2001年 2月下旬の日記
▲2月21日(水)▼
昨日も息子と一緒に寝てしまっていた。それでも起きたのは7時過ぎである。9時間以上寝ていたことになるか。かなり疲れている実感はあるのである。彼が掛け布団から上半身を出して寝ていたので私の布団の中に引きずり込んだら、起きて逃げられてしまった。私も起きるか。今日は遅めに出社する予定にしているので、朝食を食べた後に必死で日記を書いて上げる。かなり現実の日付に追いついてきたが、それでもまだまだ遠い。現実の日付は1日に1つづつ進んでいくからなあ。
今日も通勤中に「異形コレクション 幽霊船」を読んでいる。往きに石神茉莉氏「海聲」を読み終えた。これは独自の世界を創っておりましたな。帰りに井上雅彦氏「極光」を読み終えたが、これもあまり面白くない。オチには確かに意表をつかれたが。次の薄井ゆうじ氏「エイラット症候群」も、今の私にはストレートすぎる。もうちょっと、ひねってくれないとなあ。
今日は昼休みに職場近くの書店で「少女の空間」(徳間デュアル文庫)と「影が行く ホラーSF傑作選」(創元SF文庫)を買った。「少女の空間」は勢い。「影が行く」は「SFが読みたい! 2001年版」で高評価だったからね。私は趣味が特殊だから他人の評価を信じちゃイカンとは思うんだけどね。「異形コレクション」のホラー系の作品に対する酷評を見てもわかるように、個人的にはホラーはあまり面白く感じないのにねえ。
仕事を他人に振れる状況になったので、今日もこっそりと20時前に帰る。寄り道せずに帰ったので、今夜も息子が出迎えてくれる。私が着替えに上がるのについてきて「シンちゃん(仮名)、はくちょう、みたん」とか言っている。『青森-大阪間を結んできた特急「白鳥」が、ダイヤ改正に伴って3月2日の運転を最後に廃止される』というニュースを見たらしいのである。ほう、そういう列車もあったのか。記憶にないなあ。「『白鳥』載ってる本、持ってるか?」と訊くとうなずく。ホンマかいな。しかし彼は、私が食事を終えて彼を寝かせるため一緒に寝室に入ったときに「特急大図鑑 2000年」を開いて「白鳥」の載っているページを示したのだった。はあ、何が載ってるかもう覚えちゃってるのね。
▲2月22日(木)▼
昨夜も息子と一緒に寝て、今朝は7時過ぎに起きた。今週の土曜日には出勤しなければならないような雰囲気なので、今日は休ませてもらうことにしている。今年も特定疾患医療受給者証の更新の季節がやってきたので保健所に行かねばならないのである。私ゃ、いわゆるひとつの不治の病なのである。不幸自慢をする気はないんだけどね。ついでに、福祉事務所に特定疾患の給付金を受け取りに行く。雀の涙だが、カミさんがお小遣いにしてもいいと言ってくれたので、少しは理想のノートに近づけるのだ。このThinkPadを買って、まだ1年経ってないんだけどねえ。でも、ハードディスクが3倍以上になっているのでいいのだっ!! 40GBのハードディスクは買ったが、やはりノートに外付けは面倒臭い。
カミさんがお昼寝に入ったので、土曜日にやる予定だった自分の用事を済ませる。そして例によってネット三昧。常時接続は素晴らしい。もう、ダイアLアップで繋いでた頃の悲惨な状況なんて、思い出すのも難しくなってるのである。
今日はお義母さんが息子を保育所から連れて帰ってきてくれるそうである。それで安心しているのか、カミさんは昼寝から起きてこない。お義母さんが迎えに行くと言っていた時間をかなり過ぎたのでどうしようかと思い始めていたところで、二人が帰ってきた。しばらくしてカミさんが起きてきたので一緒に夕食を食べる。お義母さんの誕生日が近いので今度の土曜日あたり外で食事しないかという話になるが、あいにく土曜日は仕事の予定なのである。仕事が終わる時間も遅くなりそうだしねえ。
▲2月23日(金)▼
昨夜も息子と一緒に寝てしまったので、今朝も7時頃に起きて朝食の前後に必死で日記を書いて上げる。なんだか、そういう生活リΘ゛ムになってきたなあ。まあ、健康にはいいのかもしれないけど。月曜火曜あたりの倦怠感もかなりマシになってきたしね。
今日も通勤中に「異形コレクション 幽霊船」を読んでいる。往きに速瀬れい氏「三等の幽霊」を読み終えた。これはまあ読ませてくれましたね。続く村山潤一氏「Sirens(セイレーン)」はイラストがメインのようだが、西村直子氏の文もなかなかに読める。帰りには横田順彌氏「幽霊船」を読んだ。押川春浪シリーズの作品である。相変わらず読んでいて安心感がありますな。
今日、会社でコピーを取っていたとき、ホッチキス留めされた資料だったので拡げて手で押さえてコピーしていた。分厚い資料で大型のホッチキスで留めてあったので、外してコピーしてから大型のホッチキスを探して留めなおして…というのが面倒臭かったのである。資料を左手で押さえてその上からカバーを乗せる。そのとき、左手の人差し指に何かが刺さった感触があった。ホッチキスの針の先が立っているようである。カバーには勢いがついているので、急には止まれない。針が指の皮膚を食い破ってズブズブ入り込んでくる感触がある。いやーん、な感じ。コピーが終わってからカバーを上げ、指を持ち上げようとするが、針が深く食い込んでいて上がらない。針が入ってきた方向と反対側に指を動かして慎重に抜く。指先を見ると、派手に穴が開いている。しかし、意外と痛みは感じない。雑菌が入るといけないので血を絞り出そうとするが、出てこない。どうやら、血管は傷つけていないらしい。かなりの急角度で侵入したので、外皮と内皮の間をかき分けるように刺さったようなのだ。運が良かったというべきか。
今日も20時過ぎに退社したので息子が起きている時間帯に家に帰り着くことができた。TVでラピュタを放映しているというので、息子に観せてもいいかとカミさんが訊く。終わるのが23時半なんだが、思わず観せてもいいと応えてしまう。彼はアクションシーンには反応しているが、ドラマの部分では電車の本を読んでいたりする。やはり、観るにはすこし早すぎたか。やはり、トトロくらいが適当なのかなあ。
カミさんは、ラピュタを観ながら「飛行石はシータの何に反応してるのかしら」「シータに触れていれば、何人でも空を飛べるのかしら」とか色々と訊いてくる。おいおい、そんなに厳密に考えていたらガリレオみたいになっちゃうぞ。彼女は「配偶者とアニメを観ながら世界観について話せるのっていいわねえ。亭主が無反応だったり『うるさい、消せ!』とか言う人だったら哀しいもの」とか言っている。うーん、今の男で宮崎アニメについて語れない奴がいるとは思えないんだが。よっぽどガチガチの固い人間だと、そういうのもいるのかな。いや、そういや私の見合い相手にもナウシカを知らないのがいたか。まあ、アナタはそういう相手だったら選ばないでしょ。私もそうだけど。お互い、相手のオタクな部分に惹かれたんだから。
息子は23時を過ぎた頃から、何ということもないシーンでケタケタ笑うようになってきた。いわゆる「スリーピング・ハイ(造語)」というやつか。仕事で徹夜してたりすると、ある時間帯になったらみんなでゲラゲラ笑ってたりするからなあ。それでも息子はラピュタにかなり強い感銘を受けたようである。寝るまでに何度も「ろぼっと、しんでたなあ」とか言っていた。早く、あの哀しみが理解できるようになればいいね。
▲2月24日(土)▼
今日は休日出勤なのである。雨がしとしと降っているのである。憂鬱の二乗なのである。カミさんが息子と一緒に送っていこうかと言ってくれるが辞退する。今日の仕事は主に他人の作業のチェックであるため早く出社しても帰る時間には大差はないと思われるので、今日も昼から出て行くことにするのである。あー、我ながら憂鬱な文体だ。一時は止んでいたのだが、昼前になってまた雨が降り出した。ますます憂鬱である。横で再版同人誌の編集をしていたカミさんが送っていこうかと言ってくれるので、思わずお願いする。有り難いことである。
今日も、このテーマは好みじゃないと言いながら「異形コレクション 幽霊船」を読んでいる。往きに北原尚彦氏「遺棄船」を読み終えた。マリー・セレスト号に関する話だが、これはなかなか斬新な解釈でございますね。続いて朝松健氏「舟自帰」であるが…うーん、感情移入できんなあ。帰りには倉阪鬼一郎氏「鳩が来る家」を読み終えたが、うーん、やっぱりこういうテーマは趣味じゃないなあ。うーんうーんと唸ってばっかりなんである。
往きに自転車を使わなかったので、帰りは難波回りである。難波駅の側の本屋は22時まで開いていた。閉店間近に飛び込んで「さすらいエマノン」(梶尾真治:徳間デュアル文庫)を買う。たしか以前に図書館で借りて、巷間で語られているほど面白くもなかったような記憶があるが、確かめている暇はない。ま、梶尾先生の本だからね。いいんじゃないでしょうか。
家に帰ると、今日はTVでT2を観ていた。そうか、そろそろ番組の改編期なのね。23時近かったのだが、息子も観ている。これもアクションシーン以外はあんまりよく理解できないようである。最後のシーンでも、周囲が何で感動してるのかわかってない。コイツ、情操面ではまだターミネーター以下だな。
▲2月25日(日)▼
本日11時頃、カウンターが10000になった。カウンターの上2桁が0だというのは非常に格好悪いっすからねえ。やっとその状態から脱せられる。長かったねえ。特にウリのない弱小サイトだから仕方がない。このサイト、いつ立ち上げたのか記憶の彼方なのだが、サーバ上でいちばん古いファイルの更新時刻を見ると99/01/10になっている。だいたいそんなもんだろう。25ヶ月半ですか。観察してるとこのカウンター、一度に2つ上がることがよくあるようなので、実数はその半分くらいかもしれない。そういう勘定でいけばほとんどが身内のような気もするのだが(苦笑)、もし見ず知らずの方がいらっしゃればこの場を借りて(自分の場なんだから借りんでもいいか)御礼申し上げます。どうもありがとうございます。そして、お知り合いの方にも感謝!
今朝も7時過ぎに目が覚めた。昨夜も日が変わる前に寝たからな。こういう生活リズムになっている。健康的といえば健康的だな。息子は起きてから「『さようなら』って、ゆーてたなー」とか言っている。ああ、T2のことか。その後も「こわいかお、してたなー」「なんで、こわいかお、したん?」「へんな、おめめやったな」とか言っている。彼なりにいろいろと感じることはあったようである。
カミさんは今日は息子を連れてポップコーンを買いに行くという。「洗濯物、お願いしていいかしら」と言われたので「うん」と応える。これは忘れないようにしなければ。そして今日も週単位で巡回するサイトを見て回るのである。
妻子が帰ってきた。カミさんの機嫌は最悪のようである。息子を怒鳴りつけている。そして彼女は洗面所から上がってきてそのままベランダに出ていってしまった。え? ひょっとして、「洗濯物をお願い」というのは「干してあるのを取り込め」という意味ぢゃなくて、その上で「洗濯機の中にあるのを干しておけ」という意味だったの……きゃー、怖いよ〜
今夜はカミさんがラーメンを食いに行きたいというので例のラーメン屋に行くことになる。あそこは豚骨スープだから高脂血症には良くないのはわかっているのだが、月に一度くらいは行かないと禁断症状が出るのである。スープもほとんど飲んじゃうしねえ。
カミさんが買ってきたポップコーンを食い過ぎてしまって、まだ腹が減っていないので先にスーパーに行って買い物をする。ついでに電気スタンドのグローランプを買う。カミさんが電気スタンドの蛍光灯が点かないので買い換えたいと言っていたのだが、見てみるとグローランプが装着されてなかったのである。蛍光灯はグローランプが無いと点かないよねえ(…とか言いながら調べてたら、最近はそうでもないのか)。そして、食料品売場で買い物をする。しかし息子よ、握った父親の手で眼を拭くのはやめなさい。眠いのか。
そして古本屋で時間を潰して空くのを待ってからラーメン屋に入る。しかし、物心つく前からこういう旨いものを食わしていいもんかな。こういうのが標準だと思って育ったら、将来不幸になるような気がするんだが。ウチの母なんか昭和ヒトケタだから、物を食ってるだけですごく幸せそうだもの。映画や小説に関してもそうかもしれんけど。
帰りにカミさんがヴィデオとCDを借りたいというのでレンタル屋に行く。息子が「つかれた」とか言っているので背負って店内を見て回る。私は「情熱の太陽」(露崎春女)と「Go my way」(JAYE'S MASS CHOIR)が中古で売っていたので買ってしまった。露崎春女さんは、前のアLバムは良くなかったが、実力的には高評価だからね。JAYE'S MASS CHOIRは、今の日本でクワイアと名乗って活動しているというのは大変なことだと思うのである。
息子は風呂上がりにカルピスをコップ一杯飲み干して、それでも足りずさらにお茶をグビグビとコップ一杯飲んでしまう。ラーメンのスープを気に入って飲んでいたようなので、そのせいだろう。そして、今夜も私が息子を寝かせる。最近彼は絵本を読み終わる直前になると「ぼく、ふたつ、よみたい」とか言いだすのである。それで読んでしまう私も私だが。そして気がつくと、カミさんが「あんた、ビショビショやないの!」とか言っているので目が覚めた。息子がオネショをしたらしい。私の寝ている横を触ってみる。濡れてないと思っていたのだが、毛布を除けてみるとしっとりと濡れていた。今夜は私の布団の中で寝ていたのね。そういうときに限って…
▲2月26日(月)▼
今朝も7時前に起きて通信し、必死で日記を書く。妻子が起きてきたのは8時近くになってからだった。息子の調子が悪い。咳払いをしてはノドが痛いと泣く。それでもやはり朝食を食べると落ち着いたのだが、それでも咳は出ている。
今日も引き続き通勤中に「異形コレクション 幽霊船」を読んでいる。往きに飯野文彦氏「深夜、浜辺にて」を読み終えた。なかなか凄い作品でしたね。私の好みじゃないけれど。しかし、ところどころ文体が狂ってるように感じるのは意識してやってるんだろうか。次の早見裕司氏「スローバラード」は素敵なラヴストーリーでございましたね(おい)。
今日は昼休みに「六番目の小夜子」(恩田陸:新潮文庫)を買った。「光の帝国 常野物語」が良かったからまた何か読みたいんだが、趣味でないジャンルの作品を読むのはツラいからなあ。そりゃ、ホントに好きになれば何でも読むけれど、こういういろんなジャンルで書いてる人だったら、まずは自分の好きなジャンルの作品から読みたいと思うのだ。「六番目の小夜子」もまあSFではないようだが、特定のジャンルに分類できる作品でもないようだったからね。私が読めるのが文庫本か大きくても新書版までなので、選択肢が少ないし。
今日は仕事の切れ目なので、定時過ぎに職場を出てジュンク堂堂を見て回る。しかし何も買わなかった。「教養」は買いたかったが、ハードカヴァーは読む機会がないからなあ。そして今日も家に早く着いたので、私が息子を寝かせることになるのである。
▲2月27日(火)▼
息子は「さくらじません」に乗りたいそうなんである。最近、USJ関係で名前を聞くことが多いからね。ウチは地元だが、しばらくは混んでて行けないだろうなあ。でも、USJに行くなら事前に「ジュラシック・パーク」「E.T.」「ジョーズ」くらいは一般教養として観ておいた方がいいだろうね。
今日はどうも熱っぽい。ちょうど仕事の切れ目でもあることだし、休むことにする。今年はもう2ヶ月が過ぎようとしているのに有休を一度も取ってないしな。まあ、今日休んでも、どうせ休日出勤の代休にされてしまうのだが。そういや、昨年後半からぜんぜん有休を取ってないや。うーん、有休を取るのは労働者の当然の権利のはずなんだが。
息子が保育所に行ってカミさんが昼寝をしている間、自分の用事を済ませてからダラダラとネットを徘徊する。もうちょっと他のことはできんのか、と他の人には思われてしまいそうだな。まあ、こうしてるのが楽しいし身体も楽だし金もかからないからね。
しかし最近、夜になるとテレホタイム以前でもずいぶん遅くなるようになった。以前は(といっても数ヶ月前なんだが)夕方だと信じられないくらい速かったのだが、最近はけっこう遅い。やはり、常時接続の家庭が増えてきているんだろうな。インターネット人口じたいが増えてるんだろうし。このあたりの変化の早さは実に凄まじいものがあるな。
保育所から帰ってきた息子の調子が悪いようである。熱もどんどん上がっているようだ。これは、明日は休ませることになるか。
▲2月28日(水)▼
今日も体がだるい。頭が痛い。ノドが腫れている。こういうときでないと休めないので、今日も休むことにする。息子が休んでいるときにカミさん独りというのもあんまり良くないしね。カミさんは私に対して保育所に休む連絡をするよう言いつけると、小用を済ませて寝てしまった。しばらく日記を書いていたら10時半頃になって息子が起きてきた。それほど熱はない。例によって飢えている。食パンにジャムを塗ってチーズと野菜ジュースで朝食である。食べているとカミさんが起きてきた。彼女は明太子とキムチで朝食を食べていたが、息子は欲しがらなかった。好調時ほどの食欲はないようだ。
カミさんが息子にナウシカのヴィデオを観せ始めた。でも、4歳児には難しくないかい。コナンあたりが適当ではないかという話になる。カミさんはコナンのヴィデオを借りてこようかと言っていたが、なぜか私にカリ城のヴィデオを持ってこいと言いつける。自分の部屋のヴィデオLァイブラリーを探していたらコナンの劇場版とか「さらば愛しきルパンよ」とかを録画している超旧いテープを見つけて引っ張り出してきた。20年近く前のテープなので、ついでにダビングしておくことにする。先日買ってきたデッキでダビングしようとしたのだが、ダビングのボタンを押すと複写元のVHSのテープが出てきてしまうのである。コピーの方向を間違えてVHSに録画しようとしているのかと思ったが、そんな基本的な間違いをしているはずもない。まさか、誤消去防止爪が折れていると市販のソフトテープだと判断してコピーできないようにしているのか? そう思ってマニュアルを見ると、信じられないことにそう書いてあった。馬鹿か、ソニー!? 市販のソフトじゃなくても大事なテープは爪を折っていると考えるのが普通だろう。穴を粘着テープで塞げばコピーできるんだから、そんなことしたって意味が無いと考えないのか。それに、そういうことをしていて誤って大事な内容が入ったテープを消してしまったら補償してくれるのかテープを元に戻してくれるのか、ソニー? 怒り狂いながらダビングを始めると、今度は画面上にダビング中の表示が出て、それを消すことができない。こりゃダメだ。従来どおりVHSのデッキから8ミリのデッキへの組み合わせでダビングすることにする。しかし、ソニーというのは昔から消費者の立場になって考えない会社だと思っていたが、これほどとは。いやまさかひょっとして、メーカーにかかわらずWデッキは全てそういう仕様なのか?
カミさんは買い物に行くという。私と息子は病人同士でお留守番である。彼はずっとヴィデオを観ていたのだが、そのうちに「しんどい」と言いだした。熱はそれほど高くないようだが、頬が赤い。「上行って寝るか?」と訊くが「ここで、ねる」と言って座椅子の上に横たわる。仕方がないなあ。ガスファンヒーターの風が彼に直接当たらないようにして、テレビと電灯を消す。しかし彼は眠らない。隣で横になっている私の方が眠りそうになってしまう。私だけ寝室で寝るわけにも行かないしなあ。
カミさんは買い物から帰ってきて昼食を終えると「ちょっとだけ寝てきていい?」と言ってお昼寝に入ってしまった。息子は一緒に寝室に行かないと言う。腹に物が入って少し元気になったようだ。それで、私がパソコンをいじっている横でテレビを見ている。そのうちに彼は、困ったような顔でこっちを見た。「オシッコか?」と訊くと「うんち」と言う。よしよし、よく言ったぞ。トイレに連れて行って便座に座らせる。一通り出てからもかなり長い間座ったままで気張っていたのだが、数分してぶちゅぶちゅと柔らかいウンチが出てきた。下腹部に異常を感じていたのかな。「柔らかいウンチ出たな」と言うと彼は「やわらかいうんち、ばきばきばきーって、でたなー」と応えた。ほう、そういうオノマトペになりますか。面白いね。
息子は腹が減っているようで、煎餅をポリポリ食っている。小袋を自分で開けられるようになったのも大きいな。今朝は自分で開けられずにハサミを持ち出してきて切って開けたりしていたのにね。指先で袋の端っこの一点に力を集中させるというのがなかなか難しいのだ。
カミさんは起きてこない。息子には早く飯を食わせて寝かせなきゃいけないんだがなあ。息子も「かーちゃん『ちょっとだけ』ゆうたのになー」とか言っている。21時を過ぎたので、あり合わせのものを食って寝ることにする。納豆とキムチでも何とかなるだろう…と思いながら冷蔵庫を開けると、カミさんの買ってきた総菜を見つけた。これを食えばいいじゃないか。だったら、もっと早く食うんだったな。電子レンジで温めて準備をする。息子は煎餅を食ってて腹が減ってないのか、自分では食おうとしない。食わしてやると拒否せず口に入れるから、まあいいか。そうこうしているとカミさんが起きてきた。まったくいいタイミングである。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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