1999年2月中旬の日記
■2月11日(祝)
カミさんは昨日、ガレージに車を入れようとしててベンツに乗ったチンピラに邪魔だとからまれたらしい。「ナンバーを覚えとけばよかった。途中までは覚えてるんだけど」とか言っていた。
今朝は、私の方が昼過ぎまで寝ていた。一度、息子がカミさんに指示されて起こしに来たが、起きられない。う〜、いくら寝ても眠い。カミさんが「あ、雪!」とか言っているのが遠くの方で聞こえる。
起き出してくると、妻子は外出していた。みぞれが降っている。食器を拭いていたら二人が帰ってきた。息子は薄手のレインコートだけで傘を差していなかったので、ちょっと冷たかったらしい。食後、伊予柑を食べる。カミさんの実家から送ってきたものなのだが、彼女は「剥くのが面倒臭い」と言って食べてないのである。ミカンならいくらでも食べるのにねぇ。でも、私が剥くと食べるのである。べつに道具を使わなくても剥けるのになぁ。息子は気に入ったようで、私が食べているのと同じくらいの量を食べる。剥くのが追いつかない。
息子も一歳くらいまでは私の子供の頃にそっくりだったのだが、最近は独自の顔になってきたな。自分の個性が出てきた、ということだろうか。そういえば、「子供は父親の庇護を受けるために、生まれたての頃は父親に似るようになっている」という話を読んだのはどこだったか? やはり男は、子供が本当に自分のタネでできたのか身体ではわからないからねぇ…
今夜は外食である。何だか最近、私が家にいる日は外食が多いような気がするな。帰ってくると、カミさんが私のお尻を見ている。
「どうしたの?」
「え? 高橋兄のお尻ってこんなのかな、って思って。だんなさんとだいたい肉のつき方が同じくらいなのよ。だんなさん、180cmで58kgでしょう。高橋兄は184cmで64kgだから…」
「……(絶句)…………で、血液型も同じだと思っていると…」
「涼ちゃんは、そんな変態ぢゃないわよ (--;)」
「でも、変態にした小説を書いてるじゃん」
「あれは、私の好きな変態なの!!」
……ううっ、私はどうすればいいんでしょうか?
帰ってくるとカミさんはトイレに隠ってしまった。息子も「うんこ」と言ってお尻を気にする。どうも、耐えきれずに出してしまったような様子である。パンツの中を覗いてみると……やってました。で、パンツを下ろしたのであるが、柔らかくて流動性が高いので、脚の後ろ側にベットリと付着してしまったのである。ミルク臭かったので、昼食のときの牛乳のせいだろうか。汚染の広がりに焦って、パンツをうわ〜っと慌てて下ろしたので、足の裏まで汚れてしまった。あっ、電気カーペットのカバーにまで……
そこで思い出したのだが、カミさんはお尻拭きのウェットティッシュを切らしていたのである。見回せばティッシュの箱も見あたらない。どうしよう……とりあえず、新聞紙を床に敷いて息子をその上に立たせ、「動いたらアカンで」と言いつけて私のコートに入れているポケットティッシュを取りに行く。ちゃんと動かずに待っていてくれるのが嬉しい。まずはカーペットのカバーを拭く。そして、息子の下半身の清拭である。濡れていないティッシュで拭かれるのは、あまり経験がないかもしれないな。やっとキレイになった……と思ったのだが、脇を見ると床に置いたパンツから汚染が漏れていた。
「NHKスペシャル」ですばる望遠鏡の特集をやっている。息子はあまり興味がなさそうで、私の身体によじ登ってきたりしている。親子で「おおっ!」とか言いながら、こういう番組を観れるようになるのはいつごろかな。
まあ先日、公開されているファーストライトの画像を見て「ハッブルの画像と比べるとシャープネスが足りんな。やっぱり大気の底からだと限界があるのかな。世界最大とか言ってたけど、やはりバブル期の計画だったのだろうか。ハッブルができてからは、大金をかけて地上に巨大な望遠鏡を作る意味が小さくなってきたのかもね」と思っていたのだが、そうか、地上にあるとハイビジョンカメラなどを取り付けて見るというようなことができるのね。
で、実際にハイビジョンカメラで撮った画像を観ると……おお、小宇宙の細かい構造がよくわかる。エキサイティングである。かなり見直したのであった。まあ、こういうハンドルネームをつけたくらいの私ですからね。
今日は、私が息子を寝かしつけた。「ねんねしよか?」というとちょっとゴネたので、プラレールについていたビデオを見せてから寝かす。カミさんは「プラレールのソフトがほしいんだけど、Windows用しかないのよ」と言っている。できればMac用も作ってやってください>トミー殿
ビデオを消すとまたゴネたが、カミさんがなだめると素直に寝室に行く。今夜は絵本をゆっくり読んでやっていたら彼もだんだん眠くなってきたようである。で、例によって、ついでにこちらも眠く…
■2月12日(金)
今朝は地震で目が覚めた…「2/12 3:17」…こういうとき、バックライトつきのRuputerは便利である……って、ふつうの腕時計でもライトつきのはあるって>私
起きようとすると、カミさんが「だんなさんのホームページ見れなかったわ。『22:30頃からホスト障害』とかで。ぷんぷん」と言って怒っている。たしかに『メンバーズホームページ全サービスが使用できなくなっております』と表示される。しっかりしてくれ>NIFTY
で、リンクするためにNIFTYのサイトに行ったら、そこはしっかり表示された……なんだかなぁ。まあ、サーバが違うのはわかるけど。
時計のこと調べてて気がついたんだけど、シチズンの社長って、神谷 明さんっていうのね… (^^;) どうでもいいか。
今日は遠方の客先に行く日である。話好きの上司と一緒だったのだが、話を早々に切り上げて私は本を読むのである。「科学とオカルト」を読み終えた。私は同じ傾向の本を長時間読んでいると頭が麻痺してパーになってくるので、いつも固い本と小説を1冊ずつ鞄に入れてあるのだ。
この本は、基本的には科学論の本なんでしょうね。私が常日頃科学に対して何となく感じていたことを形にしてくれた、という点が多々ありました。こういう本に出会えるというのは、人生の一つの喜びですね。ただ、科学に対しての辛辣な書き方に「そこまで言わんでも」と思ってしまった部分はありましたが。最終的には私は科学側の人間ですからね。まあ、この世の中、科学万能主義の人が多いのでこういう書き方をせざるを得ない部分もあるんでしょうけど。
帰りは「物体O」収録の「牙の時代」「静寂の通路」を読む。やはり、こういう危機感の盛り上げ方は巧いよなあ。「牙の時代」は、今ならウィルスによる遺伝子組み替えをまず考えてしまうんでしょうか。でも、現在読んでも、この作品でほのめかされたようなことはウイルス以外が原因でも起こり得る基本的な現象なのかもしれない、などと思わせてしまうところが筆力ですね。しかし、「静寂の通路」を最初に読んだのは中学生の時だったと思うんですけど、あの頃からまったく状況は良くなっていない…いや、まさしくここで描写されている状況に近づきつつあるような気がする。そういう意味では、30年近くを経てこのリアリティというのは…
そうやって本を読んでいると、途中の駅で停まってドアが開いた瞬間、白いものが出口からブワッと入り込んできて膝の上に叩きつけてきた。雪であった。雪は、膝から落ちて、サラサラと床の上を走る。寒い。
■2月13日(土)
今日は休日出勤である。出社して、パソコンを立ち上げようとすると、うまく立ちあがらない。…まったく、これだからWindowsは。
スキャンディスクしている間、やることがないので「物体O」を読む。最終話の「極冠作戦」である。主人公による、人類の未来を見据えた演説が感動的だなぁ、などと思いながら読んでいたのだが、さらに感動的な展開を見せてくるにつれ、むかし読んだときの感情の高ぶりを思い出してきた。やはり、あの頃の「未来に対する希望と前向きな気持ち」というのは持ち続けなきゃいけないね。今の世界は、まるでこの作品で描かれた地球のように未来に対する希望を無くしているように見えるんだけれども。新世紀になれば、少しは気分も変わってくるのかなぁ。そういう意味では、この作品をトリに持ってきたのは正義だな。読後感がまるでちがう。
カミさんに「本日のオススメHP」ということで、文章の「自動作成システム集」を教えたのだが、あまり受けなかったようだ。面白いと思ったんだがなあ。特に対談なんて大笑いだったんだけど。いちおう全体のフレームとしては会話しているような形なんだけど、よく見ると全く意味をなしていない。実際の議論なんかでも、こういうのがあるかもしれないとか(笑)
■2月14日(日)
今日も起きられない。かなり疲れが溜まっているなぁ。仕事はこれからまだまだ酷いことになりそうだというのに…
昨夜、息子は夜中に起きて泣いた。ゲホンゲホンと咳をして、非常に苦しそうである。喘息なんかになっちゃうと、もっと苦しいんだろうねえ。鼻も詰まっていて、さらに苦しそうだった。今日は体温が37度台あった。とても機嫌が悪い。すぐに拗ねる。外出させないのでストレスが溜まるのもあるのだろう。それでも夕方から私と一緒に2時間ほど寝てくれた。私もしんどいので寝るしかないのよ。寝床で本を読んでやった後にもグズグズ言ってたが、疲れていて動けないので拘束していたら、彼も元気がないのでそのまま二人で寝てしまっていたのだった。
カミさんは「いま、『美貌の食卓』の二人の初エッチシーンを書いてるんだけど、「受」の恥じらいと、「攻」の処女を味わう喜びを同時に味わえて楽しいわ」などと言ってゴキゲンである。挙げ句の果てに「ねえ、男のヒトって、男同士でも処女が相手だと嬉しいものなの?」などと私に聞くのである。「知るか!」と応えるしかない私だった。
NHKのBSでもすばる望遠鏡の特集をやっていたようだが……何ですか、あれは?
まだ使える素材が少ないのかもしれないが、どうでもいい無駄な部分が多すぎる。あれじゃ、星に興味のある人間だって見ちゃいられないぞ。それに、あの「宇宙少年団」とかいうのは……恥ずすぎる。最近のNHKの科学番組の酷さというのは、目を覆わんばかりのものがありますな。青少年の科学離れを助長しようとしているとしか思えない。ちょー科学なスタッフがいるような気さえする。これじゃ、日本の将来は暗いな。
WOWWOWでやっていた「WBC世界ウェルター級タイトルマッチ デ・ラ・ホーヤ対クォーティー」はなかなか良い試合であった。(感動する、というところまではいかなかったが)さすがに「4階級制覇、全勝のチャンピオンに対する無敗の挑戦者」という前評判だけのことはある。
そういえば、今日(書いてる時点ではもう昨日)はバレンタインデーだったか…カミさんも私もまったく気にしていないなぁ。いいんだろうか?
■2月15日(月)
今日は朝1時間早く起きて遠方に出勤し、遅くまで会議があったので帰ったのはほとんど翌日だった。だから、今日の息子は寝顔しか見ていないのである。日記としては移動中に読んだ本の感想くらいしか書くことがない。あっ、朝、家を出る前にカミさんにチョコレートをもらったのだった。これは太字で書いておかねば。
先週末で鞄の中の本を読み終えたので、今日から新しい本を読む。ノンフィクションは「ブラック・ジャックにはなれないけれど」(朝日文庫)である。ふつうの医者へのインタビューというか、医療現場のルポルタージュなのだが、著者がかなり一般とは異なった考えの持ち主なので、読みながら「それは違うんじゃないの?」と思う点がいっぱいある。ありすぎて今日のところは書く暇がない。意見の違いを整理するのは気力・体力が要るからね。またネタが無いときにでも書こう(笑)
今回分フィクションの「異形コレクション8 月の物語」も読み始めた。ずいぶん前に買っていたのだが、読む時間が無いのである。読み始めて思ったのだが、やはり私はホラーというものにはあまり感じるものがないのだよな。「それがどうしたの」という感想しか持てない。「リング」は怖かったんですけどね。このシリーズでもホラーとして書かれているものは、あまり印象が無かったりする。
草上仁氏の「月観れば−−」はなかなか良かったから、やはり私はSFの人なんだろうか。やはり、あのSF的な「発想の転換」というヤツに惹かれるのか。
篠田真由美氏「月盈ちる夜を」を読んでいて、夜中に上弦の月が昇るという描写に白けてしまった。上弦の月というのは、昼間に昇っているものだと思うんだけど。こういうところにこだわるところがSFモノか……あ、山の上から昇るんだったら、それでいいのかな。大ボケだな。
岬兄悟氏「ぶれた月」は面白く読めた。私にとってSF作家の作品の評価が高いというのは、何が違うんだろう? 他のホラーの作品とそれほど違っているとは思えないんだがな。SF作家というのは、同じ「月」を素材に「怪奇小説」を書いても、何かが根本的に違うのだろうか?
青山智樹氏「月の上の小さな魔女」もハードSFな舞台装置と古色蒼然たる小道具のアンマッチが楽しめた。SFだからといって、面白くないものは面白くないと言うつもりなんだがなぁ。
とか言ってたら、堀晃氏「地球食」……う〜ん、このオチ、もうちょっと何とかならんかなぁ。尊敬している作家さんなんですが…アイデアだけで終わっちゃってるもんなあ。ページ数が少なすぎたのかな。
でも、月でも地球の潮汐力の影響はあると思うのだが……ほとんど変化しないだろうから無視していいんでしょうかね?
■2月16日(火)
昨夜は遠方での長時間の会議で心身ともに疲れたうえに寝るのが遅かったので、今朝は少し遅れて出社することにした。私が起きて居間に入っていくと、ちょうど息子がゴミを捨てに居間を出たカミさんを追って泣きながら椅子を降りたところだった。まだ調子が悪そうなので、今日も保育所を休ませるという。カミさんも疲れているようであるが、大丈夫かな。こういう日は早く帰るとか休むとかすべきなんだろうけど、なかなかままならないのである。
時差出勤で電車が空いていたので、「月の物語」収録の梶尾真治氏「六人目の貴公子」を読んでいた。ユーモア路線の作品である。「やっぱ、カジシンはリリカル路線よねえ。でもあれは、数年に一作しか読めないからいいのよねぇ」などと思いながら読んでいたのだが、けっこう面白く読めた。ここまで荒唐無稽だと、いっそ面白い。(日本語がヘンだな)最後のオチも効いている。
昼休みに書店に行くと、私は昨日「月の物語」を読み始めたところだというのに、もう次の「グランド・ホテル」が出ていた。同時に「SFバカ本<だるま編」も出ていた。どちらを買おうかと悩む。私は安く入手した図書券で本を買うので、なるべくたくさん図書券を使った方が得をするのである。だから、一度に1冊ずつしか買わないのだ。悩みながら書店の中を歩いていたら…「餓狼伝XI」が出ていた。何で、これだけの本がみんな同じ日に出るかね? 特に「異形コレクション」と「SFバカ本」は同じ出版社なんだから、ちょっとは考えてほしいなあ。購買層は、かなり重なっているんじゃないかと思うんだけれど。
けっきょく、今日は「餓狼伝XI」を買った。まずこれを最優先で読むことになるだろう。
◇ ◇ ◇
今日も息子に会えないかなぁ、などと思いながら家に帰り着くと、風呂場の電灯が点いていた。風呂場の外に自転車を停めると「だんなさん?」というカミさんの声が聞こえる。「はい」と応じると「お帰りなさい」と中からの声。息子も一緒に「おかえんなさい」と声を上げる。玄関に入って、息子の「おかえんなさい」に「ただいま」と応えると、彼も「ただいま」と繰り返す。カミさんが「それは言わんでいいんやで」と笑う。
風呂から上がると息子はプラレールのビデオを見たがる。最近はこれを見てから寝室に行くということになっているようだ。で、またこれが好きなんだな。これを見るためなら歯もおとなしく磨かせてくれるし、散らかしたオモチャも片づけてくれる。まだどれを片づけたらいいのかよくわからないようなので、片づけるべきものを指差して指示してやらなければならないが。でも、有り難いことである。
息子は、自分が座っている椅子の横を指差して、私に座れという。はいはい、いっしょに見ましょう。彼は、ビデオを見ながらカミさんが電車の名前を言うと、5音節以下ならばほとんどそのままの発音で次々に繰り返す。驚いたな。進歩したもんだね。少し前までは3音節もまともに言えなかったのに。
寝る段になると、自分が座っていた椅子に掛かっていたバスタオルを引っぱる。何をしようとしているのかと思ったら、椅子を片づけようとしているのだ。これも毎日の習慣になっているらしい。ちゃんと部屋の隅に押していく。いよいよ、彼が寝室に行くときがきた。「ばいばい」をする。カミさんが「そういうときは『おやすみなさい』て言うんやで」というと、そう繰り返す。階段のところでこちらを覗いて、名残惜しそうにしている。……なんだか、幸せだな。
■2月17日(水)
けっきょく『餓狼伝』は昨日、家に帰ってから読み終えてしまった。連載中に立ち読みで(おい)追っかけてたこともあったしね。おかげで、風呂に入るのが遅く(朝早く?)なってしまった。
風呂から上がると、カミさんが居間でうつ伏せになって本を読んでいた。高村薫氏の「李歐」らしい。「こんな凄いヤオイ、読んだことない」などと言いながら読んでいたりする。そ…それは、筆者の意図通りなんだろうか?
昨日の朝も体調が悪くて機嫌が悪そうだったので(いま考えれば、何でそんな時間まで起きていたのかという大いなる疑問は感じたりもするのだが)、背中を揉む。「ふにゃ〜ん」と言って身体が伸びる。首筋から足の裏までマッサージさせていただく。いや、足の指まで揉んだな。少しでも元気になってほしいものである。
昨夜、カミさんがこのページを見れないと言って怒っていたが、やはりまたトラブっていたらしい。どうしたんだ、NIFTY。そういえば昨日、ウチの会社でNIFTYユーザーの同僚二人と話していたら、二人とも最近はまったくNIFTYを使用せず、モデムを使うのはインターネットだけになっていると言っていた。メールのチェックさえしていないらしい。もうそういう状況になってきているのか。だったら、本当に危機感を持たねばならないかもしれないな>NIFTY
この二人が共通して言っていたのが、ログが溜まってどうしようもないということ。それは私も感じていたことである。で、質を維持して量が増えているかというと、私の実感としては否定的なのである。量が増えるにつれ、読まなきゃよかったと思うような発言が増えているような気がする。やはり、通信するための敷居が低くなってレベルが落ちてきたということなんでしょうか。インターネットだと(掲示板は別として)内容は主宰している人に依存しますからね。読みたい人のところだけ読むことができる。読む必要のないページは無視するだけ。(1日にアクセス数が10程度のページでこういうことを書いているというのは、最低に情けないような気がするぞ)
まあ、NIFTYにもコメントリンクを利用した「会話、掛け合いの面白さ」というものはあるのですが、どうも最近、面白い書き込みができる人はインターネットに逃げてるんじゃないかというフシが。まあ、NIFTYから逃げてきた人間が言ってることですから、話半分で聞くように(笑)
今日は通勤時に「月の物語」収録の横田順彌氏「落葉舞」、岡本賢一氏「月夢」を読んだ。「落葉舞」は押川春浪シリーズの作品である。なんだか、ほとんど雑誌の隔号連載みたいなっているような気がするな。読み慣れてくると、明治期の雰囲気がなかなかよろしい。ぢつは私は時子さんのファンだったりするのである。古風な雰囲気がたまりませんな……って、何か心に傷でもあるのか>私
「月夢」は怖がらせるアイデアとしてはなかなか良いと思うのだが、このネタだったらもっとサービスして怖くできるんじゃないかと生意気にも考えてしまったのだった。
う〜む、本の話を書くのにも飽きてきたので、別のネタで書こう。共同通信のニュースで「米軍病理学研究所がアラスカの永久凍土からスペイン風邪の犠牲者の死体を掘り出して病原体ウイルスを分離した」というニュースがあった。そうか、今はそういうことができるんだな。でも、そういうモノは生物兵器として使ってほしくはないねぇ。「ウイルスの起源解明」のため、とか言ってるらしいけど「米軍病理学研究所」と聞くと、どうしても…… 80年前のウィルスだから免疫を持っている人間はいないだろうし、2000万〜4000万人が死んだというくらい強力なヤツらしいからねえ。科学的興味よりも危うさというものを感じてしまう私だった。
今日は、昼までに見積もりを作ってメールで送る仕事と、17時までに宅配便で送る資料を作らなければならない仕事が最優先であったので、それが終わるともう仕事をする気が無くなっていた。たまには早めに帰ろう。カミさんの妹さんからWOWWOWの番組を録画するように頼まれていたのだが、テープが弛んでいたのか録画に失敗してテープを傷めてしまっていたので、代わりのテープも買わねばならないし。預かっていたのと同じ製品を買わないといけないからな。
家に帰ると、今日も息子が階段の踊り場のところから覗いて出迎えてくれた。なんだか、足元がおぼつかないように見える。疲れているらしい。居間に入ると、私の脚に抱きついてくる。カミさんが「抱っこしてやって」と言うので抱き上げる。彼は大喜びである。やはり高いところが好きなのだ。私の身体をよじ登る。手足でしっかり掴まって登ってゆく。運動能力の進化を実感する。頭上の電灯に手を伸ばす。触れたのでキャッキャッ言いながら喜ぶ。
私が着替えるために階上に上がるのといっしょに寝室に上がってくる。私が着替えている部屋に入ってきて寝室にいるカミさんに「ばいばい」をする。おいおい、そんなことしていいのか? 私が着替えて寝室に入っていくのについてきたが、カミさんが隠れていて見えないのに気づいて「かーちゃん、ない」と繰り返して泣きベソをかく。さっきは「ばいばい」していたくせに。
これを書いていると、WOWWOWで「前田日明〜UWF伝説〜」という番組をやるのを思い出した。録画しなくちゃ……ちょっと頭が切れちまったか。思わず見入ってしまいますなあ。おお、ドン・ナカヤ・ニールセン戦だ。あの試合、テレビで見てたんだよな。アントニオ猪木の異種格闘技戦の前座だったから。あれは凄い試合だった。あれを見て「プロレスラーって強いんだ」と実感したんだからな。あのレスラーが総合格闘技界でカリスマの前田日明だったというのを知ったのは、それからずいぶん後だったのだが。見た直後にはこれは永久保存版だぁと思っていたのだが、メーンイベントがしょっぱい試合だったので白けて消してしまったのが何としても惜しまれる。責任取れ>猪木
■2月18日(木)
今朝は雨が降って暗かったので、ちょっと寝過ごした。息子は昨夜早く寝たので、それほど寝起きは悪くない。目をこすりながら起き上がり、私を認めるとこちらに歩いてきて抱きついてくる。まだ足元がおぼつかない。そうかそうか、こんな馬鹿な父親でも慕ってくれるんだな。パジャマを着替え、彼の手を取って階段を下りる。彼は2階の踊り場のところで、カミさんが1階の洗面所から出てくるのを見つけて、上から「あかえり」と声をかける。こらこら、帰ってきたんじゃないって。
今日は出勤時に「月の物語」収録の北野勇作氏「シズカの海」を読んだ。むむ、これはすごい。淡々とした描写で、ふつうの世界で、特に大事件が起こるわけでもないのに、つまらないと思えない。何かが心に残る。この文体に入り込んでいるので、なかなか次の作品に入っていけなかった。これは、私もあの「時代」に生きていたからなんでしょうか?
帰りには、次の作品の牧野修氏「蜜月の法」を読んだ。これは「シズカの海」とはまったく逆で「異世界の構築」である。文体も正反対だしな。これはこれで、ただならぬ力量が必要とされると思う。これほど対照的な作品が並んでいるというのは、何というか、すごいことだなあ。
ちょっと書いたのが少ないような気がするので、また話題を変えて(笑)、子供の頃に読んだ漫画で片目ずつ瞑って半分ずつ眠れば、ずっと起きていられるというのがあった。そのときは「バカなことを…」と思っていたのだが、何と、そういうことをしている高等動物がいるらしいのである。Natureのサイトで2月4日の日本語抄録を見ていて知ったのだが「鳥類は、危険な状況でも眠れるよう、片目を開け、脳半球の一方を目覚めさせたまま眠る能力を発達させてきた」らしいのだ。事実は漫画よりも奇なものである。
……と、ここまで書いて居間に上がっていくと、カミさんはまだ電話をしている。何だかまた「イニD」の話で盛り上がっているようである。まあ、こういう話で盛り上がれる相手ができたということは、いいことなのか、悪いことなのか…
カミさんがインターネットをしている横で見ているときに、彼女の足の裏が見えたので触ったら「カっ!」と威嚇された。思わず、土踏まずを指圧する。それでその場が治まったのでやめたら、足の裏をこちらに差し出してくる。どうやら「指圧せよ」との仰せらしい。言いつけ通り、足の裏を押す私だった。
■2月19日(金)
うっわ〜〜っ!
今回の黄昏流星群は、
男同士だあああああああぁぁ..
しかもオヤジ
……失礼しました。ちょっと動揺してしまったもので。しかしこの前、女装ネタをやってたと思ったら、もうそこまで行くのかい。
今日出た最新号が二話目で、前号が出たときにもカミさんには話していたのだが、こういうことになるんだったらそのときにここにも書いておくべきだったかな。まあ、話としてはマジメに中年男性どうしの愛を取り上げるのかもしれないけど……やはりマイノリティへの配慮が足りない発言かしら。別に本人同士が好き合っているならそれをどうこう言う気はないんだけど、それを見せられるのはちょっと勘弁してほしいと思います。個人的には。
さて、気を取り直して、例によって「月の物語」の話であるが、今日は眉村卓先生の「月光よ」を読んだ。う〜ん、ちょっと距離が開いてしまったかな。寂しいけれど。
おお、高橋葉介氏が書いている。「穴」である。少ないページ数だとマンガの方がツライかな。この作品も、最後の女が笑う場面で「ニヤリ」とさせられたが、これが限度だろうか。
夕食後、カミさんに啓×涼の小説を、なかば強制的に読まされた。……イタイ。なんだか読んでいて非常にツライ。キャラクター的に、あの二人がこういうことをしているというのは、とっても居心地が悪いのである。あの兄貴が弟の胸に顔を埋めているなんて…男同士ってのは、もともと不自然なんだから、やはり読んでいて納得できるカップリングでないと……って、まるでヤオラーみたいぢゃないか>ヲレ(泣)
おお、いま見たらアクセスカウンタが300を超えていた。少しは回転が速くなったかな。まあ、焦らずぼちぼちいきましょう。
■2月20日(土)
3月発売予定の「小説Dear+」に載る「美貌の食卓」のイラストのキャラデザが上がってきた。やっぱり巧いや。さすがにプロの仕事である。カミさんも、送られてきたFAXを何度も取り出してきてはニタニタしながら見てたから、気に入ったのだろう。
ヤオイ界では新人作家の小説の評価はイラストによって大きく影響されるというような意味のことを言ってたしなぁ。最近の音楽がタイアップ曲しか売れない状況なのもそうだけど、一般の人たちの選択眼ってその程度のものなんでしょうか。まあ、最終的には金を出して買う人間がいちばん偉いんだけどね。
◇ ◇ ◇
夕方になって、息子が保育所から帰ってきた。「ただいま」と言いながら玄関に入ってくる。靴を脱いだら、ちゃんと自分で揃える。ふうん、そういうことまで躾けられているのか。保育所から帰ってきたときはいつも、普段よりずいぶん利口になっているように見えるのは気のせいだろうか。カミさんが車をガレージに入れて玄関から入ってくると「おかえりしゃい」と声をかける。おいおい、いっしょに帰ってきたんだろう。
居間に入ると、さっそくプラレールに添付されていたカタログを読まされる。読まされるといっても、最近は本を持ってやって彼が何か喋っているのに相槌を打つだけなので、だいぶ楽になっている。表紙のある一点を指して「め」、「め」と何度も繰り返す。何を言っているのか理解できない。カミさんが「あ、これ『ゆりかもめ』よ。5音だから発音できなくて最後の『め』だけになってるの」と言ったのでやっと理解できた。まあ、確かに「ゆりかもめ」というのは覚えにくいとは思うけどね。
発音が短くなるのもあるが、ちょっと変わってしまうのも多い。「スーパーひたち」は「あたち」で、なんだかイタチみたいだしねえ。
息子はちょっとしんどそうである。体温を測る。「つべたいで」と言いながら体温計を脇の下に入れると、「ちゅむたいな」「ちゅむたいな」と何度も繰り返す。
カミさんが、夕食の材料と早売りの「ヤンマガ」を買いに行っている間、プラレールに付属していたビデオを見る。最近はこれを観るのが息子の最大の楽しみなのである。ビデオが終わってテレビを消すと、母親がいないのに改めて気づいたようで、部屋の扉を指差して「かーちゃん、くる」と繰り返す。「母ちゃん、すぐ帰ってくるで」と言うのだが、納得しない。慰めようとすると「ばいばい」と言って私に手を振る。この野郎。彼は一人で扉を開けて外に出ていく。先日、階段から転落したので放っておくわけにもいかない。階段の踊り場のところで玄関の方を指差して「かーちゃん」と言う。「いないじゃないか」と言っても納得しない。玄関に下りようとするのでいっしょに下りる。洗面所の扉を開けようとする。入れてやったが、母がいないと今度は風呂場に入ろうとする。いない。また泣く。こんどは玄関に出て、扉の外を指差す。抱き上げて外に出て「ほら、居てへんやろ」と言い聞かせる。どうやら彼も万策尽きたようである。ベソをかいているのを、抱いたまま居間まで連れて上がる。泣き続ける。始末に負えない。
家の外に自転車を停める音が聞こえた。「母ちゃんや」それを聞くと、パッと表情が変わる。急いで立ち上がり、出迎えに駆け出す。慌てているので階段のところで手すりに頭をぶつけたが、泣きながら下りてゆく。カミさんは、家を出る前に言ってたよりかなり遠くのスーパーまで回っていたようだ。
息子は、夕食のときも妙に調子が悪くてゴネる。カミさんが「体調が悪いからといって他人に当たるんじゃない!」と怒ったのに私がプッと笑ったら、彼女は「自戒を込めて言ってるのよ」と付け加えた。けっきょく、今夜は風呂に入れずに寝かせることにしたのだった。
◇ ◇ ◇
そういえば、にしき義統氏が「星界の紋章」にハマったらしい。同人誌を出したいようなことを言っていた。……欲しいかも。でも、あの王女様も巨乳になっちゃうのかな。あの人、巨乳が好きだから。
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