2000年 8月下旬の日記
▲8月21日(月)▼
今朝は6時半に起きた。昨夜は早く寝たからね。しかし、冷房ガンガンだったせいか背中がバリバリになっている。固くなった身体を無理やり引き起こし、通信する。
息子は今日も調子が悪そうである。居間に入ると、いつもの座椅子の上で丸くなってしまった。しばらくすると、上半身がウナギのようにニョロンと床の上にはみ出てくる。私が仕事に行こうとすると、何をしに行くのかと訊く。「お仕事だよ」と応えると「なんで?」と続ける。「キミの食い扶持を稼ぐためだよ」と言うしかないのであった。
今日から通勤中に図書館から借りてきた「感情伝染」(岬兄悟:ハヤカワ文庫 1992)を読んでいる。いや、面白いっすねえ。しかしよくもまあ毎月こんなヘンな話を書けるもんだ。それもショートショートだから、それほど原稿料は高くないだろうにねえ。しかしこの表紙、水玉螢之丞さんだったのね。扉をめくってカバーデザインの担当者名を見て驚いてしまった。思わずカミさんに「これ、誰だかわかる?」と見せに行ったくらいで。まあ、中身は今と同じマンガ絵だったので安心(爆)したのだが。でも、やっぱりいいよなぁ、この絵。この絵のためだけでも買ってしまいそうだ。本屋に売ってないのが恨めしい。
今日は昼休みに「高橋竹山に聴く」(佐藤貞樹:集英社新書)を買った。高橋竹山氏の言葉の聞き書きである。何事に対しても、極めた人の言葉というのは勉強になりますからな。特に、当時は軒並み西洋音楽にかぶれていた音楽評論家たちを自分の身体で覚えた「芸」の力だけでねじ伏せてしまったというのは、大変なことだと思うのである。どの分野でも、今の日本でそれができる人間が何人いるだろうか。
氏の演奏はNHKの番組で一度見たときの印象が強烈だったので、それしか覚えていない。そのとき、生放送で演奏中に三味線の弦が一本切れてしまったんですな。しかしそれでも、何事もなかったように弾き通してしまったのだ。理論的には、切れたのがいちばん太いのといちばん細い弦以外であれば、他の弦で代わりがきくのだが、「形」だけ覚えているのだったらああいうことはできないと思ったものだ。まあ、私は楽器が弾けないからよくわからないんだけど、ひょっとしたらあるレベル以上の人はみんなできることなのかもしれないんだけどね。
今日は朝一番に客先に行くのである。そして大阪市のノーマイカーデーなので、地下鉄が乗り放題のカードが600円で買えるのである。それを買ったので、使わなければ損である。そこで、仕事を早く切り上げて日本橋に行く。Ethernetのhubと、PowerDVD 2000を買う。hubを買ったのは、ひょっとしたらケーブル回線を2人で共用できるかなという色気もあったのである。契約違反なんだけどね。
そして、DVD-Videoの再生テストのために「カウボーイビバップ」の2nd sessionを買う。目的と手段が逆のような気がするが、気にしないようにしよう。でも、中古で3rd sessionがあったのにわざわざ新品でこれを買ったということは、やはり「堕天使たちのバラッド」が欲しかったのだ。消費者が買いたいと思うようなものを創れば、消費者は金を出すのである。
家に帰ったときには21時過ぎであったが息子は起きていた。玄関まで階段を下りてきて私の鞄を持って上がってくれる。また下りてきて「ぼく、とーちゃんのかばん、もってあがってあげたよ」と言う。「〜してあげた」と言えるようになったな。ちょっと前までは「もってあがってくれたよ」だったのに。「ありがとう」と返すと「どーいたしまして」と応える。また一つ賢くなったなあ。
高校野球は智弁和歌山が優勝したようですな。途中まで押さえていても、終盤になると必ず打ち出しますね。すごいことだ。これでは投手は心の安まる暇がないでしょう。
カミさんは息子を寝かせるところだったらしい。彼女が私の夕食の用意をしなければならないので、まず夕食を食べることにするか。それほど暑いとは感じていなかったのだが、家に入って落ち着くとムワッと暑くなってきた。ビールを飲む。旨い。この私でさえこれだけ旨いのだから、酒が好きな人にはこたえられないだろうな。食事をしていたら、ゆっくりと何かが階段を下りてくる。息子である。「ここ、かい」と言いながら腕を掻いている。薬を塗って階上に戻らせる。今日も3回下りてきた。また明日も寝起きが悪いだろうな。
食事を終え、シャワーを浴びてさっそく購入製品のテストである。まずはインターネットの共用テストである。試してみると、ケーブルモデムからハブで分枝させてもインターネットできるのは1台だけだった。さすがに世の中そんなに甘くない。続いてDVD-Videoの再生テストを行う。PowerDVDをインストールしてDVDを入れる。オープニングのムービーを表示している途中でマシンがフリーズしてしまった。仕方ないので再起動する。SCANDISKが走る。時間がかかる。うーむ。再起動すると何とか再生できるようになったが…音がブチブチ切れている。映像の再生も遅いようだ。これじゃ、見ていられない。画面のキャプチャくらいはできるのだが、目的のシーンに行くのに早送りもできない。やはりUSBは遅いのでデータの転送が間に合っていないのか、遅い転送速度をカバーするために行っている圧縮・解凍をするためのCPUパワーが足りないのか。いずれにせよ、これを見るために5000円以上使ってしまったというのは、馬鹿みたいである。今日は2連敗だ。嗚呼。
それから日記を書いていたら、とんでもなく遅くなってしまった。明日は辛そうだ。
▲8月22日(火)▼
今日は7時半に目覚ましが鳴る音で目が覚めた。昨夜は遅くまで起きていたのでだるい。息子も「ねむい」とか「つかれた」とか言って母親の方に転がっていく。カミさんも動かない。不健康家族である。私もそっちに転がっていくと、妻子二人に押し返されてしまった。くそっ。自分の布団に戻って、反動でまたゴロゴロと転がっていくと息子が喜ぶ。ようやく元気になってきたかな。
今日は昼休みに職場近くの書店で「キリンヤガ」(マイク・レズニック/内田昌之:ハヤカワ文庫)を買った。昨日から読んでいた「感情伝染」を出勤時に読み終えてしまったのである。帰りに読む本を買わなければならなかったのだが、適当なものが見あたらなかったのだ。まあ、星雲賞受賞作だからね。今までの受賞作の実績をみると読んで良かったものが多いので、買っておいてもいいだろう。「感情伝染」は家を出るときにはまだまだ時間がかかると思っていたのだが、あっという間だったな。1日半の通勤時間で読んでしまったから、正味1時間もかかかっていないんではないだろうか。世の小説がみんなこれくらい読みやすければいいのだけどねえ。まあ、難しい本を読み切った達成感というのもあるのだが、忙しいし疲れ気味なので読みづらい本を読み通す根性がないのである。
おかげで手持ちの図書券が無くなってしまった。隙を見て仕事場を脱出し、梅田廻りで帰る。安売りチケット屋で図書券と電車のプリペイドカードを買い、ジュンク堂を含め2軒の本屋に寄ったが何も買わなかった。
電車を降りてから家の近くの本屋で「週刊ピーシー・サクセス(30)」と「TECH GIAN」を買った。例によってどちらも付録のCD-ROMが目当てである。「ピーシー・サクセス」の付録は「秦の始皇帝」、「TECH GIAN」の付録のCD-ROMにはにしき義統氏の描いた表紙イラストの壁紙が入っているのである。けっしてエロゲーの体験版が入っているからではない。今月もにしき義統氏の表紙は相変わらずいいですな。さっそくThinkPadの壁紙にする。それがランドセル姿の女の子の絵だというのがいかにも自分らしくて微笑ましい。でも、やはりにしき義統氏の描いた星界の同人誌は巨乳だった。ちょっとツラい。
こういうエロゲーの記事ばかりの雑誌を女性のいるところに置いておくと普通はセクハラになるんだろうが、カミさんは普段からエロゲーをやってみたいと言っているくらいなのでそういう心配は無用なんである。
▲8月23日(水)▼
昨夜はThinkPadで「TECH GIAN」のCD-ROMをいじってたら遅くなってしまった。インストールするだけですごく時間がかかるし再起動は要るしフリーズするし、とにかくゲームなんぞしなくても時間がかかるのである。昨夜も床についたのは3時過ぎであった。起きるべき時間になり、カミさんが起きて階下に下りていっても起きられない。息子が起きても起きられない。さらに10分くらい経つまで起きられないのであった。
今日読んでいて思ったのだが、「キリンヤガ」の「空にふれた少女」は「猫の地球儀」なのだな。「物事を突き詰めて知ろうとすることの光と影」という点ではまったく同じである。舞台も同じようなものだし。SFの人たちは「猫の地球儀」のこのテーマを高く評価していたようなのだが、先に「キリンヤガ」を読んでいたらあれほど高く評価できないんじゃないかと思うんだがなあ。私は別の点で評価していたからいいんだけど(ついに自分がSF者でないことを認めてしまったのか)。
急に明日の朝一に客先に行かなければならなくなったので、今日は遅くなってしまった。どうして私にはこんな短納期の仕事ばかり来るかな。
今日は妻子はカミさんの実家に行っている。夕方になってカミさんからPHSで、飯を食って帰るよう指示があった。遅くなってしまったので、私は帰る途中でコンビニで総菜を買って帰るのである。息子はそのまま実家に残ったようだ。
明日は朝から客先に行かねばならないので寝過ごすわけにいかない。ここ数日満足に眠っていないので今夜は早く寝なければならない。家に着いたのが遅かったので、急いで日記をまとめる。しかし、猛烈に眠い。朦朧としながら日記を書き上げ、やっとの思いで洗面所まで下りて歯を磨いた。あとは書き上げた日記を上げて寝るだけなのだが、そこで力尽きてしまった。たったそれだけのことができずに、くずおれるのである。
▲8月24日(木)▼
アンディ・フグが死んだ(あえて敬称は略す)。ショックである。客先から帰ってくるときに駅で売っている夕刊紙に「フグ、白血病で危篤」などと書いてあって驚いたのだが、会社に戻って新聞社のサイトを見たらもう…
彼は現在の日本人にとって最も有名な外国人の一人であっただろう。まずあの顔がいい。容貌もあるが、それよりも表情が。あのまっすぐな眼。もう、ああいう「顔」をした人間、日本にはほとんどいなくなってしまった。そして、「もうダメだろう」と言われながら何度も這い上がってきた実績。日本人が失ってしまったと言われているものを、日本に来る外国人の方が持っていたりするというのは皮肉なことではあるが、豊かになるとそうならざるを得ないということはあるのだ。
彼を初めて見たのは、何年か前(まだ寮にいたから10年以上前だな)の極真の世界大会だった。まだ外国人の上位入賞が難しい時代で、彼の強さは際だっていた。あの、かかと落としが面白いように決まっていたのを覚えている。かかと落としは元々はテコンドーの技で、極真の技の体系の中には無かったせいなんだろうか。かわした!と思った次の瞬間、頭の上から落ちてくる、という感じで受けてしまっていた。記憶に残っているのは名前のインパクトも大きかったんだけどね。
あまりに突然だった。こんな死に方では晩節の汚しようがない。そして、彼は伝説になるだろう。本当にドラマティックな人生でした。合掌。
◇ ◇ ◇
今朝は居間の座椅子の上で6時半に目を覚ました。寝過ごさなかったからこれで良かったのかもしれないが、ちょっと身体が冷えてしまっているようだ。風邪を引いてなければいいが。
家に帰ると、今夜も息子はいない。今日もカミさんの実家か。今日は親子3代でプールに行ったそうである。水は恐れないが、さすがに深くなると「かーちゃーん」と呼ぶらしい。私の父の田舎では、子供はまず川の浅いところで遊ばせておいて、ある程度水に慣れてきたと判断したら深いところにドボンと放り投げるらしい。彼の性格ではそういうことをされたらパニックになってしまうだろうな。当然、溺れそうになったら助けに行くのだが。
▲8月25日(金)▼
ウチの会社が入っているビルのトイレが改装された。しかし、どうして最近の小便器はああいう凝った形になってるのかね。従来の形を踏襲してたんじゃ、暗いイメージを引きずっちゃうということなんだろうけど、慣れていないところに放尿するのってすごく心理的抵抗感があるんですよね。オレハホントウニコノナカニホウニョウシテモヨイノデアロウカという気分になっちゃうのだ。やはりこれは、子供の頃に繰り返したたき込まれた躾が身体に染みついているということなんだろうなあ。
大便器も、肛門洗浄機脳がついているのはいいのだが乾燥機能がついていない。今までこういう機能がついたトイレのある客先はいくつかあったのだが、乾燥機能がついていないのは初めてである。拭くときにトイレットペーパーが破れそうになるので、ちょっと大変。でも、水流が当たる位置がいつもずれるなあ。座り方が他人とは違うんだろうか、とちょっと思ってしまうのである。他人がやっているのを見て比較するわけにもいかないからねえ。そう思ったこと、ありません?
個室のドアが高くなって持ち物を掛けておくフックが低い位置についているので、上から手を伸ばして引ったくられる不安が無くなったのは改善点だな。ちょっと背の高い人間なら外からフックに手が届きそうなトイレが多かったですから。
◇ ◇ ◇
今朝は7時半に目が覚めた。また居間で寝てしまったか。こんなに明るくなっているのに目が覚めなかったとは、情けないことである。
職場のビルのトイレが改装後は禁煙になったのだが、個室の隅っこによく煙草の灰が落ちている。自分が意志が弱くて煙草を我慢できないのがわかっているのに、なぜ携帯用の灰皿さえ持っていないんだろうと思ってしまうのである。
今度の仕事も気違いじみたスケジュールなので、打合せとかしていたら23時になってしまった。来月いっぱいくらいはこういう生活が続きそうなんである。夏バテだしツラいなあ。今夜は、明日から大阪でイベントなので木根尚子さんが家に来ているはずなのだが。
▲8月26日(土)▼
昨夜はカミさんが木根尚子さんを冷房の効いた寝室に寝かせようとして私と寝床を入れ替えさせようとしたのだが、断固拒否した。亭主よりも同人仲間の方が大事なのかぁ〜(魂の叫び)。しかし、気がつくと私は居間で寝ていた。何なんだ。これじゃ、私が寝室を追い出されても同じだったのか。いやいや、これはそういう問題ではないのである。
今日はカミさんは木根さんと大阪のイベントに行くのである。息子が保育所に行っている間に一人で自分の用事を済ませ、彼を迎えに行く。帰る途中で息子は「かーちゃん、ねてるん?」と訊く。いつもはそうかもしれないが、今日は違うのだよ。家に着くと、すでにカミさんは帰り着いていた。木根さんも宮本春日さんも一緒である。そして、今夜の食事は近くのファミレスに食べに行くことになる。
ファミレスへは歩いて行ったのだが、息子は大人数で移動するのが嬉しいようではしゃいでいる。駆け足でどんどん進んでいく。こちらも早足で追いかけ、追い越したりするとまた喜ぶのである。道路に飛び出すんじゃないぞ。
ファミレスから帰ると、Jリーグのオールスターをやっていた。なんだか、以前に比べてレベルがぜんぜん違うような気がする。前のワールドカップのときなどと比べると、選手の視野の広さもスピードも段違いのように見える。まあ、オールスターだからプレッシャーもないせいなのかもしれないが。
今夜はカミさんが息子を寝かせてくれた。木根さんと宮本さんは、部屋の隅にカミさんが作っている本の山から同人誌を掘り出してきて読んでは酷評している。まあ、他人の買った同人誌は面白くてもその逆でも楽しめるものではあるようですな。
▲8月27日(日)▼
昨日の日記を読んだカミさんに「あの日シンジ(仮名)を送っていったの、私よ」と怒られてしまった。謹んで訂正させていただきますです。やはり眠りながら書いてはイカンな。
昨夜も居間で通信していたら寝てしまっていた。明るくなって目を覚ます。続けて通信していたら、木根尚子さんと宮本春日さんが起きてきた。二人とも申し合わせたように黒のジャージを着ている。強そうである。「最強タッグという感じやね」と言うと、二人同時にファイティングポーズをとってくれた。有り難いことである。写真を撮っておけばよかったか。カミさんは起きてこない。どうしたのかと思っていたら、ギリギリになって起きてきた。今日は彼女はイベントには行かないらしい。てっきり行くもんだと思ってたんだけどね。
彼女は客人たちをイベントに送り出し、マクドナルドで朝食を買って帰ってきた。ハンバーガーを2つと揚げポテトを食べると猛烈に眠くなってきた。息子が起きてきてからも何度か気を失う。カミさんが息子に私を寝かせるよう指示する。私は彼に連れられて寝室に入り、そのまま寝てしまうのである。しかし、布団の上で寝るのは久しぶりではなかろうか。
寝ていると地震があった。時計を見ると13時12分である。揺れも大きいしけっこう長く続いている。これは大きいかもしれない。…などと思いながらも、またすぐ眠りに墜ちてしまうのである。
気がつくと18時過ぎである。7時間くらい寝ていたことになるか。家の中には誰もいない。カミさんは息子を連れて客人2人を迎えに行くとか言ってたなあ。しばらくすると、彼女ら4人が帰ってきた。宮本さんは今夜も泊まっていただけるようだ。息子は電車を見てきたらしい。しかし、どうも彼は機嫌が悪い。野菜ジュースを買ってきていなかったので彼に「野菜ジュース買いに行くけど行かへんか?」と訊いても「いかへん」と応える。こういうことは珍しいな。よっぽど疲れているのか。私は一人寂しくスーパーに向かうのである。
今日も夕食は外食かと思っていたのだが、カミさんたちが買ってきた総菜になるようである。息子は食べないとか言ってゴネていたのだが、母親に「キムチあるで」と言われるとご飯を食べ始める。現金なものである。
今夜は私が息子を寝かせるように言われる。カミさんたちは3人で楽しく語り明かすのであろう。息子は読んでほしい本を抱えて階段を上るが、なぜか同じ本を2冊持っている。何故なんだ。内容が同じであろうとも、寝る前に両方とも読まされるのである。
▲8月28日(月)▼
今朝は6時半に目が覚めた。久しぶりに布団の上で目覚めたような気がするな。起きて日記を編集して上げていたらカミさんが起きてきた。彼女が宮本春日さんを起こして3人で朝食を食べる。そして宮本さんは出勤しなければならないので、カミさんが車に乗せて最寄りの駅まで運んでいった。その間に私は息子を起こし、自分の出勤の準備をする。息子は、今日は素直に起きてくれた。しかし、やはり座椅子の上でグッタリしている。昨夜もちょっと遅かったからなあ。
今日も昼休みに職場近くの書店に行くが、本は買わない。なんだか、ここしばらく本を買っていないような気がする。夏バテのせいかなあ。そういえば、ハードカバーの本を立ち読みしてて知ったのだが、夢枕獏さんの公式サイトができてたのか。知らなかった。
今日は家に帰って「CD2WAV32」と「午後のこ〜だ」を入れてThinkPadにmp3変換環境を構築する。今まではMacでやっていたのだが、やはりThinkPadでもできるようにしておくべきでしょう。しかし、午後のこ〜だはリッピングの機能がないから1曲に対して2階の操作が要ると聞いていたのだが、CD2WAV32と組み合わせるとワンタッチでできるのね。ラッキーである。
今夜、カミさんにウチのサイトについて「薄々で面白くない」と言われてしまった。日記を書くことに、一気に徒労感を感じてしまうのであった。しばらく旅に出た方がいいだろうか…
▲8月29日(火)▼
昨夜も遅かったので今朝は遅めの出勤の予定なのであるが、7時半になって息子がムックリと起き上がった。起きるのかと思ったが、水筒のお茶をゴクゴク飲んでまたそのままゴロンと横たわる。けっきょく、8時になるまでゴロゴロしていたようである。早くから目覚めていたにもかかわらず、今朝も居間に入ると彼は座椅子の上でゴロゴロしている。朝食もあまり進まないようだったが、カミさんが「キムチ食べるか?」と言うと「たべる」と言って食べはじめる。現金なものである。
今日は出勤時に「キリンヤガ」を読み終えた。で、これ以降はネタバレになるので読む予定のある人は読み飛ばしてくださいね。
これは、ヨーロッパ文明に毒されない昔のままのユートピアを実現すべく小惑星に移民したケニアの一部族の物語である。なんとか現代文明の影響を排除しようとするムンドゥムグ(祈祷師)の視点で書いてあるのだが…まず読み始めて、ヨーロッパ人の影響を排除すると言いながら主人公の考え方自体が西洋文明に毒されているのが気になった。個人的には、西洋文明の悪影響を受ける前の状態に戻りたいという考え方には共感できる部分もあるんだけどね。アフリカ的な伝統を西洋的な考え方で理屈づけているので、言っていることが非常に底が浅いもののように見えるのである。ムンドゥムグの伝統を受け継いだものならば、ヨーロッパ的な考えの中にどっぷりと浸かっている我々にはとても理解できない行動規範で動いてもいいと思うのだが、彼の思考の底には西洋的合理思想があるのである。欧米の大学で高等教育を受けたという設定だから仕方ないのかもしれないが、やっぱり西洋人が書くとこういうものなのかなあ、などと思いながら読んでいたのだが…実はそれすらも設定の一部だったのであった。後半になると、彼の言動の矛盾が残酷なほどに明らかになっていく。最終的には挫折の物語なのである。けっきょく、西洋文明の影響からは逃れられないということになるわけね。西洋文明というよりは、合理的な考えによる便利な生活というべきか。個人の欲望の充足を可能な限り認める今のやり方が、世界を全体として不幸な方向に向かわせているというのは事実なんだろうけどね。でも、やっぱりこの話は西洋人が書いちゃいけないような気がするなあ。
帰りから図書館で借りている「半身一体」(岬兄悟:ハヤカワ文庫 1992)を読み始める。前回図書館で借りた本はこれが最後である。まずは「筍族」と「振り向けばユートピア」を読んだ。どっちも良かったですね。例によって、地面から動物が生えてくるとか、振り向いたら異世界が見えるようになってその中にダイブする人が続出するとか、不思議な状況に陥った人間を描いているのだが、こういう不思議な感じの設定は好きだ。今までに読んだ他の作品よりもドタバタ度が少ないのも私には好ましい。
今日は上司が「23時からのニュースで中国人のハッカーがどうこうとかいう番組をやるので見るように」とか言っていたので、それに間に合うよう22時過ぎに仕事を切り上げて早めに帰る。家に帰ると23時を過ぎていたが、幸い野球のせいで30分遅れるようである。シャワーを浴びる時間はなさそうなので、先に夕食を食べる。番組の内容はそれほど大したことはなかった。「ハッカー」とか言いながら、見た感じでは単に腕自慢のオタクのにーちゃんである。まずはハッキングのためのソフトを買いに行くと言って、怪しげな店に入る。本物のハッカーならそういうことはしないような気がするんだけどねえ。そして、侵入の経験を問われて「パスワードを教えてもらって…」と応えたのを見ていやーんな感じになる。そういうのを自分で見つけるのがハッカーじゃないんだろうか。指定されたページに対して「このホームページの文字を中国語に変えてみせます」と自信満々だが、アタックの方法はユーザー名とパスワードをランダムに生成するプログラムを使うという古典的なもの。しかも、防御する側はアタックされるのが予告されているのでftpのサービスも止めているという。ありゃ駄目だ。そこで日本のセキュリティ会社の担当者が一言。「ふつうのことをきちんとやってれば大丈夫です(意訳)」うーむ、あの程度の連中にクラッキングされるほど日本の官公庁は馬鹿だということが言いたかったんだろうか。
夕食を食べ、日記を書いていたら激烈に眠くなってきた。何度も気を失う。もう耐えられない。まだシャワーを浴びていないが、日記を上げて寝る。後で考えると、日記が解読可能な日本語で書かれているのが不思議なくらいである。
▲8月30日(水)▼
今日から毎日通勤時に一枚ずつCDを聴くことに決めた。そう決めた。ThinkPadにMP3変換環境ができたので、それで気に入った曲を徐々にMP3化していこうという魂胆である。これからしばらく仕事が忙しくて日記のネタが少ないだろうというのもあるな。
今日は「MILLION KISSES」(DREAMS COME TRUE)を聴いている。中古のCDを1枚500円で買ってきて、まだ聴いてなかったのだ。「昔のドリカム」という感じですな。勢いがある。まだまだやりたいことが残っている感じ。どうも最近は自分の中にあるものを出し尽くして、やるべきことを探しあぐねているような感じがするのだ。無理をして新しいことをやろうとして変な方向に行っているような雰囲気さえ感じる。まあ、それはどのアーチストにしてもあることなんだけれども。だいたい私の好きなアーチストを見ていると、アルバムを3枚も出すと自分の中にネタが無くなってくるのか、4枚目あたりでテンションが落ちる例を何度も見てきた。個人的な評価だけれど。ワタクシ的には「4枚目のジンクス」と呼んでるんだけどね。最近では「as I am」(露崎春女)がそうだったな。そこでマンネリに陥るか、無理をして墓穴を掘るか、苦しみながらも先に進んでいくか、このあたりで別れると思うのである。
今日も通勤中に「半身一体」を読んでいる。「黄金仙人」と「感電作用」を読み終えたが、やっぱり面白い。何回も書いていることだが、私はファンタジーは面白くないのに何でこの人の不思議な話は面白いのだろうか。自分でもどこが違うのかよくわからない。どちらも現実にあり得ないことを描いているのだが。やはり、相性と言うしかないのであろうか。
今夜も遅くなってしまった。午前様である。家族に関しては何も書くべきことがないというのはツラいな。
▲8月31日(木)▼
昨夜は日記を書いていたら3時を過ぎてしまった。今朝も眠い。朝食を食べ終えても、体内に血が巡っているような感じがしない。食後すぐに家を出るだけの力が出てこないので、寝室で横になって「気」を貯める。ちょっと遅くなってしまったか。
今日は通勤中に「Virgin21-IN THE AIR TONIGHT」の1枚目(2枚組なのだ)を聴いている。これはヴァージンレコードの21周年記念盤らしいのである。レーベルのアンソロジーなのだが、私はイギリスの曲はあまり好みじゃないんですよね。何でそういうのを買ったかというと、カミさんが好きそうな曲が何曲か入っていたからである。彼女にはあまり気に入ってもらえなかったようなのだが。
そして、今日の通勤中に「半身一体」を読み終えた。この本は面白かった。主人公が不思議な状況に陥って巻き起こるドタバタを描いた作品を集めたオムニバスなのだが、どの作品も設定がぶっ飛んでいてオチも気が利いていて読ませてくれる。ただ、最後の「ちがうんじゃない?」は少しヤケクソ気味のような気がしたんだけどね。
今夜も遅くなった。家に帰ると、居間には誰もいない。妻子とも寝ているようである。シャワーを浴びて浴室から出てきてもカミさんが起きてこないので、その辺にあるもので飯を食ったのであった。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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