2000年 11月下旬の日記
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11月21日(火)
今日は東京の地下鉄で移動中に竹河聖氏「角出しのガブ」を読み終えた。これはなかなか面白かったっすね。これでロボットの夜はすべて読了である。最初に載っていた作品たちは凄かったけど、途中で失速してしまったな。

新幹線で大阪に帰るのだが、ビジネス切符を持っていると自動販売機で指定席の予約ができるのが嬉しい。窓口の職員と応対しなくていいし、自分で細かい希望を指定できる。希望がうまく伝わらないことを恐れなくていい。到着時間を一覧で表示してじっくり選べるし。しかし、今回はどうも指定した便と違うような気がする。疲れていたので早く帰るために追加料金を払ってのぞみを予約したのだが、10分くらい後の便を予約したつもりが出てきた切符を見ると30分以上先の列車だったのである。まさか財布からお金を出そうとしてモタモタしている間に乗車可能な時間じゃなくなったと判断して勝手に次の便に振り替えたわけじゃないだろうな。そんな馬鹿なことはしていないと思うんだが。これだったら今からひかりの自由席に乗っても着くのは同じくらいだぞ。うーむ、はっきり覚えてたわけじゃないしなあ。今度はよく覚えておこう。

帰りの電車の中で光の帝国 常野物語」恩田陸:集英社文庫)を読み終えた。やはりそうだった。コレハ、スゴイ。SFとしての構想もそうだが、選ばれてここに在る、言葉の一つ一つに力がこもっている。超能力者モノ…そう書いてしまえば軽く感じてしまいそうなものだが、この物語はずっしりと、重い。それは、作者が真摯にこの物語と向き合っていることの現れなのだろう。それがひしひしと伝わってくる。思えば、書店で手に取って最初の1ページを読んだときからわかっていたのだ。この物語が楽をして書きとばされたものではないことを。読み終えてほっと息を吐き、この物語に出会えたことを感謝するのである。

家に帰り着いたのは22時過ぎであったが、居間には誰もいなかった。今夜も階上からカミさんの咳が聞こえてくる。二人ともまだ起きてるか。今夜も寝室に上がり、息子と一緒に寝かされてしまう私だった。



11月22日(水)
起きたときには6時を過ぎていた。マズい。昨夜は朝から一度も通信をせぬまま寝てしまったのだ。急いで起きるが、朝日のサイトの朝刊の記事はすでに更新されていた。あああああ、一日分、抜けてしまった。哀しいのである。7時間以上寝てしまうとは、疲れているのだなあ。

今日は職場で仕事をしているときからずっとノドが痛い。どうもヤバい感じである。そういや、今年はほとんど有休を取っていないような気がするなあ。でも、今休んでも残業の相殺に使わされてしまうんだろうなあ。やだなあ。

ホンダがまたやった。今度のアシモはさらに凄い。凄すぎる。ムービーを見ててもなんかもう、とても現実に起こっていることだとは思えないっす。そういや、もう21世紀なんですよねえ。

デジカメで撮ったQuickTimeの動画がデカくなる(30秒ちょっとで1OMB以上)のでMPEG4に変換できないかと方法を探していたら朝の7時になってしまった。ノドが痛いと言いながら何なんだ、これは。ThinkPadに入っているQuickTimeを4.1にアップグレードしたらAVIに出力できるようになったので、それを「Windows Media On-Demand Producer」でMPEG4に変換してやればいいのだ。最初はMPEG4の画像があまりに酷いので使い物にならなかったかと思ったのだが、ビットレートをマニュアルで200kbpsにしてやったら何とか見れる品質になった。これでも40秒で1MB以下になったからQuickTimeの1割以下である。1分の動画が何とかフロッピーに入るな。ああ、睡眠時間を潰したのが無駄にならなくて良かった。しかし、動画を2回も変換するとかなり時間がかかるね。



11月23日(祝)
カミさんからの電話で目が覚めた。14時である。洗濯物を取り入れておくようにとのことであった。カミさんは息子を連れて奈良公園に行っているのである。それでも数えてみると7時間しか眠っていない。ノドが痛いといいながらバカなことをしていたものである。我ながら自分が情けない。体温を計ると37.5度あった。立派に風邪を引いてしまったようである。

夕食後すぐに寝て、しばらくしたらカミさんが息子を連れてきた。彼を本人の布団に寝かせ、掛け布団を掛けて寝室を出てゆく。しかし彼はそのまま大人しく寝ているようなタマではない。起き上がって私の布団の中に入ってくる。喋る。動き回る。寝てられない。いつもなら嬉しいんだが。そのうちに起き上がり、毛布を引きずって私の右側から左側に移動する。私の横に寝転がって毛布を掛けろと要求する。喋る。動き回る。何でこんなの置いてくんだよ〜とか思いながら寝ているのである。



11月24日(金)
7時。カミさんに起こされたがどうにも起きられない。今日は出勤すべき日なのだが、仕方なく休んで医者に行くことにする。起きてしばらくすると、ノドの奥から血の塊がゴロゴロ出てきた。ノドの粘膜が弱いのである。ノドの粘膜を人工物に置き換えるなんてのはできないんだろうか。でも、粘膜は最後までサイボーグ化できないような気がするしなあ。



11月25日(土)
今日は休日出勤である。昨日風邪で休んで体調も戻っていないというのに出ることもないと思うのだが、昨日休んで迷惑をかけたからね…というよりも、前々から出る予定だったのだ。平日では仕事が処理できないので23日に出れないかと課長に言われていたのだが、息子を保育所で預かってもらえる土曜日にしてもらった経緯があるのだ。

さすがに土曜日は職場近くの社員食堂など開いているはずがないので中華料理チェーンで昼食を食べる。その近くでワゴン一杯の12センチ中古CDが5枚で500円で売っていたのを見つけた。これだけあれば5枚くらいは買っても良いモノはあるだろう。借りるよりも安いし…などと思いながら見ていると、気がつけば16枚も手に持っていた。15枚を買う。面倒臭いので何を買ったかは書かない。そのうち聴いて感想を書くだろう。しかし、しばらく新しいCDを聴いてないな。

仕事を終え、帰ろうとして鞄を持ち上げた瞬間、思った。「何でオレの鞄、こんなに重いんだ?」開けてみて思い出した。そうか、CDが15枚も入っているからなのね。けっこう重いものである。

しばらく本屋に行けてないので帰りにジュンク堂に寄ってみる。体調が悪いし鞄も重いのでヘロヘロである。それでもイーシャの舟岩本隆雄:ソノラマ文庫)が出ているのを見つけて買った。この人の本は買わねばいけないと思うのである。作者が10年間休んでいたSF小説家で、私が20年休んでいたSF読者だから相性が良いのであろうか(苦笑)

梅田にソフマップが開店したというDMが来ていたのでついでに行ってみた。しかし、店内に入って愕然とする。買うべきものが思いつかないのである。どこに行ってよいのかわからない。ううむ、これはツラいものがあるな。そりゃ、金があればThinkPad買い換えたいとかデジカメ買い換えたいとかいうのはあるけど、無くて困っているという状態ではないからなあ。1万円以上買えば500円オフとか書いてあるが、行使することはないだろう。

地下鉄に乗る前に駅の近くの本屋で本を見ていると、セーラー服の女子高生が入ってきた。梅田でセーラー服なんて珍しいなと思っていたら、彼女は文庫本を買ったのである。セーラー服を着て髪の毛が黒くて文庫本を買うじょしこーせーなんて、梅田では絶滅危惧種であるな(こらこら)。これは手厚く保護しなければいけないんじゃないだろうか…などと思っていたら電車に乗って読み始めたのはマンガであった。まあ、世の中こんなもんである。……あ、追っかけてたわけじゃないですよ。私が乗った車両に後から乗ってきたんですってば。

家に着き、自転車を降りると猫が寄ってきた。尻尾と耳が茶色い白猫である。毛並みが悪いのでノラらしい。まだ子供のようだ。「どないしたんや」と声をかけると手の届く範囲に近づいてくる。顎の下を撫でてやる。すると、脚に身体をすりつけてくる。ううむ、なついてきているのかもしれないが、以前同じような状況で蚤をうつされたことがあるからなあ。しかし、こちらが避けて歩いても、脚の間をちょろちょろとついてきて身体をすりつけようとする。困ったなあ。しばらく逃げ回った後、あきらめて家の戸を開けてカミさんを呼ぶ。猫がついてくるんだというと、彼女は息子を呼んできた。慣れてくると家の中にも入って来ようとするので戸を閉める。しかし、なんで私の方がカミさんよりも猫に好かれるのだろうか。

居間に入ると、プラレールのレールが展開されていた。車両が2両になったので走らせて遊んでいたらしい。しかしカミさんは体調が悪かったそうで、組み立てるときに息子に当たって「かーちゃん、もう、いらん」とか言わせていたらしい。不憫なことよのう。

カミさんは37度台の熱があるということで、さっさと寝てしまった。家族全員風邪引きなのである。「オタクで身体の弱い一家」というのも、なかなか情けないものがあるな。まあ、私だけは薄々の一般人なのであるが。



11月26日(日)
今朝は8時前に目が覚めた。体調は良いとはいえないが、起きて通信する。一通りのところを廻って、洗面所で歯を磨いていると階上から息子の泣き声が聞こえてきた。私を呼んでいるようである。もう少し待て、まだ歯を磨いている途中なんだ…などと言ってもわかってくれるわけではない。中断して階上に上がるのである。

息子は「せき、でる」「くすり、のませて」とか言っている。うーん、あれは食後の薬だからなあ。どうしようかと迷っている間にも咳をして泣く。そうだ、ということで先日買ってきた「ショウガ蜂蜜」をお湯に溶かして飲ませてみる。蜂蜜にショウガの根が漬けてあるのである。ノドが痛いと、ついついこういうものを買ってしまうのだ。息子は「あまいな」とか言いながら飲んでいる。そのうちにショウガの味を感じたのか「からいな」とか言っている。どうやら、落ち着いたようだ。

お昼頃にカミさんが起きてきたので、息子を連れてスーパーに買い物に行く。安いものがあったので、けっこういろいろ買ってしまった。バナナが一房98円だったので大きいのを買ってしまい、家に帰ってカミさんに呆れられたりするのである。

家に着き、自転車を降りて息子に軽い荷物を持たせようとすると「おもたい」と言って拒否する。そのくらい持てよ。「持て!」と強く言って持たせると泣き出した。居間に上がっても泣いている。「あ゛ーあ゛ー」泣いては「のど、いたい」と言ってまた泣く。ノドが痛いんだったら泣くなよ、と思っても自分をコントロールできないのである。困ったもんだなあ。カミさんが食事を終えて昼寝をするというので、息子は連れられて寝室に上がっていったのであった。彼女によると、5分で寝たそうである。疲れていたのね。しかし夕食を食べるためにそれほど長く寝ないうちに起こしたので機嫌が悪い。でも今夜寝られなくなっても困るからね。

なぜか今夜は私が息子を寝かせる。布団にはいると息子はいきなり「ごひゃっけい、もろたな」とか言い出す。「でんしゃのほんも、もろたな」とも言う。「誕生日プレゼントやったな。4つになったからな」と応えると、指を4本立ててみせる。よっぽど嬉しかったらしい。母方の祖母からも熊のプーさんのぬいぐるみをもらったはずなのだが、覚えているんだろうか。なんだか、まったく印象に残ってないような…



11月27日(月)
明け方、息子が起き上がったのでどうしたのか訊くと、「ここで、ねるねんよ」と言って私の布団の上にころんと転がり込んでくる。「オシッコ無いか?」と訊いても、そのまま首を振って寝るのであった。そのまま小用に起きて、寝ようとするが眠れない。けっきょく5時半に起きる。日記を書いて上げ、通信していると朝食を食べる時間になったが妻子は起きてこない。今日は息子を保育所を休ませて医者に連れていってから実家に預けるとか言っていたからな。早起きする必要はないのだろう。カミさんも体調が悪い中遅くまで起きていたようだからね。原稿をしていたのだと信じて起こさないのである。ドーナツとチーズと野菜ジュースを腹に詰め込んでから着替えるために寝室に入っても、妻子は熟睡していたのであった。寝息を確認して寝室を出る。今日からまた出張だ。

移動中の新幹線の中で侵略者の平和 第2部 観察林譲治:ハルキ文庫)を読み終えた。まあ、面白かったのは面白かったのだが、多少は不満もあった。ちょっと書いておこう。まず、私には登場人物の区別がうまくできないんですよ。登場人物が何人も並行して動いてるわりにキャラが立ってないんで。それに、だいたいが男女のペアで会話してるというのがあるのよね。それもほとんど女性がチャキチャキの有能タイプで男性がそれに押されているというパターンが多い。作者はきっとフェミニストなんでしょうな。状況を対話で説明しようとして不自然になってるところも多いし。架空戦記だと登場人物が軍人ばかりだからそれほど持ちキャラの数は必要ないのかしら。いや、それだからこそ個性が強くないとなあ。あと「ウエアラブルコンピュータ」というのが頻繁に出てくるのだが、こういう言葉を一般的な用語として使うのは非常に違和感がある。何か名前をつけて、それで説明してほしかった。

名古屋から新幹線に乗ってきた隣のにーちゃんが弁当を食べだしたのだが、箸の持ち方が気になって仕方がない。普通は中指と人差し指に1本ずつ乗せて扱うのだが、彼は2本とも中指と薬指の間に挟んで使っているのである。手を怪我しているようにも見えないんだがなあ。よくあれで物が挟めるものだ、と感心するくらいである。親は何も言わなかったのか。息子にはきちんとしつけねばならないのだが、いつ頃からどうやってしつければいいのだろうかねえ。



11月28日(火)
今日は東京から大阪に向かう新幹線の中でイーシャの舟岩本隆雄:ソノラマ文庫)を読んでいる。ヘンな話だなあと思いながらも、いつの間にか話に引き込まれてしまう。文章に力がある。言葉に体重が乗っている。この、場合によっては芸がないと思えるほどの素朴な文章。それが気がつくと、いつの間にか世界の全てになっている。心の奥深いところを揺さぶってくれるし。いやー、やっぱ良かった。読み終えてそう感じさせてくれることに関してはピカイチなんである。ちきしょう、また星虫鵺姫真話を読み返したくなっちまったぜ。

名古屋駅に着く前に手持ちの本を読み終えてしまった。仕方がないので鞄の中からFIVAを引っぱり出して日記を書き始める。マウスを使えないからゲームに逃避できにくいので、けっこう進んだ(爆笑)。しかし、今回の往復の車両の中にはノートパソコンを使ってる人が多かったねえ。どちらも4〜5人はいたんじゃなかろうか。今日、最初に私の隣に座っていたにーちゃんも、当初は英語の資料(なんか、数式とか亀の甲が書いてあったから化学関係だろう)を読んでいたと思ったら途中からPowerBookを使ってたし。書いてる内容は英語だったがOSは日本語だったのにちょっと安心した(おいおい)。

家に帰るとカミさんに「エロマンガ買ったんでしょ。見せて」と言われた。彼女が死んじゃったおかざき真里一色伸幸:ヤングジャンプコミックス)のことである。小説が面白いと書いても興味を示さないくせに、なんで「エロマンガ」に反応するかね。読ませたら、けっこう好評だったようである(爆笑)。



11月29日(水)
朝起きると、声が出ない。ガラガラ声を通り越して、声の断片がガガガガッと出てくる。これでは仕事にならないな。午前中は休んで医者に行くことにする。声帯の片側が腫れているそうである。治すためには喋らないのがいちばんだと言われた。次に加湿、薬はさらにその次だそうだ。まあ、そんなもんでしょうね。でも、仕事で喋らなきゃいけないときもあるからなあ。

今は通勤中に山の上の交響楽中井紀夫:ハヤカワ文庫)を読んでいる。今日は「忘れえぬ人」を読み終えた。いや、なんだか不思議な話ですね。そして読み終わった後に少し哀しく切ない気持ちになる。思い出をすべて忘れ去らなければ死ぬことができない世界の話。何というか、このとぼけたような語り口で、最後にはしんみりさせてくれるというのはいい感じです。ただ、ちょっと登場人物が理路整然と喋りすぎるような気はするんだな。爺さんというのは、普通こんなにきちんと喋ってくれないよねえ。

今日は販売店預かりになっていたハードディスクを引き取りに日本橋に行く。まだやらなければならない仕事はあるのだが、今日を逃すとしばらく行けないので無理やり切り上げて行くのである。しかし、困るよなあ。こういう、繋いで使う機械は。お互い自分の方は問題ないと言っても、実際に自分のところで繋いでみると動かないんだから。一般のユーザは原因を確かめようがない。このあたりがパソコンの難しいところだ。もう一度つないでみて、それでうまく書き込めないなら中古屋に売り飛ばすしかないか。買ったときにはウキウキとした気分で持って帰ってきてたはずなのに、重苦しい気分でトボトボ歩くのである。

帰りの電車の中で「山の上の交響楽」の次の収録作品「見果てぬ風」を読んでいたのだが、気がつくと家の最寄り駅の次の駅だった。慌てて降りる。降りるべき駅に着いたのに全く気づかなかったな。いつもは乗っていない路線だということもあるのだが、それよりも何よりも物語に巻き込まれてしまって周囲がまったく見えなくなっていたのが原因である。いや、すごい話だ。本を読んでいて電車を乗り越したのって踊るバビロン以来じゃないだろうか。

駅に降りて反対側のホームに移動しようと思ったのだが、よく見るとこの駅では上りと下りのホームの間は移動できないようになっているのだった。次の電車を待ってホーム間を移動できる駅まで行ってまた電車を待って…考えるだけでも疲れが倍加するので、追加料金を払ってこの駅で降り、少し遠いが家まで歩いて帰ることにする。ああ、疲れた。

家に帰ると居間には誰もいない。今日もまだ寝ていないのかな…とか思っていたら、階上から息子の泣き声が聞こえてきた。上がって寝室に入ると、カミさんに「『父ちゃんと寝たい』言うてるの」と声をかけられる。彼は「かーちゃん、いやーや」と言いながら泣いている。「父ちゃんがご飯食べて上がってくるまで待っててな」と言い聞かせても納得しない。仕方がないのでそのまま寝室を出るのである。

夕食を食べ終えたがカミさんは下りてこない。上がってゆくと、彼女は寝ているのに息子はまだ起きていた。けっきょく私も息子と一緒に寝るのである。



11月30日(木)
どうやら、今年の日記のHTMLファイルのサイズ合計が1MBを超えたようである。タグが入っているとはいえ、テキストデータで1MBというのはなかなか大変なことであると自画自賛しておこう。いちおう今年の目標だったからね…と書きながら今見ると1000KBを超えるのが目標だと書いてありましたな。だったら充分超えてますね。内容は別として(爆笑)。

今日、通勤中に山の上の交響楽の「見果てぬ風」を読み終えた。いやー、すごい話でしたね。「世界の果てを見たことがあるか」というのがこの物語のテーマである。果ての見えない世界で、それに人生を懸けてしまった男の話。ぜんぜん科学用語は出てこないのだが、こういう極端な世界を構築して人生の意味への問いかけを表現してしまうのがSFである。

帰りに「山の上の交響楽」を読み終えたが、私には「忘れえぬ人」や「見果てぬ風」の方が心に響くものがあったなあ。これで星雲賞を獲ったんですよねえ。やはり私の好みは世間とは違う。続く「昼寝をしているよ」も不思議な話だな。こういう、不思議なシチュエーションでのドラマというのがこの人の作品の特徴なんですな。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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