2001年 2月中旬の日記
▲2月11日(日)▼
息子が起きてきたので目が覚めた。気がつくとコタツの中である。彼が居間に入ってきて枕元までやってきた(枕は無いけど)が、起きられない。起動するまでに、かなりの時間がかかった。しばらくすると息子は空腹を訴え始める。まあそうだろうな。自分で起きてきたんだから。今朝は冷蔵庫の中の納豆が古くなってきているので、それを食うつもりでいたのだが、彼は食パンを食べたいという。仕方ないなあ。私が納豆を食べて、二人別のものを食べることにしようか。どうせ私の分も喰わせれば食べるだろうし。彼のパンを焼き、ジャムを塗って彼に食卓まで運ばせる。もっと慎重に…と思った瞬間、彼の持っている皿の上からパンがツルリと落ちた。やはり「パンが落ちるときはバターを塗った面が下になって着地する」という法則は正しかったのだな、などと思いながら床を拭く。どうするかなあ。新しいパンを焼くにしてもジャムはもう無いぞ…などと考えていたら、彼はもう自分の椅子に座ってパンを囓っていた。腹が減ってるのね。まあ、幼児期から多少不潔なものを喰う経験もしておいた方がいいだろう(苦笑)。
食後に二人居間で遊んでいると、息子が「あとで、おそと、あそびにいきたくなったら、おそと、いく?」と言いだした。それで外に出かけることにする。どこに行こうか。そういえば最近、近くに大型電器店がオープンしたんだっけ。まだ行ってなかったよなあ、ということで電器屋廻りをすることにする。先日買ったヴィデオデッキに付属していたAVケーブLが短かったので価格調査をしようという目的もあるのである。
息子を自転車に乗せて新しい店に行ってみたが、それほど品揃えがすごいという感じはしない。目玉商品もなかったしね(笑)。息子はやはり電気屋は退屈なようで、すぐに帰ろうと言い出す。彼が喜んでいたのは、パソコンソフトコーナーで電車関係のソフトのパッケージを見ているときと将棋ソフトの数を「ひとつ、ふたつ、みっつ…」と数えていたときくらいかな。将棋ソフトはずいぶん種類があるねえ。息子が数を数える練習をするのにちょうどいいくらいの数だ。そういえば、将棋ソフトの評価のページは、このサイトをオープンしてから2年以上経つのに一度も更新してないなあ(爆笑)。目次の先頭に載っているのにねえ。日記の更新に精一杯なのである。まあ、日記の更新を減らしてもコンテンツを充実させた方がいいのかもしれないけどね。
そして最寄りの大型電器店に行く。息子はまずチャイLドコーナーに足を向ける。入ったときに女の子が1人いた。息子より少し小さいくらいである。かなり気弱げである。息子が入ってゆくと、緊張して動けなくなってしまっている。そんなに緊張することはないんだけどねえ。そうかと思うと、その子が親に連れて行かれた後に1人でやってきた女の子は同じくらいの年頃だったのだが、やかましかったねえ。ぜんぜん緊張していない。息子にもベラベラ喋りかけてくるし、置いてあるオモチャも全部自分のものだと思っているような様子が見える。こういう性格の方が人生を生きていく上で得なんだろうけど……でも、3歳くらいでも性格は分かれるものなんですなあ。
価格調査の結果、3mのAVケーブLの最安値は\1,440であった。AVセレクターが\1,500くらいで売っているので、ワタクシ的にはセレクタを買った方がいいのではないかという結論であった。
家に帰るとカミさんは起きていた。息子を連れてニュートラムに乗りに行くという。私は起きてからしばらく息子の相手をしたので留守番させていただく。これで今週も自分の用事ができるか。
電器屋でスキャナが1万円未満で売っていたので、インターネットで価格調査をしてみる。スキャナを買えば、家の中で高品質のコピーがカラーでもできるようになるし、雑誌や新聞も必要なところだけスキャンして保存しておけるからなあ、などと思うのである。やっぱ買うなら安売りしてた機種よりも解像度が倍の方がいいんだろうなあ。それでも1万5千円ちょっとか。最近また仕事でストレスが溜まっているので、思わずクリックしそうになる。危ない危ない。やはりインターネット通販は危険だ。乏しい金はハードディスク容量の大きいノートを買うために残しておかなければ。最近私は、DELLのサイトに行って理想のパソコンの見積もりをしては溜息をついていたりするのである。考えてみれば、これも危険だよな。
▲2月12日(祝)▼
昨日は息子が異様に元気であった。部屋の中で暴れ回るし、なかなか寝ない。少し身体を動かした方がいいだろうということで、今日は市がやっている子供用のアスレチック施設に行くことになる。ついでに図書館に行くというので、借りていた本を出してくる。これも、ずいぶん長い間借りてたなあ。しかし、どうも様子がおかしい。濡れているのである。窓際に置いていたので結露していたらしい。うぎゃー、どうするか。借り物だしなあ。このままではマズいということでヒーターで乾かしていると、紙がゴワゴワになってしまった。うーむ、どうするか。しかし、行く前に電話して確認すると、図書館は閉まっているという。こらー、休日くらい開けんか。
施設の駐車場に車を入れ、開場するまでの間、近くの公園で遊ぶことにする。その前に、近くに近鉄の車庫があるので見に行く。どうも息子はこちらの方に興味を引かれているようであるな。まあそれでも公園に行くと、すべり台で頭から滑って砂場に顔から突っ込んだり鳩を追いかけたり高いところに登って歩き回ったりして遊んでいた。
時間が来たので屋内のアスレチック施設に行って遊ぶ。休日なのですごい人数である。とうぜん遊具の競合も起こりがちである。息子はやはり他の子に遠慮してしまうんだな。私もそうだったから、これは性格だというしかない。多少損する生き方ではあるが、仕方ないかなあ。でも、こういう施設だと遊び方まで管理されているのだが、運動量としては公園で走り回っているのとそんなに変わらないような気がする。わざわざ高価い金を払って過密なところで遊ばせるより、公園でのんびりと走り回らせていた方がよかったかもしれない、などとも思ってしまったのであった。
息子はかなり疲れたようである。しかし、「アイスクリーム食べに行くか」と言われると急に元気になるのである。現金なヤツめ。まだ夕食には早いので近くのスーパーに入ってファーストフードを軽く腹に入れる。カミさんが買ってきたのはタコヤキとフライドポテトとソフトクリームであった。うう、私は人間ドックで高脂血症だと言われているのでタコヤキくらいしか食えないなあ。妻子がソフトクリームを美味しそうに舐めているのを黙って見ているが、食えないものだと割り切ればそれほど辛くもない。この程度の節制もできないで、私が「太るより痩せるほうが簡単だ」と言うと反論する人間がいるのは困ったものである。生命の危険があるほど減量するわけじゃあるまいし。
今日は外食する予定だったのだが、息子が眠そうなので惣菜を買って家で食べることにする。このスーパーで買おうとしたが、高価いので別の店に行くことになった。その前にカミさんが靴を買いたいと言っているので靴屋に向かう。車に乗ると、ついに息子は寝てしまったのであった。シートに座ったまま寝ると頭が不安定になるので、手で頭を支えてやる。靴屋に着いたが、息子が寝ているので私は彼と車の中に残った。スーパーでは連れて行かねばなるまい、と思っていたのだが、駐車場に入ると息子は目を開けた。私が負ぶって店内に連れて行くのである。
今日は私が息子を風呂に入れる。今までは小さなフェイスタオルで身体を洗っていたのだが、彼は浴室にあるビニールタオルでないといやだと言う。自分なりのこだわりがあるのね。そしてさらに、自分で身体を洗うと言う。やらせてみるが、うまく石鹸をタオルに塗りつけることができないので石鹸を付けて渡してやると、ぎこちなく身体に擦りつけている。息が荒い。彼なりに一生懸命である。タオルを振り回すので石鹸を含んだ水滴が顔面に飛んでくる。まあ、こういうことならいくらでも我慢するぜ。
息子は、車庫に停まっていた電車に「普通」と書いてあったのに私が「回送や」と言ったことに対して非常に問題意識を持ったようである。「あのでんしゃ、ふつーとかいてあったのに、かいそうやねんな」「へんやなー」などと言い続けている。電車が事実と異なった表示をしているということが許せないようである。車庫の中の電車の表示なんだから、そんなにこだわらなくても…
今夜はカミさんが息子を寝室に連れて入ってくれた。しかし私も明日早起きして出張の準備をしなければならないので遅れて寝室に入ったが、息子はずいぶん元気である。布団の中でペラペラ喋っている。私が寝室に入ってゆくと起き上がってしまった。私の布団に入れてもずっと喋っている。おいおい、疲れてヘロヘロだったんじゃないのか。車の中でもほとんど寝てないだろうに。
▲2月13日(火)▼
今朝は7時前に起きて通信を始める。7時半過ぎになって妻子が起きてきたが、さすがに息子はしんどそうである。それでも泣きわめくほどではない。その元気もないということかな。今夜から東京に出張なのである。ZAURUSやPHSを忘れないようにしなければ。
今日も通勤中に「20世紀SF 3 1960年代 砂の檻」を読んでいる。往きの電車の中で「町かどの穴」(R・A・ラファティ/浅倉久志)を読み終えた。しかし面白くない。こういう不条理なのは私の好みじゃないのである。東京に向かうのぞみの中で続きを読む。まず「リスの檻」(トーマス・M・ディッシュ/伊藤典夫)を読み終えたが、これも読んでて全く面白くない。「事件」が起こらないことがテーマなんだからねえ。私ゃ、こんなものを読みたくて金を払ってるわけじゃないんだが…などとブツブツ怒りながら読んでいたのだった。自分で買ったんだけどね。やはりSFは黎明期がいちばん面白いのかねえ。次の「イルカの流儀」(ゴードン・R・ディクスン/中村融)は良かったっす。こういうSFを読むとホッとしますな。イルカとのコミュニケーションギャップの話は、いま読んでも説得力がある。
そして、ホテルに向かう地下鉄の中で「銀河の〈核〉へ」(ラリイ・ニーヴン/小隅黎)を読み終えた。やはりこの人の基本はスペオペだな。私も中学高校時代はスペオペも読んでたんだけど、歳を食うとちょっとツライ。新幹線の中でも読みながら寝てしまっていた。短編だったから「リングワールド」みたいに途中で断念することはなかったんだけど。まあ、話としては壮大な話でしたね。
▲2月14日(水)▼
今日から東京で仕事。明日には大阪に帰る予定だったのだが、こちらの担当者の時間が空けられないということで金曜日までかかりそうな状況になってしまった。こんなことで仕事が進まないというのも問題あるよなあ。
今日は発注元が残業ができない日だというので早めに仕事を終えた。発注元は組合が強いらしいのである。今日は早く寝れるかも…と思っていたら、一緒に東京に来ているマネージャーに夕食に誘われてミーティングみたいになってしまった。うう、気が重いなあ。しかし胃が痛い。昼に食った定食の小皿に入っていたコンニャクが唐辛子でピリピリしていたからなあ…いや、やはりストレスか。唇がガサガサで口の周りまで痛い。用心して夕食にはうどんを食うのである。
仕事場からホテルに行くには秋葉原で乗り換えなのである。今日はいつもより早いので、電器屋街もまだ色とりどりの明かりがついている。それに誘われて、ついついフラフラと電器屋街の方に歩いてゆく。買いたいものは無いだろうとわかってはいるんだけどねえ。けっきょく1時間くらいフラフラしていた。しかし、秋葉原では電器屋街の方に降りると、地下鉄の駅に行くのは大変なのね。JRの駅の反対側にあるので、かなり長い距離を歩かねばならないのである。
夕食に野菜が足りないと思ったので、帰りにコンビニでポテトサラダを買って部屋で食べた。口に入れた瞬間、思った。「あー、マヨネーズがいっぱい入っている!」 人間ドックで高脂血症だと言われてから可能な限り動物性脂肪を摂らないようにしているので、脂肪の味に敏感になっているのである。それでも脂肪は旨い。高カロリーだからねえ。我々の身体はエネルギー効率の良いものを旨いと感じるようになっているのである。摂りすぎを考慮して設計されてはいない。まあ、地球全体の生産性から見てこんなに大量に食料を摂取できる時代が(一部地域だけであるが)そんなに長く続くとは思えないから、大局的に見てそれが正解だとは思うんだが。
あ、上で「動物性脂肪」と書いたが、避けるように言われているのは鳥類以上の脂肪なのである。人間に近い方を「上」と書くのは傲慢かもしれないが…いや、そもそも「上」が偉いというのも一方的な価値観かもしれない。まあ、地上では重力があるから戦うときには上に位置した方が有利だというのはあるのだけどね。さらに「鳥類以上」というのも正しくないな。正確には「哺乳類の肉は避けて魚類で動物性蛋白質を摂るようにしてください(意訳)」と言われたんだ。同時に鶏卵とかも避けるように言われたから鳥類も避けるべき方に入っているのだろう。そういう意味では、両生類と爬虫類はどうなのかは確認してこなかったな。これは私としたことが迂闊であった(必要ありませんって)。
▲2月15日(木)▼
今朝も下着姿のまま、ホテルのベッドの掛け布団の上で気を失っていた。昨日は早く帰れたというのに、何ということであろうか。しかし、うるさいほどエアコンを稼働させているのに、寒い。気がついて布団の中に潜り込んでも寒い。
今日、客先への移動中に「20世紀SF 3 1960年代 砂の檻」の「太陽踊り」(ロバート・シルヴァーバーグ/浅倉久志)を読み終えた。出張中は移動時間の短いホテルを取るので、どうしても本を読む時間が短くなってしまう。で、この作品は、普遍的だが今となっては古臭くなってしまったテーマの作品かと思いながら読んでいたのだが、最後の仕掛けが凄い。前衛的にやるのでも、こういう風にやってくれれば私でも読めるのだけどねえ。続いて「何時からおいでで」(ダニー・プラクタ/中村融)……やられたーー。スッパリ斬られてしまいましたな。ショーショートだったら、これくらいの切れ味がないとね。
▲2月16日(金)▼
東京の満員電車は凄い。昨日と一昨日は10時に出てゆけばよかったのでそれほど大したことはなかったのだが、今日は9時に作業場所に行こうとしたのでモロに通勤ラッシュに引っかかってしまった。まずは地下鉄の駅に着いた時に列車が出ようとしていたのでそれに乗ろうとしたのが敗因だった。いちばん端の入り口から最後に乗ろうとしたので、身体は何とか半分ドアの中に押し込めたが荷物が外に出たままでドアが半分閉まった状態になってしまった。出張中で今日大阪に帰るので荷物が多いのである。駅員さんがやってきて身体を押し込む。ぎゅうぎゅう。それでも荷物がはみ出しているのでもう一人アルバイトがやってきて押し込もうとする。ぎうぎう。うう、この鞄にはFIVAとかデジカメとか入ってるんだがなあ。…うぎ…何とかドアは閉まったが、1cmほど隙間が空いている。鞄の肩紐が挟まっているのである。引っ張ったが抜けない。このまま目的の駅までこちらのドアが開かなかったらどうしよう、などと思いながら傾いた体勢で運ばれて行くのである。
今日は発注元が作業場所を引っ越しするというので早めに帰ることになってしまった。それでも大阪に着いたときには21時前である。出張中は本屋に行ってなかったことを思いだして、梅田で下りて本屋を廻ることにする。遅い本屋は21時半まで開いているのである。ちょっと交通費は多めにかかるんだけどね。そこで「フラッシュフォワード」(ロバート・J・ソウヤー:ハヤカワ文庫)と「異形コレクション 幽霊船」(光文社文庫)を買った。なんだか久しぶりに本を買ったような気がするな。
帰りの新幹線の中で「20世紀SF 3 1960年代 砂の檻」を読んでいた。まずは「賛美歌百番」(ブライアン・W・オールディス/浅倉久志)を読み始めたが、途中で断念。こういうのは、私にはSFだとは思えないんだよな。異星を舞台にしたファンタジーにしか見えない。「遠い未来の風景を幻想的に描いた」ということらしいけど、それだけでSFと呼んでいいもんなんでしょうか。最後の「月の蛾」(ジャック・ヴァンス/浅倉久志)も同じ。仮面を着けて楽器でコミュニケーションする妙な風習の星の話。こんなものを読んで面白いのかね。必然性も何も無いような気がするのだが。少なくとも私にはこの世界は全く説得力がなかった。これでこの本もおしまいである。今回も全体としてはあんまり面白くなかったな。
続いて「愛はさだめ、さだめは死」(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア:ハヤカワ文庫)を読み始める。今回の出張の準備をしているときに気分が暗かったので、ついついこんな本を選んでしまったのである。前に読んだ本が救いようがなく暗かったからね。で、最初の「すべての種類のイエス」(浅倉久志訳)を読んだが、これもハズレ。何が面白いんだか全く理解できない。次の「楽園の乳」(浅倉久志訳)も理解不能。全く面白くない。次の「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見い出した」(浅倉久志訳)もねえ、それほど大した作品だとも思えんが、何でみんな絶賛してるんだろうねえ。次の「エイン博士の最後の飛行」(伊藤典夫訳)も同様。何ということもない話じゃん。新しいものを読む快感というのが全く感じられない。こんなレベルで初出が「復活の日」の5年後じゃ、どうしようもないと思うんだがなあ。解説を読んで面白いかもしれないと思ったんだが…騙された。やはり、私とこの作者は相性が悪い。新しい本も買ったことだし、この本を読むのは中止するか。我慢も限界である。相性の悪い作家の本を無理して読むというのは、作品にとっても読者にとってもお互いに不幸なことだ。
家に帰ると22時を過ぎていた。玄関に入っても反応がないから、妻子はもう寝ているんだろう。しかし、1階で汚れ物を洗濯機に入れたりしていると階上から息子の声が聞こえてきた。ただ、いつもより声が遠い。寝室から呼んでいるようである。起こしちゃったかな。
▲2月17日(土)▼
またコタツの中で寝ていた。出張中に廻れなかったサイトを廻ろうとすると、こうなってしまう。時間的にもほとんど寝れてないしなあ。息子は起きてくると、私にコマを回してみせる。できるようになったので嬉しいらしい。でも、最近のコマは紐を巻いて引っ張るだけで回るようになってるのか。確かに良くできてるが、技術が育たなくなるのは何だかなあ。これに限らず、何につけてもそうなんだけど。
今日は、息子の通っている保育所の生活発表会である。ふだん保育所でやっていることを家族に見せようという催しである。そのために歌の練習とかやっていたらしい。遊戯室という部屋の中でやるのだが、部屋が狭いので私が入ったときには客席はすでに寿司詰め状態であった。ずっと立って見ていたせいで腰が痛くなっちまったぜ。普段から座りっぱなしの生活をしてるからなあ。これは用心しなければ。やはり運動が必要か。
息子の年齢の組の出し物が終わってから彼らは食事をしていたのだが、見ると焼きそばを箸を使って食べている。他の子は曲がりなりにも箸をそれらしく握って食べているのだが、息子は鷲掴みにして食べている。箸を使って食べるというより、箸でこぼしたものを手で拾って食べているような様子である。ウチでは箸は使わせていないんだが、もうそろそろ箸の使い方も教えないといけないんだろうな。親子ともに根気が必要なんだろうけど。
今日のカミさんは機嫌が悪い。何かあると息子を怒鳴りつけている。よく耐えてるなあ。私だったら、あんな形相で怒られたらダメダメになっちゃってるぞ。ちょっと息子を見直してしまったのだった。慣れなのかなあ。
今日はカミさんが息子をモノレールに乗せに連れて行ってくれる。おかげで今週も自分の用事ができた。有り難いことである。
帰ってきてからも息子は元気である。夕食前にも「やっつけてやる」とか言いながら私に飛びかかってくる。飛んで火に入る夏のタヌキである。抱きしめて動けないようにしてやる。息子はしばらくもがいていたが、そのうちに「とーちゃん、ゆるして、くれる」と言い始めた。「許してやるから放せ」と言っているらしい。そんな池乃めだかみたいなこと言ってちゃダメだよ。「それを言うなら『許してあげる』やろ」と訂正すると彼はその通り言うが、許してやらないもんね。脚をバタバタさせているのを抱きしめ続けるのである。
彼はかなり疲れたようである。放してやると「つかれた、ねる」と言って座椅子の上に転がってしまう。まあ、飯くらいは食いなさい。これだけ疲れさせたら夜はすぐに寝るだろうと思っていたのだが、絵本を読んでやって電灯を消すと急に元気になる。いったい何なんだ。
▲2月18日(日)▼
息子が起きてきた。もうすぐ10時か。気がつけば、今朝もコタツの中である。またカミさんに「先月のガス代、一万二千円超えたのよ!」って怒られるな。まあ、今朝はガスファンヒーターは点けてなかったんだけど。それに、ここで寝てれば息子が起きてきたら目を覚まさざるを得ないからカミさんが起きなくてすむしな。
息子は腹を減らしている。今朝はあいにく食パンが無いのである。彼を連れてパンでも買いに行こうか…などと考えながら食えるものを探していたら、彼は私が掘り出してきたラーメンの袋を指して「これ、なに?」と訊く。「ラーメンやで。食うか?」と言うと彼は「らーめん、たべる」と応える。そういうことで、今朝はラーメンとご飯である。おかずはキムチとふりかけ。ちょっと貧しい。しかしのりたまの味は変わってないなあ。8マンの頃を思い出してしまったぜ。もう30年以上前か。
息子のスプーンの使い方を見ていると、彼はスプーンを鷲掴みにして小指側からスプーンの先を出して食べているのである。人差し指の側から先を出して食べるように指導する。本人もこっちの方が食べやすいように見えるのだが、やはり慣れないことは難しいようである。
昼過ぎになって息子が言いだした。
「おかあ…おとおちゃん、おかあちゃん、きょうは、びょうきなの?」
「なんで、おきて、こおへんの」
「おきて、ほしいなあ」
私が言葉を濁していると、彼は階段を上って母親を起こしに行った。しばらくして下りてきた彼に訊くと「シンちゃん(仮名)、おきてらっしゃいって、いった」と言う。しかし、彼女は起きなかったようである。
しばらくしてカミさんが起きてきた。息子は「シンちゃん(仮名)、らーめんと、ごはん、からっぽにした」と報告する。今日はカミさんは息子を連れて阪堺電車に乗りに行くらしい。その間に寝ていてもいいと言ってくれる。有り難いことである。ただ寝る前に、昔Niftyに上げた音楽や小説の感想をWebに上げるためにMacの中を探していると、予想外に時間がかかってしまう。発言の内容を確認するために読んでいると、思わずその前後の発言も読みふけったりしてしまうのである(爆笑)。あの頃は面白かったよなあ…などと思っていたら妻子が帰ってきた。気がつくと外は真っ暗である。過去ログの探索は時間がかかるものだな。
▲2月19日(月)▼
今朝は久しぶりに布団の中で目が覚めた。食事を終えてしばらくすると、息子が「うんこ、でた」とか言いだした。母親が「パンツ、脱げぇ!」と怒鳴る。彼は泣きながらパンツを脱ぐ。お尻からウンチがぶら下がっている。「早よ、トイレ行け!」と怒鳴られて数歩あるき出したところで、ウンチが床にボトリと落ちた。またまた怒鳴られながら駆けて行くのである。
しかし、彼はもう言わなくとも自分で靴下を穿けるようになっている。以前は踵の位置なんかまったく気にしてなかったのだが、最近は前後を気にしながら穿いているようだ。まだその判断は正確ではないのだけれど。「これで、いい?」とかいちいち訊いてくるのがうるさいのだ(笑)。
今日から通勤中に「異形コレクション 幽霊船」を読んでいる。まず往きに小沢章友氏「沈鐘」を読み終えたが、ホラーらしいけど怖くもなんともない。帰りに高瀬美恵氏「右大臣の船」を読み終えた。これもまあ、特に印象に残ることもなかった。次の安土萌氏「アーネスト号」だが、これは何か読む前提となる知識がいるのか? よくわからん。まあ自分の不勉強を棚に上げさせてもらえば、読者にそう思わせた時点で商品としては失敗なんじゃないだろうか。
今日は昼休みに職場近くの書店で「銀河帝国の弘法も筆の誤り」(田中啓文:ハヤカワ文庫)を買った。なんか、毒々しい表紙ですねえ。スペオペみたいだ…というか、じっさいスペオペの表紙だったのかな。この本はネット上で評判になってたから探して見つけたのだが、そうでなければ私の目はこういう絵には反応しないな。どちらかというと目が無意識に避けるタイプの表紙だ。まあ、中身に合わせてるのかもしれないが。しかし、帯がスゴい。こういうことを書いてもいいもんなんでしょうかね。ウケたけど。
▲2月20日(火)▼
今朝は息子も食欲があるようだ。パンを一つ食べ終えた後、私が口に入れるパンも嫌がらずに食べる。その後も、さらに追加してパンを食べていた。ただ、私が「ゴボウ味噌パン」というのを口に入れた後は、いつまでも口をモゴモゴさせていた。ゴボウをなかなか飲み込めないらしい。しかしこのパン、なんだか薬品臭がするぞ。防腐剤が入ってるんじゃないだろうな。
今日も通勤中に「異形コレクション 幽霊船」を読んでいる。往きに奥田哲也氏「船の中の英吉利人」を読んでいたが、面白くないので飛ばし読み。テーマが「幽霊船」だから、私好みの作品は少ないだろうとは思っていたのだが、やはりそうなってしまうのか。まあ、「祈りの海」を読んでから要求レベルが上がっていることもあるんだろうけど。続く小中千昭氏「時化」は、まあ読めましたわね。キモチワルイのがキモらしいけど。
帰りに竹内義和氏「リジアの入り江」を読み終えた。なかなか読ませてくれたが、オチがフツーすぎる。次の江坂遊氏「ジルマの桟橋」は特に何も感じなかったな。
ここしばらく大きな本屋を見て回ってないので、今日は隙を見て早めに退社する(といっても20時近くになっていたのだが)。ジュンク堂を縦断していたらSF関係の棚に「小松左京マガジン」があった。目の前にあると、ついつい買ってしまう。いくら小松先生の同人誌でも、先生の小説が載っていない本なんて買わないぞ…と思っていたんだがなあ。レジに「2001年ハヤカワの旅」というのがあったので持って帰る。どうやら表紙のイラストを集めてポケットカレンダーにしてあるらしい。「つかぬことをうかがいますが…」の表紙イラストもあったが…水玉螢之丞さんのイラストを拡大するのはあんまり良くないと思うぞ。やはり鑑賞するに適したサイズというものがあると思うのだ。
しかし、「小松左京マガジン」でコマケンのメンバーの半分以上がコンピュータ系の技術者と公務員だというのを読んで苦笑。自分もモロそうだからな。しかしコンピュータ系の技術者というのはわかるような気がするが、公務員というのは何なんだろう?
家に着き、玄関に入ると階上でドタドタ足音がした後「とーちゃん」と呼ぶ声が聞こえる。息子は「きょうは、はやく、かえってきたねー」と続ける。かなりちゃんとした文章を話せるようになってきているな。彼は「とーちゃんと、かーちゃんと、ねる」と言っている。母親はもう寝かせるつもりだったらしいが、彼の意向を汲んで私が夕食を食べ終えてから3人で寝ることにしたようだ。「父ちゃんに本を読んでもろて、それから母ちゃんと寝よな」とか言っている。果たして本を読んだ後、私は無事に寝室を抜け出すことができるのであろうか。以下次号。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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