1999年3月下旬の日記

■3月21日(日)
今日は、一日中寝ていた。昼頃に目を覚ましたが、階下で息子の泣く声が聞こえる。熱があるそうである。カミさんが抱いてあやすが、泣きやまない。二人がかりで抱いたり背中をさすったりして、やっと泣きやんだ。けっきょく、今日はずっと37度台の熱があったのだった。

食事が済むと、カミさんが息子を寝室に連れていく。私は紙オムツを買うように言いつけられたが、フラフラするので少し休んでいたら、またも居間で寝てしまっていた。カミさんが下りてきて「寝室で寝てきたら? シンちゃん(仮名)が起きたときにも、側に誰かいた方が安心するだろうし」と言う。言葉に甘えて寝室に行く。

隣に寝ていた息子が泣き出した。「かーちゃん、くる」と繰り返す。さっき、ガレージの扉が開く音がしたような気がするから、たぶん母ちゃんは居ないんだよ。抱き上げてなだめる。そのうちに私の布団の上で横にしたら、また寝てくれた。息子の熱い躰を抱きながら眠る。

目が覚めると夜であった。食欲がないので食事は後にしたが、息子を寝かしつけると一緒に寝てしまう。けっきょく、私が今日食べたのはパンが少しだけだった。寝かしつけようとしたら、息子にはかなり嫌がられた。「ばいばい」とか言われる。いっしょに寝室に上がろうとすると、泣いて嫌がる。寝室で寝かせて絵本を読み出したら大人しくなったが。寝るときに限らず、どうも全体的によそよそしい。どうしてこんなに嫌われるようになったんだろう。先週、あまり会えなかったからかなぁ。

今の仕事について書くのは、思い出すと腹が立つのであまりやりたくないのだが、書かなければ話が進まないので書くことにする。実は、来週は遠方の客先にずっと詰めなければならなくなったので、出張になるのである。なんせ、片道2時間以上かかるので、身体が保たない。だから、このページの更新もできるかどうかわからないのだ。

そこで、金曜日に早く退社して
Librettoに入れるモデムカードを買いに行った。まず中古のコーナーに行くと56k(Windows、Mac対応)が\6,800だった。これが高価いか安いか判断がつかなかったので、新品のコーナーに行くと、なかなか見つからないのである。やっとのことで見つけて値段を見ると、\12,800!! これは中古を買う一手だと中古の売り場に行くと、にーちゃんがそれに手をかけて店員の説明を聞いているところだった。よっぽど強奪しようと思ったが、たぶん喧嘩になるからなあ。けっきょく、彼はそれを買ってしまったのだった。で、かなり迷ったが新品を買ってしまったのである。閉店時間になってしまったし、また翌日以降に日本橋を回る気にはなれなかった。探しても同じものが同じ値段で買えるとは限らないからね。人間、余裕がないと、いかなる悪条件でも受け入れてしまいがちである。肝に銘じておこう。

ということで、モデムカードは買いましたが、状況によっては通信できないことも考えられますので、このページの更新は最悪の場合27日まで行われない場合があります。ご了承下さい。

モデムカードを買う前に入った中古レコード屋に露崎春女さんのベストアルバム「SPECIAL」が出ていたので買った。店で見た瞬間、「買うぜ買うぜ買うゼ〜!! たまらん!! くわッ!! (c)スタパ齋藤」という状態になってしまったのである。やはり巧い。

来週より遠方の客先に詰めて仕事をするので、仕事用のノートパソコンを持って帰ったのだが、重かった。今みたいに薄型が流行る以前の製品なのである。日本橋を回ったので、かなりの距離を歩いたからな。火曜日にはこれとお泊まりセットを持って満員電車に乗らねばならんのか。

持って帰ったついでに、昨日、職場のパソコンに入っているデータを個人的にバックアップすることにした。我が家で大容量のリムーヴァブル記憶装置というと、PDになってしまうのであるが、これはMacのデスクトップに繋がっているのである。Mac上でVirtual PC(簡単に言うと、Macの上でWindowsを動かすソフト)を立ち上げ、EthernetでWindows同志をつないでノートのデータをMac上のVirtual PCのディスク領域にバックアップし、それをMacのPDに保存することにする。接続がなかなかうまくいかなかった。Virtual PCでEthernetにつなぐためには、Virtual PCがエミュレートしている特定の装置用のネットワークアダプタとかを入れないといけなかったらしい。だが、繋がってしまうと、あたかも相手のディスクが自分のディスクのように見えるのでラクである。やはり、コンピュータ同志がつながるってのはいいですねえ。



■3月22日(祝)
今日、出張先に
Librettoを持っていってホテルでインターネットするため、入っているデータをバックアップしようとしてMacに繋いだら、Mac(上のVirtual PC)がネットワークを認識しない。朝方、妻子が起きだす前からいろいろやっていたのだが、解決したのが17時半…半日以上潰れてしまったぜ。原因は、Virtual PCのマニュアルで必要だと書いてある以外のネットワークアダプタを削除してしまったせいだった。「検出されたネットワークドライバ」というのと両方が要るのね。ちゃんと書いとけよ>マニュアル。

息子は今日も調子が悪い。20時頃には39度台の熱が出た。夜中に起きてきたが、かなりしんどそうである。ぐったりしている。「おなか、いたい」とか言いだした。食欲もない。病院に連れていくことにする。23時頃に家を出る。だが、彼は自動車に乗るとなんだか元気になってしまった。まあ、興奮してるだけなんだろうけど。

市民病院に着くと、けっこう人が待っている。息子はかなり緊張気味である。初めての場所だし、子供の泣き声も聞こえてるしね。診察は、みんな短時間で終わっているようだ。緊急を要するかどうかの判断だけなんだろうね。でも、あれで3千円(ということは、保険がなければ1万円)というのは酷いと思うぞ。診察結果は「扁桃腺が腫れてますね。それでお腹にもきたんでしょう」ということだった。

帰ってきたら翌日になっていた。まだ出張に関しては何の準備もできていない。大丈夫か? 息子は、自動車に乗って元気になってしまったので、カミさんはネットサーフィンを始めた。そのうちに息子が疲れてきたので、私が寝室に連れていって寝かせる。で、そのまま眠ってしまうのだった。ああ、まだ明日の準備、何もしてないのに…

そして、翌日は5時に起きてLibrettoに必要なソフトは入れたが、まだテストもしていない。いちおうインターネットに繋がることは確認したが…



■3月23日(火)
今朝も息子は調子が悪い。39度台の熱があるという。病み上がりの妻と高熱を出している息子を置いて仕事で家を長期間空けるとは、何と辛いことだろう。しかもその仕事が気が重いものであれば、なおさらである。

昨夜は息子といっしょに寝てしまったので、今朝は5時頃に起きて出張の準備を始めた。Macからインターネットの接続に必要な情報やアクセスポイントの電話番号データをLibrettoに移す。それから、当面不要なデータを削除し、仕事に必要なソフトをMacのCD-ROMからインストールする。で、NIFTYのメールを読むためのソフトを探し、手元にない(WindowsのCD-ROMはあまり持ってない)ので適当なのをインターネットから落とした(ニフマネは14メガ以上あるんだからなあ。気違い沙汰だ)。時間がないので動作テストどころか使い方も確認してない。そして、Librettoにモデムカードを接続して認識させ、簡単にインターネットの設定をして繋いでみる。繋がった。これでモデムは正常に動作することが確認できた。そして、一昨日の朝に落としてきたFTPソフト(ホームページのデータを上げるためのソフト)をメビウスからLibrettoに入れる。これも、インストールも動作テストもまだである。文字どおりハードディスクに入れただけ。そういえば、昨夜は寝る前にウンチもしたかったのだが、できなかったな(笑)。

そうこうしていると、日記を書く時間が1時間もない。慌てて書く。ほとんど殴り書きである。読み直す時間もない。とても他人様にお見せできるような代物ではないだろうな。暇があったら直したいのだけれど、そういう暇はないような気がする。目に余るものは気がついたら直すだろうけど、たぶんこのままだろう。まあ、あのままでも当時の混乱ぶりがうかがえてよろしいのではないでしょうか(笑)

書いてるうちに気がついたのだが、私はホームページのファイルの拡張子を「.html」にしているのけれど、ひょっとしてこれはWindowsでは扱えないのではないだろうか? たぶん、落としてくると「.htm」になってしまうような気がする。ここにはいっぱいリンクが張ってあるから名前は変えられないし。ftpソフトが対応してくれなければ、Librettoからの更新は無理だな。

昼休みに電話をかけたら、息子は今朝かかりつけの医者に行って、もらった薬を飲んだら大量に汗をかいて症状はかなり改善されたらしい。これで一安心かな。お義母さんも来ていただいているらしいし、ありがたいことである。

仕事が終わったのは22時であった。まだ食事をしていないのでホテルに行く途中にコンビニに寄る。ホテルの略図で探して行ったのだが、略図だと位置関係が正確でないので、歩いてみると悲劇的に遠かった。ホテルに着いてフロントで聞いてみたら、すぐそこにあるという。どっと力が抜けた深夜であった。

ホテルの部屋の電話機のコードには割り込む隙がない。これでは通信するためには外に出てグレ電を探すしかないか。探してみると、すぐそこにグレ電の電話ボックスがあった。ラッキーである。部屋に帰って通信の準備をしていたら23時を過ぎてしまった。外に出て通信してみると「回線が使用中」のエラーが出てつながらない。テレホタイムに入ったせいだろうか。何度もやってみたが状況が変わらないので、あきらめて部屋に戻ってコンビニ弁当を食べる。再度外に出て通信するが、ずっと同じエラーである。もう12時半だからピークは過ぎてると思うんだが……というところで気がついた。家で通信したときの設定から電話番号を変えただけだったので、ダイアルが「パルス」のままだったのである。やはり公衆電話は「トーン」だよねえ。大ボケである。変更してみると一発でつながった。とりあえず、ニュースのサイトなど最低限回るべき所を巡回して、自分の日記のトップページのデータを落として(持ってきてなかったのだ)通信を終わる。電話代は160円かかった。得られた情報からすれば、安いものでしょう。ただ、寒いし、無理な姿勢でやっていたので腰が痛くなった。

通信を終え、Librettoをサスペンドさせて部屋で復帰させると、いきなりエラーが出て凍ってしまった。再起動も効かない。ソフト的な操作は受け付けなくなっているようである。電源ボタンを押してみると、ピーピー鳴りっぱなしでリセットも受け付けなくなってしまった。ったく、Windowsというヤツは。けっきょく、電源コードを抜き、バッテリーを外して殺したのだった。



■3月24日(水)
なんとかホームページの更新はすることができたようである。けっきょく、拡張子は「.htm」のままでホストに上げて、前のファイルを削除してから名前を「〜.html」に変更すればよかったのだ。しかし、
こんな小さな機械でネットサーフィンをしたり、さらにはホームページの更新までできるとは、すごい時代になっているものである。ただ、これがMacであれば言うことはないのだが…

今日は一日中仕事漬けだったので、あまり書くことがない。客先に行って現行の業務のやり方を見せてもらっていたのだが、ずっと立って見ていたので疲れた。腰が痛い。歳だな。昔は、本屋で半日立ち読みしていても平気だったのだが…まあ、楽しいことと辛いことでは身体の疲労度も違うんだけどね。ところで、この客先の女性はぽっちゃり型が多い。やはり採用担当者の趣味の反映であろうか。「ぽっちゃり」を通り越した堂々たる体型の方も半分くらいいらっしゃるように見える。微乳好みの私にはちょっと辛い職場であるな。

息子は、薬が効いているせいかもしれないが、かなり元気になったようである。今日は、外に連れて行けと言って、母親を困らせたらしい。明日は保育所に連れていこうかと言っていたが大丈夫かな。

「ラブホテルAV女優射殺事件」ですか。なんだか、TVドラマのような話ですな。あいにく、私はこの方の出演したビデオは観ていないのですけどね。ロリ系だったらしいから、好みだったかもしれないが(爆)…でも、享年22歳で、AVに出演してたのが2年前らしいから、そのときに申告してた年齢には興味があるな。AV女優の実年齢なんて、なかなかわからないものですからね。

桂枝雀師匠が自殺を図られて重体、というニュースが飛び込んできた。大ショックである。私の知る限り、あれほど面白い落語を演る人はいなかった(関西人である私にとって、東京落語は「ヌルい」以外の感想はない)。あの方も、小米時代に鬱になってかなり苦しまれたらしいですから、それが再発したんでしょうか。克服されたように見えても、またやってくるものなのですね。そこまで突き詰めて物事を考えられる性格だからこそ、それを乗り越えたときにあれだけ突き抜けた笑いというものが表現できたのだとは思うのですが(あの方の突き詰め方の凄さというのは、いろいろとエピソードが残っている)。とにかく、復帰されてまたあの噺を聞けることを切に願います。



■3月25日(木)
今日も一日中仕事漬けだったので書く事がない。まあ、仕事するために出張してるんだから、当たり前といえば当たり前なのだが。今日は何回か家に電話をかけたのだが、カミさんは出なかった。大丈夫なんだろうか。

書く事がなければ、むりやり話題を作るのである。
natureのサイトから落としてきた記事を読んでいると、クジラの進化についての論文の日本語抄録が載っていた。それによると、クジラというのは有蹄類(馬や鹿の類ね)に属しているらしいんですが、その中でもクジラ、ウシなど反芻動物やカバには存在するがラクダやブタには存在しない遺伝子が見つかったらしいんですな。ですから、クジラと反芻動物とカバはほかの偶蹄目とは違った共通の祖先をもつということらしいです。海に入る前のクジラには蹄があったのでしょうか。

今夜は、Librettoの設定なども終わっているので、テレホタイム前にインターネットできた。だが、それほど劇的に早いというわけでもないな。電話代は3日で500円をオーバーしてしまった。1ヶ月やると5000円か。ちょっと多いかもしれないな。

ホテルの空気は乾いている。朝起きると喉が痛い。



■3月26日(金)
今日は、私の担当の業務のヒアリングであった。結果を議事録にまとめねばならない。月曜日もヒアリングの予定があるし、土日を過ごすと結果を忘れてしまう危険性があるので、今日中にまとめねばならない。客先から帰ると20時近かった。それから入力を開始する。今日は大阪に帰らねばならないので、あまり遅くまでは居られない。最終の急行に間に合う時刻ギリギリまで粘ったが、けっきょく完了しなかった。仕事場を飛び出し、駅に駆け込んで電車に飛び乗る。帰りの電車の中で「
異形コレクション グランドホテル」収録の難波弘之氏「ヴァレンタイン・ミュージック」を読んだ。現在は「男を探せ」を読んでいる途中なのだが、長期間の出張なので小松先生の作品は読みやすくてすぐに読みおわってしまうと困るので「グランドホテル」を持ってきているのだ。この作品はカミさんの評価は高かった。私は、最初は文体に引っ掛かりを感じたのだが、最終的には結構ゾクゾクさせていただきました。

一作読み終えると、Librettoで昨日と今日の日記を書く。疲れが溜まっているので、細かい字を見ながら入力していると、ちょっと気分が悪くなった…ああ、難波に着いたか。乗り換えて田中文雄氏「冬の織姫」を読む。うーん、これはホラーじゃないよなぁ。

息子は木曜日に熱がぶり返したので、昨日はカミさんの実家に身を寄せていたらしい。電話をしても通じないわけだ。

今日、5月10日に出る予定の小説ウィングス文庫対なる者の証」のゲラがようやく送られてきたらしい。カミさんは「私はともかく、若島津淳さんが大変じゃないの。これから同人誌の原稿に入るのに。私は最終稿は去年出したのよ」と怒っている。

Librettoで書いた日記を編集してここに上げるためにはMacに持っていかなければならない。そのためには、フロッピーに入れなければならない。(Ethernetで繋ぐのも面倒臭い)私はLibrettoのフロッピードライブは持っていない。LibrettoからはPCカードにしか出力できない。PCカードとフロッピーディスクが両方扱えるのは、我が家では今のところメビウスしかない。
簡単に書くとこういうことだ。
 Libretto PCカード メビウス フロッピー Mac ホームページ
そのためだけにメビウスを起動してシャットダウンするというのは、なんだかすごく情けないような気がする。

もう、桜が咲いていますね。



■3月27日(土)
昨夜、家に帰り着いたときにはフラフラであった。昨日は久しぶりに集中して仕事をしたので(おいおい)疲れた。でも、インターネットはしたいのである。カミさんがネットサーフィンした後、毎日巡回しているところと出張中に行けなかったところを廻り、日記を校正して上げる。日記を書いている最中にも何度か気を失ったので、けっきょく床に入ったのは朝と言ってもいい時間だった。そういえば、
カミさんのマシンNetscapeの初期設定ファイルがまた壊れていた。私が無理矢理テキストエディタで開いてテキトーに修復したが、普通のユーザだったらそんなことはできないので、初期設定全体が飛んじゃうから最初から設定のやり直しになってしまうんだけどねえ。ウチのマシンだけの問題だろうか。メールの既読ポインタもリセットされちゃうみたいだし。

今朝も息子が最初に目を覚ました。起き上がり、カミさんの布団のところに行って「おきて〜」とか言っている。私はしばらく寝ていたが、カミさんが起き上がりそうな気配がないので起きる。彼女は昨夜、かなり早く寝たはずなんだけどねえ。私が起き上がると息子は「ちょーだい」と言って半纏を渡してくれる。うーん、他人が帰ってきたときにも「ただいま」とか言ったりするし、まだ状況の判断はできても「立場」というものがわかってないのかね。

いっしょに階段を下りる。居間に入ると、息子は自分の半纏を指差して「はんてん、つける」と言う。着せてやると「いっしょや」と言った。そうかそうか、私と同じものが着たかったんだね。

朝食を食べさせる。例によってインスタントの野菜スープとふりかけと納豆である。私が納豆のパッケージを開けると「おいしそー」と言う。うーん、そういう予測もできるようになっているんだね。納豆をかき混ぜていると、食わせろとせがむ。口に入れてやると「おいしーね」と言う。まだタレも入れてなくて味もついてないのだが、それでも美味しいのかね。

しばらく一緒に絵本を読んだりオモチャを使ったりして遊ぶ。やはり、絵本を読んでいると眠くなる。何度か意識を失った。カミさんは昼過ぎになってやっと起きてきた。こちらもしんどそうである。一家そろって体調が悪いのである。困ったもんだ。こういうときに補い合うのが家族というものなんだけどね。

息子はまた熱が出てきたようである。なかなか良くならないねえ。扁桃腺だから長引くらしいのである。私も子供の頃はよく扁桃を腫らしたからねえ(今でもよく腫れる)。遺伝なんだろうねえ。すまんなあ。

カミさんが息子と一緒に昼寝をしている間にレンタルビデオを借りに行く。自転車に乗ると、身体が鈍っているのに気づく。出張中はほとんど歩いてないし、自転車にも乗らなかったからねえ。齢を取ると、身体が錆びつくのが早い。

夕食時にもカミさんはどうも調子が悪そうである。食事を始める直前になって「ちょっと横になっていい?」と言って横になってしまった。頭が痛いようである。息子は「かーちゃん、おきて〜」と言って彼女を起こそうとする。こらこら、母ちゃんはしんどいんだよ、と言っても通じない。これだったら、寝室で寝た方がいいと思うんだがなあ……と思っていたら、やはり耐えきれなくなったようで寝室に上がっていった。明日は息子の保育所のお別れ会があるし、明後日から私はまた出張なのである。大変だあ。まあ、私が居なくてどうしようもないときに倒れるよりも、何倍もマシなんだけれども。

息子に食事を食べさせ終えて、後かたづけをしていると、息子がウンウン言っている。なんだか悪い予感がする。目が合うと「うんち、でた」と言いやがった。出す前に言ええええ〜〜っ。後かたづけをしていて手を離せないので、しばらく待たせる。お尻拭きを探すが見つからないので、新しいのを出した。けっこう良い練り加減のウンチであった。でも、お尻の間にネッチョリと挟まっていたので、かなりお尻拭きを消費した。

日本テレビ系「夜はヒッパレ」を録画しようとしてテレビをつけたら、もうすでに始まっていた。あら、今日は2時間スペシャルだったのね。しかし、EVEと渡辺真知子庄野真代と麻倉未稀だなんて……なんという贅沢な組み合わせだ。他があまり大したことなかったので、別々に演ってくれたほうが良かったんじゃないかとも思ったが、まあこういうものはこういうときでもないと滅多に見れませんからね。それに、この中に下手なのが混じったりすると…考えるだに気分が悪くなるな。まあ、コンセプト的にそういうことはしないだろうけど。で、番組の最後に出演者全員で歌ったのだが、あの中でみんなよりも上のパートを歌ってる人ってのはカッコいいよねえ。…でも、MAXって意外と上手かったのね。踊りだけかと思ってたんだが(失礼)。これだったらSPEEDなんかよりもよっぽど上手いじゃん。

寝室で寝ているカミさんを起こすといけないので、息子がじゅうぶん眠くなるまで粘った。寝たいようなことを言いだしたので、身体を拭いて歯を磨き、寝室に連れていく。カミさんは起きていて、電気を点けていいと言ったので明るくしたが、どうも彼は機嫌が悪い。「いらんの」と言ったので本も読まずに電気を消す。泣くが、こういう状態になったら要求することをしてやっても「いや」とか言いやがるので無視である。母親に向かって「だっこして、ほしいの」とか「おちゃ、おちゃ」とか言うが、ムリヤリ寝かせる。すっかり息子に嫌われてしまった夜であった。



■3月28日(日)
昨夜は息子と二人だったのでインターネットできなかった。息子を寝かしつけてから起き出すなんて芸当、私にはできないし。で、今朝は早起きしてネットサーフィンしたのだった。でも、あまり早く起きられなかったな。ありゃりゃ、某所の掲示板に昨夜のカミさんの書き込みがあるぞ。いいのかよ、ったく。

今日は、息子が行っている保育所のお別れ会なのである。カミさんは何とか復活したようだ。3人で車に乗って保育所に行く。息子は、途中で
アーバンライナーの車両(たぶん回送)が見れてゴキゲンである。今日はツイてるみたいだね、キミ。

保育所に着くと、おめかしして来てる同じ組の女の子が「シンちゃん(仮名)」「シンちゃん(仮名)」と言ってくれているのに、彼は応じようとしない。「あーばんらいな!」(「アーバンライナーを見たんだ」)とか答えている。おいっ、他人の話はちゃんと聞け。そんなことをしてると将来女の子にモテないぞ。まるでオタクじゃないか。誰に似たんだよ、まったく。

息子は久しぶりの保育所なので、異様にテンションが高い。「出し物」ということで、いつもやっていることをみんなの前でやるのだが、走り回る走り回る。挙げ句の果てに、彼よりも年長の組の「出し物」のときにも乱入して走り回っている。声もいちばんデカかったりする。しかし年長組に入ると、身体の大きさは変わらないのだが、プロポーションがぜんぜん違う。アタマがデカい。これは月齢の違いか、それとも……

カミさんはなんとかお別れ会の後の全体会に出席できそうだというので、私が息子を連れて電車で帰ることにする。途中で食事をしなければならないのだが、できれば電車が見えるところで食べさせてやりたいものである。駅の見えるところに来ると、ちょうどアーバンライナーの車両が停まっているところだった。息子は「あーばんらいな!」と大喜びである。良かったねえ。しかし、どうも電車の見えるところで食事できそうな店はなさそうである。だったら、駅前のスーパーでパンでも買って駅のホームで食べることにしようか。スーパーに入るが……なんだか、すごく高価いぞ。これじゃ、コンビニと変わらないじゃないか。けっこう大手のスーパーなんだがな。建物はたいそう立派なんだが、これで客は来るんだろうか。

スーパーのテナントに入っているパン屋でパンを買い、スーパーで特売のドリンクヨーグルトと野菜ジュースとお茶の紙パックを買って駅に入る。ホームの水道で、二人で手を洗う。手を洗わせてから水を止めようとすると、息子は自分で止めるという。これも自分でやりたいんだねえ。保育所でもそうしてるのかな。彼は、自分で蛇口をひねって水を止めた。最初に反対向きに回したのはご愛敬であろう。

ホームの待合室の電車が最もよく見える椅子に息子を座らせてドリンクヨーグルトのパックを持たせ、パンを食べさせる。ここなら風も冷たくない。暖房が入っているようなので扉は閉めなければならないと思うのだが、息子が電車を見やすいように彼の正面は開けておいた。いけない親である。彼は目の前を往き来する電車に夢中なので、自分で持って食べたいとも言わないし、口に入れられるパンについても選り好みしない。ラクである。食事に集中させなければいけないのかもしれないが。

息子は電車が来るたびに「ふつーでんしゃ」とか「きゅーこーでんしゃ」とか言う。これがけっこう当たったりする。ちゃんと判断できているんだろうか。食事を終え、また手を洗って電車を待つ。各駅停車を3台くらい見送ったことになるな。彼は家の最寄り駅に着いたときにはピョンピョン跳ねて元気だったのだが、商店街を歩いている途中で「おんぶ」とか言いだした。まあ、病気だからねえ。よく歩いた方だな。しかし、重くなったなあ、キミ。

家に帰っても息子は機嫌がいい。テレビを見ていると「あーばんらいな、みた。たのしかった」と言った。へええ、嬉しいねえ。でも「楽しい」という概念がわかっているのかね。わかってても一部だけなんだろうけど。

しばらくして寝たい様子を見せたので、寝室に連れていって昼寝させる。疲れていたのだろう。絵本も読まずに寝てくれた。いっしょに帰って父子の絆は強まったようである。目が合うとニッコリする。こういうことを繰り返していても埒があかないので私も自分の布団に入ったら、ほどなく寝てくれた。

夕方になってスーパーに買い物に行くために起こしたが、また機嫌が悪い。夕食時にも、母親に抱いていてほしいとゴネる。食べるなら椅子に座れと言うのだが、抱かれていたいのと食べたいの二律背反で泣く。椅子に座っても「いやいやモード」に入ってしまっているので、要求した皿が自分に近くに来ると「いや」と言って押しのけるし、「あ、そう」と離すと「ほしー」と手を伸ばす。これでは発振してしまうのである。つきあいにくいものだ。

これを書いてたら、カミさんに呼びつけられた。またNetscapeの初期設定ファイルが壊れたらしい。こりゃ、初期設定を削除してやり直した方がいいのかなあ。Netscapeのバージョンも変えた方がいいかもしれない。…復旧したときにはもう3時であった。明日はちゃんと出張に行けるんだろうか。



■3月29日(月)
昨夜は、けっきょく床に入ったのは午前3時半だった。ここのところ、ずっと気の休まる暇が無くて疲れているはずなのだが、なかなか寝付けなかった。でも、今朝も起きるべき時刻に目が覚めてしまったのだった。カミさんはまだ寝ている。目覚まし時計が鳴ったような感覚はなかったのだが、セットし忘れていたのだろうか。

朝食を食べていると、階上で寝室のドアが開く音が響いた。息子が起きたようである。私が迎えに行くと、彼は階段のところまでは来るが、それ以上こちらに来ようとしない。私に対して「ばいばい」する。そして「かーちゃん、くる」と言ってベソをかく。この野郎。放っておこうかとも思ったのだが、起き抜けでフラフラしているので、階段のそばにいると危ない。けっきょく、料理しているカミさんを呼びに戻ったのだった。

今日は保育所は遠足らしい。カミさんはお別れ会の後は春休みだと思っていたようなのだが、今月いっぱいは預かってもらえるそうである。働いているお母さんのための施設なのだから、それが当然なんじゃないかと思うのだが、冬休みや夏休みがある保育所も多いらしい。勤労女性がみんなそんなに休みを取れるわけではないはずなんだけどね。カミさんは朝一番で医者に行って、許しが出れば息子を保育所に連れていくつもりである。弁当を作っている。楽しそうである。これも、毎日になると鬱陶しくなるんだろうけどね。

今日からまた出張である。出張先に行く電車の中で寝ようかと思っていたのだが、やはり眠れない。で「異形コレクションIX グランドホテル」を読んでいた。まず倉阪鬼一郎氏「雪夫人」である。文章は巧いと思うのだが、ぜんぜん怖くないなぁ。飯野文彦氏「一目惚れ」も、アイデアは良いのだが「ふうん」で終わってしまった。それから、斎藤肇氏「シンデレラのチーズ」である。カミさんの評価は高かったのである。私も、今までの実績からして期待大なのである。そして、期待に違わぬ作品を見せてくれた。何がこんなに違うのだろう。イマジネーションの湧き方がぜんぜん違う。続けて本間祐氏「うらホテル」を読んだ。これも読み終わって何も残らなかったなあ。まあ、読む作品全てが印象に残る作品ばかりということはあり得ないんだけれども。そして榊原史保美氏「運命の花」。う〜ん、カミさんも言ってたけど、写真で逃げるのは反則だよなあ。読者の半分以上は、こういうものを見たくないんじゃないかと思うし(薄々の一般人の男の感覚としては)。



■3月30日(火)
昨夜は、ホテルの部屋でコンビニ弁当を食べ終わって、体が怠かったので「ちょっと休もう」と思って服を着たままベッドの上で横になったら……気がつくと外は明るくなりかけていた。まだ風呂に入ってなかったのでシャワーを浴び、起きるべき時間まで1時間ちょっとあったので正式に寝る。だが、やはり寝付けない。疲れているはずなのだが……良くない傾向だなぁ。ここ数十年、寝ようとして寝られないことなんて無かったのに(いや、寝るつもりがなくても…)。

出張先から我が家に帰ってきたのだが、今夜も最後の急行になってしまった。時間的に間に合いそうにないうえ、重い荷物を持っていて、雨まで降っていたので、歩いて10分足らずの距離にタクシーを使うというオマケつきである。

帰りの電車の中で「
異形コレクションIX グランドホテル」を読み終えた。読んだのは北野勇作氏「螺旋階段竹河聖氏「貴賓室の婦人津原泰水氏「水牛群菊地秀行氏「指ごこち井上雅彦氏「チェックアウト」ただそれだけ。どれも悪い作品ではないのだが、印象が…

SFオンライン賞の発表があった。7票で1位が獲れるとは、やはりSFファンというのは少ないのだな。でも、その中でも私の好みはやはりちょっと変わっているのかもしれない。私が投票した作品で1位を獲ったのはアニメーション部門の『カウボーイビバップ』だけだったからね。



■3月31日(水)
昼休みに職場近くの書店に行くと
「電脳炎」唐沢なをき)のコミックスが出ていた。なんと、マック版とウイン版がある。なんとあざとい…夕食を食べに出たついでに職場の近くのジュンク堂で立ち読みしたら、どうも巻末の解説(というのかな?)が違うだけのようである。

谷甲州氏の「VALERIA FILE」(C★NOVELS)を買った。谷甲州氏のコンピューターものというと、なんだか面白そうな気がしたのである。ただ、頭はそう思っているのだが、身体の方がそう思っていないようなのである。手に持ったときの感覚が、どうも楽しくない。小説本としては、ちょっと派手すぎるような感覚がある。さて、どちらが正しいのか。……しかし、1,200円か。新書版としてはかなり高価いな。こんなに立派な装丁でなくてもいいのにねえ。千円以上の本というのは、買うのに非常に抵抗があるのである。でも、パソコンの雑誌だと平気で買ってたりするなあ。ううむ。

今日中に作成しなければいけない資料がいっぱいあるので、今夜は仕事場から帰れそうにない。夕方に職場の近くで晩飯を食べることにする。ついでにジュンク堂に行く。今日はカミさんの「美貌の食卓」が載る「小説Dear+」の発売日なのである。出張中にカミさんのところに送られてきた「Wings」の予告からは、発売日の「ごろ」が抜けてたから大丈夫じゃないかとは思うのだが。でも、昼休みに入った職場近くの書店にはなかったからなぁ。まあ、ああいうビジネス客が主の書店にはなかなかないだろうけど。まだ創刊2号だから、アノ手の雑誌の中では書店から見るとだいぶ順位は下だろうからね。しかし、ジュンク堂は広すぎて探すのに時間がかかった。見つかったら、3冊分くらい平積みにしてあったんだけどね。

そういえば、今日はカミさんの誕生日だった。誕生日中には帰れなかったので、直接おめでとうも言えなかったし、プレゼントも買えなかったのだった。辛いことである。



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