1999年8月上旬の日記
■8月1日(日)
そういえば昨日、カミさんの横で「めぐりあい宇宙」を見ていたとき、次のような言葉が私の口をついて出たのであった。
「…ララア金魚」
な、何でこんな言葉が私の口から出てくるのだ。不思議だ。納得できない。大自然の驚異としか言いようがないな。
カミさんが「幻水」のオンリーイベントに行くというので、今日は私が息子の世話をするのである。彼はかなり早くから起きていたようだが、私が起きられない。9時半頃になって、ようやく起き上がれた。階段を下りるときに彼は、「がんだむ、みよな」と言った。むむ、まだ覚えていたのか。
カミさんは10時頃に家を出ると言っていたのだが、10時過ぎになっても起きてこない。息子といっしょに朝食を食べていたら、ようやく起きてきた。食事をして「母ちゃん、お仕事やからな」と言って出ていく。「お仕事じゃないじゃない。お金を使うだけなんだから」と突っ込んだら殴られた(嘘)。
朝食を終えて、昨日録画したヒッパレを観る。今週はあまり大したものはなかった。ただ、PRECOCIが演っているときには、息子は注目してじっと観ていた。キミもタップをやりたいのかな。カッコいいからね。
しばらく絵本を読んで、買い物に行く。自転車が日なたに置いてあったので、シートがかなり熱くなっている。息子がちゃんと座れるか心配したのだが、電車が見れるのが嬉しいのか、文句は言わなかった。買い物から帰って一休みし、「お腹空いた?」と訊くと「おなか、すいた」と応えたので昼食のパンを買いに行くことにする。帰ってきて食べているとカミさんが帰ってきた。もっと遅くなるかと思っていたのだが、あまり彼女の見るべきものはなかったらしい。
昼食後に親子三人で昼寝をするが、息子がなかなか寝ない。カミさんに何度も構ってもらいに行っているようである。彼女が怒鳴ってもやめない。ついに彼女は耐えかねてプンプン怒りながら階下に下りていってしまった。夕方に起きようとするが、頭から後頭部経由で背中にかけて痛くて起きられない。けっきょく暗くなるまで寝ていたのだった。夜になってカミさんが起こしに来るが、息子は熟睡している。なかなか起きない。それだったら、なぜすぐに寝なかったんだ?
食事を終え「元禄繚乱」を見ていると、遠くでドン、ドン、と音が響いているのを感じる。花火を打ち上げているようである。3階に上がって南の方を見ると、地面の近くで小さな光の球が広がっている。居間に下りてカミさんに知らせた。親子三人で上がって見る。PL教団の花火大会らしい。カミさんはテレビの方が気になるようですぐに下りてしまったが、私は息子を抱いてベランダに出てしばらく眺めていたのだった。
居間に下りると、カミさんが「花火、買いに行こか」と言いだした。息子はそれを聞いて「はなび、かいにいく」と言って立ち上がる。まだ「元禄繚乱」が終わっていないので、終わるまで待たせた。まずは最寄りのスーパーに行くが、無いと言われた。コンビニに行く。線香花火のセットを買って息子に持たせる。さらにロウソクとライターを買ってレジに行った。カミさんが息子に「それ、お姉さんに渡して」と言うと、彼はレジではなく客のお姉さんに渡そうとしたのだった。そのお姉さんが美少女だったので「もう少し長く相手してくれれば良かったのに」と思ったのは秘密である。
お金を払い、息子に花火を持たせて自転車に乗せる。彼は花火を胸に抱え込んでシートに乗っている。よっぽど嬉しかったんだな。家に帰り、ガレージの前で花火をする。火を点けて息子に持たせるが、彼は非常に緊張している。身体が硬直している。まあ、慣れるまでは怖いだろうね。
■8月2日(月)
昨夜は私が息子を寝かして一緒に寝てしまった。だから、今朝は早起きしてネットサーフィンし、日記を書く。一昨日の分しか書けなかった。しかし、いま読み直してみると、かなり文章が荒れてるな。まあ、時間がないとこうなってしまうという無惨な姿を晒すのも一興か。
日記を書いていると、4:58にドンという揺れを感じた。横揺れをあまり感じなかったので地震ではないのかなとも思ったが、防災気象情報サービスで調べてみるとやはり地震だったらしい。震源地は大阪府南部で震度が1〜2ですか。それほど大きな地震ではなかったんだな。こういうことがすぐに調べられるって、やっぱりインターネットは素晴らしい。
今日は昼休みに「つかぬことをうかがいますが… 科学者も思わず苦笑した102の質問」(ニュー・サイエンティスト編集部:早川書房)を買った。水玉螢之丞さんの表紙に惹かれてしまったから、というのは秘密である。
疲れている自覚があるので、今日はこれくらいしか書けないかな、と思いながら家に帰ってきたのだが、現実は私をそう簡単に楽にしてはくれなかった。我が家は太陽熱温水器を使っているのだが、今日、その会社の関連会社だといってセールスマンが訪ねてきたらしい。定期メンテナンスで水道管を洗わねばならないと言ったそうな。費用が何と28万円。高額なのでカミさんは態度を保留して帰った後に太陽熱温水器の会社に電話したら「メンテナンスの必要はない。その会社は全く無関係」だと言われたらしいのである。う〜ん、絵に描いたような詐欺商法ですなあ。あまりにもロコツ過ぎである。
今日の「HEY!HEY!HEY!」にSILVAが出ていたというのでカミさんが録画してくれていた。持つべきものは、よく気がつく妻である。でも、ミキシングが良くないのか、あまり「声」が聴けなかったなあ。彼女の力はあんなものではないと思っているのだが。買いかぶりだろうか。
ビデオを止めたらテレビに永井龍雲氏が出ていた。懐かしいなあ。まだ活動しておられたんですねえ。失礼な言い方ですが。大学時代に聴いてたから、もう20年くらい前になるのか。最後に「道標〈しるべ〉ない旅」を演ってくれたのが嬉しかった。この曲はカミさんも覚えていた。
…と書いて終わりだと思っていたら、階上から息子の泣き声が聞こえてきた。カミさんが「着替えさせてたらオチンチンが立っていたのでトイレに下ろしてきた」らしい。息子は眠いのに起こされたので、ふぇんふぇん泣いている。それでも、ちゃんとオシッコはしたのであった。
■8月3日(火)
昨夜も2日分の日記を書いていたので遅くなってしまった。時間が限られていると読むに耐えない文章になってしまうし、寝るまで書けるとなると睡眠時間が削られてしまう。難しいところである。
今朝も起きられない。朝日がまぶしくてゴロゴロ転がっていると、カミさんに言いつけられたのか、息子が「とーちゃーん、おきてー」と言いながら上がってきた。私が身を起こすと「めがね、どこー」とか言いながら布団の下を探っている。眼鏡を探してくれているのか、気が利くねえ。でも、そこじゃないんだ。私が眼鏡をかけると、「ちゅないでー」と言って手をつなぎにくる。一緒に下りようってか。
今日も息子は私にくっついてきてくれる。彼は食事を終えていたのだが、私が朝食を食べだすと、膝の上に乗ってきて納豆を要求する。以前ほど強い要望ではないな。私が新聞を読んでいると、一面に載っているインドの列車事故の写真に反応する。私が中のページを読んでいるのに、横から「でんしゃ…」「でんしゃ…」とうるさい。
カミさんは息子に着替えさせながら「今朝はお漏らしせんかったな。キミには災難やったけど」と言っていた。そうか、それは初めてかもしれないな。これは大きな一歩かもしれない…などと思っていたら、横で遊んでいた彼が小さく叫んだ。ガニ股になっている。彼の足もとを見ると、水たまりが…うう、世の中ってこういうものなのね。パンツを脱がせようとすると、何だか臭う。ああ、大きいのもやっちゃったのか。トイレに走って、中に入っているカミさんに引き渡す。カミさんは「昨日の夜にしたから油断しちゃったわね」と言っていた。
今日は出勤時に「ヴェイスの盲点」(野尻抱介:富士見ファンタジア文庫)を読み終えた。面白くないということはなかったが、どうも人物の描写と宇宙船の挙動の解説がうまくなじんでないような感じがして、読んでいてちょっと居心地の悪さを感じた。あと、難しいことを説明しようとしているときに、それがうまく伝わってこないもどかしさみたいなものも感じてしまったところもあった。まあ、これは読む側の読解力の問題かもしれないけどね。
昨日、会社の後輩と話していて「電脳炎」(唐沢なをき:ビッグコミックス)の話題が出た。そのときにまだ買っていないことに気がついたので昼休みに買ってきた。当然Mac版である。実家で弟が買っていたのを読んだので、買ったつもりでいたのだ。彼が2冊買ったから良いんじゃないかという考え方もあるのだが、この本は良い本なので一家に一冊買うべきだと思うのである。
■8月4日(水)
昨夜は眠気に耐えきれず、シャワーも浴びずに寝てしまった。今朝もけっこう早くから意識はあったのだが、身体が動かないのはいつも通りである。今日も晴れている。朝日がまぶしい。まずは息子が起きたので、カミさんが窓の障子を閉めるように言う。彼はすぐに閉めに行く。だんだん言葉による意志の疎通がスムーズにいくようになっているな。まだまだ外国人に指示しているような感じだが。ちょっとした用事は自分が動かなくてもよくなっている。それで運動不足になってはいかんのだけどね(誰となく)。
息子は寝室から下りて、すぐにオシッコをしたそうである。でも、昨夜は自分の布団をグショグショに濡らしてたなあ。私が下りてゆくと、絵本を持ってきて読んでくれと要求する。すまん、いつもなら読んでやれるんだが、今日は父ちゃんはシャワーを浴びねばならんのだよ。悪いなあ。これで本嫌いにはならないでね。
私が朝食を食べ出すと、息子は今日も膝の上によじ登ってこようとする。今日はテーブルに座って食べているので、膝の上に乗ると見える風景も違うだろう。味噌汁を飲ませてやったら、すぐに口を放して「あつい」と言った。子供は猫舌である。私が食べ終えて野菜ジュースを注いでいると、「じゅーす、ほっしい」と言う。ちょっと待て。まず父ちゃんと母ちゃんが飲んでからだ。一杯目を飲み終わって少し余ったので残りを注ぐ。彼はあわてて飲もうとして、じゃばっ、とこぼしてしまった。そのままの姿で身体が固まってしまう。まあ、失敗をしながら覚えていくんだから、あんまり気にしなくていいよ。空になった紙パックを指差してカミさんが「それ、ポイして」と言うと、持ちあげて捨てにいく。ゴミ箱の上にちょんと乗せて「たかい〜」と喜ぶシンジ(仮名)であった。
今日は昼休みに「SFバカ本 ペンギン篇」(廣済堂文庫)が出ていたので買う。フィクションで読む本が無くなっていたので、これでしばらく保つだろう。帰りの電車の中でさっそく読み始める。まず高瀬美恵氏「エステバカ一代」である。う〜ん、これはSFではないな、私には。べつに面白くもなかったし。(最近、面白い作品に続けて当たっているので、ちょっと辛辣になっております)
職場からの帰りに「E.G.コンバット 2nd」(秋山瑞人:電撃文庫)があったので買ってしまった。粗削りだけど、なんだか続きを読みたくなってしまうのだ。そういえばこの本屋、「E.G.コンバット」の前作もいっしょに入ってたし、「クリス・クロス」や「タイム・リープ」まで入っていた。何とタイムリーな仕入れであろうか。
家に帰るとカミさんは予想通り「ヒカルの碁(2)」を買っていた。そういえば、昨日は「パッション・パレード」(樹なつみ:白泉社文庫)を買ってきていたな。読んだ勢いで、小説を書きはじめてしまったらしい。「発表するつもりもなくて自分のためだけに書いてるって、贅沢だわ」とか言っていた。
息子はお風呂で自分のオチンチンを引っ張って「くれーんしゃ」と言うらしい。ゔ〜む、それはヨソでやっちゃダメだぞ。
◇ ◇ ◇
いま、大変な間違いに気づいてしまった。先月の31日の日記でビデオのヘッドの幅を「19ミリ」と書いてしまったが「19ミクロン」の間違いだな。2cm近くもあるわけないじゃないか。大恥である。
■8月5日(木)
今日も引き続き、通勤時間に「SFバカ本 ペンギン篇」を読む。出勤時に岡崎弘明氏「われはロケット」を読んだが…いちおうSFだとは思うのだが、好みの作品ではない。SFのアンソロジーは売れなきゃいけないと思って買っているが、どうも私の望む方向性ではないようだ。まさかみんなそう思って買っているのではないだろうが。しかし、帰路に読んだ友成純一氏「バーチャル・カメラ」と中井紀夫氏「宇宙人もいるぼくの街」はなかなか良かった。やはり友成純一氏はこういう、人間が壊れていくような壊していくような作品は巧いですね。「黄金竜伝説」は世界がマトモすぎたのかもしれないな(笑)。「宇宙人もいるぼくの街」も「どうでもいいことが気になって仕方がない感覚」を拡張して見せてくれるのが新鮮だった。こういう「奇妙な味」というのは出すのが難しいのよね。
今日は昼休みに「星のパイロット」(笹本祐一:ソノラマ文庫)を買った。最近、ライトノベルで「当たり」が多いので、いろいろと読んでみようかと思っているのである。これは帯に「星雲賞受賞」とか書いてあるし…いや、受賞したのはこの続編か?
今週はずっと23時過ぎまで職場にいた。疲れたので、もう寝ます。おやすみなさい。(と言いながら、もうすぐ3時なのだが)
■8月6日(金)
今朝は少し起きるのが遅かった。カミさんは息子に二人で下りようと言っているのだが、息子は私の側に来て「とーちゃ、おきてー」と繰り返す。うう、起き上がらにゃいかんか。私が身を起こすと、彼は「とーちゃん、おきたー」と言った。動詞をちゃんと活用させているのがよくわかりますな。
例によって手をつないで居間に下りる。彼は食卓の上に置いてあるアルバム(写真屋でもらった簡易版)を見る。私と息子が一緒に寝ている写真を見て「とーちゃん、ねんねしてる」、次のページで私が彼を抱いている写真を見て「とーちゃん、おきた」と言う。これは、動詞を活用させるどころじゃなくて、2つの絵の間でどういう変化があったかを認識して、それを言葉にして表現できるようになっているんだな。現在の機械にはとても真似のできないことである。
◇ ◇ ◇
引き続き今日も、通勤時間に「SFバカ本 ペンギン篇」を読む。、まず牧野修氏「演歌の黙示録(エンカ・アポカリプシス)」を読んだ。これは、何かスゴイですね。ネタの馬鹿馬鹿しさと、それを説明する魔術用語の「それらしさ」の組み合わせが凄い。こういうテーマをこんなふうに書けるのなら、この人はSFなんか書かずにトンデモ本を書いた方が良い暮らしができるんじゃないだろうか(笑)。バカをやるんだったら、これくらい頑張ってやってもらわないとね……などと思っていたのだが、帰りに続きを読むと凄絶な展開になってますね。いや、まいりました。凄い筆力のある人だと認識してしまったですよ。
◇ ◇ ◇
今夜も、家に帰り着けば翌日になっていた。居間にカミさんがいない。階上から息子の声が聞こえる。息子が眠らないのか、と思ったのだが、カミさんは風邪を引いてしまったそうなのである。息子は昼寝をさせてもぜんぜん寝なくて、夕方になってやっと寝たので夕食も食べていないらしい。彼に食事をさせるように頼まれたが、今から食べたら生活リズムがメチャメチャになってしまうので、そのまま寝かした方がいいと思うのである。しばらく静かにしていたら、彼も大人しく横になったので、そのまま置いて寝室を出たのであった。
■8月7日(土)
昨夜、日記を書き終えてホームページを更新した頃に、階上で物音がした。妻子とも眠っているはずなのだが…と思って上がっていくと、カミさんが息子にオシッコをさせていた。出そうなのを自分で言ったらしい。偉いもんだね。ここ数日、彼が泣くのにもかかわらず夜中に起こしてオシッコさせてたのは無駄ではなかったんだね。カミさんは最近、息子を立たせたままオマルでオシッコを受けるのである。トイレに連れて行くより、この方がラクなんだそうだ。このあたりは、男の子の便利なところだな。
昨夜も家に帰ったのは真夜中過ぎで、日記を書いたりシャワーを浴びたり食事をしたりあちこちWebを覗いてたりしていると、3時を過ぎてしまっていた。今朝も起きられない。例によって息子が起こしに来た。これはもう、彼の「仕事」になってるな。けっこう役に立っているんじゃないだろうか。それで例によって「とーちゃ、おきてー」と呼ぶ。また例によって起きられない。何度か呼んだ後、彼は私に馬乗りになり、マウントポジションを取った。顔を近づけてきたと思ったら……私の顔面にヨダレを落としてきた。うぎゃ〜、やめてくれーっ。ううっ、こういう攻撃法を思いつくようになっているとは、成長したもんだなぁ。父ちゃんは嬉しい……ぞ。手近なものでヨダレを拭いていたら、今度は私の髪を引っ張りにきた。わかった、わかったから止めてくれ。起き上がると、彼は「とーちゃ、めがね、どこいった」と言いながら布団をめくり上げて眼鏡を探している。私が布団の反対側から眼鏡を取り出してかけると「とーちゃ、めがね、みつけたー」と叫ぶ。彼の言葉では「あった」というのは「みつけた」なのである。
起きて居間に下りるが、我ながらフラフラである。今週中に終わらせねばならない仕事があるので、今日のカイロの予定はキャンセルする。出勤しなければならないのだが、眠い。けっきょく朝食を食べた後、再度一時間ほど眠ることにする。だが、1時間寝てもまだしんどい。けっきょく昼過ぎまで寝ていたのだった。
カミさんと息子が寝室に上がってきたので目が覚めた。まだ身体がだるい。でも起きねばならんのだ。カミさんはすぐに寝たが、息子は寝そうにない。しばらく寝かそうと努力したが無理なようなので、彼を置いて居間に下り、昼食を食べる。家を出ようと思うのだが、ちょうど雨が降り出した。ううむ、これは私の邪魔をしようという何らかの力が働いているに違いない。空を見ると雲の密度が低く、すぐに止みそうなのでしばらく待つことにする。
午前中、私が寝ている間に「マック 広辞苑 第四版」と「マック 医学大辞典」が宅配されてきていた。キャンペーン価格で両方とも\3,000だったので買ってしまったのである。定価がそれぞれ\29,000と\56,000だから、かなりのお買い得であろう。まあ、広辞苑の第四版は電子ブック版を持っているのだが、漢字で検索できるとか画像や音声や動画が入っているとかいうのに負けてしまったのだ。冷静に見れば電子ブック版で充分なんだけれどもね。まあ、三千円ですから。私がパソコン用の辞書・事典やデータベースが好きだというのもあるんだろうねえ。やはり、絵本代わりに百科事典を読んで育った幼児体験のせいだろうか。広辞苑は第五版が出ているが、必要性を感じていないのだ。新たに追加された単語なんか、後代まで残るような言葉だとは思えないし、そういう言葉なら毎年更新される「知恵蔵」や「現代用語の基礎知識」で調べるべきだと思うのだ。しかし、昨日の夕方にFAXで申し込んで代金を振り込んだのに、翌日の午前中に着くとは速いものだ。開けてみると、EPWINGのCD-ROMにMac用の検索ソフトが付属しているだけなので、Windowsユーザーでも検索ソフトさえ用意すれば問題なく使えるはずですね。どうですか、アナタもお一つ(笑)。私もフリーソフトの「書見台」で見ていたりするのですが、うちのマシンに入っている書見台はカラー画像と動画に対応していないようなので、付属の検索ソフトをインストールした方がいいかな。でも、入っているCD-ROMに単体の値段が書いてあったりするのだが、医学大辞典には\28,800と書いてあった。すると、半分近くが検索ソフトの値段ということになるのか。定価に近い値段で買ってたら怒ってただろうな。両方ともふだんは使わないし容量も大きいので、ハードディスクには入れないことになるだろう。まあとにかく、パソコンに辞書や百科事典が入っているというのは、これほど快適なことはない。必要になったらすぐにウィンドウを切り替えて検索できるし、検索結果をコピー&ペーストできるからね。ここみたいな、どうでもいい文章を書くときでさえ、便利すぎてこれ以外の環境はもう考えられないくらいなのである。
雨も止み、そろそろ出ようかと思っていたら、階上で物音がしはじめた。どうやら、息子が階段を下りているようである。誰かが寝室で寝ていれば、一人で階段を下りることなんてないはずなんだがな。そして、2階から呼ぶ声が聞こえた。「とーちゃーん、おまる、してー」。おおお、オシッコするので下りてきたのか。急いで上がってパンツを脱がせ、トイレに座らせる。だが、数滴しか出なかった。寝かせるために一緒に寝室に上がる。カミさんは寝ている。息子は眠らない。寝室内を歩き回っている。せめて彼が眠るまで家にいようと思っていたのだが…気がつくと眠ってしまっていたのだった。目が覚めると、息子も眠っていた。重い身体を持ち上げ、寝室を出た。
今日も通勤中に「SFバカ本 ペンギン篇」を読むのである。まずかんべむさし氏「因果応報」であるが、私にはあまり面白くなかったなあ。
■8月8日(日)
けっきょく、職場で夜を明かしてしまった。仕事はまだまだまったく先が見えない。今日は息子が一日家にいるのに、カミさんに悪いなあ、などと思いながら仕事をするのである。
しかしかなり蒸し暑いようである。職場のビルは夜の20時で空調が切れて、日曜日は空調無しなのである。私はあまり暑さは感じない方なのだが、水分の摂取量が増えている。家から持ってきたお茶500ミリリットルと紙パックのミネラルウォーターが2リットルが丸一日で無くなってしまって、自動販売機で缶のお茶を買ってしまったくらいなのである。
そういえば、職場で昨夜の夕食・夜食と今日の昼食の3回食事を摂ったのだが、いずれも職場近くのローソンを利用したのである。オフィス街だから、休日には食事に行こうと思えばかなり遠くまで出なければならないので、コンビニが増えて最近は便利になった。まあ、近くといっても、川向こうにあるので往復すると10分以上かかるのだけどね。我が家に割引クーポンがあったので持ってきたのが役に立った。でも、これを見ると、割引対象品目がずいぶん偏ってますな。コンビニが何で儲けているのかよくわかるのであります。まあ、ディスカウントストアとかと値段を比較すれば一目瞭然なんだが。
いくら書いても仕事が終わらない。けっきょく職場を出たのは22時近かった。これでまた明日から仕事だ。ふう。帰りに「SFバカ本 ペンギン篇」を読む。まず森奈津子氏「天国発ゴミ箱行き」であるが、読む人によっては面白いのかもしれないとは思うのだが、私には何も感じられなかった。今夜は電車の乗り継ぎが悪い。続いて岬兄悟氏「遭難者」を読む。やはり私はこの人の文体というかスタイルは好みである。オチは物足りなかったんだけどね。
妻子は、今日は生駒山上遊園地に行ったらしい。息子は遊園地よりも行き帰りに乗った乗り物の方を喜んでいたということである。今日はこまめにオシッコするかどうか訊いたので、一度もパンツを濡らさなかったそうだ。スゴイなあ。最近の女子トイレには、男の子用の便器もあるんですってね。
昨日の私の日記を読みながらカミさんに「だんなさんって、本当に高価いものが安くなると嬉しくなっちゃうのね」と言われてしまった。うーむ、モノによると思うんだがなあ。
私が寝ようと思って居間に上がっていくと、カミさんが「そろそろ出る頃だわね」と言って寝室に上がっていった。息子を起こしてオシッコをさせる。彼は眠そうだが、以前ほど泣きわめきはしない。まだ漏らしてなかったようだ。オマルをあてがうと、ジョロジョロジョロジョロ……といっぱい出た。これだけ溜めていたのか、偉いもんだな。
■8月9日(月)
起きられない。昨夜はあまり眠くなかったのだが、やはりあまり寝ていないので疲れているようである。今朝も息子が起こしにきたようだが、カミさんに言ってもう少し寝かせてもらうようにしてもらった。けっきょく、昼から出社することにしたのであった。
今日は疲れていたので早く帰ろうと思っていた。そして上司が盆の準備とかで早く帰ったのである。ラッキー。でも、19時には職場を出ようと思っていたのだが、大幅に過ぎてしまった。だが、久しぶりに寄り道ができる時間に職場を出れたので、安売りチケット屋に寄ってカミさんのために図書券を買い、ジュンク堂に行く。いろいろと買ってしまった。ストレスが溜まっているのかなあ。
まずは「夏への扉」(ハインライン/福島正実:早川書房)である。名作だと言われているのに、読んだことがなかったんですよねえ。ほら、私って薄々だから。カミさんに貸してもらおうかと話していたのだが、見つからなかったようなのだ。
続いて店内をブラブラしていたら、ダニエル・キイスの本が大量に並べてある。何が起こったんだと思ったら、どうやらもうすぐ来日するらしいんですな。そこで面白いものを見つけてしまった。「アルジャーノンに花束を」(ダニエル・キイス:講談社ルビー・ブックス)。日本語版ではなく、英語に日本語のルビが振ってあるのである。ルビを振っているから「ルビー・ブックス」か……ベタベタやな(苦笑)。たぶん、日本語版の版権は早川が持ってるからこういう手に出たんでしょうね。この作品は、ずっと読みたかったのである。でも、ハードカバーは買わない主義なので、今まで読んでいなかったのだ。早川が文庫にしてくれないんだもんな。ハードカバーでもコンスタントに売れるからでしょうね。けっこうプレゼントにもなってるという話も聞くし。でも、ここにあるこの本はハードカバーではないのである。2〜3ページ読んでみて、何とかなりそうな気がしたので買った。大学時代に暇にまかせてペーパーバックを読もうと試みて挫折した経験を思い出して、ちょっとイヤな予感はしたのだが。そして、帰りに少し読んでみて、早くも後悔したのであった(爆笑)。最初の半ページ読むだけで、頭の中がカオス状態になってしまった。ああ、わたしももうすこしあたまがよくなればなあ。
そして最後に「スレイヤーズ!」(神坂一:富士見ファンタジア文庫)を買った。ライトノベル補完計画の一環である。
CD-ROMコーナーにT-Timeが売っていた。テキストデータを縦書きで読むためのソフトである。横書きで読むと印象が悪い、という人はこのソフトを使うべきですな(ねえ、木根さん(笑))。しかも段組の指定ができてルビが打てて印刷までできてしまうというんだから、これがあればMacでも同人誌の印刷ができるかもしれない、などと思ってしまったのだった(苦笑)。縦書きに「!?」のような「組文字」を混ぜることまでできるらしい。こりゃ下手するとDTPソフトの代わりになるんじゃないんだろうか。買ってカミさんに見せようかと思ったのだが、パソコンショップに行けばもう少し安いかもしれないと思って、思いとどまったのだった。書籍扱いだったら、そういうことはないのかもしれないけど。
今日は通勤時に安達瑶氏「老年期の終わり」を読んだ。NIFTYの同じ会議室にいた人の作品を読むというのは、ちょっとドキドキものではあったんですよね。もし面白くなかったらどうしよう、とか思っちゃって(笑)。やっぱり、はっきりそう書くのは気が引ける部分があって……でも書くだろうけど(爆)。しかし、面白かったのでホッとしたのは事実である。これで「SFバカ本 ペンギン篇」は読了だな。
今夜も家に帰ると息子は寝ていた。しばらく会っていないような気がするな。今日は保育所で会う人ごとに「けーぶるかー、のった」と繰り返していたそうだから、昨日ケーブルカーに乗ったのが嬉しかったんだな。
◇ ◇ ◇
今日の朝日新聞の夕刊に写真が載っていた。戦争直後の、あの長崎での写真である。私の、最も印象に残っている戦争写真の一枚なのだ。死んだ弟を背負って直立不動で歯を食いしばり、真っ直ぐに何かを見つめている少年の写真である。当時は栄養事情が悪かったとはいえ、どうみても今なら小学生であろう。彼の見つめている先は穴を掘っただけの応急の火葬場で、死者たちが焼かれていたそうである。彼は弟を大人に託し、焼かれるのを見届けると黙って去っていったそうだ。なぜ親ではなく、彼が死者を運んできたのか、それを思うと心が痛む。しかし彼は、誰よりも立派に、その役目を果たした。……こういう日本人、いなくなっちゃいましたよねえ。
■8月10日(火)
昨夜は早く帰れたので、調子に乗って2日ぶんの日記を書いていたら3時になってしまった。これじゃ、いつもと変わんないじゃないか。バカだね、まったく。
それから寝ていたら、明け方にカミさんの怒鳴り声が聞こえてきた。息子が寄ってくるので暑いとか言っているようだ。彼は「かーちゃん、だっこぉ」と言いながら何度もカミさんのところに行き、そのたびに突き放されているようだ。何度も繰り返しているようなので、私が自分の方に連れてこようとすると、例によって泣いて嫌がる。仕方がないので放すと、またカミさんの方に行く。そんなに母ちゃんがいいのかよぉ。まあ、ここ数日、父親はいないようなもんだったからねえ。彼は、何度も突き倒され、叩かれても母の元に行こうとする。何だか、彼女を起こそうとしてペシペシ叩いたり、馬乗りになったりしているようである。うわあ、ずいぶんと大胆なことをしているなあ、怖くないのか? …などと思っていたら、カミさんが「もおっ!」と言った瞬間、息子が火がついたように泣きだした。どーした、何をされたんだ。「てぇ、いたい」「てぇ、いたい」「てぇ、いたい」「てぇ、いたい」と繰り返す。泣き止む気配がない。抱き上げる。もう抵抗しない。腕を思い切りつねられたらしい。カミさんは怒って階下に下りていってしまった。息子は私の腕の中でわんわん泣き続ける。気がつくと、もう起きるべき時刻であった。
今日は睡眠不足だし疲労が溜まってて体調が悪いし自転車で通勤中に信号に引っかかりまくるし仕事でも問題点が発覚するし帰りには雨が降るしおまけに風は強いしズブ濡れになるしまったくの厄日であった。仕事では今度の土日も出勤しなければならなくなってしまった。カミさんがイベントに行っている期間中、お義母さんが息子を預かってくれることになっていて本当に助かった。私が息子の世話をすることになっていたら、冗談じゃなく家庭崩壊するところだった。まあ、最悪の場合は子連れ出勤という手もあるんだけどね。休日だし、フロアの開閉が必要だから社員が出社する必要があるという理由なので、子連れでも別にかまわんと思うんだが。扉を開閉するとき以外は、近所で遊んでればいいんだろう。近くにある大阪市立科学館は、まだ息子には早いかな。今から15年以上前、独身時代にここで、DNAがほどけるところからアミノ酸を集めてできた蛋白質が折りたたまれてゆく様子までを描いた3DCG映像を立体眼鏡をかけて見て「これは、自分に子供ができたら見せたいっ!」と強く思った記憶があるのだ。まあ、もう少し大きくならないと、自然の仕組みの驚異とか、それを映像化して見れることの偉大さはわからないだろうねぇ。でも、いま思うと、あの程度の映像でも当時は最高速のスーパーコンピューターで作ってたんだよなあ。息子がそういうことを理解できるようになる頃にはどうなっていることやら。
帰りには雨が降っていた。天気予報では曇だったんじゃないのか。けっこう強い降りである。傘は用意しているのだが、折り畳み傘なので防御できるエリアが狭い。最寄り駅を降りて家に向かって歩いていると、風も強いことを実感した。傘が役に立たない。予備の傘まで鞄に入れているのに…(2本あったって無意味だって)脚がズブ濡れになる。搾ったら水が出そうなくらいである。当初は膝の下だけだったのだが、そのうちに膝の上までグッショリ濡れてきた。ズボンが脚にまとわりついて歩きにくい。傘を持っていない方の腕もグショグショである。途中でコンビニに避難したのだが、滴が落ちるので商品に触れないからすぐに出ざるを得なかった。立ち読みなどもってのほかである。這々の体で家に帰り着いたときには、私の衣服はまるで小川を渡ってきたような状態になっていたのだった。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の証 |
¥640+税 | ISBN4-403-54008-2 |
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