1999年11月下旬の日記
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■11月21日(日)
昨夜は息子を寝かせていっしょに寝てしまったので、今朝は6時前に起きた。カミさんも寝床にいない。居間に下りてみると、彼女が通信中のようである。チャットしているようだ。「10分ほど使わせて」と言うと、「私、落ちるから」と言って、また寝てしまった。私はそのまま
テレホタイムの終わりまで通信して、落としてきたテキストを読んだり日記を書いたりしていると9時になった。そろそろ息子を起こさねばなるまい。ときどき階上でドン、という音が聞こえたりしていたのだ。寝室に入ると、息子が布団の中から顔を上げてニッコリ笑う。起き上がったが、ちょっと寝ぼけ気味のようである。しばらく、こっちの言うことが理解できない様子だった。しばらく話をして、いっしょに階段を下りて居間に下りた。

息子は腹が減っているようである。飯の用意をする。冷蔵庫から納豆を出してくると「おかめなっと」「おかめなっと」と大騒ぎである。納豆でご飯を軽く一杯、続いてイカナゴの釘煮で2杯、合計3杯食べて炊飯器の中身を空にしてしまった。途中でウンチをするというのでトイレに連れていくと、立派なのを出した…と思ったら、さらに一回り小さいのが出た。ご飯を食い尽くした後、さらに「毎日果実食べるか?」と訊くと肯いたので小袋を一袋食べさせる。最後に「ヨーグルト、食べるか?」と訊いたら、さすがにこれは食べると言わなかったな。

そういえば昨日、家に帰ったら食卓の上に毎日果実の徳用パックが置いてあったのだった。ウチでも買うことになっちゃったのね。なんせ彼はカミさんの実家でも「まいにちかじつ」と繰り返して「どこで覚えたんだ」と言われてたそうですから。好きなんだな。まあ、砂糖を大量に添加したベタベタの甘さよりも、こういうほんのりとした甘みを覚えさせるべきだと思うんだよね、まだ味覚が未完成なうちは。

食後に昨夜録ったヒッパレを観る。布施明氏とアルベルト城間氏ですか。やはり、上手い人同士のヴォーカルバトルというのはいいですねえ。それから、渡辺真知子さんが宇多田ヒカルの曲を演りますか。いきなり実力派を持ってきましたねぇ。でも、こういう曲は渡辺真知子さんには合ってないような気がします。やはり、もうちょっと歌い上げるような曲がいいですね。それでも、あそこまで歌えるというのはさすがでございます。んで、今回のスペシャルライヴはGipsy Kingsですか。なかなか濃いですねえ。さすがに鍛えが入ってますねえ。私はもうちょっと尖った声の方が好きなんですけど、ああいう、磨り減って真っ平らになった石畳のような声もなかなか渋いものであります。乱入してきた布施明氏なんて、スゲエ気合い入ってましたからねえ。気合いが入りすぎて、最後に失速しちゃったみたいですけど。そして、最後は桑名正博ビジーフォー(今は違うけど)ですか。これも良かった。ああいう風にハモってくれると「A・RA・SHI」ってのはいい曲だなあ…と思いながら聴いていたら、最後はアカペラですか。いやぁ〜、ゾクゾクしますねえ。今回はアタリだったな。

しばらく息子に絵本を読んでやる。午を過ぎたがカミさんは起きてこない。そろそろ小腹が空いてきたし、カミさんが起きてきても食べるものがないので、近くのスーパーにパンを買いに行くことにする。息子の腹ごなしのために、歩いていくことにする。彼は、数十メートルも歩かないうちに「おんぶ」と言いだした。こらこら、すこしは自分の脚で歩くようにしろ。なだめながら歩かせる。途中、信号待ちをするところで負ぶったが、信号が青に変わった時点で降ろしたので、けっきょく彼は全行程を自分で歩いたことになる。

家に帰るとカミさんが起きていた。「ご飯が無い〜、イクラで食べようと思ってたのに〜」と叫んでいる。私のせいじゃないからね。私はご飯を1杯しか食べてないっすから。親子3人でパンを食べる。カミさんは今日、息子を連れて伊丹空港に行くつもりだったようだが、息子が眠そうにしているので昼寝をすることにしたようだ。私もおつきあいする。私は早々と墜ちてしまったのだが、どうやら息子が寝なかったので妻子は起きていったらしい。

カミさんが息子にトイレをさせているときに白髪を見つけて数本抜いたら(そういえば、複数本抜いたのって、初めてのような気がする。やはり亭主不在の子育ての苦労か、商業誌のストレスか)、お返しに数十本抜かれてしまった。

今夜は遅ればせながら、息子の誕生日のお祝いをする。カミさんが近くのケーキ屋さんでバースデーケーキを買ってきた。ロウソクを3本差し、火をつけて電灯を消し、両親でハッピーバースデーを歌う。彼も、今日が特別な日で、自分が祝われているというのがわかるのだ。嬉しそうである。ロウソクを吹き消すように言うと、ちゃんとフーフーする。さすがに一息では消せなかったが、これはまあ仕方がないだろう。「おめでとうー」と言って拍手すると、彼も「おめでとー」と言って母親に「『ありがとう』て言わな」と訂正されていたのだった。



■11月22日(月)
最近、息子は寝起きが悪い。昨夜は私が日記を書かなければならないので、カミさんに彼を寝かせてもらったのだが、昼寝をしていなかったのですぐに寝たようだ。今朝も、カミさんが起こしに行くと「もっぺん、ねる」と言ったそうな。いったい誰に似たのやら(自爆)。

今日も遠方で仕事である。今朝もしんどい。難波に行くまでの満員電車の中で立っているのが辛い。吊革を持つために手を上げるのさえ、一大決心を必要とする。手の甲の皮膚が張りを失ってガサガサである。今日も、遠方に着くまでの最後の3駅くらいは横掛けのシートの上で横になって寝ていたのである。仕事中も調子が悪い。頭が痛い。ノドも腫れているようだ。風邪を引いてしまったかなあ。

今日はトラブルも少なかったので早く帰れるかなと思っていたのだが、その数少ないトラブルの修正結果をテストしていたら、また別の不具合を見つけてしまった。これが難解で、どこが悪いのかがわからない。調べていたら最終の大阪行き急行の時間を過ぎてしまった。原因がわかったときには、その次の各駅停車に間に合う時刻まで10分を切っていた。この電車に乗れば、途中で別方向から来た急行に乗り継げるので、何とか電車で家まで帰れるのである。修正が終わった時点ではあと4分であった。急いでテストをする。これでトラブったら、もう泊まりなのである。うまく動いた。荷物をまとめて駅までダッシュする。駅前の横断歩道で青信号が点滅していたので駆け抜ける。疲れた。

帰りの電車の中で、走って荒くなった息を静めながら「
異形コレクションXIII 俳優」を読む。まず本間祐氏「俳優が来る」である。ううむ、やはりこういう話は私の好みではない。次の矢崎存美氏「願う少女」も、あまり印象に残る話ではなかったねえ。続いて斎藤肇氏「柚累」ですが、これもまた何だかよくわからない話でしたね。でも、妙に何か心に引っかかるものはある。

難波の駅で、5分ほど時間があったので家に電話するがつながらない。たぶん、カミさんが通信してるんだな。5分あればメールが出せるだろうと、FIVAを取り出し公衆電話と接続してから、大阪のアクセスポイントを登録してなかったことに気がついた。アクセスポイント一覧のファイルはFIVAに入れていたはずだが見つからない。あきらめて列に並んでから、ZAURUSNiftyのアクセスポイント一覧が内蔵されていたことに気がついたのだった。馬鹿だねえ。さらに、家に帰ってからカミさんに追い打ちをかけられてしまった。「PHSに電話すればいいじゃない。馬鹿ねえ」ああっ、もう立ち直れない。

今夜は、帰ったのがいつもより遅かったせいか、何だか変な夜であった。人通りがほとんど無いし、なんだかいつもより闇が濃いような気がする。真夜中近くになると、時間によって明るさはほとんど変わらないと思うのだが。それに、今夜は猫をよく見かけたな。猫の鳴き声も聞こえたし。

家に帰ると、今日もカミさんはチャットをしていた。私が飯を食い終わっても終わらない。終わったら日記を上げようと思って半ば寝ながら待っていると、カミさんに寝室に連れて行かれて寝かされてしまったのだった。



■11月23日(祝)
寝ていると、息子が寝室に上がってきて「ひこーき、みに、いってきまーす」と言った。今日、伊丹空港に行くらしい。妻子が玄関を出て行くのが聞こえる。もうすぐ午か。起きるとしようか。ふだん家にいないので、やるべきことは山ほどある。

雨が降ってきた。妻子は大丈夫だろうか。夕方の16時頃に、もう薄暗くなっている。妻子が帰ってきた頃には、17時頃であったが夕闇と言ってもいいような様子であった。息子はかなり雨に濡れたようだ。「かお、ふいてくださーい」とか言っている。そして、玄関に入った第一声が「でんしゃ、いっぱいみた」であった。彼は例によって飛行機を見たことより、電車に乗ったり見たりしたことの方が印象深かったようである。空港に着くとモノレールに乗りたがって大変だったとのことだ。モノレールに乗って帰ったので、かなり時間がかかったらしい。妻子とも疲れ気味である。息子は「ものれーるのえき、たかかったん」とか言って報告してくれる。自分の感じたことを、ちゃんと伝えられるようになってるんだねえ。

カミさんが「私、疲れてるからシンジ(仮名)の相手しないからね」と宣言する。はいはい、私がお相手させていただきます。雨が降っているので、室内で絵本を読んでやることになる。最近の息子は、こっちが字を読んでやっているのを大人しく聞いていないので、読み聞かせるというより絵を見ながら親子で対話するような形になっている。これが良いことなのか悪いことなのかはわからないが、少なくともこっちの方がラクである。

妻子とも疲れているようである。息子は飯を食うのを嫌がるし、カミさんは「『たべへん』言うたら食べさせへんからね」とか言っている。我々が食べ始めても、息子は自分の椅子の用意をしようとしない。これをやらないと食べさせないと言っているのだが、両親が食べ終わって片づける段になっても「ごはん、たべたい」と言いながらもやろうとしない。仕方がない、今夜は飯抜きだ。自分が飯を食べないと言ったら自分がひもじい思いをするということを身体で覚えろ…とか言っても、いつもたらふく食わしているせいか、それほどこたえていないようなのが何だかなあ。

息子は風呂に入って寝る前に歯を磨くのも嫌がる。食事は一回や二回抜いたって大丈夫だが、虫歯になると彼が将来苦しむことになる。成長期には飽食させない方が長生きするという動物実験の結果も見たことがあるが、歯は乳歯の虫歯も永久歯に影響するという話だからね。歯磨きだけはやってもらわなければならない。幼児の虫歯は親の責任である。嫌がるのを押さえつけて歯を磨いてやったら、解放された後で彼は「おしっこ、でちゃいました」と言った。泣きわめいてオシッコを漏らしてしまったらしい。こういうところが3歳児であるな。

今日もカミさんが先に通信を始める。
テレホタイム直前になって、寝ている息子のパンツを替えてくるように言われた。息子の世話となると、私もイソイソと行ってしまうのである。息子を起こしてオシッコをさせようと思ったが、ぜんぜん起きやがらねえ。けっきょく、横になったままパンツを替えただけで下りてきたのだった。カミさんは今日も長時間インターネットしている。最近はいつも公衆電話から10分くらいでそそくさと終わらせている私とはえらい違いである。

ホームページを開設してほぼ1年目にして、やっとメニューが1つ増えた。いつまでも工事中が減らない木根さんのことをとやかく言えないよなあ。



■11月24日(水)
今朝は雨が降っている。朝から薄暗いので寝過ごしてしまった。どーせだから、客先には昼から出ることにする。起きて階下に下りると、カミさんはトイレに籠っている。息子は、もう玄関で土間に下りている。2階の踊り場から見下ろして目が合うと、彼は「とーちゃん、おきた?」と言う。「起きたよ」と応える。玄関に下りて「ご飯食べたか?」と問うと「いくらと、ごはん、たべたん」と応える。もうこういう会話ができるようになっているのね。ちゃんとコミュニケーションができて、父は嬉しいぞ。

客先に移動する電車の中で「
異形コレクションXIII 俳優」を読む。まず横田順彌氏「飛胡蝶」である。うーむ、何ということもない話なのだが、なぜか印象に残る。どこが違うんだろうねえ。やはり、登場人物に馴染みがあるからだろうか。

今日は間食に「果実園」(東ハト)と「PURE−IN」(ハウス食品)を食べた。「果実園」は毎日果実と同じような味である。ただ、こちらの方が入っている果物の種類が多い。そのせいか、こちらの方が甘いが…いや、こっちにはショ糖が添加されている。毎日果実には添加されてないけど、ブドウ糖・果糖・液糖が入ってるから似たようなものなんだろうか。「PURE−IN」は、味はまあまあだが、甘味料にソルビトールを使ってるのがちょっとイヤだな…と思ったのだが、それほど危険でもないのかな。危険だと書いてあるサイトもあるけど。



■11月25日(木)
昨夜はいつもと違うホテルに泊まったのだが、部屋の壁に「パソコンジャック」というのがあった。パソコンをつないで通信できると書いてある。これがあれば、これから寒くなっても寒風の吹きすさぶ中、公衆電話の中で震えながら通信しなくてもよい。さっそく試してみるが、「発信音がしない」とかでつながらない。本当に通じているんだろうか。いろいろ設定を変えてみたが、状況は変わらない。フロントに電話しようかとも思ったが、1時過ぎまで仕事をしていたため、そのときはすでに2時を過ぎていたので、たぶん宿直している人ではわからないだろうと判断してあきらめた。朝になって、チェックアウトぎりぎりの時間にフロントに行って訊いてみる。しかし、やはり誰もわからない。0発信が必要かどうかさえわからない。使用法の説明書もないという。たぶん、設備として設けたのはよいが、誰も使ったことがないのだろう。本当に線が繋がっているかどうかもわかったもんじゃないな。ホテルで通信する人って、そんなにいないものなんだろうかねえ。



■11月26日(金)
東京の幼児行方不明事件ですが、最悪の結果になってしまったようですね。こういう事件は他人事ではないですからねえ。しかし、2歳ですか。いちばん可愛い盛りにねえ。女の子なのにねえ(こらこら)。少し目をはなしたスキにいなくなったというのは、母親は自分を責めちゃうんじゃないかと思っていたのですが、お兄ちゃんの同級生の母親による計画的殺人ですか。それだったら防ぎようがないですねえ。いや、でも自分が犯人に妬まれるような言動をしたんじゃないかと責めちゃうんだろうなあ。

この子が有名国立大付属幼稚園に合格したのを妬んでの犯行じゃないかという話になっているようですが、本当なんでしょうかねえ。そのくらいで人一人殺せるものなんだろうか。多少いい幼稚園に入ったところで、その子が幸せになれるわけでもないのにねえ……あ、いい幼稚園に入れば、本人ぢゃなくて母親が幸せになれるのか(憫笑)

しかしこの子、頭が良かったんですねえ。まだ2歳なのに、名前や年齢どころじゃなく、自宅の電話番号まで言えたという情報もありましたから。ウチの息子なんか、3歳になったのにまだ自分の名前や年齢もマトモに言えないぞ(「歳は?」と訊くと指を何本か出そうとするが、特定の指だけ立てるのは難しいらしく、うまくできない)。でもまあ、ウチの子はウチの子だからねえ。他人より多少遅れていようが、日々成長してくれているだけで嬉しいのである。まあ、将来の日常生活に支障が出るような発達の遅れだったら対応が必要なんだろうけど。

でもねえ、夫婦で涙を流しながら、夫が自首するよう説得していたという話ですが……ドラマですねえ。不謹慎だけれど。

◇ ◇ ◇

今夜もギリギリまで仕事をしていた。性能改善したプログラムを本番環境で動作確認してみろと、帰る直前に上司が言いだした。動かしてみると、動かない(爆笑)。環境の話なので私がいても役に立たないのだが、上司たちは帰してくれそうにない。明日と月曜日は休めと言っているのだが、残業が100時間を超えると組合から制裁されるからというだけのことである。最終の急行の時間も過ぎてしまった。これは、今夜は泊まらねばならないかなと覚悟していたのだが、電車で我が家に帰れる最終の各停に急げば間に合う時刻の2分前に奇跡的に解決した(わけのわからん文章だな)。また早足で駅に急ぐ。一緒に仕事場を出た部下たちは私の後ろを歩いている。そんなスピードじゃ間に合わんぞ。そのうちに後ろで何か叫びだした。電車に乗るのはあきらめたのか? 駅前の横断歩道は車用の信号が赤になったところだったので、自動車が動き出さないうちに赤信号を無視して走って渡る。改札口の前で時計と行先表示板を見ると、2分程度の余裕はありそうである。水曜日に来たときに回数券が切れたので、その日に買っておいてよかった。後ろを歩いていた部下たちもギリギリで電車に飛び乗ってきた。彼らは私の座っているところにやって来る。仕事場に残っている上司たちから部下の携帯に電話がかかってきたと言っている。先に歩いている私に後ろで何か叫んでいたのはこのことだったのか。訊いてみると、実行モジュールができていないプログラムがあるという。残っている上司たちの中にはVBの使い方を知っている人間はいないので、部下が電話で3駅ぶんくらいの時間をかけて実行モジュールの作り方を教えたのだった。冗談で「次の駅で降りて引き返さなきゃ」とか言っていたのだが、それはやらなくて済んだようである。はあ。

今日も帰りの電車の中で「異形コレクションXIII 俳優」を読んだ。今回は今夜のドタバタを日記に書いていたので1本だけ、早見裕司氏「決定的な何か」である。これはまあ面白かったですね。ちょっと説教臭かったけど。物事を創造する者は、このくらいのことは考えるものなんでしょうね。私は創造性というものが欠如した人間なので、想像するだけなのですが。

家に帰ると、カミさんが本を読みふけっている。「私、今日は通信しないからね。これ読んでるから」と言うくらい入れ込んでいるようである。「とってもヤオイくさい」そうである。銀河の荒鷲シーフォートというシリーズなのだが、これがハヤカワ文庫なのである。「へー、ついに早川からもヤオイを出すようになったんだ」と言うと「違うわよ」と言われてしまった。



■11月27日(土)
昨夜はカミさんが本を読んでいたので4時過ぎまで通信していたのだが、今朝は10時に目が覚めてしまった。カミさんは今から寝るという。私も寝足そうとするが、眠れないので起きる。もっと寝れてもいいはずなんだけどなあ。

カミさんがCDを借りてきている。
先日気になったbirdの「空の瞳」があるのが嬉しいね。宇多田ヒカルも借りてきていたが、私ゃこういうスタイルならこっちの方が好きだな。「空の瞳(Sakura Hills Disco 3000 Jazz Disco Mix)」も良い。オリジナルよりこっちの方がいいくらいだ。だいたいリミックスというと、妙にオリジナルと変えようとして聴くに耐えなくなっているものが多いのだけどね。

カミさんに言いつけられて生活費をおろしに行く。帰りに貸しレコード屋で中古のCDを買う。女性ヴォーカルのシングルCD15枚で200円というのを買ったのだが、松阪晶子というのが良い。石嶺聡子さんのCDが3枚入っていたので買ったのだが、こういう発見があるのが面白い。たぶん、こういう機会でもなければ知ることのなかった人だし。森川美穂さん「君が君でいるために」も、良ろしおまんなあ。おおお、春原佑紀、この人も上手い。これはアタリだったな。ヒドイのも混じってたけど。これだけ入ってて200円は安すぎる。だいたい似たようなCDを集めてあるもんなんだろうけど。というか、TVのイメージソングとかを集めたようだからでしょうね。こういうのは顔が出ないから実力派が起用される可能性が高いですから。それに、ワンフレーズで振り向かせないといけないからね。パワーがないと無理だ。昔はアニメのテーマソングもそうだったんだけど、メディアミックスすれば売れることがわかってきてからは、チャラチャラしたのが演ってるのが増えましたね。カミさんが「頭文字D」のビデオを観ているのを横で見ていても、「何でアニメのテーマソングやってるのに、こんなのが映ってるんだよ」なんて思いますからね。時代は変わったもんだ。

買ってきたCDを聴きながらカミさんが買ってきていた「松本嵩春作品集」(アスペクト)を読んでいたのだが、この人、巧い。キャラクターが魅力的だし。こういう人がいたのか。知らなかったとは、やはり私は薄々の一般人である。けっこう新しい発見があった日であった。

そうこうしているうちに、気がつくと17時であった。息子を迎えに行かねばならない。カミさんは起きてくる気配がない。私が迎えに行くということで、安心して寝てるのかな。自転車で迎えに行く。もう真っ暗である。保育所に着くと、もうほとんど人の姿が見えない。ちょっと遅くなっちゃったかな。残っている子供たちは一つの部屋に集められていた。入ってゆくと息子は私を見つけて「とーちゃんや」と叫んで「シンちゃん(仮名)のお父さん?」とか言われている。ブロックで何か組み立てたのを持ってきて「じじ、かいたん」とか言ってくる。何か字を書いたつもりらしい。「帰るで」というと、所定の位置にしまってくる。廊下を歩いていると、私を追い越してタカタカ走っていく。彼の組の部屋を行き過ぎてしまった。トイレの前で止まる。「トイレか?」と訊くと、肯いて自分で用を足す。帰る前にはちゃんとオシッコをするようになってるのね。

今日は外食をする。私は中華がよかったのだが、カミさんが「寒いから近くのデニーズがいい」と言うので息子に訊いてみる。彼は「でにーず!」と応える。うう、私の負けか。彼は、プラレールのビデオにデニーズがでてくるのでデニーズのファンなのである。入ってみると、BGMが変わっている。今まではセンスのいいブラックミュージックだったのに、ふつうのインストゥルメンタルになっている。店長でも替わったか。息子がまだ食っているのにデザートを持ってきやがった。彼は「よーぐると、たべるぅ」と言ったが「ご飯食べてからな」と言い聞かせると、しぶしぶながらも残りを食べたのだった。目的があるのでちゃんと食べてくれたのはいいが、その間にアイスクリームが溶けて流れ出てしまったぜ。

息子は、お義母さんに誕生祝いにもらったダイヤペット300系のぞみWIN350にハマっている。放っておいても両手に持って遊んでいる。ラクなものである。こんなことだから、「コミュニケーション不足」などと言われてしまうんだろうな。WIN350を持って「これ、なに」と訊くので、言えないだろうと思いながらも「WIN350やで」と言うと「うぃんさんびゃく、ごじゅう」と言えるようになってしまった。「好きこそものの上手なれ」というヤツですかね。



■11月28日(日)
昨夜は、息子を寝かせるときに「どっちと寝る?」と本人に訊くと「かーちゃんと、ねる」と言ったのでカミさんが息子を寝かせてくれていたのだが、通信をする準備をしていると階上で息子が呼んでいるような声が聞こえてきた。上がっていくと、やはり私を呼んでいたらしい。カミさんに「父ちゃん来たで。よかったな」とか言われている。で、親子三人いっしょに寝て、私はそのまま墜ちてしまったのだった。気がつくと朝の7時である。慌てて通信を始めるが、
朝日のサイトの朝刊の記事は更新された後であった。ううっ、一日分抜けてしまったぜ。

今朝は1時間足らずしか通信できない。ある程度廻ったところで、階上から「おきたよ〜」という声が聞こえてきた。なんだか起きたような気配は感じていたのだが、まだテレホタイムなのにねえ。階段を上がると、息子が寝室のドアを開けて顔を出していた。「水筒持って来」というと水筒を持って寝室から出てくる。「戸、閉めて」と言うと、ちゃんと閉めてやってくる。私と階段を下りての第一声が「なんか、たべたい」であった。飢えているようである。ご飯の用意を始める。彼は私が拡げていたFIVAを見て「ぱそこんで、いんたーねっと」と言っている。テレビのCMで覚えたのかねえ。

例によって納豆の朝御飯である。栄養が偏りそうな気もするが、私が朝食を食わせるのは週に1〜2度だから大丈夫だろう。食後にはヨーグルトと野菜ジュースを摂らせているし。食後に息子にウンチをさせる。今日もちゃんと出た。しばらくすると猛烈に眠くなってきた。座椅子を平らにして横たわる。枕にするために「座布団持ってきて」と言うと、息子が持ってきてくれる。役に立つようになったものである。息子は新しい新幹線のオモチャで一人遊びしてくれている。楽になったものである。本当はもっと相手してやらなければいけないんだろうけどね。昼過ぎにカミさんが起きてきて「邪魔だから上に行ってちょうだい」と言われたので寝室に行って寝たのであった。

目が覚めると17時近かった。夫婦の睡眠時間が昨日と逆だな。洗濯物を取り入れたところで妻子が帰ってきた。息子は玄関に上がると、身体をモジモジさせてヒンヒン泣いている。オシッコをしたいのか。なんだか、帰ってくるとオシッコをするのが条件反射になってしまってるのか。それとも、帰ってくるまで我慢してるということか。風呂場でオシッコをさせる。居間に上がってから彼は「かんじゅーす、のったん」とか言っている。「缶ジュース飲んだんか?」とか応えていたのだが、よく訊くと「環状線に乗った」んだそうである。まだまだ上手くコミュニケーションができない部分もあるのだ。

昨日録画したヒッパレを観る。まずはオギノメちゃん小野正利氏である。小野さん、久しぶりだけど相変わらずキーが高いっすね。
本田美奈子さんも久しぶりだな……でも、ずいぶん派手に音を外してるねえ。もう少し上手いと思っていたのだが、私の買いかぶりだったんだろうか。
しかし、サーカスは凄いなあ。スローなアカペラも絶品だし、リズムに乗ってソウルフルにも歌えるし、ラップもこなす。ほとんど無敵だな。
最後はFolderですか。流行りのお子様ダンスグループかと思って見ていたのだが……う、巧い。こりゃ、宇多田ヒカルのオリジナルよりも巧いんじゃなかろうか、ワタクシ的には。まあ、「抜く」ところでうまく力が抜けていないようだったが、まだ若いから仕方ないでしょう。しかし、こういう世代が出てきたんですねえ。少なくともこういう点においては、日本が豊かになってよかったと思うオジサンなのであった。
最後のオリジナル曲の紹介を見ながら、aikoが良いと意見が一致した私とカミさんであった。音楽に関しては二人の意見が一致するのは珍しいことである。

息子は「元禄繚乱」の討ち入りシーンを見て「こわい」と言っている。暗いシーンで奇声を発しながら闘っているんだから怖いかもしれないねえ。私も子供の頃はそうだったような気もする。



■11月29日(月)
今日は休みなのである。昨夜は息子を寝かせた後で起きることができたので、ほとんど徹夜であちこちのサイトを廻っていた。夜が明けてから寝て、目が覚めると昼過ぎである。カミさんは今から寝るという。「生きてたの?」と訊かれた。そんなに熟睡してたんだろうか。たしかに夢も見ずに眠っていたんだけれども。

久しぶりに平日の休みなのでカイロに行くことにする。肩の痛みは相変わらずなので、集中的に続けて通って治してもらった方がいいのだが、そういう状況にないのである。健康を犠牲にして仕事をしているよなあ。

カイロから帰ると、もう夕方である。保育所に息子を迎えに行かねばならない。カミさんは起きてくる気配がない。今日も安心して寝ているのであろう。洗濯物を取り入れて、自転車で出かける。今日は月曜日なので、保育所に子供がいっぱい残っている。息子の教室に入ると、彼は人形を抱えてやってきて「あかちゃん」と言う。部屋の隅っこにいたのがちょっと気になるな。彼の人付き合いの苦手なところは、哀しいくらい自分に似ているような気がするのである。それでも私が荷物を片づけていると、他の子供たちといっしょに部屋の中をグルグルと走り回り始めた。この年頃から集団生活をすることによって、少しでもそれを克服してくれればいいのだが。

荷物を片づけながら息子に「オシッコしてこい」と言うと、彼は一人で走って部屋の外に出ていく。しばらくすると手を濡らして帰ってきた。そうか、タオルは片づけてしまっているからな。タオルを取り出して手を拭かせる。もう手の甲も拭けるようになっている。この前までは手のひらしか拭けなかったのだが。保母さんに「今日、シンちゃん(仮名)が描いた絵を観てやってください。これが『でんしゃ』で、こっちが『なっとうと、きむち』なんだそうですよ」と言われる。キミの興味のあるものを如実に表わしてるねえ。荷造りを終えて見ると、息子は他の女の子の持っていたものを取り上げたようだ。二人で引っ張り合いになっている。保母さんに注意されて、彼はそれをポイッと放り投げた。「あかんやないか」と言うと、彼は唇を歪めて「うんこ、するう〜」と泣き始めた。最近は都合が悪くなるとこう言うのである。無視してコートを着せ、保育所を出る。彼は泣きながらついてくる。門の外に出て自転車に乗る段になっても「うんこぉ〜」とか言っているので、保育所に戻ってトイレに入る。便器に座らせて向かい合っていると、他の子が「何してんの?」と覗きに来た。ここでやることは決まっていると思うんだけどね。親子で見つめ合っているのが珍しいのだろうか。オシッコと、ウンチがちょっぴり出たようである。

家に帰ると、カミさんがまだ起きていないようなので、スーパーに買い物に行くことにする。「電車見に行くか?」と言うと、息子は喜んでついてくるのである。もう商店街には何本かクリスマスツリーが出ている。彼は灯りがチカチカしているのが嬉しいようである。最初は「クリスマスツリー」と言えなかったのだが、帰路には言えるようになっていた。行き帰りとも、踏切で上り下りの電車が見れたので、彼は満足したようである。

スーパーから帰るとカミさんは起きていた。夕食を食べる。息子はスーパーで納豆を買ってきたのを覚えていて、「なっと、たべたい」「なっと、たべたい」「なっと、たべたい」と繰り返す。止める理由もないので、納豆を食べさせる。納豆が無くなると、今度は「きむち、たべたい」の連呼である。何で、こういう好みになっちゃったのかねえ。

息子に遊んだ後で片づけをさせると、時間はかかるがオモチャを一つ一つ片づけている。まだ「面倒臭い」という感覚はないようである。こういう時期に仕事を仕込んでおかねばならないな。カミさんが夕食後の片づけで水仕事をしているのに興味を持っているようだったので、彼女が自分の横に踏み台を持って来させて皿洗いをさせている。まだ、洗い桶の中の食器を手で触っているだけのようだが、それでも流し台の前で母子で並んで皿洗いをしている姿を後ろから見ていると感慨深いものがあるなあ。いやホント。

先日の日記に「まだ自分の名前や年齢もマトモに言えない」と書いたので、試しに彼に自分の名前を訊いてみたら「いかりしんじくん(仮名)」と言えるようになっていた。おお、言えるようになっているではないか。つい先日、訊いてみたら答えられなかったのになあ。キミを過小評価していたようだ。許せ。まあ、まだ「いくつ?」と訊いても、指を何本か立てようとしてうまくいかないようなのだが。

今日は私が息子を風呂に入れて寝かせる。寝室に入ると、彼は毛布を被ってかくれんぼをしているつもりのようである。「シンちゃん(仮名)、どこかなー?」とか言っていると、喜んで何度でもやる。彼を自分の布団の上に横にして、毛布を掛けて「どこかな〜?」とか言っていると、就寝の姿勢のまま布団を被ってじっとしている。本人は隠れているつもりなのであるが、何度か顔を出したり隠したりを繰り返していると、彼はそのまま眠りに入っていったのであった。その前に絵本は3冊、コースで読まされたが。



■11月30日(火)
今日からまたまた遠方で仕事なのである。昨日職場に電話したとき上司に「早めに出てこい」と言われたので早く家を出なければならない。6時に起きて最低限の通信を行ってラーメンを食べたところでカミさんが起きてきた。今朝は息子の顔を見ずに家を出なければならない。次に家に帰ってくるのはいつになるのやら。

昨夜は息子と一緒に22時頃に寝たはずなのに眠い。往きの電車の中ではずっと寝ていたのであった。今朝はいつもより早い電車に乗ったせいか、それほどガラガラに空いてはいなかったので、横にはなれなかった。

月末なので報告書類を書かなければならない。客先から仕事場に帰ってから1ヶ月ぶんの出張の報告書とか交通費の伝票を書いていたら1時を過ぎてしまったのだった。休み明けからこれはキツイ。

大阪では
星野投手が阪神に来るというので盛り上がっているようですが、大丈夫なんだろうかな。「技のセ・力のパ」という傾向があるので、パリーグの技巧派はセリーグでは通用しにくい印象があるんだけどなあ。まあ、阪神に関しては、捕らぬ狸で盛り上がるのが毎年のことだからいいのか。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なるさだめ
¥600+税  ISBN4-403-54013-9



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