1999年5月下旬の日記
■5月21日(金)
今朝は早めに起こされた。もう少し寝かせてくれ〜。カミさんが階下に下りていった後も、息子はカミさんの言いつけを守って私が起きるのを待っている。昨夜は体調が悪かったので早く寝たのだが、それでも起きるのが辛いな。起き上がって背中の湿布を剥がし、息子に隣の部屋のゴミ箱に捨ててくるように言う。何度か「ちがうちがう」とは言ったが、最終的にはちゃんと捨ててきてくれた。2年前にはろくに動けなかったのにねえ、もう他人の役に立つことができるとは…感慨無量だな。
今日も通勤時に「ホシ計画」を読むのだ。星野幸雄氏「うつつ」は、何ということのない話なのだが、いい感じだった。五十嵐裕一郎氏「早すぎた驚愕」もなかなか良かった。パターンではあるのですけどね。あと、深田亨氏「SIDE−B」と輝鷹あち氏「記者会見でのお詫び」は、印象は強かったんだけど…
夕刊の一面は「トキのヒナが孵化した」ということらしいんだけど…これって、中国産なんですよね。なんで、こんなに大騒ぎするんだろう。ブラックバスやセイヨウタンポポが増えるのと基本的には変わらんと思うんだが。
これを書いているところで、アクセスカウンタが1300になった。事故以来更新していないのにありがたいことである。
■5月22日(土)
今日、自分の部屋にいたら腕のあちこちがチクチクと痒くなってきた。ダニでも発生したんだろうかと思っていたのだが、ふと腕の痒いところを見たら蚊が血を吸っていた。即座に叩き潰す。ただでさえ少ない私の血を吸ったものは許さないのである。まだ蚊の反応も鈍いのでこういうことが言えるのだけどね。ずいぶん血を吸っていた。もうそういう季節なんだな。
息子は、もう脱いだ服を踏み台なしで洗濯機に入れられるようになっている。いつの間にそんなに背が伸びたんだ?
■5月23日(日)
「ぎゃーっ」目覚めて思わず声を上げた。もう、朝になっているのか。実は、先週の土曜日に近所のレンタルビデオ屋で200円均一セールをやっていたので私の分4本カミさんの分1本の計5本を借りていたのだが、その返却期限が昨日だったのだ。延滞料金が一日あたり1本300円だから、千五百円か。借りたときの金より高いじゃないか…たった一晩で。何のためにふだん爪に灯をともすような生活をしていると思ってるんだ、私は。先週と今週2本ずつ観る予定だったのが先週は例の事故で観れなかったので、昨日2本しか観る暇がなかったため夜に2本をダビングしていたのだ。最後のテープの残量があと少しになったとき、寝室から息子が私を呼ぶ声が聞こえてきた。昨夜はカミさんが寝かせていたのであるが、寝付かないのか。「とーちゃーん、とーちゃーん」何度も呼んでいる。仕方がないなあ。様子を見に行く。呼ばれることには嬉しい気持ちもあるのである。寝室内で息子は歩き回っている。抱いて寝かせようとしていたら、カミさんは階下に下りていってしまった。ありゃりゃ、でも、すぐに寝かせてみせるさ、と思っていたら……
悔しがっていると、息子が起き上がって私の胴の上にどすんと乗ってきた。ぎゃ〜、アバラがぁ〜 ……もう散々である。
仕方がない。カミさんも私が寝かせたおかげで昨夜は小説が進んだとか言ってたし、気を取り直してヒッパレでも観よう……とか思っていたら、カミさんからトドメの一言が。「あ、ヒッパレ、野球か何かで開始が遅れてたみたいよ。私、通信しながら見てたもの」……うおお、もう立ち直れない。
朝食の用意ができていないというので、外に食べに行くことにする。久しぶりにファミレスの朝食でも食べてみるか、という気分である。道中のスーパーが開いていたので、そこでパンを買って帰る選択肢もあったのだが、カミさんの選択にまかせた。けっきょく近所のロイホに入った。えっ、朝食は標準のコースで780円? ファミレスの朝食ってそんなものなのか…これじゃ次回は無いな。
食事をしていると、息子が「おしっこ」と言いだした。カミさんが慌ててトイレに連れていく。ちゃんと我慢してトイレで出したらしい。昨日もできたそうである。偉いぞ。ヨソの子はもっと早くに出来ているという話も聞くような気がするが、そういうことは関係ない。出来るようになることが重要なのである。今日は夕食後にもトイレでオシッコとウンチをしたし、着実に進歩しているのは嬉しい。
ファミレスからの帰りにビデオテープを返してから車のディーラーに行く。やはりカミさんは車のない生活には耐えられないようである。梅雨どきは大変だしね。対物補償が保険の範囲内で何とかなりそうな雲行きなので、自分の車に対する全損の保険金に印税を足せば何とかなりそうなのである。しかし、規制が緩和されたということで、軽自動車のサイズがずいぶん大きくなっている。これでウチのガレージに入れられるんだろうか?
家に帰って息子のズボンを履き替えさせ、紙オムツをトレーニングパンツに替える。そうした直後、私の膝の上に乗せていた彼のお尻がジンワリと暖かくなってきた。うにゅ、やったのか。ズボンも替えたばかりなのにねえ。パンツとズボンを履き替えさせたが、後でもう一度膝の上で出された。なんで私の膝の上ばかりで…
■5月24日(月)
今日も体調が悪い。午前中を休むことにする。実はこれも、今朝方まで日記を書いていたからだという噂もあるんだけどね(こらこら)。土日の間に事故以来の日記を書き終えて公開しようと思っていたのだが、結局こういうことになってしまうのである。しかし、やっと書き終えた。あまり時間をかけて書けなかったので満足できる出来ではないが、とりあえず覚えていることは書いたつもりである。カミさんが読んで「私の方がよく覚えてるみたいね」と言っていた。どうも内容に不満なようである。私の文章にそんなに期待されても困るんですけど。まあ、カミさんが友人に送った文書をもらえるよう交渉中なので、もらえればウチのサイトに上げて事故の日の日記からリンクするつもりです。
あと、大量に書いたついでに日記のページ構成を変えました。何か不具合があればお知らせ下さい。
そういえば昨夜カミさんが、そろそろ「対なる者の証」の続きを読んでほしいようなことを言っていたな。9月配本の予定らしいから、来月末くらいには形にしたいようである。
今日も通勤中に「ホシ計画」を読んだ。今日読んだ中では田中哲弥氏「大阪ヌル計画」が面白かった。大阪に住んでいる人間としては、読んでいるあいだじゅうニヤニヤしっぱなしであった。オチも効いてるし。これは落語のサゲだよな。あと、津井つい氏「鳩たちの夜」も、読んでいてうなずけるものがあるのである。
で、面白くなかった作品については言及しないつもりだったのだが、これにはどうにも我慢できなかったので書いてしまうことにする。二宮由紀子氏「出世とその弟子」である。何だよこのふざけた文章は? こんなので読者に何か伝わると思っているのかね。途中でどうにも耐えられなくなって読むのを止めたが、紙資源の無駄遣いとしか思えない。いやしくも作家を名乗るなら、もう少し芸というものを見せてほしいものだ。目次を見て他の作品も読んでみたが、「不条理」なものを書くのが芸術だとでも思っているんだろうか。もう少し読み手のことを考えろってんだ。こんなの読まされて、もっとこの人の作品を読みたいと思う読者がいるとはとても思えないのだが……はあ、スッキリした……お見苦しいものをお見せしまして申し訳ありませんでした。でも、ちょっと怒っちゃったのです。金出してこんなものを読まされちゃ、たまりませんです、はい。
■5月25日(火)
あちゃ〜、やっちまったぜ。昨日の日記である。「対なる者の証」の続きを「7月配本」と書いたのだが、実際は9月配本であった。「次の次の配本」というのが、いつの間にか「次の次の月」になってしまっていたのである。ここにお詫びして訂正させていただきます。
やっぱり、怒りながら書いていてはいけないな。そういう意味では昨日の作品に対する批判の文章は書きすぎだったかもしれない。「この人の作品を読みたいと思う読者がいるとはとても思えない」とは書いたが、世の中にはいろいろな趣味嗜好の人がいるんだから、こういう作品をもっと読みたいと思う人がいても別にかまわないのである。あの人もプロとしてやっていけてるわけだから、固定の読者はいるんでしょうし。「自分は、こういう言葉を弄んでいるだけの作品はクズだと思う」というだけで十分でしたね。
今朝は息子の咳がひどかった。息をするたびに、ノドがゴロゴロいっている。保育所は休ませた方がよかったのかもしれないが、カミさんもカイロプラクティックに行くなど用事があるので、行ってもらうことにした。で、やはり保育所で熱を出したそうである。今夜は上司がいなかったので早く帰ったのだが(おいおい)、家に着いて玄関に入ったとき息子の声がずいぶんと上の方から聞こえてきたのである。9時前なのにもう寝ているのかと思ったのだが、熱のせいだったのだ。着替えて寝室に入っていくと、何かと喋ってくれる。ずっと喋りっぱなしである。熱はあっても、これなら大丈夫だな。
昼休みに職場近くの書店で「大使閣下の料理人(1)」を買った。なんとなく気になるマンガなのである。改めて読んでみるとストーリーの展開がちょっと都合がよすぎるような気もしますが、なかなか読ませてくれます。私はこういう「薄い」絵が好きだというのもあるかもしれません。カミさんは「濃い」絵が好きなので、夫婦で好みが違うのですよね。まあ、息子を寝かしつけてからカミさんにも読ませたのですが、それほどイヤでもなかったようです。で、夫婦でマンガ雑誌論を語り合うのですね。(上の世代が見たら嘆くな)
「この作品、どこで連載してるの」
「モーニングだよ」
「モーニングって凄いわよねぇ。1本や2本抜けたって全然動じないくらい層が厚いんだから」
「で、それぞれみんなカラーが違う」
「編集の好みがバラバラなのかしら」
「というより、雑誌の方針なんじゃないの? 『他にない作品を創れ』っていう」
「『バガボンド』も凄いしねえ…でも、いちばん好きなのは『OL進化論』ね」
まあ確かに「OL進化論」は面白い。週刊であれだけ書いているということは、ヘタをすると新聞連載よりもキツいのに、高いレベルを保っている。これは驚異的なことである。「35歳で独身で」のシリーズなんか、毎回もらい泣きしてしまうくらい面白い。よくあれだけネタが続くもんだと思いますね。まあ私は今は「ヨリが跳ぶ」に燃えてたりするわけなんですが…しかし、なぜ「OL進化論」で検索すると、こんなにアダルトサイトばかりヒットするんだ?
そういえば、SFオンラインに萩尾望都先生のインタビューが載っていた。いや、いいですね、こういう企画。読んでいてウンウンとかうなずいてしまう。もう感涙モノであります。
■5月26日(水)
今朝も息子は熱い。カミさんが食事の準備をしているときも、横になってぐったりしている。いつもならカミさんの邪魔になるくらい、その辺をウロチョロしているのだが。側に行って抱き上げても、私の膝の上に頭をもたせかけてじっとしている。かなりしんどいようだ。しかし食事を始めると、お粥をお代わりした。食欲があるなら大丈夫かな。
今日も今日とて、昼休みに職場近くの書店に行くのである。昼休みは本屋に行かずしてどこに行くというのだ。今日は「大西洋漂流76日間」(ハヤカワ文庫)を買った。なんとなく心惹かれるものを感じたのである。でも、いつ読むんだろう。果たして生きてる間に読めるのでありましょうか。
「ホシ計画」を読み終えた。結果的に、全体としてあまり面白い本ではなかったな。星新一先生追悼ということで、もう少し力の入った作品が揃っているかと思ったのだが、あまりそういうのを感じられる作品はなかった。かなり力を抜いて軽く書いた作品が多かったような気がしたのであった。個人的感想ですけどね。星先生の偉大さを再認識させるために力を抜いた……ということはないと思うが。
まあ、星先生への追悼の意という点では、最後の江坂遊氏「エッサカ、ホイ」がなかなかよかったですね。これはショートショートというより追悼文だと思うんですけど。でも、最後の一言ですべてを締めてるからいいか。
あと、その前の井上雅彦氏「儀式の変奏」もなかなか読ませてくれた。この作品は、この方のやりたいことが私にもピシッとフィットしたような気がします。
今夜は雨が降り出して自転車では帰れないので、難波廻りで帰った。で、難波の地下街の本屋で「対なる者の証」の販売状況を調査したのである(苦笑)。最初に入ったS書店ではウィングス文庫は置いていなかった。次に入ったH書店では「対なる者の証」がウィングス文庫の中では最も少なくなっていた。最も多い本は9冊あるのに、3冊になっていたのである。ここでは売れていないということはないようだな。最後に入ったH書店の2軒目では、ウィングス文庫が平積みになっていたのだが、計ったように全て同じ高さであった。ひょっとして、売れてないのか? そういえば、昨日帰りにジュンク堂に寄ったのだが、前回見たときと全く同じ高さだったからなあ……そろそろ動きが止まってきてるのだろうか?
東京テレメッセージが倒産したそうですが、怖いですね、これだけ世の中の動きが早いと。いまやポケベルなんて、携帯があれば無用の長物に近いですからね。まあ、私なんかはリアルタイムに応答しなくていいポケベルの方が気分が楽なような気もするんですが、最近は携帯やPHSでメールもできるしねえ。
■5月27日(木)
スゲエ嵐だ。窓に叩きつける雨の音に、6時前に目が覚めた。ふつう台風が直撃でもしない限り、こんなに風雨が強くなることはないぞ。春の嵐というヤツか。窓が開いていないか不安で起きてしまった。カミさんはよく窓を開けて寝ているのである。家中を回ると、4ヶ所も開いていた。トイレなどは床がビショ濡れである。ベランダに干してある洗濯物も水をいっぱいに吸っている。強風に吹かれて物干し竿が落ちそうになっていた。何とかしようと思ったが、窓を開けただけでも風雨が吹き込んでくる。とてもじゃないがパジャマ姿でベランダに出る気にはならない。ウチの物干し竿は伸縮式で、段になっているところが引っかかっているので大丈夫だろうと判断して、またそのまま寝たのであった。
息子は今朝も熱いが、相変わらず元気である。昨夜も寝苦しいのか寝過ぎなのか、かなりゴロゴロ転げ回っていたようなのだが、私なんかよりよっぽど寝起きがいい。カミさんが「父ちゃんと一緒に下りといで」と言って下りてゆくと「とーちゃん、おきてー」と起こしに来る。うう、起きねばならんのか。私が布団から身を起こすと、私の着ているものを指差し「ぱじゃま」と言う。そして、自分のパジャマを指差して「ひよこさん」と言う。よく見ると、彼のパジャマのズボンはヒヨコの模様なのである。そして、例によって「どーぞ」と言いながら私の半纏を持ってくる。はいはい、ありがとう。でも、もうそろそろそういう季節ではなくなってきているんだけどね。しばらくすると、私の近くに来て「とーちゃん、して」「とーちゃん、して」と繰り返す。何をしろというのだろう。自分のズボンの裾を指差している。そうか、ズボンが大きすぎるので裾を折り曲げてくれと言っているのだな。
朝食後に見ていた朝のワイドショーで、帰省中の女子大生のマンションに住み着いて家財道具を売り払い、ダイヤルQ2かけ放題という生活をしていた男が捕まったというニュースをやっていた。ずいぶんヒドイ話だなと思いながら見ていたのだが、売られた本が千冊近くという話を聞いてカミさんが「この人、オタクかもしれないわね」と言った。むむ、そういう視点では見てなかったな。確かにそうかもしれない。
ついに手持ちの短編集の本が底をついてしまった。長編に手をつけるしかないのである。そうすると毎日感想を書くわけにいかなくなるので、読んでいる間の日記のネタを探さなきゃいけないな。平日は一日のほとんどを仕事に費やしているので、それ以外だと他人にお見せできることが無いというのも情けない人生であるな。まあ、仕事だから仕方がない。そういうわけで今日から梶尾真治氏「OKAGE」を読み出した。最初に手に持ったときの印象がいちばん良かったものから読むのである。読んでみると、なかなかいい感じである。スッと物語の中に入ってゆける。作者の力量なんでしょうな。でも、この作品、ホラーに分類されていたようなのだが、導入部を読んだところではやはり「SF」を感じてしまったのだった。しかし、熊本の地名がふんだんに出てくるな。青春時代の一時期を熊本で過ごした身としては、読んでいるとニヤニヤしてしまうのである。ふつう小説って、こんなに具体的な地名が出てくるものだったっけ。何か意図があるんだろうか。今までは知らない地名が出てきても意識に引っかからなかっただけなのかな。
昼休みに職場近くの書店で「J−POP進化論」を買った。私は音楽理論については全くわからないのだが、それを無視して読んでもなかなか面白い。
今日の午後にアクセスカウンタが1400になったようだ。1週間で100ですか。当初に比べて倍くらいになってるな。まあ、そのころはほとんど身内だったんだから大きな進歩であろう。
■5月28日(金)
昨夜は夕食も食べずに寝てしまった。22時ごろ帰宅したのだが、寝室から息子の声が聞こえてくる。まだ起きているのか。着替えて寝室に入ると、カミさんが「ぜんぜん寝ないのよ」とか言っている。ここ数日、保育所に行ってないから運動できてないものねえ。このままでは私の夕食の支度ができないので息子の相手をしていると、彼女は「じゃ、書いてくるわね」と言って下りていった。息子は、例によってその日にあったことを報告してくれる。「でんしゃ、みた」とか言う。カミさんによると、息子の調子が良かったので午後に近くの駅に電車を見に行ったらしい。「ぱーぱーぱーぱー」とも言う。駅構内の踏切が閉じるときに、そういう音が鳴るのである。そうこうしているうちに、こちらが寝てしまうのである。まあ、カミさんの原稿が進んだらしいからいいか。
今朝、出がけにカミさんが「日本橋に行くことある?」と訊かれた。「頭文字Dコレクターズディスク」を買ってきてほしいそうである。初回特典のポスターが欲しいらしい。「FDとFCのが欲しいの」とか言っていた。
今日は遠方の客先に行くのである。移動中に梶尾真治氏「OKAGE」を読む。面白い。どんどん読めてしまう。これは、「幼年期の終わり」なんだろうか……誰もが思うことではあるだろうが。でも、帰りには読んでいると眠くなって何度か気を失ってしまった。話の方向がSFというよりファンタジーの方向に行きつつあるからかな。どう違うんだと訊かれても困るのだが。
客先からは早く帰れた。少し時間があるので日本橋に寄って「頭文字Dコレクターズディスク」を探す。最初の店でソフトのコーナーを3周くらい回ったが見つからない。恥を忍んで店員に尋ねる。昨日発売なのに売り切れたらしい。売れてるんだな。他の店でも無いかもしれない。いや、ハイブリッド版なのでMacintoshの店ならまだ残っているかもしれないと思って、Mac専門店に行ってみる。1本だけ残っていた。すぐに買ったが、最後の一本だったのでポスターは選べなかった。まあ、ポスターは丸めて「頭文字D」としか書いてなかったので、複数残っていても選べたとは思えないが。
今日は元上司の送別会なのである。客先で分厚い資料をコピーしてきたので、本社に寄って資料とポスターを置いてから会場に行こうと思っていたのだが、ソフトを探すのに時間がかかりすぎたので直接行かねばならない。荷物が重いし、寄り道したことがバレてしまうな。難波に着いたときには勤務時間外になっていたから別にいいのだが、買ってきたソフトが「イニD」だというのを知られるのが困る(苦笑)
送別会は、まあ普通の飲み会であった。この元上司は私の仕事の師匠なのである。新人の頃に、コンピューターに対する基本的な考え方を仕込んでもらった。それは、汎用の大型機ではなくパソコンを使っている現在になっても同じである。まあ、それが基本というものだ。暑い中歩き回ったためノドが渇いていてビールが旨かったので、少し飲んでしまった。帰りに自転車に乗るときには気をつけなければ。
家に帰ってカミさんにソフトを渡す。ポスターは残念ながらハチロクであった。でも、FDとFCも描いてあったので許していただいた。パッケージを開けるときに出たゴミを私に渡して捨てさせながら「シンちゃん(仮名)にゴミを『ポイしてきて』って渡したら捨ててきてくれるの、便利だわ」などと言っている。「でも、すぐにしてくれなくなるんだろうけど」とも。ソフトを動かしてみると、ムービーが再生できないしすぐに死ぬ。動作環境をよく見ると、「MacOS 8以上、QuickTimeが3」とか書いてある。うぎゃー、カミさんのPowerBookのOSは7.5だ。それに、ウチのマシンでQuickTimeの3が入っているマシンは無いぞ。そんな最新の環境にしているマシンばかりではないと思うんだがなあ。
■5月29日(土)
昨夜は居間で、カミさんが長電話している横で寝てしまった。どうも、カミさんが電話している声を長時間聞いていると眠くなってくるのである。カミさんが掛け布団を持って下りてきてくれたおかげで風邪を引かずにすんだ。今日は一日パジャマ姿でゴロゴロしてたから、あんまり書くネタがないなあ。
昨日買ってきた「頭文字Dコレクターズディスク」であるが、私のデスクトップでもムービーを再生できなかった。やはり、OSが8.1でもQuickTimeが3でないといけないようである。しかし、よく調べてみるとムービーが入っているフォルダが隠されていないことがわかった。だったら、裏技を使わなくてもムービーのファイルを取り出せるな。ナマのムービーファイルを再生してみると、ちゃんと見ることができた。ナマで見るにはQuickTimeの3は要らないようである。何だか納得できないのだが。カミさんのPowerBookでも再生できた。「これでレースシーンがいつでも観れるのね」と言ってるから、それほど不満でもないのかな。
息子は、そろそろ「文字」と「音」が対応しているということを認識しはじめたようである。「ぐりとぐら」という絵本を読んでやっているときに表紙の文字を指差して「ぐ」とか言っていると、一文字ずつ指差して「これはー」とか訊いてくる。教えてやると自分で指差して「ぐ」とか言っている。まだまだ正答率は半分程度だが、「ぐ」は表紙で最初の文字だし2文字あるので正答率が高い。
息子は、あるものを見てそれが何かを尋ねるときは指差して「これはー」と言うのである。他人が彼に訊くときに「これは?」と言うのでそれを真似しているらしい。ただ、語尾が上がらないので疑問文に聞こえない。最初に聞いたときには、ものを尋ねているとはとても思えなかったのだった。
カミさんは事故の相手にお詫びの品を持っていこうとしているのだが、なかなか連絡がつかずに苛ついているようだ。うーむ、それで子供に当たっちゃいけないよ。また、彼女は借りていたCDを返却しに行ったが、CDが無くなっていたといって帰ってきた。家の中や歌詞カードをコピーしたコンビニを探したが見つからないようである。どうも、今日は彼女の厄日のようであるな。
■5月30日(日)
今朝は早起きしてネットサーフィンした。日記を書いている間にmp3.comに行ってGospelの曲をダウンロードする。こういう日本ではマイナーなジャンルの音楽の、アメリカでの最新情報が入手できるのがインターネットの素晴らしいところである。Cast Your Bread (W D Martin,Jr) とThe Fire Has Never Gone Out (The Duncans)、I'll Follow Him (Ren Rutledge And Company)を聴いたが、どれもなかなか良かった。アメリカに通販してまで買おうとは思わないけどね(苦笑)。今まで聴いた中で、買ってもいい、とまで思ったのはIf You Believe(Vickie Winans)くらいかな。まあ、こうやってアメリカのナマの情報を聴いていると何かと発見もあるのである。Gospelのジャンルに入っている曲の中には、私のGospelに対するイメージからかけ離れたタイプの曲も入っているとか。私からすると、まるでカントリーのように聞こえる曲もGospelに入っていたりするのだ。あれは黒人音楽には聞こえないよなぁ。やはり、音楽のスタイルよりも歌詞の内容だったりするのだろうか。
今朝、事故の相手の人と連絡がついた。今日は時間が取れなくて、会えるのは明日になるという。今日のうちにお詫びの品を買って、先にタクシー会社に挨拶に行った。
帰ってくると、息子は疲れたようである。ずいぶん長距離を移動したし、慣れないところに行って緊張していたようだったからねえ。ふつう居間では寝ないのだが、毛布を要求する。1人で寝室に上がって毛布を取ってこようとする。夜に早く寝かせるために昼寝はさせない予定だったのだが、あっという間に居間でカミさんと並んで眠ってしまった。私も疲れた。妻子が寝ている間に日記を書こうと思っていたのだが、ついつい横になってしまう。なんでこんなに疲れているんだろう。息子をずっと負ぶっていたからかな。妻子は1時間ほどで目を覚ましたが、私は起きれない。頭が痛い。カミさんは1〜2時間くらいの睡眠で頭がスッキリするらしいが、私はモードの移行に時間がかかるので4時間は寝ないと逆にツラいのである。けっきょく寝室に上がって寝足したのであった。
昨日、カミさんが前の保育所の用事で出かけている間に風呂を沸かしていたのだが、私がRuputerをはずしてお湯の温度を確かめていたら、息子がRuputerを持って「どーぞー」と言いながら風呂場に入ってきた。そして、Ruputerをタイルの上に取り落とした。ガチャ、と鈍い音がする。うぎゃ、壊れたんじゃないか? 慌てて拾い上げると、なんとか動作した。悪気があったわけではないので怒れない。辛いところである。
■5月31日(月)
今日は、カミさんが事故の相手と会いに行くのである。10時に難波で会うらしいので、一緒に行くことにする。難波なら職場に行く途中だから、11時までには勤務に入れるだろう。
カミさんが息子を保育所に連れて行っている間にカセットテープを出してくる。前の保育所のバザーに出すのである。全てのタイプ(TYPEI、II、IV)でほとんどの長さのテープ(30,40,42,46,50,54,55,60,64,70,74,75,80,84,90,100,110分)を揃えていたのだが、MDに移行してしまったので全く消費しなくなっているのである。ほとんどがカートンで買っていたので、出してみると200本近くあった。独身時代は一時期、ほとんどの週に4本ずつCD(アルバム)を借りるという生活をしていた時期があったので、それだけ在庫を持っていても意味があったのである。計算してみると1年に200枚近くCDを聴いていた計算になるな。
カミさんと二人で難波に行く。息子がいないので、久しぶりのデートのようなもんだな。そういうことを言っている状況ではないのだが。事故の相手の対応は紳士的なものであった。事故後にやはり身体の不調が出たらしい。治療費が1万円以下なので人身事故にしなくてもいいようなことを言われたが、休業補償もあるのでやはり人身事故にした方がいいのではないだろうか。
会見が終わって、二人で入った本屋でカミさんは「奈津の蔵(1)」を買った。お互いに相手が買うかもしれないと思って、まだ買ってなかったのである。二人で暮らしていると、こういうことにも気を使ったりするのよね。まあ、「夏子の酒」は名作だったからねえ。新婚当時、私が全巻まとめて買ってきて、夫婦で一晩かけて貪り読んだことを覚えていますね。これは面白いです。読んでいない人はぜひ読みましょう。私が家に帰ったときにカミさんは「奈津の蔵」について「やっぱり泣けるわね」と言っていた。
昼休みに職場の近くの書店で「対なる者の証」を買った。著者献呈用に出版社から送ってきたものをカミさんに1冊もらったのだが、やっぱり自分でも金を出して買わないとね。この書店では発売後一ヶ月経つのにまだ売れていないので買うことにした。売れた実績を作っておかないと、続編が出たときに入荷しないかもしれないし。
現在、通勤時に梶尾真治氏「OKAGE」を読んでいる。そろそろクライマックスなのだが、読んでいてあまり盛り上がらない。主人公がピンチなのだが、ハラハラしないのである。う〜む、作者が優しすぎるせいなのかなぁ。これは「サラマンダー殲滅」を読んだときにも感じたんだけどね。SF大賞を受賞したりとか、一般には評価の高い作品なのだが、私はあまり評価できないのである。そういえば、長編ではあまり面白い作品を読んだ記憶がないな。短編は好きな作品が多いんですけどねえ。まあ、まだ読み終えたわけではないので決めつけるのは危険なのだが。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の証 |
¥640+税 | ISBN4-403-54008-2 |
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