1999年8月中旬の日記
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■8月11日(水)
アルジャーノンに花束を」の原文を読んでいて思ったのだが、英語の小説では文章を書いている人間の知能指数がとても低いことを表現するのに、間違った綴りを用いることで表現するのだな。たしか日本語版ではひらがなで記述することで表現していたと思うのだが。綴りを変えるというのは、下手をすると意味が取れなくなるので難しいところかもしれない。前後関係から判断できるんだろうが、それはひらがなで書かれているのも同じといえば同じか。まあ、英語では発音と綴りが一対一に対応していないので、正確に表記するためには知識が必要だということだから、日本語で漢字を知っているということと同じではあるのかな。中国語なんかだとどうなるんだろう。ある程度以上の知能と教育がないと、そもそも字など書けないんだろうな。そうすると、こういう作品は翻訳も難しいだろう。「とりあえず字だけは書ける」という状態が存在しないのであれば。こういうところは表音文字を持つ有り難さである。ただ、「多少頭が悪い」という程度なら、使っている言語に関わりなく文章の内容で表現するのだろう。表現が回りくどいとか、言葉の意味を取り違えているとか、何を言いたいのかよくわからないとか、具体的には欠点を指摘できなくてもパソコン通信とかしているとそういう文章にはよくお目にかかる……なんだか、書いていて自分が悲しくなってきたぞ(自爆)。千円以上する本を買ってザセツしたんじゃ、せめて日記のネタくらいにはしないと元が取れないから、というのでこんなことを書いている私も相当頭が悪いな(苦笑)。

土日も職場に出なければならなくなってしまったので、もう平日は昼から出勤することにする。そうすると、朝も寝ているから息子に会えなくなってしまうのであるな。彼は、早ければ明日からでもカミさんの実家に行ってしまうので、下手をすると忘れられてしまうかもしれない。

昨日から通勤中に「星のパイロット」(
笹本祐一:ソノラマ文庫)を読んでいる。やはりライトノベルは読みやすい。ただ、専門用語が説明なしに使われてたりするので、私のような薄々な人間にはすこし取っつきにくいところがあった。一般の読者にはどうなんでしょうね。日常用語として使われてたりするのがリアリティなのかもしれないですが。飛ぶのが好きな人による飛ぶのが好きな人のための小説、ということなのかな。ただ、私のようにこういう方面に興味のない人間にも、テスト飛行で離陸するまでの一連の描写にはドキドキワクワクさせてもらいました。同じロケットもののライトノベルでも、ヴェイスの盲点野尻抱介:富士見ファンタジア文庫)が「理屈で書いている」ようなところが感じられたのに対して、かなり実感として訴えかけてくるものがありますね。まあ、「現実との距離」がかなり違うので、この二つを比較するのには無理があるのはわかっているんですが。

駅を下りて家に帰る途中で「Dokiッ!SPECIAL 田中ユタカ特集」(竹書房)を買った。「田中ユタカ単行本未収録作品を一挙4話掲載」で税込み350円だったらお買い得でしょう。この方は私が男性向けHマンガ界で最も高く評価している一人ですから。



■8月12日(木)
今日から息子はカミさんの実家にお世話になるのである。今朝も私は午後から出社だが、午前中にカイロに行くつもりだとカミさんに言っていたので、息子が起こしに来た。例によって「とーちゃん、おきてー」である。で、例によって私が起きられず、横たわったままでいると「とーちゃん、くつしたー」と言って靴下を渡してくれる。横になったまま受け取ると、彼は自分で「ありがとー」と言うのである。はいはい、ありがとうね。今日は眼鏡を見つけて「とーちゃん、めがね、かけてー」と持ってくる。反応できないでいるとカミさんが「放っといたら壊されるで」と言ったので慌てて受け取ったのだった。私が起き上がると、私が寝ていた布団を指差して「とーちゃん、ここで、ねんねしたー」と言う。いろんなことが、言葉で表現できるようになってきたね。居間に下りると、私がいつも座っている座椅子を指差して座るように言う。私が座ると、図書館から借りてきていた絵本を持ってきた。そうか、本を読めってか。そういう計略も企てられるようになってきたか。

カイロに電話をかけると、午前中はセンセイが不在なのでやっていないという。だったら、私が息子を待ち合わせ場所に連れていこうか。疲れているなら行くよとカミさんは言ってくれたのだが、今から寝ても1時間しか寝れないので、私が行くことにする。職場に行く途中といえば途中だからね、経路はいつもと違うけど。ただ、いつも使わない駅に自転車を置いておくのはイヤなので、駅まではカミさんに来てもらった。しかし、駅に着くとカミさんはいっしょに電車に乗って隣駅の本屋に行くと言いだした。布団を干してるから空模様が心配だとか言ってたんじゃなかったんだろうか。そして一緒に電車に乗ると、けっきょく待ち合わせの駅まで来てしまったのだった。まあ、荷物が多かったから有り難かったんだけどね。電車が混んでたから片手で息子と手をつないで反対側の手は吊革を持ち、肩に自分の荷物をかけると、息子の着替えが入った大きな鞄を持て余してしまう。網棚に置けばいいのだろうが、乗り降りが大変なのである。

お義母さんに息子をお願いして職場に向かう。まだ2時間くらいあるので、ちょっとだけ
日本橋に寄ってみた。で、FIVAを見る。やっぱり良いなあ、このキーボード。Librettoでほとんど不満はないのだが、ハードディスクの容量とキーボードの打ちにくさは辛いのである。問題だといわれていたサスペンドからの復帰も、デモ機では正常に動作した。値段もアキアの通販と同じ値段だから、そんなに高価いということはないだろう。だいいち、より安いところをを探す時間も気力もない。いま買わなければ、遠方に行きっぱなしになるまでに買う機会はないぞ、とか思っていたら……はっ、この手に持っている重たい箱は何だ? ううっ、やってもーた。これは仕事のストレスのせいに違いない。ストレス、怖るべし。

職場に着いたが、自慢する相手がいない。仕方がないので上司をつかまえて自慢した。開梱してメモリーを増設し(この程度の作業で3000円も取るのか?)、ちょっと使ってみたが、あんまり安定していない。わずかの間に、フリーズして強制再起動が1回と、強制再起動もできなくてリセットしたのが1回。むむ、大丈夫かなあ。おかげでリセットスイッチの位置を知ることができたのはよかったんだけれども(苦笑)。

今夜も家に帰ると翌日になっていた。「対なる者のさだめ」の著者校正用のゲラが送られてきていた。カミさんが「ホテル取れたら明日から東京に行っていいかしら」と言いだした。今日から息子を預けられることになった時点で十分に予想された事態である。「いいよ」と応える。今後、どういうことが起きるかわからないからね。行けるときには行っておかないと。ホテルに電話すると、シングルが取れたようである。さっそく枯れ草の面々にFAXを送り、長電話を始めた。私は、その横で「対なる者のさだめ」の校正をしていたのだが……いつものごとく眠ってしまっていたのだった。何だか、食卓の下にある座布団が、抱きしめたいほど魅力的に見えたのは覚えているのだが……

息子は、今日はお義母さんに連れられて梅田スカイビルに行ったらしい。むむ、両親もいつか行きたいと言いながら行ったことがないというのにねえ。彼は最近、欲しいものがあると「ほっしい」と言うのではなく、黙って切なげな顔で相手を見るそうなのである。唯一の孫のそういう様子を見て無視できる祖父母というのは、まず存在しないんでしょうねえ。



■8月13日(金)
今日も出勤は昼からである。だが、明るくなると目が覚めてしまう。土日は朝から出なければならないので、今のうちに体力を蓄えておかねばならないのだが。布団の中で悶々として午前中を過ごしてしまった。眠れなかったのに、起きると身体がだるい。夏バテかなあ。私が起きると、カミさんは東京に向けて出発した。新幹線の予約をしていないから、座れればいいけどねえ。彼女は「帰省のピークだから」と言っていたが、明日からお盆の土日だから方向が逆だと思うんだけれども。これで親子三人、バラバラである。

今日の出勤時に「星のパイロット」を読み終えた。これは面白かったですね。続きも買わねばなりますまい。続いて「E.G.コンバット 2nd」(
秋山瑞人:電撃文庫)を読む。ううむ、いきなり飛ばしてますなあ。この世界にすっかりハマってしまっていることに気づく私であった。

今日は職場から夕食を食べに行くついでに書店に寄って「日本語の復権」(加賀野井秀一:講談社現代新書)を買った。かつては日本語はあいまいでもよかったが、環境の変化によりそれでは対応できなくなっている、というのはその通りなんでしょうね。…とか書いているこの書き方自体があいまいだよなあ。自分の意見を明確にして、それが間違っていることが怖ろしい、という感覚はものすごくあります。日本語と外国語を使い分けていると、人格が分裂してくるのを感じるという著者の体験もうなずけるものがありますね。某外国人タレントも、「声の高さからものの考え方まで変わってくる」とか言ってましたっけ。そうすると、「使っている人間の頭の良くなる言語」なんてものもあるんだろうか。言葉が指すものの定義を厳密にして細かく細分化されたような言語を使えば頭が良くなるんでしょうか。でも、「頭の良さ」なんてのも文化によって違うのかもしれないですね。ヨーロッパの人間は日本人みたいに何でも曖昧にする人間は頭が悪いと感じるだろうし、日本人には何でも割り切って表現できると思っている人間は物事がよくわかっていないと思うのかも。



■8月14日(土)
昨夜は夜風が冷たかった。もう秋なんだろうか。そういえば、陽が落ちるのも早くなっているような気がする。わ、私の夏はどこへ…

カミさんは、新幹線がガラガラだったので座って東京まで行けたそうである。やはり、帰省ラッシュとは方向が逆だったんだな。

息子は昨日、お義母さんに
交通科学博物館に連れていってもらったそうである。やはり展示物よりもジオラマとか自分で乗って走れる遊具の方に夢中だったらしい。親と一緒だと、少し歩くと親の脚にしがみついてきて抱いてくれと要求するのだが、今日は大人の足で10分近くかかる駅への道を往復とも歩き通したらしい。やはり、祖母が相手だと甘えにくいのだろうか。

私はといえば、今日は朝の9時から夜中の23時半まで職場にいた。フロアの開け閉めは、鍵を入れているロッカーを暗証番号を入力して開けねばならないので、社員がいなければできないのだ。関係者は出てくる時間も帰る時間もバラバラなのだが、結局その全員とつきあわなければならない。朝一番に出てくるヤツから終電ギリギリまで粘るヤツまでいるんだから。こんなんで「残業減らせんか?」とか言われてもねえ。しかし、午前中はいきなり掃除道具を持った集団がやってきて椅子を全て机の上に上げ始めた。な、何が始まったんだ。ワックスがけのようである。これでは仕事にならない。そういう予定があれば掲示板に通知されているはずなのだが、開いてみてもそういう情報は掲示されてなかった。どうなっているんだ?>総務。

今日は、昼休みに「彗星狩り(上)」(笹本祐一:ソノラマ文庫)を買った。あれだけ楽しませてくれれば、続きも買うべきでしょうね。しかし今、「E.G.コンバット 2nd」を読んでるんですが、やっぱイイっすね。読ませるツボというのをゴリゴリと刺激してくれます。



■8月15日(日)
今日も朝9時から晩23時まで仕事である。平日なら遅くから出ていってもいいのだが、休日の方が遅れて行くわけにいかないのでキツイ。昨日、今週から遠方に仕事に行くときにドキュメント作成用のパソコンを持参するように言われたので、
FIVAを持って出社しセットアップする。私が仕事用に与えられているパソコンは、いちおうノートであるが重いのである。あんなのを持って移動したら、それだけで死んでしまう。まずはLANカード(これも自前)を使えるようにする。FIVAFDDは買ってないので、ドライバフラッシュATAカードにコピーしてインストールする。そして社内のネットワークにつないで、仕事用のパソコンやファイルサーバからデータをコピーした。コピーした後も、FIVAは意外と容量が空いている。よくよく考えてみれば、FIVAの容量は3.1GBあるのだが、今のプロジェクト用に使えるサーバの領域がテスト用のデータベースも含めて3GB程度だったりするのだな。これだけ時間かけて作ってきた成果が、こんなに小さいパソコンに入ってしまうんだな。いやはや。

しかし、やっぱり安定していない。「カードを抜いても安全です」と言ったから抜いたのに、いきなりリセットされてしまったりするし……私の身が安全だったから良かったと思うべきなんだろうか。家に帰ってからも、ダイアルアップの設定をしていたら、真っ黒な画面になって止まってしまった。強制再起動もできなくて、けっきょくハードウェアリセットをかけた。ふつうに使ってても時々マウスポインタが止まったりするし、どうもヘンである。特に画面まわりが遅いような気がしますね。ウインドウをドラッグ&ドロップで動かすときにも、ぐにゃぐにゃっと動くので気持ちが悪い。

職場から家に電話をかけると、2回目にカミさんが帰っていた。声がヘロヘロである。さすがに疲れたようである。その前にカミさんの実家に電話をしていたのだが、息子が出てきて後ろでお祖母ちゃんが言っていることを何とか伝えようとしている。耳元で電話機越しに彼の声を聞くと、なんだか変な感じである。もうすっかり子供の声だよな。

今日も通勤時に「E.G.コンバット 2nd」を読んでいるのだが……うおぅ、凄いスピード感だっ。目の前を戦闘シーンがびゅんびゅん通り過ぎてゆく。こんなに迅い文章を読んだのは初めてのような気がするぞ。



■8月16日(月)
今日は昼から出勤するので、昼前まで寝ていた。朝食を食べると血液が胃に集中するので身体中が怠くなって動けない。漢方でいうところの「気虚」だな。「気」を補う漢方薬を飲んではいるのだが、これだけ酷い生活をしているんだから乾いた雑巾を絞ってるようなもんだよな。そういう状態で、食後に食べたプレーンヨーグルトにヨーグルトソースを入れているのを混ぜながら、「ウルトラQ〜」などと言っている私って…

カミさんが
夏コミの土産に野火ノビタさんのエロ同人誌を買ってきてくれた。もちろん男女モノである(苦笑)。これは嬉しいねえ。彼女は新谷かおる氏と和田慎二氏の合同誌も入手したので、自慢する相手を探しているようである(いや、私はこのお二人の作品にはそれほど思い入れはないもので。超少女明日香シリーズは読んでたんだけどね)。今回はプロの参加もけっこう多かったそうだ。冨樫義博氏と武内直子氏の夫婦合同誌も出ていたそうな。

今日はカミさんが息子を実家に迎えに行くので、出勤するときに一緒に家を出て最寄り駅まで自転車で送った。食後すぐに、一緒に来て食事をしてから出勤しないかというお義母さんからの電話があったのだが、食後すぐだし時間もないので辞退したのであった。

今日で「E.G.コンバット 2nd」を読み終わった。後半はまるでジェットコースターに乗っているような感じで、すごいすごいすごいすごいすごいすごいすごいすごいすごいすごいすごい……と言いながら読めてしまった。やっぱ小説ってのは、こうでなくっちゃね。

昨日、「息子の声を耳元で聞くと変な感じだ」と書いた。なぜだろうかと帰りの電車の中で考えていたのだが、彼の声が自分の子供の頃の声に似ているからだと思い至った。なんだか、子供に戻ってしまって、その自分が喋っているような錯覚にとらわれたのである。

家に帰ると、妻子はもう眠っていた。二人とも疲れているんだろうね。しかし、亭主は仕事でここ半月くらい休んでいないし、妻は一人でコミケに行ってるし……で、よく家庭が維持できているものである。お義母さんのおかげですなあ。

現在開発中の、Linuxにおけるアプリケーション間情報共有機能を「Bonobo」と呼んでいるらしい。なぜかというと「Bonobo種のサルは1日に6回も交尾する。そこが肝要で,これらのコンポーネントが1つになるということ」なんだそうな(爆笑)。何もそういう言い方しなくても…私としてはボノボがもっとも人間に近くて頭が良く、性交渉を個体間の緊張を緩和させるために行っていることを言ってほしかったのであった。性の平和利用というやつですね。繋がれば、みんなハッピーなのである。

動物ネタで思い出したが、大阪では水田にワニが棲んでいるらしい。すごいところであります……ん、ここも大阪か。



■8月17日(火)
今日も昼からの出社にした。久しぶりに息子の顔を見る。額一面どころか鼻の頭まで赤い斑点で覆い尽くされている。なんか、病気ではないんだろうなあ。私が起きてきたとき、息子が朝食を食べている横でカミさんが友人の絵描きさんと電話をしていた。かなりの長電話である。息子はあまり食が進んでいない様子。私が食べさせるがあまり食べない。

カミさんが電話を終えて私の食事の準備ができた。先週のヒッパレを観る。こういう時間でも利用しないと、観る暇がないのである。今回はあまり大したことがないな、などと思っていたら…おおお、
大橋純子さんだ。私のもっとも敬愛するヴォーカリストの一人なのである。そして、デュエットの相手が知念里奈ちゃんですか。これは凄い組み合わせですよ。しかし、あまり巧くハモれてませんねえ。上をハモれないほど高いキーには聞こえなかったんだがなあ。でも、大橋純子さんの声に以前ほどの凄みが感じられなかった。あの、ひと声シャウトするだけでその場の空気を凍りつかせてしまうほどのオーラのようなものが。まあ、私よりもかなり年上のはずだし、私だって20代の頃に比べれば半音くらいは最高音が落ちているからなあ。でも、ちょっと寂しい。今日のところは流して歌っていたんだと思うことにしよう。

そして、スペシャルライヴはBOSTONの「More Than A Feeling」ですか。この曲は好きだったなあ。何度繰り返して聴いたことやら。でも、やっぱりアレをライヴで演るのは無理があるような気がするのであった。カミさんは「BOSTONは知ってるけど、この曲は知らない」などと言っている。ええっ、この曲を知らない? デビュー曲にして最大のヒット曲だと思っていたんだがなあ。最初に聴いたときの衝撃の大きさの故であろうか。とにかく、それまでにこういう音楽、無かったんだから。

食事を終え、カミさんが洗濯物を取りに行っているときに、息子が小さく「うんこ」とつぶやいた。「出るんか?」と問うと、じっとしたまま動かない。ひょっとして、すでに出たのか。パンツをめくってみる。あちゃー、出ちゃったか。ウンチをトイレに流し、彼を浴室に連れ込んでシャワーで洗う。最近になってオシッコはだいたい言えるようになったらしいんだがな。お義母さんといるときでも、ほとんどオシッコは失敗しなかったそうである。

息子は久しぶりに我が家に帰ってきて父といっしょにいるのだが、本を読めと次々に持ってくる。際限がない。「これで終わりだ」というのを納得させるのに苦労したのである。あと、どうも最近彼は自分のペースでページをめくっていくので読みにくい。こっちが読んでいる途中でもおかまいなしに次のページに行ってしまう。そのくせ、読まないでいると読むように要求するのである。

さて、そろそろ家を出なければならない。着替えるために3階に上がる。身体全体がかなり緊張している自覚があるので、寝室でしばらく横になってリラックスを試みる。正式な手順ではないが、自律訓練法の真似事である。窓の外を雲が流れてゆく。身体からイヤな感じが抜けるのに、けっこう時間がかかった。

今日から通勤時に「彗星狩り(上)」を読んでいる。「E.G.コンバット 2nd」の後に読むと、かなり薄味に感じるな(苦笑)。まあ、これはこれでいいですね。ただ、この本にしても「星のパイロット」にしても、買ったらすぐに補充されていた。職場近くのこの本屋、店員にファンがいるのだろうか。それとも売れ筋なので常時ストックがあるのかな。まあ、本棚に「星雲賞受賞」などと貼ってあったりするので、私は店員ファン説を採るのである。

今日はついに最終電車に間に合わなくなってしまった。タクシーで帰るのである。自転車を駅に置いたままだから、明日は駅まで歩いて行かなきゃならないな。しかし、新しいZAURUSはフロントライトがついているので、夜のタクシーの中でも書き込むことができる。この点は便利だね。



■8月18日(水)
今朝は体調が良ければ午前中から出勤すると言っていたので、息子が起こしに来た。私の靴下を「ありがとー」と言いながら顔の上に乗せてくる。虫を見つけたらしい「なに、これー」とか言いながら指差している。すまん、父ちゃんは目が見えないんだ。私が起きないもので、「おきてー」と言いながら髪の毛を引っ張る。それでもダメなので、うんうん言いながら私の頭を持ち上げようとする。後からやってきたカミさんに訴えて、やっと彼の攻撃が収束した。

やはり食後は手足や背中が痺れたような力が入らないようなイヤな感じになる。まさに「気」が滞っているという感じですね。今朝もカミさんがトイレに入っている間に寝室に上がり、横になってリラックスを試みる。手足の力を抜いて、血を巡らせるようにイメージするのである。

カミさんが夏コミで友人から余った
PostPetをもらってきた。時間があるなら入れてくれと言われる。私がやったのではスキルが上がらないので自分でやらせた。しかし、SMTPサーバーが間違っていると言われて繋がらない。おかしいなあ。プロバイダから来た資料には、POPアカウントは書いてないけどSMTPサーバーは書いてあるから、そのまま書いているんだけどなあ。けっきょく出勤予定時間を過ぎてしまったのでそのまま家を出たのであった。

昨夜はタクシーで帰ったので、今日は駅まで歩いて行かねばならない。そう思っていたのだが、カミさんが駅まで一緒に行ってくれるという。予備の自転車に空気を入れ、二人乗りで駅まで行ってカミさんに自転車を引き継いで別れる。問題は、今夜も自転車で帰れないかもしれない、ということであるな。

今日は、職場から夕食を食べに出たついでに「異形コレクション GOD」を買った。最近ライトノベルで面白い作品を続けて読んでいるので、こういうエンターテインメント性が少ない作品集はもういいかなとも思うのだが、新しい作家を発掘できるかもしれないからね。まあ、最近はメンバーが固定しているような気もするんだが。これは危険な兆候だと思うぞ。

やはり、今夜は家に帰り着いたのは3時近かった。明日から遠方の客先に行かねばならないのだが、それまでにやるべき仕事が終わらないのである。明日は7時起きだし、どうなるんだろうか。

ガイナックスは、先日書いた「エヴァと愉快な仲間たちfor Windows」の『脱衣補完計画』モードを独立させ「改良強化」した新作をリリースするらしい。商売上手だねえ。ウチは前作を買わなくて良かったのかな。

アメリカではロボットのデスマッチをやっているらしい。回転鋸つきのロボットとかが闘うらしいのだ。やっぱりスゴイ国ではあるよな。

大阪ではショベルカーで現金自動預払機を建物ごとブッ壊して金庫を強奪するという事件があったらしい。ダイナミックだねえ。日本での事件だとは思えないねえ。さすがは大阪……あ、ここも大阪か。



■8月19日(木)
妻子が起きた気配で目が覚めた。時計を見る。「」声を上げてガバッと起きあがる。もう家を出るべき時間だ。今日は遠方の客先に行くのである。客先に初めて行く人間と待ち合わせをしているのである。慌ててパジャマを脱いでいると、息子が寄ってきた。私にもたれかかってくる。ううっ、何でこんな時に限ってなついてくるんだ。まあ、考えてみればここしばらくキミと一緒に起きたことなんてなかったからねえ。

着替えて荷物を持ち、洗面所に飛び込んで顔を洗ってそのまま家を出る。昨夜、無理をして荷物をまとめておいてよかった。ヒゲを剃る暇もない。もちろん朝食抜きである。今日は荷物が重い。しかし身体はまだ目覚めていない。駅まで歩いて電車に飛び乗ると、座り込みそうになってしまった。前夜に荷物をまとめていたのだが、歩いているといろいろ入れ忘れているものを思い出すのである。今回の出張は初めてFIVAを持参して、それでインターネットしようと思っていたのだが、アクセスポイントの一覧が入ってるファイルを入れてくるのを忘れた。これじゃ、通信できない。大阪のアクセスポイントに電話して一覧を落としてくるしかないか。ここのページのデータも入れてくるのを忘れた。一度落としてこないといけないか。あと、コンパクトフラッシュカードのPCカードアダプタを忘れた。他のPCとのデータのやりとりはPCカードで行おうと思っていたのだが、これもできない。マシンを入れ替えるときには万全の準備が必要なのだが、こんなに慌てていれば何かと問題点が発生するものである。

電車は空いている。そうか、盆休みの時期だからな。しばらく普通の時間に出勤していないのでわからなかったのだった。そのうちに、Niftyのアクセスポイントの電話番号表がZAURUSのROMに入っているのではないかと思いついた。乗り換えてから調べてみると、やはり入っていた。Niftyの接続ソフトも内蔵しているのだが、移動して使うものだし、初心者にも簡単に繋げられるようにということなのであろう。

やはり予定していた電車には乗れなかった。まあ、こういうこともあろうかと(笑)直後に次の便がある電車を選んでいたのである。同行者は少し待たせたが、まあ許容範囲であろう。乗り継いだ電車も空いていたので、4人掛けの席を一人で占領して寝ながら移動したのであった。

今日も24時近くまで仕事をした。ホテルに着いたのはほぼ真夜中である。部屋に荷物を置き、コンビニに夕食と朝食を買いに行く途中に公衆電話ボックスに入って通信しようとする。しかし、ちゃんと接続できないのである。電話もかけてアクセスポイントに繋がっているし、ユーザ名やパスワードも正しくと入れているはずなのだが。いろいろ設定を変えながら何度もやってみるが、状況は変わらない。テレホンカードの残量も、私の睡眠時間もどんどん減っていく。ついにあきらめてコンビニに向かったのであった。やはりマシンを乗り換えると大変だな。家ではうまくいっていたんだけどなあ。

夕食後、インターネットの設定をやりなおして再挑戦する。夜中の2時近くに出ていく客も珍しかろう。今度はあっさり繋がってしまった。前回インターネットに繋いだときは、職場のLANから繋いで必要なソフトをダウンロードしていたのだが、その状態から電話で接続するよう変更するには設定を最初からやりなおさねばならないんだろうか。1回目の接続がうまくいけば、日記を更新してから上げるつもりだったのだが、もう無理だな。

部屋に帰って落としてきたテキストデータを整理する。読み終わって「ちょっとだけ」とベッドの上に横になったら、そのまま…



■8月20日(金)
ホテルのベッドの掛け布団の上で目が覚めた。下着姿のままである。浴衣も着ていない。時計を見るとホテルのロビーに集合する時刻まであと30分しかない。昨夜は目覚ましもセットせずに眠ってしまっていたのである。シャワーも浴びていない。ヨーグルトを食べて歯を磨かなかったので、口の中が気持ち悪い。80歳で自前の歯を20本というのは無理だな、私は。急いでシャワーを浴び、歯を磨く。昨夜買っていた朝食はほとんど食べられなかった。

いちおう今日で大阪に帰る予定ではあったのだが、予想通りというか何というか、やはり今日中には仕事が終わらなかった。明日はカミさんは大阪でのイベントと
枯草の飲み会があるのである。お義母さんは午後からしか息子を預かれないというので、明日は少なくとも午前中は私が息子の面倒を見る予定だったのである。しかし、それも無理になりそうだ。つらいなあ。またカミさんに怒られてしまう。今夜は枯草の面々が我が家に宿泊されるので、ホストの役目も果たさねばならなかったのだけどね。明日は大阪の本社で仕事をしている人間もいるので、私がフロアの開け閉めをしなければならなかったのだが、開けるのは課長にお願いした。ただ、夜は私が閉めねばならない。出張からの帰りに職場に寄って、鍵を閉めてから帰ることになるのである。そういう時間に仕事が終わるかというのも問題だが。

今日は24時過ぎまで仕事をした。いま、ホテルに帰って日記を書いている。ああ、FIVAは打ちやすい。バリバリ入力できてしまう。入力に関しては、このマシンを買って正解であった。これだけが救いかな。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥640+税  ISBN4-403-54008-2



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