1999年9月中旬の日記
■9月11日(土)
一昨日の夜は、ホテルの部屋で怖い体験をした。あれは夜中の1時すぎ、下着姿になってコンビニで買ってきた夕食(というより夜食か)を食べていたら、ドアの向こうでゴソゴソ物音がするのである。最初は「部屋を間違えているのかな」と思っていたのだが、まったくあきらめる気配がない。ずっと続いている。それに、キーを差し込もうとしているならガチャガチャと金属が触れあう音がするはずだが、そういう音ではない。ドアノブのあたりで、何か触っているような音が続いているのである。内側から鍵もチェーンロックも掛けていなかったのだが、オートロックなので大丈夫だろうと思っていたのだけれども、ずっと物音が続いているので不安になってきた。足音をたてないようにしてドアのところに行き、内側からロックしようとする。しかし、つまみを回す方向を間違えてしまった。ロックされない。いや、オートロックも解除されてしまったようだ。向こうから押されてドアがこちらに向かって開いてくる。うわ!慌てて押し返し、反対側に回してロックする。向こうから押す力が意外と弱かったので助かった。強く押されていたらヤバかったな。あーびっくりした。そのうちに音はしなくなっていた。歩いていく気配もしなかったのだが。しかし、あれは何だったんだろう。
明日はなんとか休みになったので、大阪に帰る。今夜くらいは早く仕事を終えようと思っていたのだが、やっぱり遅くなってしまうのである。最終の一つ前の急行にギリギリの時間になってしまった。駅まで早足で移動してエスカレータを駆け登ると……ありゃ、各停しかないのか。行先表示板からは消えていても、まだホームには急行が停まっているかもしれない、と思って階段を駆け下りるが、各停しか停まっていない。大阪方面行きのホームは2つともふさがっている。…あ、よく考えると今日は休日ダイヤなのだった。先発の各停に乗ったが、けっきょく途中で最終の急行に追いつかれてしまったのだった。
■9月12日(日)
昨夜は、カミさんが息子にオシッコをさせるために上がっていくのについて寝室に行き、彼の頭をなでているうちに一緒に眠ってしまった。今日の午前中はカミさんが前の保育所の集まりに出るので、私が息子の面倒を見なければならない。まだまだ眠いが、起きなきゃね。居間に下りると、息子の朝食の最中であった。彼の食事を私に引き継いで、カミさんは出ていった。食事を終えると、息子は絵本を持ってきて「よんで」と言う。5〜6冊を読んだところで眠くなってきた。読みながら何度も気を失う。読み終えるたびに「父ちゃん、眠たいんや」と言っても、また持ってくる。何冊目かを読み終えたタイミングでトイレに行った。例によって息子はついてきて覗き込んでいる。飛行機の飛ぶ音が聞こえた。「飛行機や」と言うと、彼は「ひこーきの、おと、してる」と言う。そして、抱っこして窓の外を見せろと要求する。そこで、寝るための作戦を思いついた。トイレの窓は狭いので、彼を抱いてベランダに出る。だが、2階のベランダは洗濯物がいっぱいで外を見にくい。そこで、彼を抱いたまま3階のベランダに出てしばらく外界を見物させた後、そのまま寝室になだれ込んだのである。しばらく寝室でお馬さんごっことかをしていたのだが、しばらくして彼は「おしっこ」と言いだした。おいおい、さっきしたところじゃないのか…などと言っても仕方がない。トイレまで連れてゆく。トイレに入ってズボンとパンツをおろしたのだが、オチンチンを便器の上に乗せて発射態勢を作る前に暴発してしまった。慌てて前に移動させて照準を修正する。しかし、床がビショビショに濡れてしまった。トイレットペーパーで後始末し、彼の足の裏も濡れてしまったので抱き上げて風呂場まで連れていって洗う。彼はもう絵本のことは忘れているので、また寝室に戻って寝たのだった。だが、横にいる息子は寝ていないような気がする。そのうちに、カミさんが帰ってきたのを遠くで聞いたのだった。
けっきょく、夕方の18時すぎまで寝ていた。途中でカミさんと息子が昼寝をしにきたのも感じていたが、彼らが寝てさらに起きても私はずっと寝ていたのだ。けっきょく昨夜から起きていたのは午前中の数時間だけだったな。今日は暑かった。汗をダラダラ流しながら寝ていたのだった。
ファミレスのお食事券があるということで、今日も外食することにする。だが、私は昨日の昼飯もファミレスだったということで中華に予定変更してもらった。私はファミレスでは食べられるものが少ないのである。野菜が少ないからね。今日も息子は何度もトイレに行く。例によってお供は私である。行ってもチョロッとしか出ないのだけどね。カミさんは「緊張してるのかしら」とか言っていたが。
今日は私の誕生日ではないが、家族そろって過ごせる日が少ないのでケーキを買ってきて食べた。だが、美味しくない。どうもパサパサ感が気になったり、雑味を感じてしまったりする。疲れているせいだろうか。疲れていたら身体は甘いものを要求すると思うのだけどねえ。
■9月13日(月)
昨夜、息子を寝かしつけた後、起き出してくると1時すぎだった。カミさんは電話をしていた。ずっと話していたらしい。ちょうど電話が終わったので、先に通信させてもらった。その後、「対なる者の誓い」の導入部ができたというので読む。まあ、こんなものでしょうか。説明が少ないから初見のお客さんは辛いと思うけどね。でも、説明しすぎると冗長になって物語に入りにくいしねえ。カミさんは「謎に興味を持って読み進んでもらうしかないんじゃないかしら」と言っていたけれど。その後、シャワーを浴びたり日記を書いたりしていると明け方になってしまった。
雨が降りだした。窓の状況を確認するために3階に上がったら、息子と目が合ってしまった。腕をさすりながら「ここ、かーかまれた」(ここを蚊に咬まれてしまいました)と言っている。蚊に喰われたかどうかは知らないが、痒いのだな。肘の内側は、もうどう見てもアトピーだからね。しばらく痒いと言っているところをさすっていたが、寝そうにないので階下に下りてパソコン間のデータの移動など用事を済ませてから寝室に戻って彼と一緒に寝る。あと30分か、ほとんど仮眠だな。
今日からまた遠方の発注元で一日中仕事である。今日は夕方の間食に「BALANCEUPクリームチーズ味」(ポーラフーズ)を食べた。パサパサしているが、まあまあ美味い。ただ、パッケージが開けにくかった。こういう欠点で買うのがイヤになることもあるのだ。
今日は体調が悪い。仕事場は20時で空調が切れて蒸し風呂のような状態になっているのに寒気がする。しかし、「対なる者のさだめ」、新書館のホームページには載っていたが、もう本屋の店頭には並んだのだろうか。ここしばらく本屋に行ってないのでわからないのである。
■9月14日(火)
昨日は、体調が悪かったこともあり、その日のうちにホテルに戻れた。だが、こういう日に限ってトラブルに見舞われるのである。部屋で日記を書いて電話ボックスに入り、通信を始める。あ、接続先が家の最寄りのアクセスポイントになってるや。こちらの所在地情報と接続先の電話番号を変更してかけなおす。しかし、繋がらない。設定を何度も確認し、マシンの再起動までしたが、状況は変わらない。何回もやり直してやっと気づいた。今週から、ここの電話番号の体系が変わっていたのである。市外局番の最後の桁が市内局番の最初に移動したのだ。つまり例えば「0123-45-6789」が「012-345-6789」のように変わったのである。でも前にも書いたが、やはりメッセージが不適切だな。「回線がビジーです」じゃ、ぜんぜん状況を表してないぞ。それに、接続先を変更したときにはうまく繋がらないことが多いので、まずそちらの原因かなと思ってしまったのである。30分以上も時間を無駄にしてしまった。立ちっぱなしで疲れた。市内の局番を変更すると何とか繋がった。そして、偶然カミさんや木根さんがチャットしているところに行き当たった。乱入したら、ろくに話さないうちにバッテリー切れで警告もなく落ちてしまった。しかし、通信しだすと、あっという間にバッテリーが無くなっちゃうのね。最後の挨拶くらいさせてほしいものである。
居間にあるBSチューナー内蔵のビデオを修理に出したのでカミさんに私の部屋のビデオの操作方法を教えて出てきたのだが、昨日カミさんに電話をしたら砂嵐が録画されていたといって怒っていた。そうか、そういえば衛星のアンテナには上階のビデオから電源供給していたんだな。私の部屋のビデオの設定を変更するのはカミさんには無理だろう。そこで、明日は大阪で仕事をするような方向にもっていった。今夜は家に帰るのである。今夜も最終の一つ前の急行に乗るには微妙な時間になってしまった。雨の中、必死で歩くが、今夜はギリギリで間に合わなかった。どうも、あの急行には乗れない運命なのであろうか。
今回の出張の往復で「夏への扉」(ハインライン/福島正実:早川書房)を読み終えた。いや、なかなかいい話でございました。小道具としてはSFというよりも、かえって懐かしい感じさえするんですが、物語としてよくできていますね。センス・オヴ・ワンダーはなくなっても、やはりこういうお話が古典として長く読み継がれてゆくものでございましょう。訳文もすばらしいですね。途中からは、ほとんど物語と一体になって読んでいました。大阪に着いて、乗換駅のホームで電車を待ちながら「ええ話や」などと思いつつ読んでいると、視界の隅を人が、とととと…と歩いていって、ぺちゃっ、とそのままホームの下に転落した。「きゃっ」という声が聞こえたような気がする。…しかし、大したモンですな。その1秒後にはホーム下の彼女の側には駅員が駆け寄っておりました。そして、「梯子や」という声が聞こえた数秒後には、ホーム下に2人、ホーム上に1人プラス梯子を持ってきた1人と、合計4人の駅員が集合していたのです。身体を痛めたわけではないようだが、どうもフラフラして梯子を一人では上れない様子。両側から駅員に支えられてようやくホームに上がってきた。ホームの上でもまた、ととととっ…とよろめいてきて、私はぶつかられてしまったのであった。酔ってるのか? そうは見えなかったが。まあ、電車の発車直後でよかったね。到着直前だったら、今夜のおでんが食えなくなるところだった。
家に帰って玄関から入ると、ヒヤッとした空気を感じた。そう、カミさんがクーラーをかけていたのである。8月にもこういうことはなかったと思うのだが、ここ数日は本当に暑いからねえ。私も先月より不快感は強いと思う。そして、この日記も現在、エアコンの効いた居間でFIVAを使って書いている。一日帰るだけならMacのデスクトップにデータを移すのは面倒臭いからね。でも、日記を書いていてもキーボードにまったく不満を感じない。やはり良い機械である、こいつは。あとは辞書と百科事典を入れれば、とりあえず日記を書くには困らない環境ができるかな。いつ入れるかが問題ではあるが。
■9月15日(祝)
昨夜、夜中に帰ってきて食事をした後、通信しようとしたのだが、今夜も繋がらない。また出張先から家に設定を変更したからかと思って何度もやりなおしているうちに、そのまま眠ってしまっていた。しばらく眠った後、またやり直すが、やっぱり繋がらない。ずっとNiftyのIDで繋ごうとしていたのだが、あきらめてODNから繋ぐと成功した。後でNiftyのフォーラムを覗こうとしたら、メンテナンス中だった。インターネットもできなくなるのかね。
通信した後、私の部屋のビデオからBSアンテナに電源供給するように設定を変更したのだが、衛星放送がちゃんと映らない。そういえば、前に居間のデッキの故障で電源供給できなくなったときにも「階下のデッキからは電源供給できない」と言われたような気がするな。しかし、こういう設定はなぜデッキの裏側でやるようになっているのだろう。私の部屋ではAVラックを動かすだけでも大仕事なのである。
けっきょく、なんだかんだで朝になってしまっていた。寝室に上がったときには、もう妻子が起きる時間だったのである。しかし、今日は仕事を昼からの予定にしたので、しばらく寝かせてもらうことにする。息子と会える時間が少なくなるが、仕方がない。
私が起きてゆくと、すでに朝食を終えた息子がさっそく絵本を持ってくる。カミさんが「父ちゃん、ご飯食べるんやで」と言うと「とーちゃん、ごはん、たべへん」と応える。おいおい、他人の行動をそういうふうに決められては困るな。私が納豆を食べていると、「すみませーん、なっとー、くださーい」と要求する。最近の彼は「お店屋さんごっこ」が好きなので、こういう言い方になるそうなのである。私の出張先の近くにある食堂に納豆があって、卵の黄身が付いていて旨かったので、それに味をしめて卵黄を入れているのである。どうだ、旨いだろう。彼もパクパク食べる。無くなると残念そうであった。そういえば私の出張先での昼食は、納豆と野菜炒めという組み合わせが定番になりつつあるな。これらと実だくさんのみそ汁があれば、私は満足なのである。
私が食べているときに「きかんしゃトーマス」のビデオを見ていた。息子はかなり前から、よく「いんしゅばー」と歌っていて、カミさんによればトーマスのエンディングテーマだということだったのだが、今回聴いてみると「He's the one」というフレーズであった。「ドラえもん」の歌も歌ってくれる。だんだん歌詞がうろ覚えになって声が小さくなるが、最後は開き直ってデタラメを大声で叫んでいる。
私が食後に野菜ジュースを飲んでいると、いつものように息子は飲みたがる。しかし、私がしばらくスーパーに行けてないので、いつも飲んでいる紙パック入りのニンジンに果汁を加えたジュースではなく、買い置きしてあるペットボトル入りのトマトジュースに野菜を加えたジュースなのである。「美味しないで」と言うが、それでも息子は飲みたがる。飲ませてみると「おいしない」と言いながら顔をしかめる。しかし、それでも全部飲んでしまったのであった。しかしどうしてトマトジュースには塩が入ってるのかね。塩なんぞ入ってない方が、サッパリしてて美味いと思うのだが。
台風が来ているそうで、私が起きた前後には、横殴りの強い雨が降っていた。一部の窓からは雨が降り込んでいた。物干し竿も落ちてたりする。こういう日に休日出勤するのは気が重い。しかし、難しい仕事をやってもらっている人間の契約が今日までなので、今日は休むわけにはいかないのである。私が出発する頃には、雨はパラついている程度になっていた。昨年もこういう天候のときに息子を連れだして喜んだというので、カミさんは彼と一緒にスーパーにパンを買いに行くという。途中までは私とも一緒だ。そして、ついに別れねばならない箇所にやってきた。私がバイバイすると、息子は下唇をつきだし、顔を歪めてベソをかく。カミさんが「それやったら父ちゃん、行けへんやないの。『行ってらっしゃい』言い」と言うと、彼はやっとの思いで「いって、らっしゃぃ…」と言ったのだった。私が歩いてゆくのを、見えなくなるまでずっと見ている。そのせいで、スーパーからの帰りには傘が壊れるほどの雨風にあったらしい。カミさんが傘を飛ばされそうになって息子の手を離すと、彼は驚いて泣き出したそうな。
息子と愁嘆場を演じていたので、少し遅れてしまった。行く途中で本屋に寄ったのだが、時間が足りない。久しぶりの本屋だしねえ。今日は、行く途中に「くだんのはは」(小松左京:ハルキ文庫)と「対なる者のさだめ」(狼谷辰之:新書館)を買った。「くだんのはは」はホラー短編集のようである。私はホラーというジャンルは好みではないので、小松先生の作品もこれに入っているのはあまり読んでいないな。
帰りには「彗星狩り(下)」(笹本祐一:ソノラマ文庫)を買った。職場近くの書店で買おうと思っていたのだが、今日は休業だったのである。何となく土曜日のようなつもりでいたのだが、今日は祝日だったのだ。もう、曜日の感覚が無くなってるなあ。その後、ついでに立ち寄った本屋で「E.G.コンバット 3rd」(秋山瑞人:電撃文庫)があるのを見つけたのだった。おおおっ、あのシリーズに続きが出ていたとは、まったく知らなかった。奥付を見ると、7月に出ていたらしいのに……やはり私は情報に疎いのである。しかし、これで図書券が底をついてしまった。まあ、またしばらく本屋には行けないだろうからいいけど。
家に帰り着いたときには22時すぎだったのだが、玄関に入ると階上から「とーちゃん、おかえりー」と声が聞こえてきた。起きてたのか。私がうがいをしたり、パソコンを立ち上げている間にも、ずっと呼んでいる。カミさんの声が聞こえないな。私が2階まで上がっていくと、彼は2階から3階に上がる階段の途中にいた。寝室から下りてきたらしい。寝室ではカミさんが横になっていた。息子は、なんだか異様に元気である。飛び跳ねる。くるくる回る。寝そうにないので、また居間に下りることになってしまった。
最近、カミさんのPowerBookに入れているモデムカードの調子がおかしいらしい。見てみると、カードと電話線とのコネクタの部分に大きな力が加わったらしく、グニャリと歪んでいる。手荒く扱ってるみたいだからねえ。「どうしたらいいの? もう通信できないの」と言われたのだが、こりゃもうダメだな。試しに私がLibretto用に買っていたモデムカードを入れてみることにする。おおっ、認識したぞ。そういえば、Macのノートを買ったときにも使えるように両方で使えるのを買ったんだったっけ。これはカミさんに買い取られることになりそうである。まあ、FIVAはモデム内蔵なので、Macのノートを買わない限り、もう使わないからね。FIVAを使っているとMacのノートなんて重くてまったく買う気がしなくなってしまっているのである。
■9月16日(木)
昨夜は息子が「とーちゃんと、かーちゃんと、ねんねする」と言ったので、両親で彼を寝かせた。例によって私も一緒に寝てしまっていた。今朝、起きてみるとカミさんはすでに起きてネットサーフィンしていた。しばらく二人で通信して、息子が起きる時間になったので、カミさんが息子を起こしてきた。昨夜は真夜中まで起きていたので眠そうである。フラフラしている。何度も目をこする。
今日も私の出発時に息子はベソをかく。「とーちゃん、くる」と言う。今日はカミさんと一緒に玄関まで来て見送ってくれた。今日も私が見えなくなるまで彼の呼ぶ声が聞こえていたのだった。
今日も電車は空いている……と思っていたのだが、途中で小学生の集団が乗ってきた。旅行であろうか。帽子に「5年5組」とか書いてあるようである。しかし、最近の小学生は発育がよろしいなあ。かわいい娘は充分鑑賞の対象になります。まあ、かわいい女の子というものは見ているだけで嬉しいのである。まだ脂肪がのっていないから、触ってもそれほど楽しくなさそうだったし(こらこら)。
往きの電車の中で、昨日から読んでいた「スレイヤーズ!」(神坂一:富士見ファンタジア文庫)を読み終えた。これは、私にはちょっと軽すぎるな。読み終えても何も残らなかった。しかし…最後まで読んで奥付を見ると、四十二版ですか。すごく売れているのね。しかもシリーズが十冊以上出てるし。こういう、テレビを見ているみたいに何も考えずに読める作品の方が受けるんでしょうかねえ。
腕時計が壊れてしまった。安物のデジタル時計なのだが時間とカレンダーが同時に見れるのが気に入って、3台以上ずっと同じ機種を使い続けてきたのに……前にこれを買った店はもう潰れてしまったし、それ以降は売っているのを見たこともない。辛いなあ。まとめ買いしておくべきだったかなあ。カシオの「CALENDAR MEMO」という機種なんですけどね。型番は…裏側に書いてある「[551]W−49」というのがそうなのかな。もう、すり切れてしまって表面に書いてある文字はほとんど読みとれない。たしか、最初の電子手帳を買う前からこの時計を使ってるから、10年以上同じ機種を使い続けていることになる。その間、私の要望を満足する機種が出なかったんだよな(単に知らないだけかも)。時計とカレンダーを同時に見れて、アラームが5つ、しかも日付指定で鳴らせる。かろうじてRuputerがソフトによってその要求を満足できるのだが、これは常時液晶を表示させておけないのである。仕方がないのでRuputerを左腕に装着しているが、パッと見たときに何も表示されていないので、時間を知るためには何か操作が必要なため、かなり精神的に負担が大きい。
夕方、家に電話したのだが、息子が電話に出たいと言っているらしい。カミさんから代わると、いきなり「こいのぼり」の歌を歌い始めた。最後はシャウトになってしまうので耳が痛い。この歌は、彼が最初にまともに歌えるようになったので、何かというと歌うのである。そういう歌が季節モノだというのが彼の不運だよな。そのうちに彼は「とーちゃん、きてえ」「とーちゃん、こっち、きてえ」と言いだした。うう、この調子だと次にキミに会えるのは日曜日の朝になっちゃうかなあ。
■9月17日(金)
現在の仕事場である発注元にマシンが足りないというので自前のFIVAを文書作成用マシンとして持って行っているのだが、ほとんど使っていないのでSETI@homeを入れてみた。だが、実際にやってみると1%を処理するのに1時間以上かかっている。この調子じゃ、1ユニット解析するのに100時間以上かかることになる。いくら長時間仕事しているとはいえ、スクリーンセーバーが動いているのは1日に12時間くらいだからなあ。10日もここにいるとは思いたくないのだが。ウチのデスクトップより後に発売されたものだし、Windows98が動いているマシンだから、もう少し速いと思っていたのだけどね。そういう意味では、私のMacは26時間台で解析を終えるので、FIVAの4倍の演算能力があるということになるのか。やっぱり、G3って速いCPUなのね。こんど出たG4なんて、どんなに速いんだろうと思ってしまいますね。いや、Windowsのオーバーヘッドが大きいだけかも…
でも、あのアレシボの電波望遠鏡で受信した宇宙の彼方からの電波の情報が、インターネットを通じて地球の裏側からやってきて、この小さな機械に入って処理されている、というのは、なんというか、凄くワクワクすることではあるのです。私のような嗜好の人間には。
昨日は久しぶりに家族について書くネタがいっぱいあったので、ちょっと書きすぎてしまった。書き終わってここに上げ、コンビニで夕食と朝食を買って、食事を終えたら4時を大幅に過ぎていた。ううっ、明日は辛いぞ。まったく馬鹿なのである。
息子は昨日から熱を出しているらしい。医者に行くと「ノドが腫れている」と言われたらしい。彼も、私に似て扁桃の熱を頻繁に出すようになるのだろうか。子供に自分の悪いところが遺伝してしまうのは辛いねえ。今のところ、自分に似て良かったと思えるのは、本好きなところくらいかなあ。
明日も仕事なので、今夜は家に帰れない。カミさんが商業誌の原稿をしているところに息子が熱を出したというのに、我が家は父親不在なのである。これも辛いことではある。
■9月18日(土)
今朝、ホテルの部屋で爪を切っていた。こういうときに手が2つある便利さを感じるのである。手が1つだけだったら爪は切れないよなあ。3つ以上あったら、こんどは切るのに時間がかかりそうだし。まあ、多い分には別に困らないんだけどね。あ、身体の不自由な方が辛い思いをされてしまいましたら申し訳ありません。しかし、猿なんかはどうやって爪の手入れをしているのだろう。やっぱり爪は伸びるだろうに。
さすがに明日は休むのである。今夜は家に帰れるのである。でも、やっぱり今日も最終の急行なのである。家に帰ると翌日なのである。妻子は眠っているのである。通信しようとしたら話し中なのである。NiftyもODNもなのである。何度かけても繋がらないのである。何か、インターネット上でイベントでもやってるんだろうか。
仕方がないので居間で新聞を読んでいたら、階上で物音が聞こえてきた。カミさんが起きて歩いているようだ。どうやら、息子にオシッコをさせようとしているらしい。さっそく上がっていく。今夜はいちだんと息子は眠そうである。完全に脱力している。オシッコはしたくないそうである。私が抱き上げて寝室に連れていく。パンツとズボンを穿かせて彼の布団の上に横たえると、そのまま、ころん、と横向きになって寝息を立てはじめたのだった。
カミさんは来週号の「ヤンマガ」を早売りで買ってきたようなのだが、「イニD」で久しぶりに高橋涼介が出てきたのでゴキゲンのようである。自転車に息子を乗せて買いに行った帰りの踏切で停まったときにパラパラと読んで転けそうになった、とか言っていた。お願いだから、そういう危ないことは止めてくれ。そして彼女は、家に帰ると速攻で某掲示板に書き込んだそうな。
私は今回の出張の往き帰りに「彗星狩り(下)」(笹本祐一:ソノラマ文庫)を読んでいたのだが、いやあ面白いっす。まだ最後まで読んでいないけれど、ドキドキワクワクしますねえ、こういう作品を読むと。星雲賞を獲ったのもうなずけます。語り口が巧みですね。非日常的な舞台で難しいことをやっているのだけれど、ほとんどそういうことを感じさせない。素直に物語の中に入っていけます。そして、フロンティアの精神。一昔前なら、舞台を海にすればそのまま海洋冒険小説になるかもしれないなあ。最近は、海での冒険はそれほど説得力がなくなってきましたけどね。これからの冒険は、やはり宇宙でしょう。まあ、海でも深海なら大丈夫かもしれないけど。
いま、居間の食卓の上でFIVAを使って日記を書いている。一息ついてSETI@homeの画面を見ながら思ったのだが…これ、画面の上半分はほとんど動かないよな。ひょっとするとスクリーンセーバーとしての意味がないんじゃないだろうか。一回グラフを書き換えるたびに画面の上下の表示内容を入れ替えるというわけにはいかないんだろうかねえ。
■9月19日(日)
昨夜は、カミさんが通信している横でFIVAを使って日記を書いていた。書いている途中で何度も気を失う。けっきょく書き終えたら5時頃になっていた。ページを更新したので安心して、そのまま横になって失神する。気がついたらフローリングの上で独りで横になっていた。そのまま寝室に上がる。口の中がニチャニチャして気持ち悪いけど、とても歯を磨く気力がないのである。
今日も息子が起こしに来る。カミさんも上がってきた。もう15時だそうである。まだまだ眠いが、起きねばならないか。どうも今日は、息子や私に対するカミさんの口調がキツイ。ここ数日、息子が熱を出して保育所に行けなかったのに私が出張で、ずっと彼と二人でいて仕事ができなったようだからねえ。んで、食事を食べた後、息子を連れて買い物に行くことにする。
まずは近所の電気屋に行く。息子は店に入るか入らないかのうちから「えれべーたー、のる」とか言っている。エレベータのところに駆けて行って、自分でボタンを押す。2階に行ってパソコンコーナーに来ると「いんたーねっと、する」と言いだした。パソコンをいじりたいのである。パソコンラックの前のチェアに座らせて、電源の入ってないパソコンのキーボードを触らせる。ガチャガチャいじっているだけで満足そうである。
パソコンチェアから下りると、またエレベーターに乗りたがる。1階に下りて、子供の遊び場に行く。トラックやクレーン車のオモチャがお気に入りなのである。トラックにブロックを積んで遊んでいる。ひとしきり遊んだ後、遊び場を出たところで息子が何か訴えようとしている。股間を押さえている。ん、オシッコか? トイレに急ぐ。ちゃんとオシッコをしたのである。こら、便器を触るんじゃない。まあ、オチンチンを突き出すために、下ろしたズボンが便器の最も汚れた部分に押しつけられているんだけどね。
楽器のキーボードを触ったりして一通り遊んだ後、買い物に行く。スーパーに入る前に、ちょっとだけ近くの本屋に寄ろうとするが、店に入ったところで、また息子がオシッコを訴える。さっきしたところじゃないのか。しゃーないな。近くにあるトイレは…スーパーの3階か。スーパーまで手を繋いで急ぎ、エスカレーターで2階に上がる。2階から3階へは階段だ。3階の売場は閉鎖されているのである。かなり時間がかかったが、漏らさずにトイレに到着した。まあ、それほど溜まっていなかっただろうからね。息子が用を足し、手を洗わせたところで今日はハンカチを持っていないことに気がついたのである。いつもは、使う必要が無くても必ず持ち歩いているというのに(常識だって?)。電気屋のトイレにはタオルがかけてあったので、息子の手はそれで拭いたのだ。仕方がない、手は拭かずに行こう。濡れた手を繋いで歩くのである。
また本屋に向かって歩いていると、息子が「おちゃ」とか言いだした。「おちゃ、のみに、いこ」と繰り返す。お茶ならスーパーで買うのが安いのだが、かなり切迫しているようなので、本屋の前の自動販売機で買う。んぐんぐ飲んで、缶から口を離すたびに「ンは〜っ、おいし!」とか言っている。350mlの缶を、ほとんど一人で飲んでしまった。缶の開口部をちゃんと下向きにして飲まないので、時々こぼして顎の下を濡らす。「たおる」とか言うが、あいにく今日に限ってハンカチは持っていないんだよ。すまんなあ。
これだけ飲むと、またすぐオシッコをするのではないかと思っていたのだが、案の定すぐに尿意を訴える。またスーパーの3階まで行くのか。途中で息子は「おんぶ」とか言いだした。息子を背負ってトイレまで急いだのである。ふだんサービスしてないからねえ。けっきょく、本屋は一回りしただけだった。
家に帰って夕食を食べる。息子は昼寝をしていないので眠そうである。食事をするのをいやがる。食べはじめてもあまり食べない。食べさせていたカミさんが「もーいや、あんたの世話は!」と言って息子に食事をさせるのを止めてしまった。それで、私が引き継ぐのである。かなり時間はかかったが、お粥を茶碗一杯分食べさせた。食後、「ウンチするか?」と問うが、彼は「いやん!」と言う。でも、少し言い方に自信がなさそうだったのでトイレの方に行くと、おとなしくついてきた。ズボンを脱がせているところで「ぶっ」とガスが出る。パンツも脱がせて持ち上げている途中で「ぶぶぶっ」と音がする。便器に座らせた瞬間、ブリブリと大量に放出したのであった。オシッコもした。ナイスタイミングであった。ちょっと下痢っぽいね。
■9月20日(月)
昨夜は例によって息子を寝かしていて一緒に寝てしまったので、今朝は5時に起きて通信する。しかし、日記はまだ上げられるような状態にならない。出発の準備を始めるべき時間になってしまった。妻子はまだ起きてこない。寝室の時計が遅れていたらしい。着替えるために上がっていったらカミさんは起きたが息子は寝たままである。起こしてもなかなか目覚めない。昨日は疲れたのかね。カミさんによると、今日からお義母さんが息子を預かってくれるそうである。これで仕事が進んで、少しはカミさんのストレスは解消されるか。有り難いことである。
今日からまた遠方で仕事なのである。雨が降っているのである。荷物が多くて傘を差すのが厭なので、雨が小降りになったタイミングを見計らって出発したのだが、駅に行く途中で大粒の雨がボトボト降ってきた。仕方がないので傘を差す。荷物が増えてしまった。おかげで満員電車の中では本が読めない。しばらく苦難の時を過ごしたのであった。
遠方に行く電車は始発なので座れるのである。今日は「彗星狩り(下)」を読み終えた。いやあ、よかったー。マジで感動しちまったっす。読み終わった後、瞳がウルウルしちまったぜ。彗星への到達シーンでは背中がゾクゾクしたし。こういう作品を読めて幸せだ。できうれば、息子にも将来、こういう幸福感を味わえますように。
息子はカミさんの実家で鍼に連れていってもらったそうなのだが、途中で電車に乗りたいと要求したので、電車に乗せてもらって遠出したらしい。甘やかされてるなあ。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者のさだめ |
¥600+税 | ISBN4-403-54013-9 |
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