2000年 10月下旬の日記
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10月21日(土)
今朝はカミさんの体調が悪いというので私が息子を保育所に送っていく。彼は自転車に乗ると「あぁあぁあぁあぁ…」と大声を出しっぱなしでうるさい。どうやら、となりのトトロのシーンを再現しているつもりらしい。父ちゃんはハンドル操作は誤ってないぞ。保育所に着く。教室内の壁に園児が書いた絵が貼ってあるのだが、彼と同じクラスの他の子は人間の形を書いてたりするのだが、息子の絵はまだカオスである。家で絵なんて書かせてないからなあ。

明日は大阪でイベントがあるので、今日から木根さんが泊まりに来られるのである。そういえば、客間の蛍光灯が古くなって点滅するようになっていたのだった。交換しなければならない。この家を買ったときにすでにあったヤツだから、いったい何年使っていることになるのやら。ついでにカミさんに寝室の蛍光灯も交換するように言われる。馴染みの電器屋に蛍光灯を買いに走る私であった。

今日は木根さんが来られるまでにいろいろと自分の用事を片付けるはずだったのだが、新しいZAURUSを使えるようにするのに時間がかかって何もできなかった。新しい機械を手に入れるのは楽しいと言えば楽しいのだが、設定やデータ移行に時間がかかるんだよな。それに、マニュアルを読む気になれないというのも困ったもんである。前の機種とほとんど同じことしか書いていないので、かったるくて読んでいられないのだ。この機種からここが変わったというのを出してくれれば嬉しいのだが、今までに出た機種の数を考えるとそういうわけにもいかないしなあ。最新の機能に関しては、先日はじめてZAURUSを買ったという知人の方が詳しかったりするのである。昔からある機能については知ってるんだけどね。

息子の迎えにはカミさんが行ってくれる。カミさんはなぜかジャンプを買ってきた。イニDが休みだったんでパラパラッとめくって交換してもらってきたそうなんである。しかし、今週デビューした新人も下手っ糞だのう。編集もぜんぜん懲りてないな…とか思いながら読んでたら、何だ「ハンター×ハンター」のこの絵は。酷い。こんなのを載せるくらいなら休ませろよ。作家も編集者もプロとしての誇りはないのか?

明日はカミさんがイベントに行くので私が息子の相手をしなければならない。しかし、夕方になってお義母さんから電話がかかってきた。親戚のところに生まれた赤ちゃんを明日見に行くので息子を一緒に連れていってもいいよ、とのことである。向こうにいるのは昼過ぎまでらしいが、それでも散髪くらいには行けるだろう。3歳児を連れて散髪に行くわけにはいかないからね。ということでお願いするのである。有り難いことである。

今夜も私が息子を寝かせる。彼は最初に寝室に入って電灯を点けるのだが、今夜はなぜか紐を引いても電灯が点かない。彼はパニックになって泣き叫ぶ。今日入れ替えた蛍光灯が点かないようである。おかしいなあ、交換した後にちゃんと点灯するのは確認したはずなんだが。



10月22日(日)
今日はカミさんは木根さんイベントである。私は息子をお義母さんに預けにいくのである。彼は起きたときから「かんじょうせんと、はんきゅうでんしゃ、のる」などと言っている。しかし、そういう楽しみがあるにもかかわらず朝食を食べるのは遅い。お義母さんに電話して待ち合わせ時刻を30分遅らせてもらった。

普通電車に乗ってしばらくすると息子は「これ、なんばについたら、ひがしいこまゆきに、なるん?」と言った。そうだよ、前回一度体験しただけで知識を得てるんだねえ。しかしその直後に「なんで?」と問われて答えに窮する。「〜行き」の意味を理解してないのである。そうかと思えば、すれ違う電車を見て「これ、ならゆき?」などと言う。やはり、行先表示の字は読めてるんだな。でも、こういうこと誰に教えてもらったんだろうか。やっぱり自分でいろいろ見て規則性を発見したんだろうなあ。

待ち合わせ場所の鶴橋駅に着いた。彼は近鉄大阪線の高安行きの電車を指して「これ、どこゆき?」と訊く。いつも見ていない電車はわからないんだな。やはり字面で判断しているのか。しかし、JR乗り換えの改札の前でホームに着いた電車を見て彼は「これ、てんのうじゆき?」と言った。おろ、その電車はほとんど見たことがないはずなんだが。

待ち合わせ時間より少し早く着いたので改札の前でJRの電車が行き交うのを見ていたのだが、電車を見ているというのに息子はいつもより元気がない。ずっと立ちっぱなしだったせいかな。負ぶってやると、彼は私の背中に頭をつけてじっとしている。これは家に連れて帰った方がいいかなと思って、お義母さんが来てから彼にどうするか訊くと「かんじょうせん、のる」と応える。まあ、キミが言うのなら…

息子をお義母さんに預け、最寄り駅に戻る。私は入場券で入っていたのだが、よく見ると「電車に乗ってはいけない」という意味のことが書いてある。これは見なかったことにしよう。散髪をして家に帰り、通信していたらお義母さんから電話が入った。上本町に着いたが眠そうにしているので実家に連れて帰ろうか、とのことである。有り難くお願いする。今日は自分の用事ができそうだ。



10月23日(月)
いま、私のメインのサーチエンジンGoogleである。少し前まではインフォシークだったのだが、一度使っただけでこちらになってしまった。まあ、相変わらず公式サイトとかを探すときにはYahoo!を使ってるんだが。Googleの何がスゴイといって、情報量がスゴイ。かなりレアなキーワードを入れても(狼谷辰之とか(笑))けっこうな数が引っかかる。そして何よりもキャッシュを表示する機能がついているので、該当するページが消えていても内容が確認できるのである。これは前々から欲しかった機能なんだな。

新しいZAURUSは軽い。毎日ZAURUSを背広の内ポケットに入れて通勤しているのだが、今朝は「入れ忘れたか?」と思ったくらいであった。処理速度も前の機種に比べると遅いように感じるが(画面表示するときに無駄な書き換えをしているように見えるので遅く見える)、それでも知り合いの持っている機種に比べるとかなり速い。これは買って損はなかったな、ワタクシ的には。

今日は昼休みに職場近くの書店で戦闘員ヴォルテ谷甲州:徳間デュアル文庫)を買った。今月の発行予定を見てこれは買わなければいけないと思っていたのだが、かなり前に出てたんだったっけ?



10月24日(火)
今日は朝から初めての客先に行く。我が家から見て大阪の反対側にあるので、自分の会社よりも遠い。いつもより早く家を出なければならないのだが、少し遅れてしまった。最初から遅刻するわけにはいかない。必死で自転車を漕ぐのである。しかし暑い。もう10月も終わりだぞ。

今日、移動中に「ウォッチャー −見張り−」(草上仁:ハヤカワ文庫 1990)の最後のタイトル作を読み終えた。やはりこの人はこういうシリアスな作品の方が好きだな。しかし古本屋などで短編集を見ても、ほとんどがユーモアを前面に出したもののような気がするのである。ワタクシ的には、もっとこの人のシリアスな作品が読みたいんだな。でも、前回読んだ本と同じく後書きは面白い。基本的にこういうヒトなのだろうか。

予定されていた電話会議が中止になったので、今日も早めに仕事を終えた。帰りに久しぶりに梅田の本屋を廻って帰る。地球環堀晃:ハルキ文庫)を買った。読んだ作品もあるような気もするが、この人のこの時期の作品は買っておかねばなるまい。

どうも今日はしんどい。職場からの帰りに地下鉄のホームから階段を上ってくるのさえも青息吐息である。レンタルビデオを借りるつもりだったのだが、店内の階段を上る気力が無くてあきらめる。家に着いたのは21時過ぎであったが、自転車を降りて家の前に立つとドタドタと重いものが走る気配がする。「おかえりー」という声が聞こえてきた。玄関に入ると、息子が階段を下りてきた。パジャマを着ている。風呂から上がって今から寝るところだったようである。彼はは私の顔を見ると「とーちゃんと、ねたい」と言いだした。父ちゃんはご飯を食べなきゃいけないんだぞ。仕方がないなあ(←少し喜んでいる)。絵本だけ読んでやって電灯を消し、後はカミさんに任せて寝室を出るのである。



10月25日(水)
今朝、寝ていると隣の布団の上にいる息子がきゅんきゅん言いだした。まだ暗い。「どうしたんや?」と訊いてもみーみー言うばかりである。股間を探ってみると、少し濡れている。どうやらオシッコのようだ。抱き上げて廊下に連れ出し、オマルで排尿させる。オシッコをしているときも彼は自分の頭を私の肩に乗せている。よほど眠いようだ。そのまま寝室に運び込んで布団の上に横たえると、そのまま眠ってしまったのだった。時計をみると5時前である。私も小用を足しに階下に下りて、ついでにパソコンの様子を見に行く。寝る前に内蔵ハードディスクを外付けハードディスクにXCOPYで丸ごと複写する処理を走らせていたのだ。コピーの途中で外付けのドライヴが認識できなくなってしまうのはエクスプローラーでコピーしてるせいではないかと思ったのである。しかし、見てみるとやはり真っ青な画面に「書き込もうとしたドライブは存在しない」という意味のメッセージが表示されている。今まで平気で書き込んでいたくせに。そこでWindowsを終了させて寝ればよかったのだが、ディスクが壊れているのかと思ってScanDiskを実行したのである。すると、次々にエラーが出てくる。仕方がないのでフォーマットしようと思って専用のフォーマッタが入ったCD-ROMを探し出してきて実行したら、進捗が1%からぜんぜん進まないのである。まったく実行している気配がないので強制終了させたら、こんどはハードディスク自体を認識しなくなってしまった。うがあ、こうなるともうどうしようもないではないか。どうすればいいんだよ。気がつくと、けっきょく起きるべき時間になってしまった。何なんだ、いったい。

昨日から通勤中に地球環堀晃:ハルキ文庫)を読んでいる。今日、「恐怖省」を読み終えた。全体的に設定が古びているのは否めないが、なかなか読ませてくれる。母電子頭脳に関して「昔アポロ計画に使われた全電算機の総能力を軽く百数十倍引き離している」という記述があるが、今はパソコンでも性能的には桁違いの能力を持ってますからね。それだけの働きをしているかどうかは別問題だけど。

今日、昼休みに職場近くの書店でオタク学入門岡田斗司夫:新潮OH!文庫)を買った。こういう本を読むと、自らの薄々さをはっきりと認識してしまうねえ。

今日、新しい五百円玉を入手した。発行されてから3ヶ月にして初めてなのである。二千円札などはそれより前に発行されているにもかかわらず、まだ触ったことさえない。いかに、私の周りを流れている貨幣の量が少ないかということの証明である。要するに貧乏なのである。

今月始めに会社で小規模な組織変更があったので、今日は新規課員の歓迎会があった。しかし、夕方から職場で使っているパソコンの調子が悪い。ディスクをカリカリとアクセスしっぱなしで、異様に動作が遅くなってしまったのである。文字を入力するのにも、1つのキー入力を認識するのに数十秒かかる。マウスをクリックしたときにも画面がどのように書き換えられるかがスローモーションで観察できるくらいなのである。リース切れまであと3ヶ月の化石のようなマシンだからなあ。ディスクを圧縮ドライブにしても10MB前後しか余ってないからスワップ関連の現象なんだろうなあ。ディスクが回っている最中なので怖かったのだが、けっきょく耐えきれなくて電源を強制的に切る。それでも宴会の開始には30分以上遅れてしまったのだった。余り物しか食えないのである。

今日、帰りに家の近くの本屋で「TECH GIANを買った。付録のCD-ROMに入っているにしき義統氏のイラストの壁紙が目当てである。しかし、何故こういうエロゲーの専門誌に「全世界Boysゲー化計画」とかいうコーナーがあるのかね?

家に帰り着いたのは22時前だったのだが息子はもう寝ていた。カミさんと並んで通信していたのだが…眠い。やはり5時起きのせいか。何度も失神する。けっきょく、今夜は1時前に寝たのであった。



10月26日(木)
今朝も5時前に目が覚めた。今日の原因は蚊である。気がついたら3ヶ所も喰われていた。もう10月も終わりだというのにねえ。電灯を点けて撃墜する準備を整える。貴重な私の血液を盗んだ奴は見逃すわけにはいかない。姿を見せるまでじっと待ち、カミさんの脚にとまったところを叩き潰す。しかし彼女はピクリともしない。しょせん死人か。

今朝も小用を足しに下りたついでに通信するが、一通り廻ってすぐに寝る。昨日の失敗は繰り返せないのである。そして再度目が覚めたのは7時過ぎであった。慌てて起きて日記を書く。それを上げたところで妻子が起きてきた。息子はまあ元気そうである。やはり昨夜早く寝たからかな。それでも母親が起こしたときに「まだ、ねる」と言ったらしいが。カミさんは「もっと早く寝かせなきゃいけないわね」とか言っているのである。

今日も新しい客先に行くので早めに家を出る。移動中は地球環堀晃:ハルキ文庫)を読んでいる。往きでタイトル作の「地球環」を読み終えた。これは良かったっすね。こういう設定を立てるとどうなるかというのを非常に深く考えているのがわかる。ほんの細かいところで「あ、そうか」と思わせてくれるのである。ときどきあるんだよな、設定を作ってもそれがどう「世界」に影響するかを考えてないような作品が。SF的な道具立てを使っていても、そういうところに神経が行き届いていない作品を私はSFとは認められない。思うに、ここまで煮詰められているのは作者がサラリーマンをしながら執筆活動をしていて作品を完成させるのに時間がかかることとも無縁ではないような気がする。執筆にかけられる時間は少ないかもしれないが、完成させるまでに多くの時間を過ごしているので、作品は作者の中でより熟成して出てくるような気がするのである。そういう点で言えば、この作者のただでさえ少ない執筆時間を奪った太陽風交点事件というのは本当に日本のSF界にとって大損失であった。責任者出てこい!

新しい客先で一緒に仕事をしてゆくメンバーたちと仕事場を出て駅に向かって歩いていると、ウチの課長が「キックオフをしよう」と言いだした。「千円で」とか言っているが、今どきその値段で飲み食いできるわけが無いじゃないか。どうして酒や煙草が好きな人間はその欲望に対してこんなにも甘いのかね。「持ち合わせがないからもう飲めない」と言っている人間(私ではないが)に対して勝手に酒を注文するのはやめた方がいいと思うぞ。けっきょく、4人で1万円を超えてしまった。まあ、料理が旨かったからいいんだけどね。私は滅多に「旨い」と感じることが無いのである。外に食いに出るたびに「おいしい」とか言っているカミさんが羨ましいくらいで。

酔っぱらいの集団となって移動する。乗換駅に着いて電車から降りると車両の中から「財布、落としましたよ」という声が聞こえた。見ると、乗客の一人が黒い財布を持ってこちらを見ている。私の財布ではない。あれは課長の財布ぢゃないか? 課長が引き返してきてそれを受け取る。しかし、それは彼のものではなかった。そういう結論が出たときには電車が出ていってしまって、課長は途方に暮れている。周りを見回しても落とし主のような人は見えない。けっきょく、駅員さんに知らせることになる。ホーム上にある駅員の待合室に連れて行かれたのはいいが、駅員は「電車、出してしもてから…」と言って出ていったきりなかなか帰ってこない。分刻みでやってくる電車を運行させながらこういう対応をしなければならないとは、大変なことではある。しかし、待たされる我々はたまったものではない。ようやく駅員が帰ってきて財布の中身の確認をする。けっこうな金額が入っている。10万以上ある。私の財布なんて、この1割くらいしか入ってないぞ。同じ名刺が何枚も入っているので持ち主の見当はつく。どうやら歯科医の院長さんらしい。やはり歯医者は儲かるのだなあと実感したことであった。

今日は地下鉄の駅からの帰りに週刊モーニングを買った。とうぜんΠΛΑΝΗΤΕΣ(プラネテス)』幸村誠)が載っているからである。今回も良かったですね。定期連載になってレベルが落ちないか心配だったのだが、大丈夫だったようだ。タンデム・ミラーエンジンの爆発シーンだけでも買った価値がありますな。ファンタスティックである。内容については批判する人もいるかもしれないけどね。そして、ついに単行本化である。これは買わねばっ!

…とか言いながらリンク先を探してたら、ここで第一話が読めるんじゃん。ああ、インターネットは素晴らしい。第一話だけは読んでなかったんだよね。……じーん。やっぱ、いいわ。何で掲載されたときに気づかなかったんだろうね。あ、この人宇宙作家クラブにも入ってたんだ。なるほどなるほど。まあ、当然といえば当然か。

家に帰って夫婦で通信していると、階上でドタドタ歩く音がした。息子が起きたらしい。オシッコか? カミさんが慌ててオマルを持って階上に上がるが、間に合わなくて少しこぼしたようである。親が横に寝てたらよかったんだけどね。しかし、オシッコで起きられるようになったのか。偉いもんだな。



10月27日(金)
今朝は少し寝坊してしまった。さすがに4時過ぎまでダラダラと通信してちゃいけないな。わかっちゃいるけどやめられない、っと。今朝は電話会議の予定があるのである。その準備を昨日やろうと思っていたのだが、昨夜は会社に戻れなかったのだ。今朝は少し早めに出社して準備をしようと思っていたのだけどね。けっきょく、ぶっつけ本番か。チーズを囓って家を出る。

今日は地球環堀晃:ハルキ文庫)の「最後の接触」を読み終えた。これも壮絶な作品ですな。人間を切り刻んで利用するという発想、そしてそれを表現するイマジネーションが凄い。ただ一つ不満は、大脳を失った人間の思考がとても頭が良さそうにみえてしまうこと。大脳が無いんだからもっと即物的、直感的に書いた方がいいと思うんだがなあ。作者の頭がいいから、そういうふうに読めてしまうんだな。

今夜は家に戻ったのは21時過ぎだったのだが、妻子はもう寝ていた。しかし2階から階上をうかがうと息子の声がする。まだ起きているようだ。それほど眠そうな様子でもないので上がってゆく。息子はまだまだ元気である。抱きついてくるので、そのまま一緒に横になって寝かせる。しかしなかなか眠ってくれない。そのうちにカミさんが洗濯物を干しに下りていって…



10月28日(土)
今朝、起きたのは10時頃であった。昨夜は息子と一緒に早く寝てしまったというのにこの時間だとは、丸半日寝ていたことになるか。しかし、それでもしんどい。困ったもんである。

今日は居間の本棚を大容量のものに入れ替える予定だったのだが、カミさんの体調が悪いということで延期する。雨も降っているしね。やはりこういう作業は天気の良い日にやりたいものである。

今日もダラダラと時間が過ぎる。息子を保育所に迎えに行くのもカミさんがやってくれた。けっきょく、結果的には何もしていなかったような気がするな。今夜は息子が父親と寝たいというので、私が風呂に入れて寝かせたくらいか。



10月29日(日)
今朝も起きたのは9時前であった。今日も半日近く寝たことになるか。それでも相変わらず疲れは取れない。歳のせいかのう。9時過ぎになって息子が起きてきた。しばらく私のThinkPadで将棋をしたあと、彼は「ぱん、たべたい」と言いだした。今朝はご飯だと言ってもパンがいいと言う。仕方がないなあ。買いに行くか。二人して近所のスーパーに歩いて買いに行く。途中で雨が降ってきた。用意してきた傘を差すと、息子は私の脚にしがみついて身を寄せてくる。父親であることを実感するひとときである。店の前に着いたが、どうも様子がおかしい。店内が暗いぞ。え、日曜日が休みのはずがないよな。ひょっとして、潰れたのか。敷地の回りに張ってあるロープを越えて入り口のところに行くと、張り紙が貼ってある。やはり閉店のようである。もうすぐ近所に大型スーパーがオープンするからねえ。帰りに彼は「なんで、つぶれたん?」と訊いてくる。「大きなスーパーができてお客さんが来なくなるからやで」と応える。しかし、しばらくするとまた同じことを訊いてくるのである。ええかげん覚えてくれ〜

家に帰ると息子は「いろんなとっきゅうでんしゃ、みたい」と言う。先日借りてきた特急電車を集めたビデオをダビングしてあるものを観たいと言っているのである。しかし、ASAYANの男子ヴォーカルオーディションの再放送をやっているのがなかなか凄いので彼の意向を後回しにして観るのである。いやしかし凄いですな、最近の若い子は(年寄りの繰り言モード)。その辺のプロで彼らに確実に勝てる実力を持ったヴォーカリストって、どれくらいいるんだろう。

パンを買えなかったので、予定通りご飯で朝食である。しかし息子は食べている途中で急にベソをかいて「つかれた」と言いだした。「疲れてるんやったらまた寝ろ!」と言うと泣きながら寝室に上がっていった。いったい何なんだ。今日は彼の要望があまり通らなかったせいかな。階上が静かになったので母親と一緒にまた寝たのかなと思っていたのだが、 昼前になってまた下りてきた。「元気になったか?」と訊くと「げんきになったよ」と言う。またしばらくパソコンで将棋をして遊ぶのである。

昼過ぎになってカミさんが起きてきた。彼女も自分の食事を作って食べるが、息子はその横でスナック菓子を食べて一部母親のオコボレをもらっただけである。朝食もほとんど食っとらんし、腹は減ってないのかのう。

食事を終えるとカミさんは緑地公園に行きたいという。しかし、天気が悪いので大型スーパーのビルの中にある遊技場に行ってもらうことにする。最寄りのスーパーが潰れて買い物に行けなかったからね。アスレチック的な施設でひととおり遊び回る。その後、ファーストフードのドーナッツを食べる。息子は2つ平らげた。やっぱり腹は減ってたんだな。夕方になってしまったので、混まないうちにそのまま夕食を食べに行くことにする。早めの夕食になるのでスーパーで夜食の寿司を買って、今日はラーメンを食べに行くことになる。中古の書籍・CD・ゲームソフトを売っている店の隣である。ドーナツを食べた直後なので、まずは腹ごなしに本を見に行く。店に入ると息子はまず私を雑誌や絵本のコーナーに引っ張っていく。絵本を読んでほしいのかと思ったが、どうも違うようである。何か別のものを探している。「でんしゃのほん」とか言っている。そうか、前回ここで鉄道関係の雑誌を見ていたのを覚えているのか。しかし、そこには数冊の蒸気機関車の雑誌を除いて鉄道関係の雑誌は無くなっていた。彼はしぶしぶ蒸気機関車の雑誌を読むのである。私は横で新世紀エヴァンゲリオン完全攻略読本新世紀福音協会:三一書房)を読み始めてハマってしまった。読んでいると当時の盛り上がりを思い出してしまったのである。100円以下だし、買うか。けっきょく買ったのは以下の3冊である。

新世紀エヴァンゲリオン完全攻略読本新世紀福音協会:三一書房 1997)\1000→\95
未踏惑星キー・ラーゴ」(梶尾真治:ハヤカワ文庫 1992)\544→\200
裏山の宇宙船 前編」笹本祐一:ソノラマ文庫 1994)\485→\200

そのうちに息子がグズグズ言いだした。仕方がないので彼を背負って店内を巡る。それが終わってラーメン屋に入っても彼は調子が悪い。座席の上で横になっている。ラーメンもほとんど食べない。こういうことは滅多にないんだけどねえ。帰りの車の中でも彼はチャイルドシートの中でグッタリしている。そのうちに眠ってしまった。これはかなり体調が悪いようだ。家に着いて目は覚めたようだが、相変わらずグッタリしている。抱き上げてそのまま寝室に連れ込んで寝かせるのである。しかし彼は寝室に入ると少し元気になる。絵本を読めと言うのである。こういうときでも手順を踏まないと寝ないつもりらしい。絵本を読み、電灯を消すと彼が抗議する。「まめきゅう、つけて」と言っている。先日蛍光灯を交換したときに豆電球も入れ替えたのである。それまでは切れていたので寝るときは真っ暗だったのだが、豆電球が点くようになって真っ暗では眠れなくなったらしい。それまでは真っ暗なのが当たり前だと思っていたんだろうにねえ。

息子を抱いて一緒に寝ていた。やはり彼は少し熱い。熱があるようだ。私は22時頃になって起きた。この土日は寝てばかりだな。居間に下りてしばらくすると、階上から息子の泣き声が聞こえてきた。彼も起きたらしい。上がっていくと「こわかった」と言って泣いている。ちょっと気弱になっているな。寝たくないと言うので、居間に下ろしてしばらく過ごす。彼は「ひえぴた、したい」と言うが、ストックが無いらしい。そう言うと彼は泣く。最初は貼るのが嫌だとか言ってたくせに。仕方がないなあ。私が着替えてコンビニまで買いに行くのである。



10月30日(月)
今朝も息子は何度か目を覚ましたようだ。一度は尿意を訴えたので、廊下に出してオマルでオシッコをさせた。子供の頃、夜中に調子が悪くなって親を呼ぶとすぐに起きてくるのが凄いことだと思っていた。私は寝起きが悪いので子供に何か起こっても目が覚めないんじゃないかと思っていたのだが、意外と起きられるものである。自然の驚異というやつか。

当然今日は息子は保育所を休ませる。カミさんと二人で朝食を食べ、着替えるために寝室に上がっていこうとすると階上から息子の声が聞こえる。慌てて上がってゆくと、彼は自分の布団の上に起き上がってベソをかいていた。抱きしめてやると「こわかったよー」と言って泣く。なだめて「寝るか?」と訊いても寝ないと言う。そのまま抱き上げて居間に下ろすのである。座椅子の上に下ろしてもグッタリしている。カミさんが「何か食べるか?」と訊いても大儀そうに首を振る。しかし彼女が「ゼリーは?」と訊いた瞬間、急に表情がはっきりして眼に光が戻ってきた。何なんだ、いったい?

今日も通勤中に地球環を読んでいる。往きに「骨折星雲」を読み終えた。こりゃまた壮大な話ですな。それに、これをメモリーとして使うという発想がすごい。そのうえ、そこからこういうものが出てくるとは…

家に帰ってPC関係のサイトを廻っていると「シャープがUSB経由で録音/編集が可能なMDLP対応ポータブルMDレコーダーを発売する」というニュースを見つけた。ううっ、これは物欲を刺激されてしまうぜ。そろそろ通勤中に音楽を聴いているMDプレーヤーの調子が悪くなってきた(というか、リモコンのクリップが緩くなってしまってすぐに落ちてしまう)ので、そろそろ買い換えかなと思っていたのだがMDLPが出たのでそれが安くなるまで待とうと思っていたんだな。MP3プレーヤーも欲しいのだが、1曲を記憶するための単価を考えるとまだまだ手が出ないのだ。だって、アルバム1枚の曲を全部入れようと思ったら3万近くかかるんですもの。しかし、これだとPCとUSBで繋いでCDからもMP3ファイルからも録音できる。そうなると操作性はMP3プレーヤーと同じである。そして録音媒体はMDなのでランニングコストは安い。あ、MDLPに対応しているので従来のMDよりも良い。いいとこ取りである。いや、そのうえPCと接続しているのでキーボードで曲名入力ができるんだ。しかも漢字対応だ。いやいや、CDDBを使えば曲名入力さえも不要かもしれない。音飛びガードも今の機種の4倍になってるし再生時間も長くなってるしなあ。これは欲しいっ!

1:43地震。前触れが長かった割に大きい。これもけっこう大きな地震だぞ。震源地ではかなり揺れたはずだ。3分後にはNHKのTVに情報が出た。愛知県で震度5だそうである。木根さんは大丈夫だろうか…とカミさんがメールを出そうとしたら向こうから来たのであった。



10月31日(火)
今日は東京に出張なのである。しかし打合せは昼からなので、いつも通りに家を出ればよい。ちゃんと7時半に目が覚めた。我ながら大したものである。でもカミさんは起きる気配がない。独りで居間に下りてPCで今日の朝刊のニュースを読み、パンとチーズを囓る。着替えるために再度寝室に入ったときも、カミさんは無言でこちらを見ただけでまたあっちの世界に行ってしまった。まあ、今日は息子を保育所に連れていく必要はないからな。

今日も移動中に地球環を読む。そういや昨日「宇宙猿の手」を読んでいたのに書くのを忘れていた。ここまでくると、ほとんど馬鹿話ですな。今日読んだ「猫の空洞」は、この「猫」の存在がSFですねえ。ふつう、こういう存在を思いつきはしても、それで矛盾なく物語を成立させるのは難しいと思うのだが、非常にうまく料理している。さすがである。いま気づいたが、以前の作品では「無重力状態」と記述していたのがこの作品では「無重量状態」という用語の使い方になっているな。こちらが正確な用法(だということに最近になってなった)なのだが、用語が統一されていないということは発表時の形のままで収録されているということだな。まあ、こういう作品は最新の知見にしたがって手を入れ出すと、物語自体が成立しなくなる恐れさえあるからね。そのままにするのが正解でしょう。

新幹線乗れる時間がわからなかったので(笑)新大阪駅で指定席を予約しようと思っていたのだが、取れなかった。やはり午後一番に東京に着く便は混んでいるんだな。急いで自由席に向かう。かなり並んでいる。ホームを歩いている途中で列車がやってきた。しかも客が乗っているので新大阪始発ではない。座れるんだろうか。扉が開く直前に列の最後尾に並ぶ。車両に入って最初に目についた空席に座る。正解だったようだ。こういうときに迷ってはいけない。かなり座れない乗客が出たようだ。京都でもけっこうな人数が乗ってきた。大変だな。

新幹線に乗って「蒼ざめた星の馬」を読んだが、ちょっとテンションが低いような。そして「過去への声」だが、うーん、何かよくわからんけどすごい。続く「宇宙葬の夜」もすごい話だ。次の「虚空の噴水」も良かったっすね。この宇宙のイマジネーション、そして「精神」がSFである。帰りに読んだ「柔らかい闇」も凄い話だ。そうか、水星の南極というのは盲点だったな。しかし、よくもまあこんな「大風呂敷」を広げられるもんだ。文字通り物理的にも論理的にも。まあ「大風呂敷を広げる」という言葉から発想されたんだろうけどね、この話は。

帰りは疲れてあまり本は読めなかった。JRから地下鉄に乗り換えるときに雨がパラついていたので心配したが、地下鉄から降りたときには降っていなかった。ラッキーである。

家に帰り着いたときには翌日になろうとしていた。居間には妻子はいない。寝ているのかと思って寝室の隣に上がって着替えていると、寝室から「おとーちゃんや」という息子の声が聞こえてきた。まだ起きてるのか。カミさんによると、今日は昼寝が遅かったので寝かせるのが遅かったそうである。私が寝室に入ると彼は布団をはねのけて起き上がってしまった。仕方がない。抱き寄せて一緒に横になる。彼が喋りかけてくる相手をしていると、カミさんは寝室をするりと抜け出していったのだった。まあ、新幹線の中で弁当を食ってきたからいいんだけどね。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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