2000年 10月中旬の日記
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10月11日(水)
昨夜も服を着たままホテルのベッドの上で倒れていた。部屋から通信できるかどうか、やってみないとわからないので、通信してからシャワーを浴びようと考えたのが敗因だな。日記を書いていると、背中が凝ってきて座っていられなくなってベッドの上に転がったのだ。泊まったのは先週と同じホテルだったのだが、今日の部屋は電話機から電話線が抜けないようになっていたのだった。これは計算外だったな。5時前に目が覚めたので、電話機が乗っている机を引きずり出し、机の裏のコードを追跡する。幸いなことに電話線を外せるところが見つかった。そこにFIVAのモデムを繋ぎ、通信する。何とか繋がった。最低限回るべきところを回り、シャワーを浴びてから日記を書くことにする。しかし、ホテルを出るべき時刻になっても今日上げる分の日記は完成しなかった。今日の更新は中止である。

帰りの新幹線の中で鵺姫真話岩本隆雄:ソノラマ文庫)を読み終えた。昨日も書いたとおり、途中ではかなり甘さが鼻についていたのだが、最後はきっちりと締めてくれました。やはり、これだけ複雑な話だと、まとめるので精一杯というところでしょうか。しかしそれでも、作者の「想い」というのは確実に伝わってくる。まあ、読み終えた時点でこの本を読んでヨカッタと思わせてくれれば、それで勝ちでしょう。

そして、続いて天使の非常手段 RIO 1」笹本祐一:ハルキ文庫)を読み始めた。いや、面白い、面白い。疲れているはずなのに帰りの電車の中で一気に読み終えてしまった。素晴らしいなあ、こんな話を書ける人がこの時代の日本にも居るんだ。

カミさんはまだICQが繋がらないと文句を言っている。ファイアウォールの設定をしたか訊くと、していないという。設定すべき内容を教えたら、設定する方法は見つかったらしいが設定しても繋がらないと言う。けっきょく私が設定することになるわけね。



10月12日(木)
今朝、息子は朝食を食べながら「あなた、ととろなの?」などととなりのトトロの台詞をずっと喋っている。カミさんはトトロのビデオは3回しか観せていないと言っているんだが。すごく印象が強かったんだねえ。

今日はまた通勤中に「異形コレクション 帰還を読んでいる。藤田雅矢氏「世界玉」はなかなか読ませてくれた。井上雅彦氏「空の淵より」は、意味がよくわからん。まあ、もともと意味はなくてムードだけを味わうべきモノなのかもしれないが。

今日は昼休みに漫画の時間いしかわ じゅん:新潮OH!文庫)を買った。「日本で四番以内の漫画読み」の筆者が数十作の漫画について書いたエッセイを集めたものである。こういう本はついつい買っちゃうんだよなあ。たぶん読む暇はないと思うんだけど。そして、本屋から職場に帰る途中、喫茶店の前に立ててあるボードに「スカトロ丼」と書いてあるのにギョッとして立ち止まる。よく見ると「ネギトロ丼」であった。イカン、疲れてるぞ。

家に帰り、玄関の前に立っても家の中で動きのある気配はない。妻子はもう寝ているんだな。しかし、私が玄関に入ると、寝室から重いものが下りてくる音が聞こえてきた。息子である。「おかえり」と言ってくれる。それはいいんだが、キミは寝なければいけないんじゃないのかね。一緒に寝室に上がる。カミさんは布団の上で転がっている。彼女は息子が寝ないことに苛立っているはずなので、息子を抱いて一緒に布団の上で横になる。横になっても彼は何かと喋りかけてくる。しかし元気だねえ。



10月13日(金)
けっきょく昨夜はあのまま眠ってしまっていた。食事もしてないし風呂にも入ってないぞ。時計を見ると6時過ぎである。これは、起きて通信しなければ。横を見るとカミさんがいない。居間に下りてゆくと、彼女は通信していた。しばらく二人で並んで通信する。こういうときに同時に通信できるのは便利である。古くなって使い道のなかったPCを利用して1万円程度の出費でこういうことができるのだから、頭は使いようである。まあ、それも無料でソフトを使わせてくれている作者の方々がいてのことなのだが。

今日は通勤中に菊地秀行氏「帰還」を読み終えた。これも、主人公のしてきた「行為」とオチがどう結びつくのかよくわからないな。これで「異形コレクション 帰還は読了である。

CDは「SUPER POINTS」(AMII OZAKI)を聴いている。ベストアルバムのようで、さすがに名曲揃いだが、ちょっと散漫な印象を受けた。まあ、別々に発表されたものを一つにまとめているのだから当たり前だが。それに、入っている曲ほとんどがすでに持っている曲だというのもあるな。

夕方になって、どうも寒気を感じる。風邪を引いたかもしれない。葛根湯を飲んだが、頭が痛くなってきた。

今日も家に帰り着いたのは21時頃だったが、息子が迎えに出てくる気配はない。しかし、寝室の方から彼の声が聞こえてくる。上がってゆくと、カミさんが転がっている横で彼が自分の布団のベッドメーキングをしていた。今夜も元気である。「月がきれいやで」と言うと観るために窓のところにやってくるし、私がパジャマを着ようとすると身体をぶつけてくる。頭が痛いので、今日も息子を抱いて横になり、喋る彼の相手をする。もう、このまま寝てしまってもいいか…



10月14日(土)
やはり昨夜も息子と一緒に寝てしまっていた。昨夜も一度起こされたのだが、頭が痛くてどうにも起きられなかったのだ。7時まで寝ていたが、それでもまだ頭が痛い。背中もノドも痛い。やはり風邪か。起きて葛根湯を飲む。今朝はカミさんが息子を保育所に送って行ってくれた。有り難いことである。

メジャーリーグのプレーオフを見ながら通信をする。マリナーズ、負けちゃいましたか。しかしイチロー、メジャーに挑戦するらしいですけど、大丈夫なんでしょうか。こんなのがブンブン投げてくるのを弾き返さなきゃいけないんですよ。投手は「かわす」ということができるけど、打者は真正面から立ち向かわなきゃいけない。シーズンオフにやっている日米野球を見ていても、日本人のバッターの打球はなかなか飛びませんからねえ。

今日は息子を保育所に迎えに行くのもカミさんが行ってくれた。有り難いことである。しかし気がつくと、今日は一日中パジャマで過ごしていたな。それで通信していたにもかかわらず、日記はほとんど書けていない。困ったもんである。いったい何をしていたんだろうと思い返すと、永世名人IIIの最強レベルと戦って、負け続けてアツくなってたのが敗因だな。しかし、指していて弱いのが自分でもわかる。簡単に悪くなる筋を見落とすし、歩いてて足元が怪しいような感じである。もどかしい。調子が悪いんだと思いたいが、本当に弱くなってるんだったら哀しいものがあるな。



10月15日(日)
今日、息子は母方の祖母に連れられて私の実家に祭りを見に行くのである。ちょうど日本橋に行きたい気分だったので、待ち合わせの場所まで私が連れて行くことにする。ThinkPadのハードディスクが一杯になってしまったので、外付けのディスクを買うしかないかと思ってしまっているのである。FireWireならホットスワップできるだろうから、必要なときにPCを再起動せずに着脱でできるだろう。30GBで3万ちょっとなら、買えない額ではないしね。がZAURUSの調子が悪いので、代替機種の価格の調査もしたいというのもある。6時に起きるが、さすがに息子は眠そうである。「阪神電車と山陽電車に乗るで」と言っても反応がない。カミさんが6時半まで寝直してから起きて雨戸を開けると、ようやく目を覚ましたようである。

電車で待ち合わせ場所の難波まで行く。息子は電車をみるたびに「ひがしいこまゆきの、ふつーやなー」とか言っている。電車の種別だけじゃなくて、行き先まで言及するようになっているのか。電車の種別は表示板の色が違うので文字が認識できなくても区別できると思うんだが、行き先は字が書いてあるだけだからなあ。ひょっとして文字を認識してるのか?

車内はけっこう混んでいたのでずっと立っていたのだが、鶴橋駅で座ることができた。鶴橋の駅を出たところで、目の前をスカイブルーの車両が通過していった。何だ?、と思う間もなく息子が「あおぞらや!」と叫んだ。そうか、あれを見たのは2回目だな。最初に見たときは、「あおぞら」と書いてあるのを見てもその正体が分からなかったんだが。私も近鉄電車の車両の種類については、ずいぶん詳しくなってしまったもんだ(苦笑)。

息子は難波で電車から降りた瞬間「ひがしいこまゆきに、かわってる」と言った。何のことかと思ったのだが、乗ってきた電車の行先が「難波」だったのが「東生駒」になっていると言っているのだ。そうか、やっぱりキミは近鉄の行先表示の文字が読めるようになっているんだね。それに、自分が乗っている電車の行き先も覚えていたのか。偉いもんだ。

難波駅でお義母さんに息子を引き渡し、日本橋駅に引き返す。降りたときには9時前だった。ZAURUSに入っているデータでは喜多商店の営業開始時刻が9時というふうになっていたので日本橋に向かったのだが、行ってみると10時開店になっていた。10年以上前に入力した情報なので怪しいとは思ってたんだ。いまホームページを見たら営業時間が書いてあった。馬鹿である。せっかく常時接続になって最新の情報が得られるようになっているのにねえ。さて、あと1時間、どうやって過ごそうか。時間を潰さねばならない人間が存在するなんて信じられない、などとずっと思っていたのだが、自分がそうなってしまいそうである。本を読めばいいのだろうが、このあたりはホームレスの人口密度の高さでは大阪でもトップレベルの地帯なので、公園のベンチみたいな座って本を読めるところなんて空いているわけがないのである。駅の中で10時前までベンチに座って本を読んでいるべきだったか、などと思っても詮無いことである。本を読むために金を払って喫茶店や飲食店に入るというのも私のポリシーに反するし。本屋も開いてないしなあ…などと思いながら歩いていてグッドアイデアを思いついた。コンビニに入ればよいのだ。コンビニであれば本の立ち読みは自由だし、最近はPCやネットワーク関係の雑誌も置いてある。けっきょく、1円も金を使わずに1時間分の情報を頭に入れて過ごしたのである。コンビニにとってはいい迷惑だが。

まずは日本橋の南の端から巡回する。ゲームソフトの店で中古の幻水IIが2,280円だったのでカミさんに電話をしたのだが、何回呼んでも出ない。CDが壊れたらしいのでたぶん欲しいと言うと思うんだが、2回かけても出ないので不要だということに決定して北上する。しかし、途中で彼女から電話がかかってきて、けっきょく引き返して買うことになるのである。

価格調査対象のZAURUSは、安い店でも5万円以上する。インターネット通販の安いところより、代引手数料や送料を入れても1万円以上高価い。これじゃ、買えないな。DVD-RAMの両面5.2GBのメディアも、3,000円程度が相場のようだが、輸入品を1,880円で売っているのを見つけた。どうやら、台湾で作ってアメリカとイギリスで売っているものらしい。やはり日本の物価は高価いのだなあ。

日本橋を縦断している途中でDISCPIERに入ると、そこには大口径のカメラを持ったにーちゃん達がロープに囲まれてギッシリと詰まっていた。きっと女性アイドルか何かが来店するのであろう。近寄りたくないので(同族嫌悪?)、避けるようにして中古CDの売り場に行く私であった。

そして、Ruputerが6,000円に満たない価格で売られているのを見て、思わず可愛そうになって買ってしまったのだった。製造中止になったらしいからなあ。べつに買ったからといって竜宮城に連れて行ってくれるわけではないのだが。でも、こういう機械がこの値段で買えることはこれからもないだろうから2台買おうか、などと思ってしまったことは秘密である。

そして今日の主目的であるFireWireの40GB外付けハードディスクドライヴを買った。34,800円である。30GBが通販で\31,499という情報は仕入れて行ったのだが、それに3,300円足すだけで10GB増えるのなら買う一手である。しかし信じられませんな、この値段。消費税を入れても1MBあたり1円しないんですぜ、あーた。

日本橋の駅に着いたときには14時を過ぎていた。この駅に降り立ってから5時間以上経ったことになるか。しかし、降りたときに感じていた頭痛はなぜか消えていた。やはり、好きなことをしていると免疫力が増すのか?

家に帰り着くと、カミさんは昼寝中であった。腹が減っていたので適当に作って食べ、さっそくハードディスクの設定を行う。言われるままにWindows98のアップグレードを行うと、タスクトレイからPCカードのアイコンが消えてしまった。マニュアルを見ると、FireWireも含めてプラグ&プレイの機器のアイコンは一つになるらしい。まあ、これはその方がアイコンが減っていいですな。そうこうしているうちにカミさんが起きてきた。さっそく「またいろいろと買ってきて…よくそれだけ買うものが出てくるわね」と言われる。えーん、これだって私なりに必然性があって買ってるんだよ〜

カミさんが息子を迎えに行ってくれたが、やはり彼は疲れているようで機嫌が悪い。外食は辛いだろうということで、ピザを宅配してもらって食べる。それでも彼は風呂に入るときにあまりゴネるので、風呂場で母親にお湯をぶっかけられたようだ。そして「とーちゃんと、ねる」ことになるんだな。



10月16日(月)
昨夜も息子と一緒に寝たので、今朝は7時に起きて通信する。衛星軌道上でやっている宇宙ステーションの組立作業が好きなときにリアルタイムで見れるとはスゴイ時代になったものである。人類が月に行った頃にこれがあれば、少しは私の人生も変わったかも。

7時半過ぎにカミさんが起きてきた。昨日疲れたようなので、今日は息子は保育所を休ませるのである。しかし私が背広に着替えるために寝室に入っていくと、彼が起き上がっていた。しかし「起きるか?」と訊くと「ねる」と言ってまた横になったのであった。

今日は久しぶりに定時に帰る。息子は元気である。高いところに抱き上げろとか抱き上げて回れとか、なかなか疲れる要望を連発する。まあ、ふだん遊んでやってないからな。それでも、風呂に入る段になって機嫌が悪くなってしまった。昨日のことを思い出したのか、脱衣場に入って母親が待っていてくれなかったと言って服も脱がずにゴネる。けっきょく、私が下りていって彼の服を脱がし、彼を風呂場に放り込む。なんで急にこんなに機嫌が悪くなるかね。



10月17日(火)
今日は東京に行く予定だったのだが、お客様の都合で行かなくてもよくなった。そのかわり、大阪と東京で電話会議とやらをやらされるのである。こちらから電話をかけると、向こうの複数の人間と話せるのだ。あちらではマイクとスピーカーが一体化した電話会議用の機械をとりかこんでいるのであろう。私も昔一度使ったことがある。しかしこの会議が時間がかかるのだ。19時から始めて終わったのは22時を過ぎていた。向こうはハンズフリーだからいいが、こっちは受話器を持ったままである。腕が疲れただよ〜

やはり、Windowsはいろいろ繋ぐとおかしくなる。外付けのハードディスクを繋いで、ThinkPadの内蔵ハードディスクと同じ大きさのパーティションにデータを丸ごとコピーしようとすると、コピーしている途中で外付けハードディスクが認識できなくなってしまう。いろいろやっているとフリーズしたりして、再起動時にScanDiskが動いているのを待っていたりすると無為に時間が過ぎる。けっきょく寝たのは4時であった。タコなOSを使っていると人生を無駄遣いするということだな。



10月18日(水)
昨夜、ついにインターネット通販でZAURUSを申し込んでしまった。確認のメールに対して、職場から返事を出す。これで明日には家にブツが着くだろう。明日は出張で家に帰れないのだが。

起きると雨は止んでいた。4時の時点では、まだしとしと降っていたのだが、これだったら自転車で駅まで行けそうだ。私が背広に着替えると、息子はまた「とーちゃん、しごと、いくん?」と訊く。「そうだよ」と応えると「なんで?」と訊く。「キミに飯を食わせるためだよ」と言ってもわからないからなあ。ま、そういうことはわからずにご飯を食べている時期が幸せなんだけどね。

今日は昼休みに職場近くの書店で『「自己チュー人間の時代町沢静夫:双葉文庫)を買った。店頭で前書きを読んだだけで「うんうん」と頷いてしまう。なかなかの説得力ではありますな。

今日、家に着いたのは21時過ぎだったが妻子は起きていた。息子も上機嫌である。私の鞄を持って居間に上がってくれる。今日はまたとなりのトトロを見せてもらったらしい。そりゃ、テンションも上がるだろうね。明日は保育所の遠足なので彼を早く寝かせるとカミさんは言っている。彼は父親と寝たいと言ってゴネる。私が着替えるのについて寝室に上がってきたが、まだオシッコをしていないと母親に怒られている。涙をボロボロ流して泣くのだった。可哀想なので、絵本だけは読んでやることにする。カミさんもその方がいいだろう。「ご飯、もう注いでるけど」とか言っているけれど。

絵本を読んでやっていると、彼は登場人物(人物じゃないか)が葉っぱを傘にしているのを見て「ととろといっしょやなー」と言う。やっぱりトトロにつながってくるのか。絵本を読み終わっても彼はまだ居てほしそうだったが、彼に布団を掛け、電灯を消して寝室を出るのである。



10月19日(木)
今日は息子は遠足である。妻子は早くから起きている。私は今朝は遅めに出勤する予定なので一人で寝ていたが、起きるべき時間になってもなかなか起きられない。ちょっと疲れているか。

今日の夜から東京に行くのである。明日の朝10時に客先に行かねばならないのだが、朝5時起きはさすがに耐えられないので前日移動するようにさせてもらったのだ。定時まで仕事をして職場を出る。途中の地下街の弁当屋で売れ残りの弁当を100円引きで買って大阪駅に向かう。大阪駅の中もずいぶん店が増えてますな。使える空間はすべて利用しようとしているので、思わぬところに思わぬ店があったりする。まるで迷路のようになっているところもある。これは探検すると面白そうだ。

東京に行く新幹線の中で侵略者の平和 第1部」林譲治:ハルキ文庫)を読み終えた。最初は架空戦記の匂いが強くて設定がよく理解できずツラかったのだが、噛んでるうちに美味しくなってきたという感じである。読み終えたところで「次が出たら買おう」と思わせれば作者の勝ちだな。弁当を食べて次の本を読んでいたら疲れがドッと押し寄せてきた。そのまま2時間、東京に着くまで眠り続けていたのである。

しかし、22時過ぎだというのに何で東京の電車はこんなに混んでいるんだ。東京に住んでる人の方が通勤時間が長いと思うんだがなあ。みんな、家に帰らなくていいのか? 家庭で安らげないんだろうか。それにしても東京は大阪よりも酔っぱらいが多い。それも大阪では見かけないほど酷く酔ってるヤツが。ちょっと見ただけで明らかに小脳まで麻痺してるのがわかるようなのが乗換駅ごとに一人は必ずいる。東京駅でも山手線の車両からフラフラしながら降りてきたオジサンがホームで派手にブッ転んで、電車の中から見ていたオバサンに「あんなになるまで酔わなくても…」と言われていた。やっぱり東京の人は大阪よりもストレスが多いのかな。家庭にも不満があるに違いない。まあ、ひょっとすると大阪ではあんな酔い方をしたら命が危ない、なんてことは…ないと思いたいが。

ホテルに入ったときにはもうヘロヘロである。新幹線の中で首が不安定な状態で寝ていたので、首の後ろがガチガチに凝っている。またベッドに倒れ込んで寝てしまいそうなので、気力を振り絞って風呂に入る。湯に浸かって脱力していると、血行が良くなってかなり楽になった。それでも風呂から上がって日記を書いていると、しだいに疲れが肩の上にのし掛かってくる。けっきょく、今日上げる予定の分の日記を校正している途中でベッドに入って休む。まあ、すでに風呂には入っているからこのまま寝てしまってもいいか…



10月20日(金)
ホテルの目覚ましの音で目を覚ます。部屋の電灯が点けっぱなしだったので何度か目覚めたのだが、けっきょく朝まで寝ていた。昨夜コンビニで買ったカロリーメイトを食べながら日記を成形し、FIVAを電話線に繋いで通信しようとしたら…繋がらない。このホテル、チェックアウト直前には電話が使えなくなるのね。待ち合わせ場所に5分ほど早く着いたので、公衆電話を探して駆け込み、日記を上げる。大変だ。

帰りの新幹線の中で「ウォッチャー −見張り−」(草上仁:ハヤカワ文庫 1990)を読みはじめる。「パートナー」「宇宙人」「征服ヘルメット」「交枕クラブ」「死因」と読むが、まったく面白くない。どうしたんだ、「異形コレクション」シリーズに載っていた作品はどれも面白かったのに…などと思いながら読む。「パーソナリティー」はまあまあ面白かった。初出一覧を見ると、「小説ハヤカワHi!」に掲載されたものはどうにも面白くないようである。こういう雑誌、私なんか存在さえも知らなかったからねえ。でも、「花か種か」は感動した。さすがは「SFマガジン」掲載作である。久々に短編SFを読んで感動したような気がする。

家に帰ると新しいZAURUSが着いていた。代引きだから騙されることはないとは思っていたのだが、やはり現物を見ると安心する。そういえば、FIVAも新しいのが出たようだな。内蔵ハードディスクが10GBですか。いまはFIVAは出張専用になってるからハードディスク容量はそれほど要らないな。それ以外が同じなら買うほどのことはないだろう。次はCrusoeくらいは積んでくるんじゃないかと思っていたんだがなあ。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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