2000年 10月上旬の日記
▲10月1日(日)▼
今朝は4時にカミさんが通信を終えて上がってきたので目が覚めた。そのまま起きる。明日は朝10時に東京に行かねばならないので、5時に起きねばならないのだ。前日から身体を慣らしておいた方が良いだろう。
9時過ぎに息子が起きてきたので、いっしょに朝食を食べる。自分で起きてきたときには、さすがに機嫌がよい。しかし、私たちが食事を終えてから起きてきたカミさんの機嫌が悪い。国勢調査の用紙が無いと言っている。私が疑われているようである。記入された内容をチェックして返したはずなんだが。息子がパソコンをいじりながら何かと喋るのに怒鳴りつける。「私のパソコン触らさんといて!」「ファミコンと一緒やで!」と私にも次々と弾丸が飛んでくる。これは避難したほうが良さそうだ。息子を連れて買い物に出る。我々が帰り着く頃には嵐は収まっているだろうか。
買い物から帰ってくると、まだうねりはあるが、とりあえず接岸できそうな状態になっていた。国勢調査の用紙は、本の間に挟まっていたそうである。心から安堵する私であった。
今日は外食することになる。今日は私が息子の相手をした方が良いと判断したので、彼を連れて日本橋に行くことにする。昨日メビウスのプロキシサーバ化を思いついてから、やってみたくて矢も楯もたまらないのである。帰りに地下鉄の駅までカミさんに迎えに来てもらって、そのまま飯を食いに行くことにする。TVではオリンピックの男子マラソンを中継しているが、見る必要はないだろう。優勝候補でもないのにあれだけ騒がれて、好成績を残せるわけがない。
往きは駅まで歩かねばならないので、近鉄で行くことにする。家を出たときには息子は「はやいっ!」とか言いながら走っていたのだが、駅に着くまでに疲れてしまったのか歩みが遅くなってしまった。今からそんなんで大丈夫か?
駅に着き、息子にプリペイドカードを渡して抱き上げ、切符を買わせる。彼はカードを挿入しようとするのだが、挿入口と自動販売機表面の隙間に入れてしまってなかなか入らない。これは子供じゃなくても間違いやすいんではないだろうか。設計者には一考を望みたい。ちょうどカードの残額が無くなったので、息子に持たせる。これを持っていれば彼はご機嫌なのである。
電車に乗ってからも、いろいろな車両が見れたので息子はご機嫌である。しかし、彼は日本橋に着いてソフマップに入ると「おうち、かえる」と言いだす。やはりパソコンショップは好きじゃないのか。人もいっぱいだからね。同じ年頃の子供もいっぱい来てるんだが。しかし、LANカード3枚とケーブルを3本買っても税込みで1万円を少し超えるくらいだとは、いい時代になったものである。帰りたがる息子をなだめながら最後にDVD-RAMの両面ディスクを選んでいたら、急に彼が泣きだした。「なくなった」とか言っている。陳列棚の下の隙間を覗き込もうとしている。見ると、さっきまで手に持っていたプリペイドカードが無くなっている。落としたのか。彼を退かせると、床の上に落ちていた。
帰りはカミさんが駅まで迎えに来てくれるので、地下鉄で帰る。堺筋線に相互乗り入れしている阪急電鉄の車両がやってきた。息子は違った種類の電車に乗れて喜ぶのである。途中で近鉄への乗換駅に停まったとき、息子は「おりへんの?」と訊く。乗り換えるべき駅が判るんだな。偉いもんだ。阪急の車両の中で阪急と地下鉄のブラインドの違いについて息子に説明する(阪急は下から引き上げるのだ)。彼はいたく感心したようである。少しは父の威厳というのが示せたかな(ちょっと違う)。
地下鉄の駅で降りると、息子は不安そうに「なんで、かえるん?」と訊く。「車でやで」となだめながら、待ち合わせ場所の古本屋まで歩く。彼は途中で「おつきさんや!」と言った。彼の指す方を見ると、細い月が白く屋根の上に浮かんでいる。よく見つけたな。もう月が一周したのか。
カミさんと落ち合い、夕食を食べに行く。一皿100円の回転寿司に行こうとしたのだが、途中で左側の車線が異様に混んで進めなくなってしまったのであきらめる。右側の車線に移って見ると、それらの車は皆その寿司屋に行こうとしていたのだった。100円寿司、畏るべし。けっきょく食べ放題の焼き肉屋に行ったのだが、ここもけっこう混んでいる。待っている間に息子と月を観に外に出たりする。空はさっきよりかなり暗くなって、月は輝きを増している。民家の屋根の上ギリギリのところに明るい星も見える。あの輝きは金星だな。息子に教えるが、なかなか見つけられない。月はすぐに見つけたくせに。やはり天体の位置を教えるのは難しいか。
食い放題なので必死で食う。貧乏人根性である。水の代わりにワカメスープで流し込むようにして食う。家に帰って落ち着いてから、胃が異常事態に気づいたようである。蛋白質と脂肪の塊が詰まっているわけだから、いつもの澱粉質のようにはいかないぞ。ちょっと苦しくなってきた。明日も早いことだし、早めに寝るのである。
▲10月2日(月)▼
今朝は5時に起きた。朝10時に東京の客先に入るように言われているのである。本当はさらに1時間くらい早く起きて日記を更新してから行きたかったのだが、まあ仕方がない。また進行が一日遅れてしまうけどね。朝食を食べ、鞄に出張用の荷物を詰めていたら予定時刻よりも家を出るのが遅れてしまった。予約していたのぞみに乗れなければ大変なことになる。必死で自転車を飛ばす。6時前なので道路が空いていてノンストップで行けるのが苦しい。誰か私を停めてくれ。
必死で自転車を飛ばしたのだが、新大阪にはのぞみが出発する20分以上前に着いてしまった。考えてみれば最寄りの地下鉄の駅から新大阪まで1時間もかかるわけがないんだよな。6時半なのに、もう新大阪駅のマクドナルドは営業している。背広姿の人々が並んでいる。そうか、月曜日の朝一番に東京に移動する人はここで買って車内で食べるのね。
朝起きてすぐ食事をして急に身体を動かしたせいか、昨夜の暴食のせいか、急に強めの便意を催してきた。トイレに行くと、個室は満杯である。それどころか、人が並んでいたりする。そうか、月曜日の朝一番に東京に移動する人はここに着いてから用を足すわけね。
先に入っていた人と入れ替わりで個室に入るのは何となく抵抗があるので、しばらく時間をつぶしてからまたトイレに行く。用を足して立ち上がると、自動で水が流れたのであった。ほう、大便器で自動になってるのは初めてだな。まあ、駅のトイレは水を流してないのもよく見かけるからねえ。
今日も700系である。前回乗ったときの、あの匂いはしない。いや、かすかに感じるか。ひょっとすると、アレは消毒液か何かの匂いなんだろうか? 座席に座り、「おもいでエマノン」(梶尾真治:徳間デュアル文庫)を読み始める。評判が高いので、通勤中に少しずつ読むのではなくまとめて読みたいのである。最初のタイトル作、やっぱりいいですねえ、カジシンですねえ。それはとても気に入ったのだが、それ以降の作品がちょっとなあ。エマノンのキャラクターが生きてないような気がした。なんだか、「エディプスの恋人」を思い出してしまった。いや、何となく。やはりこの作者は私にとって何年かに一度、至上の短編を提供してくれるという人なのだなあ…などと思って読んでたら「たそがれコンタクト」は面白かったですね。きっとこの話はLAN上でパソコンを使ってて思いついたに違いない。
今日は仕事でお客様に遅くまで引き留められて、解放されたときには22時を過ぎていた。ホテルに行く地下鉄のルートの選択を誤ったため、ホテルに着いたのは23時過ぎである。チェックインし、まずは室内からインターネットができるか確認する。電話線が電話機から外せたので、あっさり繋がった。このあたりは出張慣れしてルーチンワークみたいなものなのである。
▲10月3日(火)▼
気がつくと、ホテルのベッドの上に洋服を着たままブッ倒れていた。4時過ぎである。ちょっと寒い。昨夜、翌朝の食事を買いにコンビニに行ってシャワーを浴びてから寝ようと思っていたのに、どうにもしんどくてベッドの上に倒れ込んでしまっていたのだ。一晩中新しいFIVAのディスクがカリカリとアクセスしていた音が聞こえていた。以前も感じていたのだが、やはり妙に遅い。裏で何か動いているのであろうか。タスクトレイに入っているSETI@homeを終了させるとそれほど遅くなくなるので、涙をのんでアンインストールする。スクリーンセーバーとしても動かしていないんだがなあ。まあ、このFIVAだと1ユニットを処理するのに100時間以上かかるので、それほど意味はなかったのだが。しかし、それでもディスクはカリカリいっている。いったい何が悪いんだろう。
寒いなか布団も被らず寝ていたので、身体を温めるために風呂に入る。頭を洗ったりしていたら、上がると7時を過ぎていた。これじゃ、もう寝れないな。日記を書き、更新する。通信は最低限の時間で済ませなければならないので、日記からのリンク先は探していられない。これは明日以降に改めてリンクを張ることにしよう。
今朝も客先に行くので遅れるわけにはいかない。ホテルから駅に行く途中にあるコンビニで買い物をして、缶入りのカロリーメイトを飲みながら駅に向かう。目的の駅に着いたときに5分ほど時間があったので、ホームのベンチに座って固形のカロリーメイトを野菜ジュースで胃に流し込む。横にオジサンが座っている。格好はマトモなのに電車が来ても動こうとしないので変だなあと思っていたのだが、声が聞こえるので注意を向けると、どうも歌を歌っているのである。何だか気味が悪い。東京というのは恐ろしいところである(こらこら)。
昼休みに、一緒に仕事をしている人々と飯を食いに出る。ここで昼飯を食うのは初めてである。焼肉屋に入ったのだが、モツ煮込みの定食があったので頼むと、これが旨いのである。こんなに旨いものがあるのに何で他の連中は焼肉なんぞ食ってるんだろう、などと思ってしまったぜ。まあ、日曜日に焼肉を食い過ぎたせいもあるかな。
けっきょく今日も定時まで仕事をしてしまった。出張だと、遅く帰っても残業代も何もつかないんだよな。働いた分は丸損である。悔しい。東京駅で指定席を予約すると、30分近く待たなければならない。これも悔しい。せめて弁当でも安く上げようと思って探す。東京駅構内で弁当を安く売っているところも分かってきたので、今日は510円の弁当を買えた。ちょっと野菜は少ないが、まあまあマトモな弁当である。しかし最近は、自動販売機で指定席の予約ができるのね。「禁煙席で窓側」という予約もできるのは大したものである。
帰りの新幹線の中で「おもいでエマノン」を読み終えた。やはり、タイトル作と「たそがれコンタクト」以外はあまり面白くない。だいたい、エマノンが出てくる必然性があまり感じられないんである。無理やり登場させたような感じで。やはりこの娘は使い方が難しいよな。続いて「異形コレクション 帰還」の続きを読み始める。篠田真由美氏「赤い実たどって」は面白かった。子供は残酷だから、誰でもこういう思い出はあるかもしれない。続いて中井紀夫氏「深い穴」だが、これもなかなか重い話でしたね。北原尚彦氏「帰去来」も面白かった。夫婦というのはかくありたいもの……ではないか。早見裕司氏「アンタレスに帰る」も楽しんで読めた。いや、ローティーンの女の子がでてきたからでは……あるか。江坂遊氏「帰缶」はあまり面白くなかった。タイトルは気が利いてるけど。まあ、このタイトルがすべてですけどね。竹河聖氏「わたしの家」は…べつに何ということもない話だな。
家に帰り着いたときにはほとんど真夜中であった。そして、出張中に回れなかったサイトを見ていたら遅くなってしまった。明日もキツくなりそうだな。
▲10月4日(水)▼
出張明けなので今朝は少し遅めに出社する予定なのである。遅くまで寝ていられるのだが、妻子が起きたのも覚えているし、カミさんに呼ばれたときにもすぐに起きられた。不思議だ。4時間未満しか寝ていないはずなんだがなあ。こういうのは、かえって危ないかもしれない。
今日は通勤中に「TOUGHER THAN LOVE」(DIANA KING)を聴いていた。ヒッパレのライヴで発した、ただ一声のシャウトにノックアウトされて買ったものである。ジャマイカ出身だということで端々にレゲエが入っているが、レゲエがダメな私でもそれが気にならないほどのパワーがある。これはなかなか良いアルバムでございました。
そして今日も「異形コレクション 帰還」を読んでいる。奥田哲也氏「ホーム」はまあ読ませてくれたが、五代ゆう氏「或るロマンセ」は何が面白いんだかよく分からない。
カミさんは『北方謙三「ブラディ・ドール」の夕べ』という「JTBのイベント&ツアー」というヤツに参加するために土曜日に東京に行くのである。「ハジけてペンネームで名乗っちゃおうかしら」などと言っている。おいおい、大丈夫か。たしか同人誌には「作者と角川には言わないでね」と書いてたような気がするんだが。
夜はカミさんの通信が終わるのを待ちながら日記を書こうと思っていたのだが、猛烈に眠くなってきた。座椅子の上に座っているだけで、何度もあっちの世界とこっちの世界を往復する。もうダメだ。通信はあきらめて寝るのである。
あ、忘れていた。土曜日に「ぼくらは虚空に夜を視る」(上遠野浩平:徳間デュアル文庫)を読み終えていたんだった。老化現象だな。この作品は面白かったし、SF的なアイデアというのも盛り込まれていたのだが、何となく印象が薄いんである。読後感も「本を読んだ」というよりも「いいアニメを観た」という感覚に近い。なぜなんだろう。
▲10月5日(木)▼
昨夜、眠っていると隣に寝ていた息子が何か言いだしたので目が覚めた。ぼんやり聞いていると、なんだかオシッコが出るとか言っているようである。あわてて起き上がり、電灯のスイッチの紐を探す。息子は寝室を出ようとしている。かなり切羽詰まっているようである。彼は廊下に出てウロウロする。放出するところを探している。ゴミ箱の前に歩いてゆき、パジャマのズボンを下ろそうとする。いや、それはオマルじゃない! 手を引いて階段を下りる。漏らしてくれるなよ。何とか階段を下り、トイレに入っていった。間に合ったようである。しかしよく自分で目を覚ましたな。偉いぞ。
今朝は7時半に目が覚めた。今日も遅めに出社するようにしてきたので8時まで寝ていられるのだが起きることにする。昨夜は通信していないからね。30分で日記を成形して上げると妻子が起きてきた。食事をするから食卓の上を空けろと言われる。もうちょっと待ってくれー。必要最低限のところは見に行きたいんじゃー。
今日は通勤中に「LOVE IS THE MESSAGE」(MISIA)を聴いていた。なかなか良いものだが、ずっと聴いていると疲れる。引き出しが少ないのか抑揚がないのか。
そして本は「異形コレクション 帰還」を読んでいる。今日はまず石神茉莉氏「龍宮の匣」を読み終えたが、新味がない。新人がこれじゃ、イカンですよ。そして次は牧野修氏「夜明け、彼は妄想より来る」。スゴイ。何かわからんが、スゴイ。やはり他の作家とはモノが違う。
家に帰って「TOUGHER THAN LOVE」(DIANA KING)の中の気に入った曲をMP3に変換しようとしたら、ディスクの空きがないと言われてしまった。ついにこの日がやってきたか。やっぱり12GBでは足りないんだな。困ったもんだ。使ってないときにはPCを片付けないといけないので、外付けのハードディスクを増強するわけにもいけないし。やはり、ファイルサーバーが必要か…
▲10月6日(金)▼
今朝は7時半過ぎに目が覚めた。最近、ちょっと遅めだなあ。妻子はもう朝食モードに入っている。急いで朝食を腹に詰め込み、家を出るのである。
今日は通勤中に「FREEDOM」(YUKI KOYANAGI)を聴いている。やはり曲のレベルがシングルと比較するとかなり落ちるような気がする。まあ、あのレベルで10曲揃えたら大変なことだとは思うんだが。
そして相変わらず本は「異形コレクション 帰還」を読んでいる。今日は飯野文彦氏「母の行方」と本間祐氏「星に願いを」を読み終えた。「母の行方」はまあ読めたが、「星に願いを」は他の作品からちょっと浮いてるなあ。それを納得させるほどのパワーもないし。
今日は職場近くの書店で「いちばん強いのは誰だ」(山本小鉄:講談社+α文庫)を買った。別の本を買うつもりだったのだが、手に取ってパラパラとめくってたら止められなくなってしまったのだ。(元)プロレスラーの人にこんな文章を書けるなんて信じられない(偏見?)…というより、(元)プロレスラーの肉体を持っているのに加えてこれだけの文章を書かれたら、運痴の自分の立つ瀬がない(泣)。
13時半に、床が揺れはじめた。だんだん揺れが大きくなってゆく。そのうちにゆらんゆらん揺れはじめた。おうおう、揺れる揺れる。すごい長周期の揺れである。1分経ってもまだ揺れている。右に左に動いている。ビルの10階で揺れやすいといっても、これは大きい地震だな。しかも、けっこう遠いんじゃないだろうか。震源近くでは大変なことになっているような気がするぞ。インターネットで状況を調べようとしたが、情報がありそうなサイトはまったく繋がらない。やはり、インターネットはみんなが一斉に使い出すと弱いな。揺れてる最中に電話をかけていたやつは、その場で震源地や各地の震度まで知ることができたというのに。やはり、緊急時は旧来のメディアの方が頼りになる。インフラに無駄もあるけど余裕もある、というやつでしょう。しかし、鳥取西部ですか。中国地方は地震の危険は少ないと思っていたんだがな。やはりこれは、日本沈没の前兆なのであろうか? けっきょく、朝日のサイトが更新されたのを確認したのは地震発生から20分近く経ってからであった。まあ、ホームページの更新は手間がかかるからね。
しかし、ずいぶん揺れ方が今まで経験してきた地震と違ったねえ。1分経っても2分経っても、ゆーらゆーら揺れてるんだから。これだけ長いと、「本当に地震なんかいな」などと思いながら揺れに身をまかせていたのだった。ひょっとして、ビルの隣でブロントザウルスとかが交尾でもしてるんじゃないか、などと思ったりして。最初の縦揺れも小さい振幅で長時間だったような記憶がある。
今日は私が入社した頃に一緒に仕事していた人が東京からやってくるというので、当時のメンバーと飲みに行く。考えてみれば、もう15年くらい会っていないな。みんな歳を取るはずだ。やはり私はスーパードライは好きになれない。刺激ばかり強くて旨味を感じないのだ。これがいちばん売れているのか。やはり、何につけても私の好みは世間一般とはズレていると改めて認識したことであった。
▲10月7日(土)▼
今日はカミさんは『北方謙三「ブラディ・ドール」の夕べ』という「JTBのイベント&ツアー」に行くのである。一人で遊びに行くのに気がとがめるのか、今朝は息子を保育所に連れていってくれるし保育所から帰ってきてからもイチャイチャしても邪険にされない。
ということで、カミさんが東京に出発すると私は家で独りになる。そこでいよいよ、メビウスのプロキシサーバ化計画を発動するのである。まずはHTTPプロキシの設定を行う。最初はうまく繋がらなかったのだが、いろいろやっているうちに繋がった。何でうまくいったのかよくわからないんだけど(苦笑)。速度的には今までよりもワンテンポ遅れるような感じだが、不満はない。これでもダイアルアップで使ってたプロバイダや会社の環境に比べれば天国である。マルチパスの接続も、それをThinkPadからネットワークプリンタに設定するのもうまくいった。しかし繋がったのを確認した時点で、息子を保育所に迎えに行くべき時刻になってしまった。それまでにすべての設定を終えるつもりだったんだがなあ。まあ、根本的に環境を変えようとしてるんだから仕方ないか。
カミさんから早売りのヤンマガを買っておくように言われていたのだが、息子を迎えに行く前に買いに行く時間的余裕がないので保育所からの帰りに買いに行く。そしてついでにスーパーに寄って、今夜のおかずの総菜を買う。魚屋に水槽があるスーパーなので、息子はまず「かい、みる」と言って見に行きたがる。そして彼は相変わらずスーパーに入るとチーズ売り場に行き、それらの商品名をいちいち訊いてくる。キミはチーズオタクかね。
家に入ると息子は「あし、あらう」と言って浴室に入り、水道の蛇口をひねってお湯を出して水の出口をシャワーに切り替え、そして足を洗いだした。ううむ、そういうことまで自分でできるようになっているのか。
息子にThinkPadを使わせて相手をしながらネットワーク環境設定の続きをやる。彼が何かと喋りかけてくるのをなだめながらなので大変である。メビウスをマルチパスの隣に置き、LANケーブルの敷設を行う。家具の後ろを通して、邪魔にならないようにするのである。ThinkPadからハブへのケーブルは5mのものを買ってきていたのだが、少し短かったようだ。
LANの設定を終えて、息子に「ご飯、食べよか」と言う。彼は腹が減っていたようで、私がパソコンを片づけている間に自分のシャモジと茶碗を持って炊飯器の蓋を開け、ご飯を注ごうとしている。偉いもんだね。しかし、炊飯器は彼にとっては高い位置にあるので、少し注いだところで手が熱いところに触れたようで、そこで断念したようだ。「あつい」とか言っている。
食事を終えると、息子と一緒に風呂に入る。二人きりだと子供と一緒に風呂に入るのは大変である。外にカミさんがいると、息子を先に洗って彼女に渡してあとはゆっくり自分の身体を洗えるのだが、二人きりではそうもいかない。まあ、最近は脱衣場に出しておけば自分で身体を拭いて服を着るところまでやってくれるのだが。そういう意味では、一人で子供を育てきった人というのは大尊敬に値すると思うのである。このうえに仕事をして生活費も稼がなければいけないんだから。超一流のスポーツ選手に「女手一つで育てられた」という人が多いのもうなずけますな。そう言う超人的な人の子供である上に、そういう超人的な苦労をしてきているのを見て育ってきてるんだから。
歯を磨いてやってから息子と一緒に寝室に入り、絵本を読んでやって電灯を消す。暗くなっても、かなり長い間何かと話しかけてくる。やっと静かになったと思って眠りに入る。……電子音が鳴り始めた。一瞬、何の音だかわからない。しばらくして気がついた。電話だ。起き上がって電灯を点け、受話器のところに行く。カミさんからである。関空からバスに乗ろうとしたら、あると思っていた便がなかったそうなんである。かなり怒っているようだ。まあ、そう言われても私には何もできないわけなんですが。受話器を置くと、息子がまた喋り始めた。もう一度寝かせなきゃならないか。ふう。
▲10月8日(日)▼
今日は息子の保育所の運動会なのである。通信していたら、妻子が起きてきた。さすがに早いわね。カミさんに急かされながら、家を出るべき時刻ギリギリに日記を書き終えてホームページをを更新しようと思ったら…FTPがつながらない。うがー、環境を変えると大変だ。調べる時間なんぞありゃしない。泣く泣くそのまま家を出るのである。
保育所に着いたが、私の両親がまだ来ていない。実家からだと2時間以上かかるからな。
本来、昨夜から来て泊まってもらった方がいいのだろうが、カミさんが昨日は「仕事で(笑)」東京に行っていると言っていたので、今朝やってくるのである。私が駅まで迎えに行く。3〜4本の電車がやってきたが、どれにも乗っていない。そのうちにPHSが鳴った。カミさんからである。息子の出る競技が始まったとのこと。保育所に戻るが、彼の出番は終わっていたのであった。また駅まで戻ると、次の電車から両親が降りてきた。息子が参加する出し物で両親が見れなかったのは1つだけだったから、まあ良かったと思うべきか。
昼前に運動会が終わり、私とカミさんの親も含めて全員で回転寿司を食べに行く。カミさんにとっては先週のリベンジである。私が先に自転車で行って予約をして、残りのメンバーはタクシーで移動することになる。ちょうど全員が揃ったところで我々の席が空いた。グッドタイミングである。寿司を食べ終わり、カミさんは自転車を家に持って帰り、私と息子は私の両親を送っていく。西梅田駅で両親を見送り、息子に「鶴見緑地線の電車、見に行くか」と言ってみる。四つ橋駅から心斎橋駅への動く歩道に乗せてやれば喜ぶのではないかと思ったのだ。乗るのはタダだし、どのルートで帰っても値段は同じだからね。四つ橋駅で降りて動く歩道に乗せてみると、彼はすごく楽しそうである。ニマニマ笑いながら周りを見回して自分が動いているのを確認している。こんなものには乗ったことがないだろうからね。「楽しいか?」と訊くとうなずく。彼が「えすかれーた、ちょっと、ちがうな」と言うので「動く歩道」だと訂正しようとしたら、どうも正式にはエスカレーターらしい。水平方向の移動距離に比べて高低差がほとんど無いので動く歩道のように見えているのである。息子はその後も「えすかれーた、ちょっと、ちゃうかったなー」と言い続けたのであった。
息子は心斎橋駅に着いて鶴見緑地線の車両に乗り込むと「つるみりょくちせん、ちっちゃいな」と言った。そうだ、気がついたか。鶴見緑地線はリニアモーターカーで車両が小さいのである。「なんで?」と訊くので「リニアモーターカーやからやで」と答えてから、それが正しい答えではないことに気がついた。リニアモーターカーだから小さいわけではないな。「トンネルが小さいからやで」と訂正するのである。
帰りはカミさんに地下鉄の駅まで車で迎えに来てもらうことになっている。そのまま近鉄の駅に行って、私は自転車を受け取りに行くことになる。昨日カミさんが『北方謙三「ブラディ・ドール」の夕べ』に行くときに駅まで乗って行ったのだが、帰ってきたときに無くなっていたそうなのである。たぶん移動されたんじゃないかとのこと。保管場所まで歩いてゆくが、ずいぶん遠い。行ってみると、昨日には移動させていないはずだと言われてしまった。撤去自転車の置き場を見せてもらったが、カミさんの乗って行った自転車は見つからない。肩を落としてまた駅まで戻る。念のためカミさんが自転車を置いていたという場所に見に行くと、ありましたよ。ポツンと1台だけ。いったい何だったんだ。
家に帰ってきてカミさんに自分のFIVAのネットワークの設定をさせる。Webページは見れるようになったが、メールができないという。あ、そうか。POPとSMTPも通すような設定にしなければならなかったんだ。急いでメビウスでプロキシサーバ構築ソフトの設定を変更する。メビウスはマルチパスの隣に蓋を閉じて押し込めて、上に電話機を乗せているのでちょっとした変更も大変である。
カミさん用のメールの設定変更も済んだので、自分のFTPができない件について調査する。プロキシサーバ構築ソフトのマニュアルには載っていないので、サポート掲示板のログを探す。私の使ってるFTPソフトの設定方法について書き込んでおられる方がいらっしゃった。ありがたいことである。そうか、FTPソフト側も設定を変更しなければならないのか。
どうも、インターネットと接続するソフトはすべて「ファイアウォール経由で接続」に設定変更しなければならないようである。さらにWebサイトの一括ダウロードソフトやパソコンの時刻合わせソフトも設定変更が必要であった。そういう意味では、ファイアウォールに対応していないソフトは使えないんだな。インターネットに繋がるソフトは本来そこまで考えて作らなきゃいけないのか。大変だな。まあ、私が使っていたソフトはすべて対応していたからいいんだが。これらのソフトの作成者の皆様に深く敬意を表するものであります。まあ、こんなところで敬意を表したところで、作者本人には通じないんだけど(苦笑)。
やっと私とカミさんが同時にインターネットできるようになった。しかしやはり両親2人が同時にインターネットやり出すと、息子は疎外感を感じるようだ。私の膝の上に乗ってきては「あとで、しょーぎ、させてな」と繰り返す。鬱陶しいと思ってしまう。イカンなあ、これでは。
息子は寝室に入ると「ほん、よんで、あげる」と言う。「本読んでくれるんか?」と訊くと、私の横に仰向けになり、自分で絵本を広げて読み始めた。まだ字は読めないが、何かと説明してくれる。私は自分で読んでるわけではないので、それを聞いていると思わず気を失ってしまう。これじゃ、どっちが親だかわからないな(爆笑)。
▲10月9日(祝)▼
今日も今日とて朝起きて通信をする。ニュースを読んでいると、日本選手権の棒高跳びでポールが選手の股間に刺さり大量の出血で重傷を負ったそうですが…ぎゃー、痛そう〜。優しく入れてもらっても痛いのに、あんなに固くて太いのを落下する勢いで突っ込まれたら…(泣)
妻子はなかなか起きてこない。一人で朝飯を食うのも何だしなあ。けっきょく、息子が起きてきたのは11時近かった。二人で朝食を食べ、パソコンで遊ぶ。カミさんが起きてきてから彼を連れて外にでも出ようかと思っていたのだが、彼女はなかなか起きてこない。彼女が起きてきたときには15時近くになっていた。さすがに、ここ2日連続の行事は疲れたようだ。しかし、こんな時間になってしまったら、もう外に出る気はしないなあ。
カミさんは起きてくると早速パソコンを触りだす。夕方になっても食事の用意をする様子はない。もう外食するのは決定的だな。借りていたビデオを返しに行くついでに食事に行くそうである。カミさんが息子に、ラーメンにするか寿司がいいか訊く。彼が「おすし」と応えたので、今日も寿司を食いに行くのである。まあ我々も昨日の茶碗蒸しをもう一度食べたい気分だったのだ。
カミさんはICQが使えないと言っている。家庭内ネットワーク管理者(苦笑)としては、そういうセキュリティ上問題があるソフトは使ってほしくないんだがなあ。しかし、どうしても使いたいというのでファイアウォールを通す方法を調べるのである。明日は朝早いというのに、いま私は何でこんなことをしているのだろう、などと泣きながら調べる。どうやら、ICQのバージョンを2000aにすれば通すことができるらしい。それを教えて放っておこうかと思っていたのだが、ダウンロードできないと言われた。FTPができないとなると管理者が調べないといけないか。他のサイトでは問題なくダウンロードできているので、こちらの問題ではないと思いたいんだが。ブラウザでダウンロードするとうまくいかないので、FTPソフトを使ったらあっさりダウンロードできた。いったい何が悪いんだろう。
今夜も私が息子を寝かせる。今日も彼は寝室に入ると「これ、よんで、くれる」と言う。昨夜に引き続いて本を読んでくれるらしい。私が布団の上に寝ると、並んで横になって絵本を読み始める。今日はちゃんと本を読んでいる。まだ字は読めないが、書いてある内容は覚えているのである。彼が読むのを聞きながら気を失ってハッと気づくと、彼がこちらを見て様子をうかがっている。まったく、これじゃどちらが親だかわからないぞ(爆笑)。
▲10月10日(火)▼
今朝も5時起きである。朝の10時に東京の客先に行かねばならないのである。前回の経験があるので今日は余裕を持って新大阪まで行けたが、7時前ののぞみだというのに満員である。立っている人までいる。みんな仕事が好きなんだな。
移動中に「鵺姫真話」(岩本隆雄:ソノラマ文庫)を読み始めた。何というか想いの強い文章ですね。導入部など、背中から押されるようにしてグイグイ読まされてしまう。しかし、途中で「甘さ」が鼻につくようになってしまった。ジュニア小説的に文章が甘いのは美点でもあるのだが、構成が甘いし表現が甘い。どうにも登場人物の行動に必然性が感じられないのである。作者が作ったシナリオの上を無理やり歩かされているような感じで。時間モノでストーリーが入り組んでるからなあ。もっと書き込みが必要なのかもしれない。
今日も夜中まで仕事である。仕事の途中で夕食を食べるために発注元の入っているビルにある小料理屋に入ったのだが、店内に入った瞬間、異様な悪臭が鼻をついた。どうも、くさやの干物を焼いているらしい。ふうん、これが噂のくさやの干物の臭いか。初めて嗅いだが、絵に描いたような(いや、描けないけど)悪臭である。日本の悪臭の代表のように言われるのもわかるな。でも、これなら我慢すれば食える範囲のような気もする。まあ、好んで食う気はないけどね。私はどちらかというと水棲動物のヌルヌル系がダメなので、馴れずしなんかは食えないと思うんだな。
今回の仕事の発注元は後楽園にあるのである。日本シリーズ中は混みそうだから、ここには来たくないなあ。それにしても、地下鉄の南北線は深い。いくら下りてもホームに着かない。大阪の鶴見緑地線も深いと思ったが、それよりもさらに深い。やはり、後から掘る地下鉄は深いところを掘らざるを得ないのだな。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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