1999年9月上旬の日記
■9月1日(水)
「同じ速度で移動する能力がある場合、同じルートを通るならば先に出発した方が早く到着する」というのは真であろうか。私の解答は否である。例えば、自転車で競争するとして、先に出発した方が踏切(や信号)で止まっているときに後発の選手が後ろから近づいてきて、ブレーキをかけようかというタイミングで踏切が開いたらどうだろう。後発の選手はそのままの速度を維持して踏切を通り過ぎていき、先発は加速し始める前に抜かれてしまうことになる。世の中というのは、それほど単純ではないのである。
◇ ◇ ◇
今朝も息子が起こしに来るが、起きられない。今朝は朝一から本社に出社するつもりだったのだが。この体調じゃ、少なくとも午前中は休まねばならないな。始業時間になって職場に電話をするために起きていくと、私の顔を見てカミさんの表情が変わった。よほど酷い顔をしていたらしい(自覚はある)。「今日、休めないの?」と言われる。そうだねえ、今日は社内での勤務だし、休むことにしようかねえ。
昨日、カミさんに言われてもうすぐ運転免許の更新期限であることを思い出した。まったく忘れていたのである。休むのであれば、今日のうちに行っておくことにする。写真を撮ったり、なんだかんだでけっこう金がかかるものである。5000円近くかかったな。まあ、5年に一度のことなのだが。
家に戻ってまた寝るのだが、何か食べておいた方がいいな。カミさんは昼寝中なので、その辺のものを適当に食べる。腹ごなしにボンヤリしていたら、遠くからゴロゴロと重低音が響いてきた。さっきまでピーカンだったのに、いつの間にか空一面を雲が覆っている。西の空は真っ暗である。これは一雨来そうだな。洗濯物を取り入れ、雨が降り込むと困る窓を閉めてから寝たのであった。
夕方になって、保育所から帰ってきた息子が起こしに来る。だが、起きられない。夕食時になって、再度起こしに来る。使用済の靴下を「どーぞー」と言いながら私の顔の上に持ってきた。うう〜、起きますよぉ。
息子は、もう一人でオシッコができるようになっている。トイレまでトットコ走っていき、トイレのドアを開け、ズボンとパンツを下ろして、便器の蓋を開け、上着をたくし上げてオチンチンを便器の上に乗せてチーッとオシッコをする。終わるとパンツとズボンを上げ、便器の蓋を閉めてその上に乗り、水を流して手を洗う。そのままではタオルに手が届かないので、渡してやる必要があるのだが。あと、夜だと電灯を点けてやらねばならないな。
■9月2日(木)
昨夜は息子を寝かせていて一緒に眠ってしまったので、今朝は早起きして通信する。昨日は一日中寝ていたので疲れは取れたつもりだったのだが、パソコンに向かっているとしんどくなってしまった。そのまま寝室に逆戻りである。この体調で1〜2時間寝ただけでは朝から出勤して仕事をする自信が無くなってしまった。昼まで寝てから出勤することにする。しかし、いくらでも眠れるものだな。起きる直前まで夢も見ずに熟睡していた。眠りが浅くなってからは、仕事のこととか思い出して、かなり寝覚めが悪かったのだが(苦笑)。
今日、会社からの帰りに「GUT’s(3)」(風童じゅん:講談社・月刊マガジンKC)を買った。そういや、これも半月ほど前に出ていたんだった。しばらく本屋に行ってなかったからなあ。
な、何だと〜、FIVAの新型が出るだと〜! しかも、HDが6ギガだと〜! 「店頭予想価格は15万円前後」だと〜! ついこの前、14万で買ってしまった私の立場をどうしてくれるぅ。ううっ、なんだか冬のボーナスで買ってしまいそうでイヤだなあ。今のFIVAだって、あと1.7GB残っているというのに。でもなあ、百科事典入れたり地図を入れたりすると、すぐに一杯になってしまうのは目に見えてるからなあ。
■9月3日(金)
今朝も息子が起こしに来た。「とーちゃん、おきてー」と言いながら寝室に入ってくる。私のところに来て「ごはん、たべませんかー」と言う。顔を近づけてくると、卵スープの匂い。大人のようにせかせかしていないので、気長に起こしてくれる。しばらく寝ながら喋ったあと、私が起き上がると「とーちゃん、おきたー」と言って喜ぶ。こんなことで喜んでくれるんだねえ。掌に絆創膏を貼っているのを指差して「どーしたん、これー」と言う。こっちが訊きたいぞ、それは。そういえば、昨夜見たときに傷があったな。他人からそう訊かれるので、怪我をしたときにはそう言うものだと思っているんだな。
息子と手をつないで階段を下りていたら、玄関のチャイムが鳴った。洗濯物を干していたカミさんが出ていく。宅急便だろうか。それにしては早いな。玄関から彼女がニコニコしながら上がってきた。出版社から「対なる者のさだめ」の著者献呈本が送られてきたのだ。さっそく一冊いただく。イラストが素晴らしい。買わなくてもいいですから、ぜひ一度書店で手にとって見ていただきたいですね。まあ、今回はスケジュールに余裕があったようですからね。やっぱり、仕事はスケジュールに余裕を持ってやらないとねえ(爆笑)。
カミさんは「イラストがいいから、売れるかも」とか言っているが、地味な話だし、続編なので前作よりは売れないんじゃないかと個人的には思っていたりするのである。
そういえば、昼休みに職場近くの書店に行くと、ウィングス文庫が無くなっていた。毎日見てたけど、売れてないみたいだったからねえ。スペースにも限りがあることだし、今まで置いていてくれたのが不思議なくらいである。今日は「彗星狩り(中)」(笹本祐一:ソノラマ文庫)を買った。(上)をそろそろ読み終わるのである。
まだ体調も回復していないというのに、今日も終電の一つ前で帰ってしまった。家に帰り、夕食を食べてくつろいでいると、横でネットサーフィンしていたカミさんが「無料のメールアドレス取りたいんだけど、英語がわからないの。教えて」と言ってくる。ODNのメールアドレスも与えて2つも持ってるのに、まだ要るのかね。…おいおい、そんな英語もわからないのか。「英語さえできれば、もっといい学校に行けるのに」と言われ続けた私でもわかるぞ。学校を出てからぜんぜん勉強していないのがバレバレだな。やっぱり他人を見ていると、英語がわからないというのは、文章の構造が見えてないんだよな。単語の意味だけ考えて、それをつないでるだけだから、見当違いの解釈になってしまう。
なんでもかんでも聞いてくる。メールアドレスは取れたが使い方がわからない、とか言っているので「だったら日本のサイトでフリーメール取れば」と言う。やっとアドレスを取得できたところなので、不満そうである。それじゃ、それを一人で使えるのかね。けっきょく、最終的には日本のサイトでアドレスを取り直した。ああ、もうすぐ4時じゃないか。まだ日記も書いていないのに…と思っているうちに眠りの世界に墜ちていくのである。さっきチョコレートを食べて、まだ歯を磨いてないのにぃ…
■9月4日(土)
気がつくと、そこは居間であった。カミさんと息子が起きてきたようである。入れ替わりに寝室に上がり、続けて寝る。今日も仕事なのである。今日は昼からなので、ちょっと早く出て本屋回りでもしようかなと思っていたのだが、昨夜遅かったので起きられない。予定より1時間ほど遅れて起き出してきたが、今度は雨が降り出した。あきらめて昼前に出ることにしたのである。
職場で夕方に小腹が空いたので、食い物を買いに出たついでに書店に寄って「ウィニング・ボールを君に」(山際淳司:角川文庫)を買った。亡くなっちゃったんですよねぇ、山際さん。惜しいよなあ、本当に惜しい。まだまだ、いろいろなものが書ける人だったのに。最初に「スローカーブを、もう一球」を読んだときの新鮮さは、今も忘れられない。的確な取材、選手の心理状態への斬新な迫り方、そしてクールな視点と文体。今は、この人の亜流がいっぱい出て来ちゃった(というか、スポーツノンフィクションの一つのスタイルになっちゃったような)んで、初めて読んだ人でもそれほど新鮮には感じないかもしれませんが。「江夏の21球」などは、「1イニングの間には、すごくいろいろなことがあるのね」と思ったことを覚えている。あれだけ大きな勝負だったのに、そういうことがあったということは全く読んだことも聞いたこともなかったですから。
惜しむらくは、私はあの「伝説の日本シリーズ第7戦」をリアルタイムで見ていないんだよな。当時私は大学生で母の実家に下宿していたのだが、家に帰ったとき祖父が興奮して試合の結果について話していたのを覚えている。当時から私はパシフィックリーグのファンだったので(偏屈者)、「あ、負けちゃったのね」という感想しかなかったのだが。まあ、それでも「江夏というのは大した投手だ」とは思いましたけどね。
今日は、仕事を早く切り上げて図書券と本を買いに行こうと思っていたのだが、けっきょく20時を過ぎてしまった。もう図書券は買えない(泣)。でも、まだ本屋は開いている。ジュンク堂に行く(でも、「ジュンク堂」をローマ字で書くのはマズイと思うぞ。我が家のブランド物のタオルに「JUNKO」と書いてあったのにもビビったけど)。まず、「センチメントの季節4 冬の章」(榎本ナリコ:小学館)を買う。出ていることをカミさんが教えてくれたのだが、通勤経路の本屋には無かったのである。でも、何で彼女がそういうことをリサーチしてるんだろう。しかし、これ、TVドラマで演るんですか。大丈夫なんでしょうか。この作品からSEXというテーマは外せないし、出てくる女の子はほとんど未成年ですぜ。まあ、そのぶん観る楽しみがあるというもんですが(おいおい)……性描写から逃げてたら怒るぞ。
そして、T-Timeを買った。他の店では書店・パソコンショップを問わず、ほとんど見たことがないのである。大丈夫なんだろうか。図書券の残りがほとんど無くなってしまった。哀しい。まあ、私なんかは、眼球は水平方向の方が動きやすいので、横書きの方が読みやすいと思っているのだが、縦書きで段組ができて印刷できればカミさんの役に立つこともあるだろうということである。
家に帰り着いたとき、風呂場の電灯が点いていた。玄関の扉を開けると、息子がバスタオルを身体に巻いて「とーちゃん、おかえりー」と出迎えてくれる。まるでタイの子坊主だな。ちょうど風呂から上がったところのようである。何度も「とーちゃん、おかえりー」「とーちゃん、かえってきた」と繰り返す。そうだねえ、最近、キミが起きている時間に帰ってきたことが無かったからねえ。
■9月5日(日)
昨夜は、「対なる者のさだめ」を最初から読み通していたら、そのまま居間で寝てしまっていた……面白くなかったせいぢゃないんだよ〜。殴らないで〜(誰に言ってる?)
8時直前に目が覚めたので、テレホタイムが終わる前に慌てて行くべきところを巡回する。落としてきたテキストを読んでいたら、9時になった。息子を起こしに寝室へ行く。起こすのが遅くなると、夜になって寝てくれないのである。だが、彼は熟睡している。いつもなら、この時刻になると寝室に入っていくとムックリ起き上がるのになあ……などと思っていると、私の方が眠ってしまっていたようである。気がつくと昼過ぎであった。もう妻子は寝室にいなかったのであった。
昨日録画した「ヒッパレ」を観たのだが……うげ、いきなりコイツかよ。華原朋美である。私ゃ、他人のことはあまり悪く言いたくないのだが、コイツだけは駄目な数人の中に入っているのである。ファンの人がいたら申し訳ありませんがね。最近、あの声を聞かなくなってホッとしてたのだが、また出てきたのかよ。あの音程の狂った声を聞いていると生理的に耐えられないんだよな。有線放送であの声が聞こえると、店を逃げ出してしまうくらいダメなのである。そういうアーチスト(とは私は思ってないが)、ホントにほんの数人だよな。私を店から追い出したかったら、彼女の曲をかけましょう。しかし、以前は音程はムチャクチャでも声は出てたと思うのだが、声も出なくなってるな。
今日、息子の手足を両親で持って振り回して遊んでいたら、彼が「いたい」と言った。下ろしてみると、左腕を傷めたようである。左腕が上がらない。その後も、左手を使おうとしない。ずっと痛がっているわけではないのだが、姿勢によっては「いたい」「いたい」と言う。今日は日曜日なので、行きつけの医者は休みである。カイロにも電話をかけてみたが、留守であった。近くの病院に電話をかける。脳外科の医者しかいないということだったが、カミさんが息子を連れていった。レントゲンでは異常は見あたらないということであったが、それ以上は整形外科でないのでわからないと言われたそうである。カミさんは、最初の診察が終わってから息子が「いたい」と言いだしたため2回受診したことになってしまって7000円取られたと言って怒っていた。
けっきょく、何も処置はされていない。湿布をもらってきただけである。夕方になっても痛がるので、カミさんは方々に電話をかけまくって数駅先の病院に整形外科医が当直していることを突き止めた。行く準備はしたのだが、レントゲンでも異常はないそうだし、腫れもないし、ずっと痛がっているわけでもないので、今夜は様子を見て明日カイロに行くことにした。この決定が誤りでなければいいのだが。まあ、昔ならこの程度の怪我は放っといたんだろうけど。
息子は電車に乗って行くつもりだったので「でんしゃ、のる」と繰り返す。仕方がないので、私が買い物に連れていくことにする。だが、自転車に乗せると「ひじ、いたい」と繰り返し始めた。今まではじっとしてたら平気だったのに…やはりこれは医者に連れていった方がいいのだろうか、などと思いながら走る。かなり切迫している。よっぽど家に引き返そうかと思ったが、スーパーの前まで来ていたので、入店する。息子は「いたい」「いたい」と言いながら歩いてついてくる。すまん、すぐ帰るから少しだけ我慢してくれ。買い物を終えて、息子を自転車に乗せようとしたところで、彼は「おしっこ」と言った。最も近くのトイレへの経路を私が計算していた一瞬の後、彼は「おしっこ、でちゃった」と言ったのだった。そうか、出ちまったか。替えのパンツは持ってないから、早く家に帰ろうな。彼は自転車に乗りながら「びしょびしょや」などと繰り返すのであった。
家に帰ってカミさんとシャワーを浴びると、息子は「いたい」と言い続けることはなくなった。カミさんが息子を寝かしている間に、私は昼間に妻子が行った病院にレントゲン写真を借りに行った。子供に何度もX線を照射するのは良くないからね(大人でもそうだ)。彼は、痛がりながらも何とか寝てくれたそうである。
うがぁー、カミさんのマシンにT-Timeをインストールしようとしたら、OSが7.6以上でないとダメだと言われてしまった。くっそう、そんなに古いOSになってしまっているのか、7.5は…
■9月6日(月)
昨夜も書くことがいっぱいあったので、気がつくと3時過ぎだった。日記を書き終えて上げたのはいいが、最新の内容をFIVAに入れなければならない。毎度のことながらMacのデスクトップからFIVAにデータを持っていく手順というのは、非常に悩ましいのである。FIVAにはFDDを買ってないのでフラッシュATAカードかLANかインターネット経由でしかデータを入れることができない。今回はインターネットに繋いでホームページのデータを落としてくることにしたが、モデムとかインターネットの設定を出張先から自宅に設定しなおさなければならないので手間取った。イーサネットで繋いで移した方が良かっただろうか。
寝室に入ると、息子が暗闇の中で「ひじ、いたい」「ひじ、いたい」と言っている。腕をさすってやると静かになる。だが、さするのを止めると、また「ひじ、いたい」と言いはじめる。これでは眠れないぞ。そのうちに窓の外が明るくなってきた。彼の左腕が向こう側にあって、さすっている私の腕が彼の身体を押さえてしまうので、彼の身体の向きを変えようとしたら痛かったようで、彼は私の腕を蹴り飛ばしてカミさんの方に行ってしまった。まあ、これで私は眠れるんだけどね…
朝になっても息子の腕の痛みはよくならない。今日からまた一週間以上、遠方の客先に行くのであるが、心配なので診断の結果が出るまで出発を遅らせることにする。彼は睡眠不足と腕の痛みで、すこぶる機嫌が悪い。食事をさせようとしても「いるか?」と訊くと「いる」と言うのだが、いざ手に持たせると「いらん」と言う。同じものに対して2回それを繰り返したので、彼の目の前から排除すると「ほっしい」と言って泣く。人生にはチャンスは何回も無いのだよ。自分の言動には責任を持て。そんなことを言ってると彼は「とーちゃん、ばいばい」と言いやがった。即座に「はい、ばいばい」と応えて居間を出て寝室に上がり、横になる。これを機会に、ちょっと休んでやる。残された息子は火のついたように泣き出した。「とーちゃ、きてー」「とーちゃーん、かえってきてー」と繰り返し叫ぶ。ずっと叫んでいる。見かねたカミさんが「上がって父ちゃんに『ごめんなさい』言うてき」と言ったようである。彼は寝室まで上がってきて私の前に立つと「どう…ちゃ、ごべっださぃ」と言ったのだった。よしよし、偉いぞ。私は起き上がって彼を強く抱きしめたのであった。
カイロに行って帰ってくると、息子の腕の痛みはかなり軽減されたようである。まだ水平にしか上がらないが、腕を上げられるようになったし、多少のことでは痛みを訴えなくなった。彼は眠いようなので、昼食を食べて寝かせることにする。彼が寝付くまでは一緒にいようと思っていたのだが、今日もなかなか寝ないのである。もう行かなければならない時間になってしまった。「父ちゃん、お仕事行くからな」と言って起きあがると、彼は瞳にいっぱい涙をためて「とーちゃん、かえってくる」と言うのである。そんなことを言われると行けなくなってしまうじゃないか。彼は母親になだめられて、やっと「いってらっしゃい」と言ってくれたのだった。
■9月7日(火)
いま泊まっているホテルは、ユニットバスの便器の正面いちめんが鏡なのである。小用を足すときには鏡の中の自分と真正面から向き合うことになるのである。ふと目を上げると、そこにはイチモツを引きずり出して用を足している自分の姿が……あんまり見て楽しいものでないねえ。まあ、自分のモノよりも他人のモノの方が角度の関係で大きく見える、ということは確認できたんだけれども。
このホテルは扉が異様に頑丈にできている。分厚い金属の板といってもよい。これで内側からロックできるし、チェーンも掛けられる。これで密室殺人なんかが起こったら、どうやって遺体を運び出すんだろう、などとワケのわからないことを考える私であった。まあ、急病で亡くなったり自殺したり、ということはありえるので、どうするのか興味はあるのである。
しかし、どうしてホテルの空気というのはこんなに乾いているのだろう。朝起きるとノドがカラカラに渇いている。ミネラルウォーターを数百ミリリットル飲むが、なかなか乾きが治まらない。あんまり飲み過ぎると、こんどは胃が痛くなってしまうからなあ。
昨日は早め(といっても22時半だ)に仕事を切り上げたのだが、書きたいことが多かったので、気がつけば2時過ぎになってしまっていた。食事をすると眠くなる。けっきょく下着姿のままベッドの上に横になってそれっきり、だった。朝起きて慌ててシャワーを浴びたのであった。
息子は、昨日の夕方には左腕を気にしなくなっていたらしい。今日は保育所に行ったそうである。
■9月8日(水)
出張していて朝から晩まで仕事漬けなので、日記に書くことがない。家族にも会えないし、本を読む暇もない。「今日も一日中仕事だった」で終わってしまう。これでは無理して書いても「日記」ではなく「雑記」になってしまう。看板に偽りあり、である。辛いのである。
先週、久しぶりに息子に会って知ったのだが、彼は「これ、なにー」攻撃を始めている。階段を上りながら、手すりの1本1本を指差して「これ、なにー」と問う。全部いっしょだよ。そのうちに「これも」「これも」とか言い出したが。しかし、いざ問われてみると自分が身近なものの名前を知らないことを思い知らされてしまうのである。意外なものを指差されて、答えに詰まったりする。全体としての名前は知っていても、部分の名前がわからなかったりする。教養の無さを暴露してしまうのである。もっと進化すると、今度は「どうして」攻撃が始まるんだろうな。楽しみなような、鬱陶しそうな…
私が子供の頃、母に「どうして木には枝があるん?」と問うたそうなのだが、彼女は面倒臭がって適当に「枝があった方が格好ええやろ」と答えたそうなのである。そうすると、それ以降私は電信柱をみるたびに「でんしんばしら、かっこわるいな」と言ったそうな。なんとイヤな子供であろうか(苦笑)。私も子供にツッコまれないように答えないとなあ。
■9月9日(木)
先月も半ばになって「SETI@home」に参加した。かなり遅い参加ではある。まあ、みんながワッと一斉にやっているときに一緒になってやるのはあまり好きでない性格なもので(偏屈者ともいう)。みんなの後からついていった方が、道が整備されているだろうということもある。ただ、参加はしたものの、わざわざこのことのためにパソコンを立ち上げておく気はないので、まだ2ユニットしか処理できていない。最近、出張続きでほとんど家のパソコンには電源入れてないし(苦笑)。まあ、空いてる時間を利用して計算する、というのが、この活動の主旨にも合ってると思うんですよね。
冷静に考えれば、地球外生命体からの信号は見つからない方が確率が高いと思う(どちらかに妻子の生命を賭けろといわれれば、見つからない方に賭けるだろう)。でも、可能性が0でない限りは見つける努力はすべきだと思うのだ。我々には、それをやる力があるのだし。
…今日も一日中仕事であった。特に書くべきことは何もない。カミさんに対する生存証明で書いているようなものである。でも「最近、面白くないわね。疲れてるのね。シンジ(仮名)にも会ってないしね」などと言われてしまうのである。
■9月10日(金)
カミさんがPHSを買った。便利なので私にも買うようにと言われている。でも私、ビンボだからなあ。とても毎月の支払いに耐えられそうにないのである。まあ、いま出張中はインターネットの巡回やページの更新を公衆電話からやっているので、ホテルの部屋から携帯でできればいいなあ、という気持ちも無いとはいえないのであるが。電話ボックスの中だとマウスが使えないから時間がかかるし、立ちっぱなしなので疲れるのである。背広を着たオジサンが電話ボックスの中で小さなパソコンでゴソゴソと何かやっている図というのは、なかなかに怪しいものだろうしねえ。
そういえば、先週の土曜日に早く仕事を終えて図書券とテレホンカードを安売りチケット屋で買おうと思っていたのだが、買うことができなかった。あと500円のカードが1枚たらずしか残っていない。しばらくチケット屋に行けそうにないよなあ。コンビニで買うしかないか。定価で買うのも悔しいなあ。PHSで通信していればカードの残量を気にすることもないのだが…って、PHSで通信したらテレホンカードを定価で買うより高価くつくんだってば。
今日も一日中仕事漬けである。仕事以外のことを考える余裕がない。明日も仕事だしなあ。
そういえば、今月は私の誕生日があるのだ。カミさんに「プレゼント何がいい? 高価いものでも買えるわよ」と言われた。「FIVAでもいいわよ」とも。日記には書いてみるものだな。単行本の印税が入るので、けっこう気が大きくなっているようである。まあ、それを買うと、私がいま使っているマシンはカミさんに行くことになると思うので、設定済みのお出かけ用インターネットマシンが手に入るというのは、それほど損でもないであろう。問題は、新しいFIVAの発売が11月だということだな(苦笑)。
今日の間食用に「ミニコッティプラス」(伊藤ハム)を買ってみた。あまり美味くない。「ビターなチョコ味」ということで買ったのだが、パサパサである。いかにも食物繊維が含まれています、という感じ。なんだか、飼料を食っているような、というと言い過ぎだろうか。チョコレート味の栄養調整食品というと、こういう感じになることが多いな。やはり、チョコレートの、あのまろやかさというのは脂肪によって醸し出されているのだなあ、と感じたことであった。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の証 |
¥640+税 | ISBN4-403-54008-2 |
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