービス
もやらねばなるまいな。
朝食を食べていると、例によって息子が膝の上に乗りにくる。自分の食べたい
ものを指差して指示する。そのうちに私の箸を握って目的の食器の方に持って
いく。
さあ、お出かけだ。息子の手を持って階段を下りる。私の手にほとんど体重を
かけずに、我が家の急な階段を下りてゆく。まだ、一気に下りようとして足を
踏み外しそうになることもあるが、すぐに一人で下りられるようになりそうだ。
まず図書館に行ったが、閉館していた。そこで、スーパーのビルの1フロアが
子供の遊び場になっている施設に行く。息子はゲーム機の間を歩き回る。まだ
光ってたり動いてたりするのを見ているだけで満足なようである。おもちゃを
見ても欲しがらないし、安上がりなものである。もう少し大きくなると、大変
なのだろうな。
カミさんがメリーゴーラウンドに乗せる。回りだすと、私の顔が見えるたびに
べそをかく。車が揺れる乗り物にしても、あまり好きではないようだ。どちら
かというと、ハンドルとかを自分でガチャガチャ動かしているだけで、満足な
ようである。
ミスドでお食事。透明なチューブの中をエレベーターが上下するのを興味深げ
に見ている。窓際なので遠くを走る電車が見えるのも目ざとく見つけて「でん
しゃ、でんしゃ」と言う。
家に帰ってきて階段を上るときも、ほとんど膝をつかずに上ってゆく。身体も
また少し大きくなったんじゃないかな。
夕食中にスプーンを落とし、それを指差して「お・ち・た、お・ち・た」と言う。
何気なく聞いていたのだが、ふいにその意味に気づいて驚いた。カミさんに
「前から言ってたわよ。知らなかったの?」と言われてしまった。後に寝室で
寝かしつけているときにもカミさんが出て行ったら「あ・あ。いっ、ちっ、た」
と言う。ううむ。そこまで進化していたとは…
カミさんも「最近は(彼の)前に食器を置いておけば勝手に食べるので楽だわ」
と言っている。スプーンの使い方もずいぶんサマになってきている。
同じく夕食中に、右足を押さえて「あであであであで」と言う。足が痛いのか?
足を押さえても痛がらないから大丈夫だとは思うが…
食事が終わると、その辺をドンドン飛び跳ねはじめた。一瞬だが両足とも宙に
浮いている。これなら大丈夫かな。ひょっとして、跳ねすぎて足が痛いのかも…
風呂に入れるために脱衣場で服を脱がせたら、息子は私の手を取って自らの
股間に持っていった。き…君っ、何を考えているのかね?