1999年8月下旬の日記
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■8月21日(土)
今夜は
枯草主催の飲み会だが参加できないのである。カミさんは夫婦の馴れ初めを訊かれたので答えたらしい。初対面で夢枕獏氏の作品の話で盛り上がったと言ったら、大いにウケたそうな。そんなこと言われると、初対面の20代前半の未婚女性にいきなりエロス&バイオレンス作家(笑)の話をするアブナイ奴だと思われてしまうぢゃないか。だったら、こっちも彼女との出会いの話を書いてしまおうかな。(誰となく)

今朝は、電話の音で目が覚めた。ロビーで待ち合わせている人間からであった。あわわ、寝過ごしちまったぁ。目覚まし時計もモーニングコールも鳴らしたのだが、いずれも止めてまたベッドに横になりそれっきり……だったのである。そういえば、寝ているときに地震があったようなのだが、それも揺れが治まったときにRuputerのバックライトを点けて時刻を見てそれっきりだった。揺れている間も「地震かなぁ」とか思いながら眠っていたような気がする。後で新聞を見ると、一面に載るような大きな地震だったのだが。なんせ、九州まで揺れるような規模の地震で震源地の近くだったんだからね。震度4でホテルの6階だったら、かなり揺れたと思うんだけど、それでも起きたときにはぜんぜん記憶になかった。他人に言われて「そういえば…」と思い出したくらいである。時刻も覚えていない。たしか続きの数字だったような記憶があるのだが…5:34だったっけ。慌てて身支度を整えて部屋を出た。今日も朝食が部屋で食べられなかった。

今夜も最終の急行の時間まで仕事をしていた。帰りの電車の中で「異形コレクション GOD」を読む。移動が長時間なので以下の作品を続けて読んだが、ほとんど印象に残る作品はなかった。「遊神女」がテンポがよくて読みやすかったくらいかな。
安土萌氏「その夏のイフゲニア
恩田陸氏「冷凍みかん
笹山量子氏「神様助けて
横田順彌氏「遊神女
TOMO氏「神犬
小中千昭氏「神佑
倉阪鬼一郎氏「茜村より
小沢章友氏「シャッテンビルト伯爵

今夜は木根さんと若島津さんがお泊まりである。息子はいない。みんな疲れてて、あまり話が盛り上がらない。しかし、明日もイベントなんだそうである。それで息子は明後日の昼までカミさんの実家にいるんだそうな。私は明後日からしばらく遠方の客先に行きっぱなしだから、かなり長い間会えないことになってしまうな。



■8月22日(日)
今日も朝一番から仕事である。自転車はしばらく駅に置きっぱなしになっているので、歩いていく。暑い。

今日も通勤中に「
異形コレクションXII GOD」を読む。往路で読んだ竹本健治氏「白の果ての扉」は、なかなか面白かった。味覚SFというところでしょうか。帰りに読んだ久美沙織氏「献身」も、まあまあでしたね。

今日も真夜中の帰宅となってしまった。木根さんと若島津さんがカミさんのPowerBookでネットサーフィンしている。掲示板を覗いているようであるが、なんだか匿名で他人を貶める噂話をしてたり、バトルしてたりする。酷い内容だねえ。こんなのがあるから年寄りに「便所の落書き」だとか言われちゃうんだな。こういうのを見ていて面白いんだろうか。けっこうアクセス数は多いようなので、こういうのが好きな人がいるんだろうねえ。私なんかは新聞に載っている女性週刊誌の広告を見るだけで気分が悪くなってしまうくらい、こういうのに耐性が無いのである。インターネット界で暮らすには、少し無邪気すぎるかもしれないが。



■8月23日(月)
今日からまた、しばらく遠方で仕事である。今朝はカミさんに起こされたのだが、それからまた横になってしまったので、けっきょく起き出したのは出発する直前の時刻であった。今朝も朝食抜きになってしまった。睡眠不足よりも、栄養不足のダメージが先に来るかもしれないな。

今朝はカミさんがヤンマガを買いに出るので駅までついてきてくれるという。自転車で二人乗りして駅まで行く。おかげで予定の電車には間に合った。ただ、車両の隅に座れなかったので、眠るときに頭を支えるものがない。ずっと寝て移動したのだが、首が疲れた。

そして、今日も真夜中まで仕事である。ホテルまで歩いて行けるので際限がない。昼間から眠くてテキパキと仕事ができない。ちょっと複雑なことを考えようとするとすぐに頭の中がグチャグチャになるし、やろうとしていたことをすぐに忘れてしまう。そろそろ限界かな。

…とか言いながらホテルの部屋で日記を書いているのである。こういう状態で書いていたら後で読み直して死にたくなるだろうことは充分予想できるのだけどね。



■8月24日(火)
職場の近くに本を安売りしているところがあるのだが、本棚のかなり多くのスペースを取って外国語関係の本が並んでいる。それも、普段あまり使われない言語の文法書が。

チベット語、シンハラ語、タイ山岳民族語、イヌイット語、コンカニ語、アルタイ語、西グリーンンランドエスキモー語、ミャオ語、ネパール語、クメール語、フィジー語、ピジン語、サモア語、ニューギニア語、ウルドゥー語、アルバニア語、ユーゴスラビア語、ウイグル語、アルバニア語、ベンガル語、アッシリア語、タイヤル語、ケチュア語、エジプト語、アイヌ語、フィジー語、タヒチ語、ヴァヌアツ語、ヌクヒヴァ語、サモア語、タガログ語……

名前を聞いたこともない言語もいくつかあるな。もう日常的には使われていない言語もあるんじゃないだろうか。

安売りしているといっても、元の値段が高価いのでかなり高価である。まあ、あまり数が売れるものではないからね。高価くて売れなくて発行元が倒産したからこういうところに並んでいるのだろうかねえ。こういう、労多くして益の少ない本を出しているところは潰しちゃいけないんだが。

◇ ◇ ◇

今朝は、電話の呼び出し音で飛び起きた。モーニングコールである。昨日の寝坊のトラウマが大きかったらしいな。起きたのは起きたが、やはり身体はだるい。危機感があると横になりたいのには何とか耐えられる。毎日こういうわけにはいかないだろうけど(苦笑)。

昼間は、昨日ほど眠くはなかった。仕事場の近くのホテルだから、遅くまで寝ていられるのがいいのかな。仕事は相変わらず遅々として進まない。この調子じゃ、今月いっぱいは大阪に帰れないかもしれないなあ。

夕方、家に電話した。木根さんと若島津さんはもう帰られたらしい。電話中に、木根さんから無事到着したとのFAXが届いたとのことである。若島津さんは日本橋でハードディスクを買われたらしい。カミさんに「何ギガのやつ?」と聞いたら、「本人に聞いて」と言われてしまった。そういうことには関心がないのね。

途中で電話の相手が息子に変わった。「あかい、けーぶるかー、のったん」と報告してくれる。実際に赤かったかどうかは私は知らない。「ばーちゃん……」と言いかけて「ばーちゃんと」と言い直す。後方から指導が入っているようだ。昨日はお義母さんと生駒山上遊園地に行ったらしい。やはり、行った先より、移動のために乗った乗り物の方が嬉しいのだな。

今日は、夜中の1時すぎまで仕事した。それから日記を書いて公衆電話で通信して食事をしてシャワーを浴びて……ああ、何時間寝れるやら。



■8月25日(水)
なぜか尻取りの話である。以前、たしか大学の「尻取りクラブ」の部員が尻取りをしているのを見たことがあるのだが、何でも極めれば戦略というものができてくるものなんですな。つまり、相手を選択肢の少ない状況に追い込むという闘いになるわけである。たとえば、テーマが「ニューミュージックの曲名」だったとして、まず「ぬ」で始まる曲名が少ないというということを見つけだして、そこに相手を誘導するわけだ。つまり、とにかく「ぬ」で終わる曲名を返すわけですね。実際には「見つけだす」というよりも、「経験的に知っている」ということのようですが。この「経験」が実力だということになるのでしょうか。やられてみると当たり前なのだが、普段からあまり物事を深く考えていない私は「なるほどぉ」と感心してしまったのだった。さらにレベルアップすると、「ぬ」で終わる曲名を返されないような闘いになるのかもしれない。こういうことなら、「尻取りをするプログラム」というのも作れそうだな。単語のデータベースさえ作れば、それほど難しいアルゴリズムではないような気がする。カテゴリーごとに「●で始まる単語がもっとも少ない」というのを探すのも簡単だし、それによって「◇で始まって●で終わる単語」も探せる。そういう単語が見つからなければ「●で終わる単語は★で始まるものがもっとも少ない」というのを見つけることもできるだろう。データベース作りも、辞書のCD-ROMの中身を覗けば、前方一致と後方一致のインデックスがついてるから簡単だ。著作権問題を無視すれば、の話であるが。まあ、こういう知識の量で勝負が決まるようなゲームをコンピュータとやりたいと思う人間もいないと思うんだけどね。

◇ ◇ ◇

今日は午前中は調子が良かった。「これは、身体が慣れてきてしまったんだろうか。こんな生活に慣れたくないなぁ」などと思っていたのだが、昼食を食べるとまた眠くなってきてしまった。それでも23時過ぎまで働くのである。ちょっと休んで体力を回復したほうが、大局的に見ると効率は良くなるんじゃないかと思うんだけどね。



■8月26日(木)
戦略といえば、将棋には定跡というものがある。将棋では「定跡」、囲碁では「定石」と書く(スゴイ!「囲碁では」の後に変換したら、まず「定石」と出てきた。さすがATOK)。将棋では「定まった跡」だから模範的な動きのトレースを表し、囲碁だと「定まった石」の置き方だということですかな。このあたり、漢字が違うのが面白い。一般的には「定石」を使うのが多いようですけれども。やはりこれは囲碁の方が格上のゲームだとみなされているからなのだろうか、と将棋ファンとしてはちょっと拗ねてしまうのであった。

で、将棋の定跡ではまず玉(の防御)を固めることが優先される。これは将棋というのはわりと間合いの遠いゲームなので、先制攻撃するよりも、相手が攻撃態勢を整えているうちに防御を固めた方が有利になる、ということなのでしょう。間合いが近ければ、先に一発ブン殴った方が勝ち、というゲームもあるんでしょうがね。まあ、最初のうちはそんなことは考えずに、経験的にこうした方が勝率が高い、というので定跡が形成されてきたんだろうけど。たぶん、強い人間の「型」を真似たことが始まりなんでしょう。

間合いが遠いと勝負が決するまでに駆け引きとか紆余曲折があるので、奥の深いゲームになる。まあ、間合いが遠すぎると退屈で面白みのないことになるんだろうけど。このへんはバランスの問題なんでしょうね。

◇ ◇ ◇

今日も出張先で朝の9時から晩の24時まで仕事であった。仕事場の近くには本屋もない。しばらく行ってないなあ。息子は、今日は久しぶりの保育所だったので母親と別れるときにワンワン泣いたらしい。昨日は、行きたくないと言ったので一日中母子で過ごしたらしいのだが、ずっとそういうわけにもいかないからね。



■8月27日(金)
今日の夕方になって、いきなり明日は大阪に出社することになった。まあ、土日の予定が不確定だったので、今朝はホテルをチェックアウトして荷物を持ってきてたんだけれど。

大阪に帰るといっても、今夜も最終の急行の時刻ギリギリまで仕事なのである。帰りの電車の中で「
異形コレクションXII GOD」を読んだ。久しぶりの読書である。眠いので、ちょっと読んだだけで眠ってしまうんじゃないかと思っていたのだが、今日読んだ作品はなかなか面白いものが多かったので、けっきょく眠らずにずっと読んでいたのであった。以下は例によって、それぞれの作品に対する一口コメントである。
速瀬れい氏「冥きより」は…何を言いたいのかよくわからないっす。
篠田真由美氏「奇蹟」は、凄かったですねえ。モノローグだけでここまで読ませてしまうとは……ただ、このオチはちょっとなあ。キリスト教徒には「衝撃的な結末」なのだろうか?
北原尚彦氏「下水道」も、私の好きなタイプの話であった。現実世界に異形のものが闖入してくる。こういう話を読みたいんだけど、なかなか無いんだよな。
大場惑氏「大黒を探せ!」も面白かった。こういうトボケた話も好きですよ、私は。
竹河聖氏「DOG」は…う〜ん、こういうテーマは、私はあんまり好きじゃないなあ。

そういえば(何がだ?)大阪では、側溝にピラニアが泳いでいるらしい。さすがは大阪……でも、その大阪に帰ってきているのだ、私は…



■8月28日(土)
今日は大阪に出勤なのである。例によって息子が起こしに来る。でも、起きれない。カミさんが「父ちゃん、もう少し寝るんやて。下りよ」と言うのだが、彼は父と手をつないで下りると言い張って譲らない。うう、そういうこと言われたら、起きざるを得んじゃないか。…しかし、キミ、また背が伸びたんじゃないか? この前見たとき(いつのことだったろう?)より、頭半分くらい高くなったように見えるぞ。昨夜カミさんが「シンちゃん(仮名)、96cmになったの。だんなさんの半分を超えたわね」と言っていたが、実際に見るとスゴいもんだねえ。

息子はもう、トイレで立ってオシッコができるようになっている。ただ、便器の高さがギリギリなのでオチンチンが便器にくっつきそうなのが、ちょっとイヤだね。まあ、もっと不潔な環境で元気に育ってる子供の方が、世界的には多いんだろうけど。

今日も通勤中に「
異形コレクションXII GOD」を読む。往路に早見裕司氏「バビロンの雨」、復路に牧野修氏「ドギィダディ」を読んだが、どちらも特に印象には残らなかったな。



■8月29日(日)
今朝も息子はかなり早くから起きていたようである。でも、私は起きられない。カミさんが子供服のバーゲンに行くので11時までに起きてほしいと言っていたのだが、それを思い出して起きたら11時半だった。居間に下りていくと、カミさんが息子に食事をさせているところだった。

息子の食事をさせながら、昨日の「ヒッパレ」を観るのである。おお、EVEだ。今週は
知念里奈ちゃんとですか。相変わらず良いねえ。でも、里奈ちゃん、せっかくあれだけ分厚いコーラスしてくれてるんだから、それを切り裂くようにアドリブを入れるのがヴォーカリストというものでしょう……あ、歌手だったか。でも、せっかくそのを神様からもらったんだから、もっと分厚く鍛えて、そういうこともできるようになってほしいなとオジサンは思うのであった。
そして、もんたよしのり布施明ですか。これもスゴい組み合わせですけど、あまり噛み合ってなかったような気がしますねえ。「共同作業」というより「闘い」だったような…(苦笑)
うおぅお!タカナカだっ!テケテケだっ!キュゥイィ〜〜ンだっ!……失礼しました。いやしかし、やっぱり存在感ありますね。なんか、立ってるだけで世界が違う。音楽も、完全に高中正義の世界というものがありますからね。それに負けずに歌ってるEVEも大したもんだ。

観終わったあとで、The Nylonsの「Seamless」を聴く。3枚500円で中古を売ってたので買ってきていたのである。最初は違和感があるのだが、聴いているうちにこの世界に引き込まれてしまう。やっぱ、いいっす。息子も「SAMBA SAMBA」が気に入ったようで、踊りだした……が、食卓にぶつかってお茶の入ったカップをひっくり返したのであった。あー、ビショビショだ。でも、こういう失敗は怒れないね、私は。

それから、CDラジカセに入っていた露崎春女さんの「Believe Yourself」を久しぶりに聴いたのだが、やっぱり巧いねえ。息子も、この曲がかかるといっしょに歌おうとしている。ふふっ、この曲は童謡のようには歌えまい。でも、このアルバム、私が買ったんだが、カミさんのものみたいになってるなあ。

そして、親子三人でお昼寝である。気がつくと暗くなっていた。横で息子がゴロゴロしている。水筒から水を飲んでは横になるのを繰り返していたのだが、水筒の水が無くなったようである。んじゃ、起きようか。今夜は外食することになる。ファミレスである。私は中華の方が良かったのだが、多数決で負けてしまった。母子で一緒にいることが多いから、これからはこういうことが多くなるんだろうね。

レストランでは、息子は何度もトイレに行く。カミさんによると、洗面所で水が自動で出るのが嬉しいらしい(手を出すだけで水が出る)。カミさんが「父ちゃんと行く、母ちゃんと行く?」と訊くが、彼は毎回「とーちゃん」と応える。けっきょく4回くらい一緒に行かされた。でも、最近はズボンとパンツを下ろして、小便用の便器の前に連れて行くだけで用を足してくれるので、すごく楽である。オシッコはお漏らしすることも無くなったし、成長が嬉しい瞬間だな。まだ、ウンチは漏らしてたりするのだが。

家に帰り、風呂に入れて絵本を読んだ後、寝かせることになる。カミさんが寝かせてくれると言っていたのだが、息子は「とーちゃんとねんねする」と言ってゆずらない。そこまで言われたら、私が寝かさないわけにはいくまい。でも、寝室に上がると「かーちゃん、すぐくる」などと言うのである。最近は、抱き寄せても嫌がらないので嬉しい。「とーちゃん」と呼ぶので「はあい」と応える。なかなか寝ない。窓の外に月が見えるのを見ている。そのうちにこっちが……



■8月30日(月)
昨夜は、例によって息子を寝かせていて一緒に寝てしまっていた。明け方に目が覚めたので起きる。シャワーを浴びていつものところを巡回すると、日記を書く時間は1時間しかない。2日分を急いで書いて上げる。

昨日は4週間ぶりの休日であった。息子とも久しぶりに一緒に過ごせた。よそよそしくなるのではないかと懸念していたのだが、逆にずっとくっついていてくれた。悪い気はしない。二人でいると、絵本を読んでくれとやってくる。好きな本は何度でも読まされる。膝の上に乗って、本を読んでもらいながらお尻をゴリゴリするので痛い。彼は、描いてある電車を指差して「あおいでんしゃ」とか「あかいでんしゃ」とか言うので、もう目に見えるオブジェクトに「色」という属性があることもわかってきているようだ。まだ赤とピンクの区別はできないようだが、このあたりも学習によって分別する能力が上がっていくんだろうな。

今日からまた、遠方の客先で仕事である。今朝も長距離を移動する。移動中に「
異形コレクションXII GOD」に載っている田中啓文氏「怪獣ジウス」を読んだが…相変わらずスゴイですな。読者の生理的嫌悪感を刺激するという点ではダントツでしょう。こういう作品を読んでいてさえ、読んでいるうちに眠くなってきたので、残りの行程は寝て過ごしたのだった。

久しぶりに休んだせいか、体調が悪い(苦笑)。頭が痛くて文章が出てこない。今日のところはこのくらいにしておこう。



■8月31日(火)
最近、夜遅くまで仕事をしていて夕食(というより夜食だな)が深夜になってしまうので、夕方に軽食を採るようにしている。今日のメニューは、飲み物が
カゴメ「野菜生活100」で、食べたのが「BALANCEON スイートコーン」と「毎日果実」である。気がつけば、どちらもグリコの製品なんだな。手軽に食べられて、身体に悪くなさそうで(イメージだけの話だが)、それほど高価くなくて、その中で旨いと思うものを選ぶとこうなってしまっていたのである。私はそれほど味にうるさい方ではないのだが、それでもこれらの製品は味のデザインの巧さを感じますね。こういう製品は、ある程度味を自由に設計できますから。設計者の能力によって売り上げは天と地ほども違うんじゃないでしょうか。引き抜きとかはないのかな。能力のある人間を厚遇しなければならないのは、ソフトウェア業界と同じでしょう。市場が大きいぶんだけ、さらに大きな金が動いても不思議ではないと思いますね。

◇ ◇ ◇

昨夜は、体調が悪かったので風呂にも入らずに寝てしまった。今朝は起きてザッとシャワーを浴びる。いつもより長く寝たので今日は体調はよい。考えもまとまりやすい。しかし、今日も暑いな。昼休みに食事をするために外に出ると、空はまるで塗料を均一に塗りたくったように真っ青である。なんだか、作り物めいているな。太陽の光が直撃である。影が短い。もう8月も終わりなのになあ、などと思うのであった。

現在作業場所にあるサーバを客先に移設するためにバックアップを取らないといけないというので、明日からは使えなくなるらしい。そういうことなので、遠方での作業は今日でいったん終わりにする。今夜も終電ギリギリまで仕事して大阪に帰ったのだが、資料と長期滞在用の荷物を持って帰らねばならないので、重い。

今夜も長距離を移動するので、「異形コレクションXII GOD」の残りを読んでしまった。まず田中哲弥氏「初恋」なのだが……これは「凄い」の一言ですね。もう、私ごときには何も言うべき言葉はございません。初恋の甘酸っぱさと、スプラッタの配合が絶妙…って、読んでない人には何のことやらわからないだろうなあ。こういうタイプの作品は好みではないのだが、凄いことは認めざるを得ない。「言うべきことがない」と言いながら、何だかいろいろ書いてるのである。
続いて山下定氏「ゼウスがくれた」ですが、作中でも書かれてますけど、ちょっと話が単純すぎますか。
ひかわ玲子氏「生け贄」、加門七海氏「小さな祠」の2作は、なかなか斬新なイメージを見せてくれましたね。
あと、井上雅彦氏「夢見る天国」ですが、何が言いたいんでしょうかね、これは。
最後の菊地秀行氏「サラ金から参りました」は、まあまあ面白かった。

家に帰ると、カミさんは電話中であった。この狂騒的なしゃべりかただと、相手は木根さんだな。彼女が相手だとしばらく終わりそうにないので、シャワーを浴びる。私が上がってきて、食事の用意をしていた彼女が「あ、そろそろ1時だわ。シンちゃん(仮名)にオシッコさせなきゃ」と言って寝室に上がっていく。息子は寝ぼけながらも母親に「父ちゃん、帰ってきたで」と言われると「とーちゃん…」とつぶやく。オマルにオシッコをしたあと私に抱かれて寝室に入るときに、下りてゆく母親を指差して「あっち、いく…」と言うが、布団の上に横たえると、そのままころりと眠ってしまったのであった。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥640+税  ISBN4-403-54008-2



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