1999年12月下旬の日記
■12月21日(火)
日記の更新が遅れております。仕事で死にそうなので、一部にはご心配をおかけしているようであります。ご心配のメールも何通かいただいておりますが、返事を書く時間(というより気力)がありません。仕事が落ち着いて元気が出たら、必ず返事は差し上げますので、どうかお待ちください。読ませていただいていますし、無視しているわけではありませんので。メールの返事はすぐに書くべきなのですが、申し訳ないことです。そういえば、年賀状の宛名もぜんぜん書いてないよなあ。どうするんだろう。
今日も14時過ぎまで寝ていた。昨夜は息子といっしょに寝たので22時には寝ていたから16時間以上寝ていたことになるか。たしか昨夜上司から、今朝出勤できるかどうかを報告するように言われたような記憶もあったが、目も覚めなかったな。社会人失格である。もーどーにでもしてください。さすがにあれだけ寝てあの時間に床についたら朝には目が覚めるのではないかと思ったのだが、いくら寝ても眠いのである。
■12月22日(水)
今日はまたまたまたまた遠方の客先に行かなければならない。ここ数ヶ月運動していないうえに、2日ほどずっと寝ていたので体中の筋肉がヘロヘロになっている。歩いていても雲の上を歩いているようで、はなはだ頼りない。医者からもらった薬の影響もあるのだろうか。
出勤途中に難波の本屋で「十三歳の実験」(富島健夫:光文社文庫)を買う。はい、どうせ私はロリコンですよ。でも、この作品、富島先生の遺作だったんですねえ。往きの電車の中でこの本を読んでいると、少し元気になってきた。オトコというのは、こういうことで元気になったりするのである。…後になって、どっと疲れそうな気もするんだけどね。ある程度元気になったところで、必要ない部分が必要以上に元気になってもいけないので「異形コレクションXIII 俳優」の続きを読む。久しぶりではあるな。小中千昭氏「メイクアップ」を読んだが、まあ面白かった。ただ、オチがありきたり…だと思ってしまうのは、読者としてスレているせいなんだろうな。ちょっと寂しいかも。
少し遅れて仕事場に着く。今日は偉い上司も優しい。客先には行かずに残件の整理だけでいいと言ってくれる。が、残件の調整のために結局客先に行くことになる。帰ってからも内部の問合せに追われる。ふと気がついた。そういえば、今日もまだ昼飯を食ってない。もう17時過ぎである。まだやりかけの仕事も残っていたのだが、どうにも空腹に耐えきれずに食事に出る。病み上がりなので予備の燃料タンクが空なのである。でも、これじゃ夕食だな。食事をして帰ってきてからもゴチャゴチャ細かい仕事をこなしていると、最終の急行に乗れなくなってしまった。まあ、今日中に帰れただけ良かったと思うべきか。
■12月23日(祝)
昨夜はまとめて日記を書いていたら明け方になってしまった。ついでだからというので新聞社のサイトに朝刊のデータが上がるまで待っていたら7時を過ぎてしまった。病み上がりなのに大馬鹿者である。それから布団にもぐり込んで、起きると13時であった。カミさんが14時からパーマの予約をしていると言っていたから起きねばならない。
起きると、妻子が買い物から帰ってきたところだった。パンを買ってきて昼食にするらしい。顔を洗っていると、息子が階段を下りて呼びに来た。はいはい、食事にしましょう。食卓につき、息子に「どれにする?」と訊いて指差したパンを彼の食べやすい大きさに千切っていたら、彼は別のものを指差した。それは許さん!これを食ってからだ。だが彼は違うパンが欲しいと言い張って泣きわめく。父親では埒があかないと見て母親のところに行くが「母ちゃんは忙しいんや」と拒絶される。一度は「ぱん、たべへん」と言って椅子から降りてしまったが、けっきょく母親から別のパンを食べさせられてベソをかきながら食事を始めたのだった。
母親が食事を終えてパーマを当てに出てゆくと、息子はまた泣き出した。膝の上に抱き上げて背中をトントンする。嫌がらない。鼻先を私の胸に擦り付けてスンスンいっている。何だか、寝てしまいそうな雰囲気である。そういえばカミさんも「2時くらいから昼寝させてね」と言ってたな。よしよし、このまま寝るがよい。座椅子の背もたれを倒して寄りかかり、息子を胸に抱く。しばらく背中を抱いていたら眠ってしまった。しばらく、親子2段重ねで寝ていたのである。
15時半くらいになって目が覚めた。息子は私の腹の上に移動して寝ている。カミさんが帰ってくるまでこのままの体勢でいようかと思ったのだが、16時を過ぎても帰ってこないので息子を抱き上げて寝室に移動する。息子の布団がない。そうか、干しているとか言っていたな。布団を取り入れてカバーを掛けていたら息子が起きてしまった。機嫌はよい。また寝かそうとしているところにカミさんが帰ってきたのだった。
夕方になって、どうも寒気がする。葛根湯を切らせているので、夕食前にビールを飲むことにする。ふだん飲まないので、今年のお歳暮どころか去年のお歳暮の分がまだ残っているのである。250mlの缶を開けたのだが、カミさんにも分けたらもう1本開けてしまった。最初から大きな缶を開ければよかったと思う、ふだん晩酌をしない夫婦であった。
■12月24日(金)
今日からカミさんはイベントで東京である。私は仕事で出張である。息子はカミさんの実家である。家族バラバラのクリスマスなのである。でもまあ、お義母さんが息子を預かってくれるからこそこういう生活が可能なわけで、恵まれていると思うべきことではあるのだ。
朝、起きると隣の布団の中の息子と目が合った。ニッコリ笑う。彼はすぐに階下の母親に呼ばれて下りて行ってしまった。私は、どうも頭が痛い。昨日のビールの二日酔いではないと思うが。昨夜は21時に寝たから10時間以上寝ているはずだし。やはり風邪が治っていないのだろうか。どうにも調子が悪い。往きの電車の中でもずっと寝ていた。
とうとうこの1年も最後のページになってしまった。思えば、この千年間もあと1週間を切ってるんですねえ。しかし、英語にはミレニアムという単語があるのに、日本語には「世紀」以上の期間を表す言葉が見当たらないというのも困ったもんだ。日本人に長期的な視点が欠けているのを表しているんだろうか。いや、漢語にも無いのかもねえ。でも、2日以上日記を続けたことのない私が、よく1年間も日記を書き続けたものである。読んでいる人がいるかもしれないというだけで、これだけ続けられるのである。インターネット恐るべし。先月くらいには1年間でちょうど1メガバイトくらいになると思っていたのだが、少し足りなさそうだな。年末はほとんど死んでたからねえ。
■12月25日(土)
今日はお客様は出勤日なのである。発注元は休みなので我々は休ませてもらうことになっているのだが、私の担当のところがトラブっているので私ひとりで客先に行くのである。例のメタメタなプログラムである。しばらく離れていて状況がわからないので気が重い。横で見てた雰囲気では、ちゃんと動きそうな気もしないし。動かしてもらうと、やっぱり動かない。もう笑うしかない。入力には時間がかかるので、お客様には申し訳ない気持ちで一杯である。やっぱり、常人の知力でメンテナンスできないほど機能を増やしてはいけないのである。そうこうしているうちに別の部署からトラブっているから来いという電話が来た。軽そうな言い方だったので、すぐに終わると思って行ったのだが、山ほど問題点を指摘されて帰ってきた。あ〜あ。
かなり前から、仕事場の机の上に飲みかけの野菜生活100の500mlのペットボトルが置いてある。底に2割くらい飲み残しが溜まっている。気がつけば、ボトルがパンパンに膨らんでいる。ひょっとして、これは…腐敗しているのか? 誰のかは知らないが、これは捨てた方がいいだろう。トイレの洗面所に流してくるつもりで手に持ったが、内部からの邪悪な圧力を指先にひしひしと感じた。これは、開けると危険だ。「このままゴミ箱に捨ててもいいかな」と口に出すと、横にいた課長に「トイレに流してこい」と言われた。そう言われれば仕方がない。トイレに行く。蓋を開けた瞬間に内容物が吹き出してくると危険なので、蛇口から水を流しながら、水流の中で蓋を回す。物理的封じ込め基準P1程度の用心はしなくてはならないだろう。私には家に子供がいるのだ。こんなものを浴びてたまるものか。少し回したところで、ぶしゅぶしゅぶしゅぶしゅ…と、紅い泡が吹き出してきた。もうそれ以上触る勇気がない。すぐに圧力が下がるだろうと思ってそのまま持っていたのだが、じゅわじゅわじゅわじゅわ…と、いつまでも噴出が止む気配がない。けっきょく、1分くらいかかって、やっと毒液の滲出が止んだ。それからさらに蓋を回して内容物を水に流した。即座に指を石鹸で洗浄する。衣服に飛沫は付着していないだろうな。
今日も土曜日だというのに夜中の2時まで仕事をした。トラブルがいっぱい出て整理するだけでも大変なのである。当然電車は無くなっているが、課長が車で来ていたので便乗させてもらって大阪まで帰ってきた。高速を常時時速100km超で飛ばして1時間で家の近くに着いた。当然コミケ帰りのカミさんはもう寝ている。チャーハンを作ってくれていたのだが、今日は風邪を治すために水分を大量に飲んだため胃が弱っているので、インスタントのソバを作って食べた。
家に帰ると「対なる者の誓い」の著者献呈用の本が届いていた。そうか、ついに出たか。とりあえず、これでこのシリーズは完結だな。最初に雑誌掲載用の原稿を書き始めてから4年くらい経っているのかな。月日の経つのは早いものである。
■12月26日(日)
カミさんはすでに起きたようである。毎度、イベント後は宅配便がいっぱい来るので寝ていられないのであろう。昨夜は5時に寝たので昼過ぎまで寝ているつもりだったのだが、昼前に目が覚めてしまった。息子もいないんだけどね。居間に下りてゆくと、カミさんは同人誌に埋もれて至福の時を過ごしている。何ぃ? これが矢吹丈だってぇ?可愛すぎるんじゃないんすかぁ?…で、この人の白木葉子受けの本は無いの?(こらこら) これは作者の日常マンガも面白い。原作者の娘さんからファンレターが来てあせった、というのには笑ってしまった。しかし、今の若い人は「あしたのジョー」なんて知ってるんだろうかねえ? たしか連載してたときは私は小学生だったから、30年くらい前だと思うんだが。
カミさんが買ってきたロリ本のマンガを見せてくれた。「あげるんじゃないからね」と釘を刺される。でも、なぜアナタがこういう本をご入用なんでしょうか? 彼女はいつもイベントの前夜は眠れないので今年は睡眠導入剤を飲んで寝たら、副作用で一日中ボーッとしていたそうである。う〜ん、コドモぢゃないんだからさあ。
朝飯代わりにカミさんが差し入れにもらったチーズケーキを食べながら、WOWWOWで放送していたのを録画したモータウンのクリスマスライヴを観る。まあまあの内容でしたね。トリはパティ・ラベルであった。ノドの調子はあまり良くなさそうだったが、やはり凄い声である。瞳がウルウルしてしまうくらいパワフルですね。
カミさんはホテルで宅配に出した荷物が間違えられていたと言って怒っている。そりゃそうだ。出した荷物はもう帰ってこないかもしれないねえ。
息子はカミさんが迎えに行ってくれた。私も行くべきなんじゃないかと思ったのだが、夕食はウチで食べることにするそうなのである。疲れている身には、妻の実家で気を遣わなくていいのは有難いのだが、最近不義理をしているなあ。かなり息子がお世話になっているのにねえ。帰ってきた息子は、玄関に入ったときから愚図っている。疲れているようである。移動中は元気だったという話なのだが、やはり彼なりに気が張っていたんですかねえ。家に帰って緊張が解けたのだろうか。いくつかの偶然が重なって両親が選んだ家なんだけど、育った子供にとってはもう、唯一無二の安らげる「我が家」というのになってしまうんだねえ。まあ、そういうことを言いだすと、親子関係だって不思議な巡り合わせなんだけどね。
WOWWOWで放送しているRINGSを観る。いつもは録画して観るのだが、オープントーナメントだし、バーリ・トゥードに近いルールなので早く観たいのである。でも、グラウンドでの顔面打撃が禁止というのは、ちょっと中途半端な気がするなあ。理屈では理解できるのだが、やはり感覚的に。しかし、アンドレィ・コピィロフが強い。2試合闘って30秒かかってないんじゃないだろうか。勝敗を最優先すると、こういうことになっちゃうのね。こういうのを見てしまうと、ヴォルク・ハンが負傷欠場というのが残念である。
自分の部屋でRINGSを観ていると、階上から食事に呼ばれた。息子は帰ってきてすぐに昼寝をしてまだ起きていない。カミさんが起こしたが「おきへん、ねる」と言ったそうである。やはり疲れたんだろうねえ。
カミさんはMISIAの「忘れない日々(HEX HECTOR'S RADIO MIX)」を借りてきてずっと聴いている。リピートで聴いている。まだ、オリジナルのミックスの方は気になりながらも借りに行く時間がなくて聴いていないのだが、こっちの方もなかなかいいですね。カミさんが「録音するならまた借りてくるよ」と言ってくれるが「買うよ」と応える。これだったら買う価値はあるでしょう。でも、たしか彼女のデビュー当時にカミさんが借りてきたのを聴いて「まだ若い」と一蹴した記憶があるのだが、巧くなったものですね。音楽としての「厚み」がぜんぜん違う。これは、アルバムも買ってみるかな。これだったら「信用できる」と思うのだ。
■12月27日(月)
今日も例のメタメタなプログラムが動かないとあちこちからクレームが上がってくる。今日中に処理しなくてはいけないデータもあるようなのだが、けっきょく今日中には直すことができなかった。明日の朝一番には絶対に動かすように、ということになった。これは私も入ってテストしなければなるまい。けっきょく、一部の処理は根本から作り直しになってしまった。テストを終えると、朝の4時前になっていた。これを明日の朝一番に動かすので、明日はまた朝早くから出て行かねばならない。週初めからこれは疲れる。仕事場からの帰りに、明日の朝食を買いにコンビニに移動していると、なんだかもう木曜日くらいの疲れようである。まあ、今週はお客様も29日までなので何とか保つと思うが。
今週は、いつも泊まっているホテルが工事をするとかで閉鎖されているので、例のパソコンジャックがあるホテルに泊まる。寝る時間もろくに無いというのに、インターネットに繋いでみる。昼間にホテルに電話して、接続方法を調べておいてくれるように依頼していたのだが、チェックインのときにフロントのにーちゃんが「0発信でアナログ」というメモを読み上げただけであった。パルスかトーンかもわからない。やってみたが、やはり繋がらない。ヘルプを見ると「コンパネの[モデム] で、[トーンを待ってからダイヤルする] チェック ボックスをオフにする」と書いてあるのでそうしてみるが、やはり状況は変わらない。あきらめて寝た。公衆電話の中で寒い思いをせずに通信できると思ったんだけどなあ。今日も日記の更新ができないのである。
■12月28日(火)
今月の深夜勤務(22時以降)と休日出勤と徹夜明け勤務時間の合計が150時間を超えた。それだけで、普通に勤務しているときの1ヶ月の総勤務時間に近いというのは、やはり異常であるな。
今朝は9時に客先に出なければならないので8時すぎに起きた。今朝の課題のプログラムは、朝の4時まで私も入ってテストしていた甲斐あって、なんとか無事に動いたようである。だが、使ってもらっている最中に別の部署から怒りの電話が入った。改造して今日初めて動くプログラムがあるのだが、それが動かないと言っている。急いで現場に急行する。クレームは、改造して動きが変わったのがうまく伝わっていなかったせいであった。昨日電話して説明していたはずなんだけどね。プログラムの「動き」みたいなことを、抽象的な言葉を使って説明するのは難しい。で、それは誤解だったんだけれども、出力される帳票が妙に多い。調べさせたら、今日出す必要がないものまで出していたらしい。プログラマは自信満々だったんだが、私は不安だったのよね。それが的中してしまった。私がテストすればいいんだろうけど、これをテストしようと思うと必要なパターンのデータを作ったりしていたら半日は潰れるからねえ。現在の「早く直せ」と集中砲火を浴びている現状では無理である。仕方がないので、余分に出たものが本来いつ出るべきだったものかを資料にまとめて謝りに行くことにする。プログラムも入れ替えなければいけない。プログラムを直して資料をまとめたときにはもうお客様のPCはすでに電源を落とされていたのである。電話をして明日の朝一番に現場に行くことになる。明日もまた早起きであるな。最近、あそこの部署では謝ってばかりなのである。リリースするものを私が全部チェックできていないのだから仕方がないが、これじゃ技術者じゃなくて管理職か営業だな。
今日は当日のうちに仕事場から帰れたので、またまた性懲りもなくホテルでパソコンジャックに挑戦する。いろいろやっていると、ついにインターネットに繋げることができた。そうか、「トーンを待ってダイアルする」を外すのは、コンパネからやるのでは駄目で、接続時に設定ボタンをクリックしてやらないといけないのか。やはり、Windowsはよくわからない。ヘルプに書いてあるのも違うみたいだし。でもこれで、通信するために寒い中わざわざ外に出なくていいのだな。来年からはこのホテルにしよう。ただ、ラクなのでついつい調子に乗りすぎて長時間繋ぎっぱなしになってしまう。気がつくと30分以上経っている。明日の精算が怖いな。公衆電話からだったら最低限のところしか回らないのだけれど。
■12月29日(水)
けっきょく、パソコンジャックで通信した電話代は100円に満たなかった。あれだけ情報を収集して缶ジュースよりも安い値段だというのは嬉しいね。プロバイダへの接続料金は別に払っているんだけれど。我が家のプロバイダは使い放題のODNなのだが、出張中には私はNiftyからインターネットに繋いでいるのである。同じ時間帯にカミさんが家で通信しているかもしれないからね。まあ、一日に十数分だったらNiftyの料金には何の影響もないから同じだな。
昨日のトラブルの状況の資料を持ってプログラムの入れ替えに現場に行かねばならないので、今朝も早起きである。多少仕事が遅くなるのはまだ我慢できるが、体質的に早起きは耐えられないんだよね。でも、あそこの部署ではトラブル続きだから誠意は見せないと。
今日はお客様も仕事納めである。我々の業界では、こういう日は午後から仕事場の掃除をして酒を飲んだりするのだが、ここではみんなフルタイムで働いている。さすがに工場だ…と思ったが、ひょっとすると我々のシステムが動かないから仕事が片づかないのかもしれず(爆)。それでも夕方にはそれほどトラブルもなく(それでも電話がかかってくるとギクッとしたりするのだが)、18時ごろには「これでお客様がみんな仕事を終えれば早く帰れるかな」と思っていたのだが…甘かった。お客様たちが社長の訓示から帰ってくるのをぼんやり待っていたら、上司から呼びつけられた。データの状態が正しくないので売上処理ができないものがあると言われているらしい。原因を調べろと言われるが、どうやって調べればいいのだろう。結果だけがあって、それから原因を調べるのは難しい。いろいろなプログラムが、いろいろな順番で、いろいろな操作をされて現在の状態になっているのである。なんせ、私の担当だけで100本近いプログラムがあって(半分以上は更新しないものだが)、そのうちの4本はそうとう優秀なプログラマでも「追いかけられない」と泣きが入るくらい複雑なプログラムで、しかもそれらを1ヶ月近くトラブルが出るたびに少しずつ直しながら、数十人のお客様が動かしていたのである。データにしても、現在はウチのプログラムが作ったものとデータ移行グループのプログラムが作ったものが混ざっている。おかしなデータは数件あって、しかもそれらはみんな状態が違うのだ。一件だけは最後まで原因がわからなかった。これは「原因不明」にして、データの修正だけするしかないか。悩んでいたら、けっきょく大阪に帰れなくなってしまった。仕事に関しては、最後まで恵まれない一年ではあったなあ。
■12月30日(木)
気が狂ってしまったのか、私は。何だ、この荷物は? たしか、朝ホテルを出たときには鞄が2つだけだったはずなのだ。それが、いつの間にか紙袋が2つも増えている。どうしたんだ、いったい。中身を列挙してみよう。以下のものが紙袋に入っている。
●パソコン用ハード
・BUFFALO LAN CARD LPC2-T
・イーサネットクロスケーブル 10BASE-T 1m
●パソコン用ソフト
・スーパー・ニッポニカ[ライト版]
・ゼンリン電子地図帳ZII 西日本版
・柿木将棋IV
・THE ART OF NAUSICAA For Macintosh
・THE ART OF LAPUTA For Macintosh
・シンジと愉快な仲間たち AMERICANPAGE1
・世界の車窓から[IV]アメリカ編〜大陸横断鉄道の旅〜
・3Dアトラス A MULTIMEDIA EXPLORATION OF PLANET EARTH
●TVゲームソフト
・電車でGO!2
●音楽CD
・sweetness/MISIA
・LOVE IS THE MESSAGE/MISIA
・WONDER OF DREAM/Harumi Tsuyuzaki
・TOUGHER THAN LOVE/DIANA KING
…思い出してみよう。たしか、実家に帰っているときにカミさんがインターネットできるように、FIVAにNCをインストールしなければならないと思ったんだ。それで、メビウスのCD-ROMドライヴをマウントできるように、もう一枚のLANカードとクロスケーブルを買いに日本橋に寄らなければならないと思った…だんだん見えてきたぞ。そして、LANカードとケーブルを買って、その後にパソコンソフトコーナーに行った。このあたりが狂気の始まりだったような気がするな。そして、スーパー・ニッポニカ[ライト版]を見つけた。12,800円なので、本屋で図書券を使って買うよりも安いと思った。あとは勢いだな。ゼンリン電子地図帳ZIIと柿木将棋IVを買って、MISIAのCDを買わないといけないと思ってCD屋に入り、sweetnessとLOVE IS THE MESSAGEを買い、WONDER OF DREAMとTOUGHER THAN LOVEもあったので買った。そして、ZAURUSに使う電池が切れたのでカメラ屋に入って買ったときにソフトのワゴンセールをやっていて、一本が平均で2000円以下だったので「安い!」と思ってまた買ってしまったのだ。あ、そうだ。5000円以上のレシートを持っていたのでソフマップの福引きもやったんだった。数人前に並んでいたにーちゃんにiMacが当たったので、私はティッシュかなと思っていたのだが、2000円の商品券が当たった。ラッキーだった。しかし、有効期間が来月の前半までなのだ。この次にはいつ日本橋に来れるかわからない。今日のうちに使ってしまわなければならないので、TVゲームのワゴンセールで電車でGO!2を2,979円で売っていたので息子への土産に買ったのだった。税込みで3000円を超えたが、カードのポイントを使ったら金を一円も払わずに入手することができた。それだけ今までにいろいろ買っているということだよなあ。
家に帰るとカミさんと息子は寝ていた。買ってきたもののリストを作っていたら、妻子が起きてきた。息子が「だっこぉ」と言って泣きながら下りてくるのを、カミさんは「うるさい!」と怒鳴りつけながら下りてくる。息子に土産を買ってきたと言うと「『電車でGO!』でも買うてきたん?」と言われる。何でわかるんですか?さっそくカミさんがやって息子に見せている。彼はまだ電車が動いているだけで満足なようである。カミさんの横で座布団の上にちょこんと座って見ている。カミさんが失敗するたびに「すみません」と言うので、彼女が失敗するたびに息子が「すみません」と言って頭を下げる。おいおい、キミが謝ることはないんだよ。でも、なんだかカミさんの方がハマっているような気がする。
風呂上がりにパジャマを着せると、息子は「かーちゃん」「かーちゃん」と繰り返して泣く。疲れているようなので、寝室に連れていって寝かせる。寝室でも母を呼んで泣きつづける。胸の上に乗せて毛布をかぶせ、背中をトントンする。カミさんは上がってくる気配がない。今夜はカミさんのためにFIVAにNCをインストールしなければならないんだがなあ。しばらくすると息子は大人しくなったが、それでもまだ眠らない。頭の位置が決まらないようである。そのうちに彼は頭を畳の上に落としてしまった。私の胸の上では寝にくいようなので、彼を敷き布団の上に下ろして掛け布団をかける。まだしばらく寝るのに時間がかかりそうである。彼の横で自分の布団に潜り込む。このままでは、彼といっしょに寝てしまうパターンだな。
■12月31日(金)
昨夜は息子を寝かせていたらそのまま寝てしまった。気がつくと6時すぎである。うわ、朝日のサイトの昨日の朝刊の記事はまだ読んでないんだ。今日もあわてて起きる。朝日の朝刊の記事はまだ更新されていなかった。ラッキー。最低限のサイトを廻って情報を収集し、FIVAへのソフトのインストールを開始する。まずはメビウスにLANカードの設定をする。ドライバをインストールし、PCカードを挿入してFIVAとクロスケーブルで繋ぐ。だが、お互いネットワークを認識できない。おかしいな。LANカードのマニュアルを読む。そうか、「NetBEUI」というのを追加しなければいけないのか、知らなかった(自爆)。だったら、デスクトップのMacのVirtual PCとファイル共有できなかったのもそれが原因だったかもしれないな。モノを知らないというのも困ったものである。
スーパー・ニッポニカ[ライト版]と柿木将棋IVはインストールできたが、ゼンリン電子地図帳ZIIがインストールできない。別のPCのCD-ROMからではインストールできないみたいだ。これは困る。FIVAに入れて持ち歩きたいんだからさあ。メビウスにインストールしてからコピーできないかと試そうとしたら、ディスクの空きが足りないと言われてしまった。100メガ以上空いてるんですが、それでは足りませんか。FIVAもHDの残りが800メガバイトを切ってしまったし、西日本だけでもCD-ROM3枚組だからフルインストールは不可能だな。やはり今の世の中、3ギガでは足りないのか。
電子地図のインストールで試行錯誤しているところに妻子が起きて下りてきた。実家に行かねばならないので、あまり時間をかけられない。あきらめて昨日買ってきた雑誌の付録からNCをインストールする。あとはブックマークのファイルをカミさんのPowerBookからコピーしてくれば何とかなるだろう。
実家に帰って暇つぶしに柿木将棋IVをやってみたが…弱い。Mac版の柿木将棋IIよりも体感で圧倒的に弱いぞ。やはりG3のCPU速度のおかげなんだろうか。それとも、Mac版の方が強くしてある…なんてことはないだろうなあ。でもコンピュータ将棋選手権の棋譜を見ても、やっぱりMac版より弱く見えるんだよな。Mac版が奇跡的に強いんだろうか?
スーパー・ニッポニカ[ライト版]も使ってみたが、どうも操作性がWindowsの標準に準拠していなくて使いにくい。ユーザーインターフェースのかなりの部分を自前で作っているみたいだ。そのせいか、動作が重いし、起動に時間がかかる。最初に起動したとき、起動できずに死んじゃったのかと思ってしまいましたぜ。あと、説明が詳しいのはいいのだが、詳細すぎて読むのに疲れる項目がある。マイペディアくらいの方が一目で内容を把握できていいんだがなあ。このあたりは使い分けになるのかな。1画面に表示できる程度の小項目に分けて相互にリンクを張ってくれた方がパソコン上では使いやすいと思うんだが、このあたりは紙の百科事典をそのままデジタル化しただけなんでしょうな。フォントが大きいのも一度に表示できる情報量を少なくしている。行間も広くとってあるし。このあたりは「見やすい」というのをウリにしてたみたいだけど、私にとっては逆効果だ。やっぱり、EPWINGにして見る方法は利用者に選択権を与えてくれた方がワタクシ的にはいいのだが。それがオープンというものでしょう。期待していたほど項目間のリンクも充実していないねえ。
とうとう、今年の日記も最後になってしまった。けっきょく今年の日記で書いたデータ量は1000キロバイトに届かなかった。来年はこれを超えることを目標にしようか。それでは皆様、良い千年をお迎えください…とか言いながら、これを書いているときにはもう2000年になっているのだった。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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