8月15日(土) 曇
今朝も息子は早くに起きていたようだ。例によってカミさんが私を指差し、
彼に「この人、誰?」と問う。すると彼は「わんわ」と答えたのだった。
おいっ、と両親でツッコむと「でーで」と答えた。犬にされちゃかなわん
わな。
息子は玄関に連れていくと外に行けると思うので、外に行けなければ泣く。
しばらく放っておく。カミさんが居間に上げても泣いていたが、カミさんが
ビデオを再生して「カリ城」のオープニングが始まると車を指差して「ぶぶ」
と言い始める。ゲンキンな奴。
食事を食べさせるが、どんなものでも手を使わずに食器ですくって食べようと
する。彼なりにプライドというものがあるのだろうか。こういう向上心がある
から人間は進歩してゆくのだなぁ……と感慨にふけっていると、気がつけば
息子は手掴みで食事をしていた。
ヨーグルトを食べさせると「あちねー」と言う。「美味しいね」という意味
らしい。ヨーグルトの容器に描いてあるピカチュウの絵を指差して「たーちー」
と言う。これも発音は変化しているが、忘れてはいないようだ。
カミさんがトイレに行く。息子がついていく。いっしょに入ったらしい。
しばらくの後、ガタン!という音とともに「あっ!」というカミさんの声。
何があったんだ? 行ってみると、息子がカミさんの膝の上に乗って窓の外を
見ていて、窓の網戸を落としたらしい。ウチのトイレは2階にあるのである。
取りに行くには他人の土地を通らねばならないんだがなぁ。
私は見ていなかったのだが、夕食前に息子はおかずの入った皿を台所から食卓
まで運んだらしい。人間ってのは、2歳にもならないうちから他人のために
働けるのね。どこぞの国の路上では3歳の子供でも働いているというのは、
あながち嘘ではないかもしれない。
息子は、私が食べているキムチを食べたそうにしている。他人が食べている
ものの方が美味しく見えるのは子供でも変わらないのか。こんな小さな頃から
こんな辛いものを食べさせちゃイカンと思うのだが、カミさんが「食べさせて
みれば。辛ければ懲りるでしょ」と言うので小さいカケラを食べさせてみる。
カミカミして「うちねー」。さらに要求するのでちょっと大きいのを口に入れた。
しばらくは旨そうに食っていたが、やがて顔をしかめた。さすがに辛かった
らしい。
食べ終えると、座っている私の膝の上に立つ。うまくバランスを取っている。