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6月11日(火) 
突然、意識が外界と繋がった。カミさんが雨戸を開けたのである。直射日光が全身に浴びせられる。眩しい。昨夜の強い雨は上がったようである。しかし、起きられない。全身が痺れて強ばっている。何とか動けるような状態になるまで10分くらいかかったのであった。

今日も通勤中に「恐怖症」(異形コレクション:光文社文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。まずは往きに浅暮三文氏「遠い」を読み終えた。相変わらずワケがわからん作風だ。こういう作品だったら、私は金を出してまで読もうとは思わないなあ。好みがいろいろあるのはわかっているんだけど。

帰りには奥田哲也氏「石の女」を読み終えた。頑張って描いているのはわかるんだけど、こういう話を読んでも私はあんまり嬉しくないんだよな。これはもう趣味の問題。続いて安土萌氏「黒い土の記憶」も読み終えたが…うーん、これも何を言いたいのかよくわからん。

今夜は21時で仕事を終えたが、雨が降っているので自転車が使えないため遠回りして帰ることになる。家に着くと23時近い。今夜は妻子ともすでに眠っていた。かなり濡れたので先にシャワーを浴び一通りWebを巡回してから夕食を食べはじめる。食事をしながらパソコンを見ていると、何だか、触ってないのにディスクをアクセスにいっているようである。どうせ食事中は触らないので再起動する。食事を終えて使い始めるが、どうも処理が遅いのである。エクスプローラーの左側のツリーでフォルダを開くだけでも数秒かかるような感じだ。これは、以前のように凶悪なソフトが動いていると思われる。タスクマネージャで調べてみると、「netscp.exe」というプロセスがバリバリとCPUを消費している。これが犯人か。名前からみてどうもネスケっぽいな。案の定、タスクトレイにあるネスケのアイコンをクリックしても何も反応しない。これじゃ、終了させることもできないじゃないか。強制終了するのである。

◇ ◇ ◇

前から音楽関係業界の馬鹿さ加減にはハラワタが煮えくり返る思いをしていたのだが、それをちゃんと筋道立てて書いてくれてる人がいた。何で私が怒っているか知りたい人はこれを読んでください。「コピーコントロールCD」ってのはCDの規格を外れてるのに、なんでCDって称して売るのかね。別の名前にしろ。CDと同じパッケージで売るなよ。紛らわしい。なんで、ちゃんと買う人間に不良品を押しつけるんだよ。奴らはファイル交換を撲滅すればそこで交換された楽曲をすべて買ってもらえると思ってるらしいが、それは甘すぎる。特に最近、金を出してまで買おうという作品は少ないからな。今まで気に入ったCDはみんな買ってきて、数百枚のCDを所持してる私が言うのだから間違いはない。愛聴するためにダウンロードするんじゃなくて、「とりあえず聞いてみよう」というのがほとんどだと思うぞ。逆にオレなんかは「音質に問題があるならネット上で探した方がいい」と思っちゃいますね。え、そういう人間相手には商売してない? 何も考えずに買ってくれる層で商売するのがいちばん儲かるって…それは失礼しました。

こんな時代になってしまったんだから、インターネットと闘っても勝てるわけがない。味方につける方法を考えるべきだと思うんだけどなあ。例えば、こういうソフトを無料で配布するとか。 これくらいがどちらもギリギリ譲歩できるところなんじゃないだろうか。まあ、今となっては手遅れのような気もするんだけどね。このシステムによって曲が売れたら、録音した人間に売り上げの何%かを払うくらいのことはやらなければダメでしょう。



6月12日(水) 
今日は通勤中に「Whitney Houston」(Whitney Houston:→【amazon】)を聴いている。アリスタが総力をあげて送り出す期待の大型新人、ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムである。日本でこのアルバムが発売される半年ほど前、音楽雑誌を読んでいたらディオンヌ・ワーウィックのインタビュー記事が載っていて「こんど私の姪がデビューするの。上手いわよ」という意味のことを言っていたのを読んだのだった。身内だけれども、それでもこの人が誉めるなんて相当なものなんじゃないだろうかと思っていたのだった。その後にモデル出身だと言う話とかを聞いてちょっと不安にもなっていたのだが。それでも実際に聴いてみて、「やはりディオンヌ・ワーウィックが誉めるだけのことはある」と感心したのだった。

今日も通勤中に「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。往きに北野勇作氏「怖いは狐」を読み終えた。いや、やっぱり語りが巧いわ、この人。同じように荒唐無稽なことを描いているのに、何でこんなに心への響き方が違うのだろう。恐ろしいことである。

帰りに町井登志夫氏「ヘリカル」を読み終える。うーん、何とか科学的説明をつけようとしてるのだが、どうしても納得できない。どうせ嘘なんだから他の人にはどうでもいいようなことかもしれないが、ワタクシ的には歴然とした違いがあるのである。これは私には「向こう」の世界の話だな。次の井上雅彦氏「離宮の主」も読んだが…うーん、頑張ってるけど、これも好みの話ではない。



6月13日(木) 
今日も引き続き「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。職場への往路に江坂遊氏「最終楽章」を読み終えた。べつにこういう話じゃ驚かないよなあ。そして今日は夕方から広島で打合せのために新幹線に乗るので、続いて「アンドロメディア」(渡辺浩弐:幻冬舎文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読み始める。以前読んだ短編が好みだったんだな。この作品も、最初の印象はなかなかいい感じである。

今日からまた広島に1泊で出張である。今日の打合せは18時からなので、午後から移動する。大阪発のレールスターに合わせて仕事場を出たのだが、新大阪駅に着くと目的の列車が案内板に表示されていない。どうやら、この便は今日は運行していないようだ。仕方がないので、次の東京発ひかりを待つことにする。広島行きなので、座れないことはないだろう。

やって来た列車は予想通り空いている。2人掛けの窓側の席を確保できた。当然いちばん前の禁煙車両(かつ喫煙車両と隣接していない)である。座って窓からホームを見ていたら運転席の扉のところでJR西日本のグレイの制服を着た男女が待っていたのだが、そこに男性2人が降りてきた。その2人に向かって、女性の方がしきりに敬礼をしている。何をしているんだろうと思ったら、待っていた男女が運転席に乗り込んで行った。ひょっとして、あれは新幹線の女性運転手さん? 最近は女性の車掌さんも増えてきたし、JR西日本はかなり女性が進出しているようですな。

広島への新幹線の中で「アンドロメディア」の続きを読んでいたが、これは面白かったですね。一気に読み終えてしまった。アイドルの「稼働率」を上げるために、彼女をモデリングしてコンピューター上に仮想の存在を作ろうとする。やがて、彼女の脳までもコピーされた「彼女」は自分の意志をもち…という筋だけを書いているとありきたりの話のようだが、この世界の描写に説得力があるし文体も読みやすいので飽きさせない。ただ、「AI」が襲ってくるところはかなりトンデモな感じで、読んでいて少し醒めてしまった部分もあったんだけどね。東野司氏の作品でも感じたが、やっぱり仮想世界の存在が現実世界を攻撃してくるというのは表現が難しいのだろうか。でもまあ面白かった。以前に短編を読んだときに感じた「相性の良さ」というのは正しかったのであった。また別の作品も読もう。しかし、アイドルを裸にしてスキャンした後で「タカナカはマウスを操り、補正ツールを作動させた。下着の跡や乳首など、細かい凸凹が体表から削れてすっと消えていった」と書いてあるのを読んで「もったいない!」と思ったのは私だけではないだろう。ここらへんは描き方によってはいくらでもイヤラシクできると思うのだが、アッサリと流している。サービスが足りない…って、それは読み方が違う。でも、この作者は、あまり性的な描写をすることに関心がないように見えるな。それはそれで一つの行き方だが。

広島の街を歩いていると、なんだか自分が小さく縮んでしまったような錯覚に襲われる。道路の幅とか広くて、街じたいが「大きい」感じがするのである。東京なんかに行ってもそういう感じはしないので、やはり東京や大阪は何もかも密集しているということなのだろうか。こういうところを歩いていると、いかにも大阪はせせこましい感じがしてしまうのである。

今夜も仕事が23時過ぎまでかかってしまった。コンビニでマンガ雑誌に目を通してから弁当を買い、ホテルにチェックインしてテレビでワールドカップの結果を観たりシャワーを浴びたり食事をしたりしていると2時を過ぎてしまう。明朝は8時前に起きねばならない。インターネットに接続していないのに5時間ちょっとしか眠れないとは、何ちゅうこっちゃ。



6月14日(金) 
今日は朝から客先で打合せ。午後から発注元に場所を用意してもらって作業を行った。16時で作業を終えて大阪に移動する。その時点でワールドカップの試合経過をインターネットで見ると、0対0であった。この調子なら2点差以上の差で負ける可能性は小さいかな。

新幹線は17:38発の広島発に自由席で乗ることにして、それまでにテレビの中継が観れるところを探す。しかし、やはりなかなか見つからない。そのうちに本とCDやDVDを売っている大型店があったのでそこに入ってしまう。そこでアニソンCDの棚に「ベストMAX」(→【amazon】)というCDを見つけてしまった。「GET IT!」や「エルガイム-Time for L-GAIM-」が入っている。おお、これは買わなければ…と思ったのだが、その前に入っている曲がオリジナルかどうかを確認したい。この店ではCDのバーコードを読み取らせれば視聴できるシステムを導入しているようだ。それで内容を確認しようとするが、これはパッケージがBOX仕様で分厚いのでなかなかうまく読み込めない。使い方を間違ってるのだろうか…と思いかけたところでやっと読み込めた。聴いてみると…まったく別物である。パッケージをよく見るとタイトルに「ウルトラアニメユーロビート」とか書いてあるじゃないか。危なく買ってしまうところであった。店頭で店員を煩わせずに視聴できるというのはよろしいですな。

まだ試合中だったのを思い出して店を出る。隣のパチンコ屋から実況中継の声が聞こえる。聞いて見ると、1対0でリードしているらしい。へえ、やるじゃん。この時間帯でこれだったら、ほぼ進出決定だな。しかし、テレビが観れるところがない。新幹線の待合室にテレビが設置してあったのを思い出して、改札の中に入ることにする。案の定、たくさんの人がテレビを見ている。立っている人もいる。観に行くが、どうも様子がおかしい。NHKのニュースをやっている。NHKでやってるならこんな時間帯にニュースは入れんよなあ…とか思ったら、ニュースが終わるとやはり別の番組が始まった。もう他でテレビが観れるところを探すわけにはいかない。仕方がないのでホームに上がる。列に並ぶと、前の方にいる兄ちゃんが携帯テレビを観ていた。うう、オレも持って来るべきだったと後悔するのである。

新幹線に乗り込み、会社から持たされている携帯で試合結果を調べることにする。まずは新聞社のサイトに行ってみるが、PC用のページなので情報量が多すぎてなかなか目的の情報にたどりつけない。スクロールに時間がかかってやってられない。iモードのサイトを探してみる。なんか、メニューからたどれるところは有料のコンテンツが多いなあ。それでも何とか見つけることができた。2対0ですか。やりましたね。引き分けだとブラジルとやらなきゃいけなかったですからねえ。できればリアルタイムで観たかったんだが、仕事だから仕方ないね。社内で試合を観せてくれる会社もあるらしいんだけどねえ。

向かいのホームに見慣れないカラーリングの車両が入ってきた。レールスターかと思ったのだが、よく見ると違う。最後尾の車両を見ると…0系だよ。へえ、塗り替えたのか。これは息子に自慢できるな。家に帰って調べてみると…ほう、0系とか100系を4列座席にしてるんですか。JR西日本も頑張ってますな。

そして往きに「アンドロメディア」を読み終えてしまったので「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)の続きを読み始める。まずは早見裕司氏「スタジオ・フライト」だが、これは良かったっすね。トチることに対する恐怖と声優の話。多分に教訓的な話だったが、ギリギリのところで説教臭くなるのを逃れている。最後にあの作品から引用しているのも効いてるね。続く田中文雄氏「白い影」は、なかなか凄惨な話でしたな。読み応えのある作品でございました。続いて竹河聖氏「スパゲッティー」。これも巧い。ここまで盛り上がりに欠けたこの本ですが、なんだか最後になって俄然レベルが高くなってまいりました。 とか思ったら最後の菊地秀行氏「6分の1」はイマイチだったな。

今回の出張中は「Rose is a Rose」(KATSUMI:→【amazon】)を聴いている。最初は印象に残る曲がないなあ…とか思っていたのだが、聴きこむと曲のレベルは高い。でもやっぱり印象は薄い(どっちじゃ?)

山陽新幹線の2人掛けの席で窓側に座って外を見ていると、川が平野を作るんだなあ…というのを実感する。山が切り開かれて谷になっているところは、当たり前のことながら必ず川が流れている。けっこう広い平地ができているのに驚くほど小さい川しか流れていないこともあって、長いこと頑張ったのかなあ…とか思ってしまう。まあ、大きな川だったのが上流で流れが変わってこちらに来る水の量が減ったのかもしれないけど。

新大阪では、試合直後だけあってやはりホームに大量のサポーターがいるようである。新幹線から降りてホームの端から階段に向かって歩いていると、なんだか人波が前に進まなくなってしまった。少し先のホームの中央に通行不能の地域があるようだ。サポーターが乱闘騒ぎでも起こしているのかと思ったが、それにしては前方に動きを感じない。前に行くためには、動きだした新幹線の車両すれすれを通って進まなければならない。見ると、通行の邪魔をしている領域は、丸く空間が空いている。何なんだ迷惑な…と思ったが、その空間の向こう側を見て状況が飲み込めた。青い服を着たねーちゃん達が警備の制服に押さえられて人垣を作っている。たしか日本代表はキャンプ地から大阪へは新幹線で移動していた映像が流れていたから、帰りを待っているのだろう。そういえば、報道関係者らしいカメラを持ったオッサンも何人か空間のこちら側にいる。ひょっとすると、ホームの自由席側というのはこの騒ぎを見物するには特等席じゃないか…とも思ったが、私はそれほどミーハーでもないのでそのまま進む。しかし、空間の隣を通り過ぎてから「日記のネタになったかも」と思ったのは秘密である。(翌日のスポーツ新聞を見ると日本代表が乗ったのは20時30分のこだまだったという話だから、残らなくて正解だった)そのままホームから降りるが…うう、新大阪駅はサポーターでいっぱいだあよ。女の子はみんな青い服を着て顔に日の丸書いてるし。

大阪に着くと雨が降っている。カミさんに電話すると車で迎えに来てくれるという。ありがたいことである。まだ韓国対ポルトガル戦の試合途中だというので、家に帰って観はじめる。しかし、悲壮な試合でしたねえ。あれだけ高い技術を持ったチームがリードされて人数の不利を補うべく必死で走り回っている。キーパーも凄い。人数が少ないからすぐに1対1になってしまうのだが、それでも負けない通させない。最後はそのキーパーまで攻撃参加したが…サッカーは厳しい。ポルトガルの選手は負けて周囲をはばかることなく嗚咽している。日本も負けるときが来ると思うのだが、これくらい頑張ってから負けてほしいものですな。しかし韓国もなあ、アメリカを決勝進出させるくらいなら、ロスタイムにオウンゴールして同点にしてやってもよかったのに(苦笑)

続いて別の局で日本の試合のダイジェストを観る。なんか、まったりした試合だなあ。2点差以上つけて勝たなきゃいけないはずなのに、あの落ち着きぶりは何なんだ>チュニジア。しかしトルシエ監督、痩せたな。想像を絶するプレッシャーなんでしょうなあ。次はトルコか。へえ、トルコってヨーロッパ代表だったんすか。てっきりアジア代表だと思ってたですよ。日韓共同開催にしても、ずいぶんアジア代表の数が多いな…とか。



6月15日(土) 
昨夜もパソコンの前で死んでしまっていた。2時半前に気を失って5時過ぎに気がついたので、けっきょく3時間しか寝ていないことになる。しかし、けっこうやるべきことがあるような気がするので起きている。といっても、ぶらぶらとWebを巡回しながらだったりするのだが。

おおっ、パブリで「果しなき流れの果に」を売っている。これは現在のところ私の人生でベストの小説なので買わないわけにはいかない。テキストだから、将来(電子機器が使えなくならない限り)読めなくなることもないだろうしね。他にも異星の人陰陽師百億の昼と千億の夜も売っている。 しかし、クレジットカード番号を入力しなければいけないのか。ちょっと抵抗があるよな。けっきょくここで買うことになるのである。NIFTYのIDとパスワードを入れる方が心理的抵抗が少ないというのはどういうことなんだろう。どっちらも結局クレジットカードから引き落とすんだし、安全性に違いがあるとも思われない。まあ、NIFTYのIDを知られたって、それで何でも買えるわけじゃないからな。

明日は大阪でイヴェントなので、今夜から木根尚子さんが泊まりにいらっしゃる。今夜はオフ会があるので、その後に宮本春日さんも拉致ってくるそうである。カミさんに行かないのかと訊くと、私の予定が立たないから…と応えた。幸い私は今日は休みなので、参加してもいいよと言うのである。

昨日は雨で自転車を駅のそばの駐輪場に置いたままにしてきているので、カミさんに車に乗せてもらって回収に行く。その帰りに散髪をして家に着くと、息子を迎えに行くべき時間である。私が迎えに行く予定だったのだが、カミさんが行ってくれる。ありがたいことである。

息子を連れて帰ってきたカミさんは、そのままイヴェントに出てゆく。息子には「ウルトラマンM78劇場Love&Peace」を見せる。ウルトラマンコスモスが主役の不祥事で放映中止になったことによる代替番組である。かなり子供向けの作りなので、息子にもけっこう受けていた。

そして、夕食を食べねばならない。息子は、今日は外食でもいいと言っている。そこで、近くにできた180円ラーメンの店に行ってみることにする。ラーメン2杯とご飯にキムチ。息子はけっこう喜んで食べている。ここのスープは凝ったことはしていないが時間をかけて正直に作っているような感じなので息子にも気に入るんじゃないかと思っていたのだが、やはり彼も「おゆ、のんでいい?」とか言いながら何度も啜っている。そんなに飲むと後で喉が渇くぞ。親子2人で腹一杯食べて600円ちょっとだから安いものである。

そして、帰りにスーパーで買い物をする。龍騎の食玩とかがあったのだが、彼はそれを欲しがることもなく早く帰りたいという。欲しいと言えば買ってやってもよかったのに。

家に帰ってテレビを見せる。息子は土曜の夜は世界ふしぎ発見!がお気に入りである。観終わると、「まことくん、いっかいあたって、うれしかった」とか言っている。彼は野々村真のファンらしい。しかし、今回はマラッカ海峡の特集だったのだが、マレー半島というのは見れば見るほど妙な形をしてるよなあ。こんな細長い形が安定して存在できるとは思えない。そう思って見てゆくと、スマトラ島からジャワ島を経て東チモールの北へと至る流れも、こういう形になったのは理由があるに違いないと考えざるを得ない。世界大百科事典のジャワ島の項に「ヒマラヤ構造線の延長がここに現れて島を東西に貫き,同時に多数の火山を伴う」とある。「構造線」ということは…断層なの? こんなに長くて曲がってるのが断層なのだろうか。信じられない。まあ、これはアンダマン諸島から連なってるような感じだからマレー半島とは繋がらないかも。太平洋の水を抜いたら山脈になるんだろうなあ。そういう意味では、インド亜大陸が割り込んできて押されてできた地殻の皺が半分水没してこういう形になっていると考えた方がいいんだろうか。

…とか書いてたら息子が「つき、みおくれた」と言ってベソをかく。夕食を食べるために家を出るときに雲間から三日月が見えたので「帰ったら双眼鏡で観よか」とか言っていたのを覚えていたのである。酷い悲しみようである。ううむ、先日地球光を読んで、子供には月の表面をよく見せるべきだと思って軽い気持ちで言ったのだが。西の空を見ると、月は地平線上の建物の上ギリギリに浮かんでいる。まだ間に合うかもしれないというので、自分の部屋に入って双眼鏡を探す。3階のベランダに上がって観ようと思うが、ベランダにはサンダルが1足しかない。息子に玄関から自分のサンダルを持ってくるように言うと、怖いと言ってまた泣く。それでも強く取ってくるように言うと、泣きながら下りて行くのであった。息子が上がってくるまでに月を観てみるが、それほど細かいところは見えない。7倍だからな。口径は50mmあるんだが。それを息子に見せるとなると、彼はまだ自分で持ってコントロールできないので方向を決めてやるのが大変だし(拡大しているのでさらに精度を必要とする)、ピントを彼の目に合わせるのも難しい。まあ、「みえた」ということだけで彼は満足したみたいだが。また条件のいいときに挑戦しよう。

そういえば世間では誤解している人も多いようだが、望遠鏡の性能というのは倍率ではなく対物レンズの口径で決まるのである。いかに多くの情報を集めることができるかということが重要なんですな。少ない情報であってもいくらでも拡大することは可能だが、どんどんぼやけていくだけなのである。中学生の頃、天体望遠鏡を持っていると言うとみんな「倍率は?」と訊くのでそういうことを説明するのがイヤになってたんだな。

カミさんと木根さんが帰ってきた。宮本さんは拉致れなかったようである。残念。そういうことで、二人が喋っている横でパソコンをいじっていたが、眠い。今朝もまともに寝てないからなあ。何度も気を失う…というよりも、失神してて切れ切れに意識を回復すると言ったほうが正確だ。どうにも耐えられないので、寝室に駆け込むのである。



6月16日(日) 
10時前に目が覚めた。隣には息子が寝ている。今日はイベントなので、当然カミさんはすでに家を出ている。こんな時間まで寝ているのに、ぜんぜん疲れが取れていない。それでも起きなきゃいけない…と身を起こし、眼鏡を探すが見つからない。いつも置いているところに無いのである。昨夜は寝るときに眼鏡を外して横になったかも記憶にない。布団を引っぺがして探してたら息子も起きてしまった。何とか眼鏡は見つかった。置いてあった場所から推測すると、どうやら私が眼鏡をかけたまま眠ってしまっていたのでカミさんが外してくれたものと思われる。こういうことが全く記憶に無いというのは、疲れていたのか呆け始めているのか。

今日は昼から保育所で行事があるのでお義母さんが息子を連れて行ってくれるという。ありがたいことである。保育所には昼過ぎに行けばいいのだが、昼食を食べさせてから行くということなので11時に待ち合わせることになっている。

食卓の上にビデオテープが2本置いてあって、途中で切れたのでテープを入れ替えて録画したという書き置きがある。息子はハリケンジャー龍騎が観たいと言う。両方を観ているとお義母さんとの待ち合わせに遅れてしまうので「行く前にハリケンジャーだけ観よな」ということにして再生をはじめる。しかし、画面に現れたのはゴルフの中継である。ええっ、チャンネルを間違えたのか? そう思ってインターネットで番組表を調べてみる。すると、今日は8時までゴルフの中継をやることになっていたのであった。今週はハリケンジャーは休みですか。けっきょく、龍騎だけを観ることになるのである。

ビデオを観終わると、息子は腹が減ったと言いだした。今から朝食を食べるとお義母さんと昼食が食べられないな。昨日の夜にスーパーで今朝食べるためのパンは買ってきているのだが、彼には肝油ドロップを舐めさせて家を出ることにする。玄関の外に出て鍵を掛けようとするが、キーが鍵穴に入らないのである。毎日のように突っ込んでるのに何で入らないんだ。まるで膣痙攣を起こしたようである。ドライバーセットに入っている錐とかを突っ込んでゴリゴリやってたら、何とかインサートして目的を果たすことができた。それでも、少し待ち合わせの時刻に遅れてしまったのであった。

お義母さんに一緒に昼食を食べないかと誘われる。家にあるパンを食うのが一番安上がりなのだが、断るのも問題があるのでご一緒することにする。それで行ったところが喫茶店である。ふだん行かないので、こういうところは苦手である。メニュー的にも野菜が少ないから子供のためにはあまり良くないと思うんだがな。お義母さんはスポーツ新聞を持ってきて「ベッカム、いい男やねえ」とか言っている。うう、こういう層にまでワールドカップの影響が…

保育所の行事にも一緒に参加しないかと誘われたが、とても体力的に保ちそうにないので辞退する。夕食を食べにくるようにとも誘われたが、カミさんに一緒に食べる約束をしていることにしてもらって断ってもらう。不義理ばかりである。愛想のない婿だと思われてるだろうなあ。でも外で動き回る気力がないのである。

昨日PCのバックアップをしたので、今日はCD革命/Virtual Pro Ver.5.5のインストールをする。これは特に問題なく入れることができた。そして、データの移行である。CD革命/Virtual ProDAEMON TOOLSを同時に起動して、仮想CDから仮想CDを作成してみる。こういうシステムの根幹に食い込むようなソフトを同時に起動して大丈夫なのかと思ったが、これも問題なく移行できた。DAEMON TOOLSでは仮想CDの容量がオリジナルより大きくなるという問題があったが、CD革命では圧縮することができる。比べてみると以下のようになった。 だいたいDAEMON TOOLSに比べて7割程度の容量になっている。ハードディスクが830MB以上空いたことになる。これだけでも買った価値はあったな。ああ、早くNASを導入して100GB以上の容量を確保し、バリバリと仮想CDを作りまくりたいっ!



6月17日(月) 
今朝は家を出る前にmpmanへmp3の転送をしようとしたのだが、今日はうまくいかない。ここしばらくは1回くらいの失敗で全部転送できてたのになあ。何度もやり直してやっと全曲転送できた。そういうことで今日は「初陣」(桃姫BAND)を聴いている。中古を100円で売っていたので「おおっ、桃姫BANDのアルバムだあ」というので買ったのだが、これは洋楽のカバーなのね。でも、オリジナルに勝ってるとは思えないなあ。

今日は仕事場のあちこちで人が会うごとに「明日、どうする?」という言葉が飛び交っている。日本代表のワールドカップ決勝トーナメントの1回戦があるのである。それも15時30分からという無情な時間である。みんな休みたいけど休めない、という感じだな。営業とかはほとんど休む予定になっているという話も入ってきているのたが。これじゃ仕事にならないだろうから、いっそのこと国民の祝日にしてしまえばいいのに(こらこら)。

今夜も22時前まで仕事をする。家に着くと23時を過ぎている。玄関の鍵を開けようとキーを探していたら息子が階段を下りて来た。まだ起きてたのか。内側から開けてくれる。ありがたいけど、外にいる人間を確認してから開けるようにしてくれよ。私の顔を見ると彼は「きょう、ふりかけ、ないの?」と訊く。ここしばらく発注元の食堂で昼食を食べているのだが、ここは味付けが薄いことがあるので、おかずが足りなかったときに備えて小袋のふりかけも買っているのである。1袋10円だからね。たいていの場合はふりかけを使わないので、家に持って帰り息子に渡すことになっている。それを楽しみにされているのである。ポケットから出して渡すと「また『さけ』かよー(また鮭のふりかけでございますか)」と言う。生意気なことをぬかすんじゃねえ。



6月18日(火) 
今日は通勤中に「OVER-LOOK」(LOOK)を聴いている。昨日の朝にうまくmpmanに転送できなかったので昨夜のうちに転送したのだが、そのときには何事もなくデータを移すことができた。不安定なのは困ったものである。アルバムの内容だが、曲の出来にバラツキはあるようだが、よい曲はなかなか良い。

今日は日本代表がワールドカップ決勝トーナメントの1回戦を戦うのである。試合は勤務時間中に行われるのである。でも休むことはできないのである。今月は3日くらい代休を取れるはずなんだがなあ。仕事中にもWebで試合経過を確認していたのだが、0−1で負けているようである。せめて最後の10分間だけでも…と思って仕事場のビルを抜け出し、隣のビルに行ってみる。中継が観れるところは人集りができているのですぐにわかる。飲食店の窓から覗き込んでいる人々も見える。力道山の時代に戻ったみたいだな。ハードウェアは行き渡ったが、見る自由はそれほど無かったりするんだろう。大きなプロジェクターで試合の模様を映しているところがあって、そこに集まっている群衆の中に紛れ込む。1点差のままのようである。でも、遠くから見ていただけだが、どうも迫力を感じない。見ている人たちは盛り上がっているが、試合じたいは淡々と進んでいるような印象を受ける。攻撃への強い意志があれば、遠くから見てても伝わってくるものがあると思うんだけどなあ。

家に帰ってからダイジェストを観てみたが、やっぱり印象は変わらない。プレーに確実さがない。集中力を欠いているように見える。試合前にトルシエ監督が「目標達成による緊張感の低落に繰り返し警鐘を鳴らした」そうだが、そういう感じだよなあ。前の試合後の選手のインタビューを見てても「目標は達成したから…」という声があったからな。指揮官はそういうのを肌で感じているはずだ。ストイコビッチが「日本の敗因は、トルシエ監督の戦術だろう。フォーメーションと先発メンバーの選択に首をかしげざるを得ない」と書いていたが、それもこのムードを変えるためだったんだろう。それでもその流れは止められなかったということか。趣味でやってるなら「あとは楽しんで」というのもアリだとは思うが、自国開催のワールドカップでこれをチャンスと捉えてさらに上を目指せないというのは志が低いんじゃないかと思うぞ。たぶんもうオレが生きてる間は日本で開催されることはないと思うからな(笑)。この試合を見たらロシアのサポーターがまた怒るんじゃないだろうか。

家に帰って何の気なしにテレビを点けたのだが…サッカーの試合をやっている。ナマのようである。韓国―イタリア戦である。え? まだやってるの? 仕事場を出る前にインターネットで見たら負けてたので、「こりゃ負けだな」と思っていたのだが。この時間までやっているということは、延長になっているのか。トーナメントだからもう、どちらも必死である。負けたら終わりなのだが、それでも積極的に攻めようという姿勢が伝わってくる。イタリアが一人少なくなって攻めにくくなったのだが、それでも鋭いカウンターが来る。前のポルトガル戦もそうだったが、こういうレベルの高い相手と、これだけの、文字通り鎬を削り合うような試合をしたら、強くなるだろうなあ、とか思いながら観ていたら…あらー、勝っちゃいましたよ。スゲエ。

ポルトガル戦のときにも書いたが、日本代表もこれくらいの試合をしてくれれば負けても「よくやった」と言ってやれるんだがなあ。あれは今日の試合を観る前に書いたのだが、この試合を観てさらにその思いを強くした。まあ、この試合を観ていちばん悔しい思いをしているのは当の日本代表の選手たちだろう。終わってから思っても遅い…それがまた悔しいんだよな。



6月19日(水) 
今日は通勤中に「1/2&1/2」(杏里:→【amazon】)を聴いている。中古が安かったから買ったのだが、やはり聴いていて安心感がありますね。でも、やっぱり印象が薄い。数日経ったら「ドルフィン・リング」以外の曲はぜんぜん覚えてないだろうなあ。

今日は夕方から本社にタワー型のPCを一式持って帰る。タクシーを使って3人がかりで運んだのだが、なかなか重い。本社に帰ると、個人に支給される新しいPCが来ていた。本来なら現在使っているマシンは昨年の初頭にリース切れだったのだが、1年半も延長されたのである。スペックを比較してみよう。 ここしばらく、仕事で支給されているマシンが趣味で使っている3世代前のマシンよりも低性能であるという状況が続いていたのだが、やっと仕事用のマシンが家のマシンを凌駕した。それでもハードディスクと解像度は家のマシンの方が上回っているんだけど。

支給されたマシンを調教していたら、部長に呼ばれた。彼も私と同じマシンを支給されたのだが、デバイスを接続したときにドライバが見つからないと言われるという。そして、このマシンには何とリカバリ用のCD-ROMが付属していないらしいのである。調べてみると、内蔵ハードディスクに見えないパーティションがあって、そこにWindowsをインストールするための情報が入っているようである。リカバリ用CDが欲しければ自分でCD-Rに焼けと書いてある。でもこれ、CD-Rドライブはついてないんですけど。そうか、以前お客さんがそう言って怒ってたけど、そういうことだったのか。部長のマシンでそのパーティションにドライブレターを割り当ててドライバを取り出すことができないかやってみるが、どうも妙な形式で入っているようで使えないのだった。まあ、隠しパーティションにしておけば論理的に壊れることはないだろうからCD-ROM添付と同じだと言えないことはないのかもしれないが、物理的に壊れたらどうするんだろう。ハードディスクの交換もできないし。CD-ROMを1枚添付する方がハードディスクにこういう仕掛けをするよりもコスト的には安くつくと思うんだが。まあ、ハードディスクにこのデータを入れるのはPCのベンダだから、マイクロソフトの腹は痛まないか。このあたりも、XPのプロダクトアクティベーション機能とも絡んだマイクロソフトの陰謀なんだろうな。

出張旅費の精算も2回分くらい溜まっているので報告書を書いてしまわなければならない。なんせ、2回分で7万円くらいの額になってるからな。支払ってもらうまでに会社が潰れたら困る(苦笑)。そんなことをしていたら23時を過ぎてしまったのだった。



6月20日(木) 
今の仕事場ではテキストエディタはワードパッドを使っている。発注元のマシンではフリーウェアは使用禁止なのである。何でそうなのか、イマイチ納得できてないのだが、そうなのだから仕方がない。個人的には中身が見えないMicrosoftなんかの製品のほうがよっぽど危険なような気がするんだが。そもそもメールソフトをOutlookに統一してるのなんか、すんごく危ないと思うんだけどなあ。みんなプレビュー機能を有効にして使ってるし。これが日本で有数のIT企業の内幕である…というのは置いといて、それでワードパッドである。こいつはテキストデータを保存するときに「テキスト形式で保存すると、書式情報はすべて失われます。保存しますか?」と訊いてくるのである。テキストデータを開いてるわけだし書式の設定もしてないのにこういうことを訊いてくるのである。馬鹿である。いかにもMicrosoftである。それで「Ctrl+S」を押すと同時に「Y」を押すようにしているのだが、本社に帰って自分のマシンで使い慣れたエディタを使っているときにも保存したときに指が勝手に「Y」を押してしまうのである。コノヤロウ。メモ帳を使えばいいじゃないかという意見もありましょうが、こいつは文字がデカくて表示できる情報量が少ないし、キーボードショートカットがWindowsの標準に則ってない(Microsoftの製品なのに)ので使う気がしないのである。まったくもう。

今日は本社で仕事をしていたのだが、夕方に外出から帰ってきた部長に呼ばれる。部長の新しいパソコンが起動しなくなってしまったという。OSが見つからないと言われてしまうらしい。ううむ、昨日いじったのがマズかったか。私のマシンでリカバリ用のCD-Rを作成するように依頼された。CD-Rが5枚も要るという。何なんだ。Windows2000のCD-ROMは1枚だったぞ。何でそんなに枚数が要るんだ。何を考えているんだろう。何だか、Windows95の頃にLibrettoの復旧用フロッピーを何十枚も入れ替えながら作ってたことを思い出してしまうな。CD-Rドライブは外付けを借りたのだが、古いのでバッファアンダーラン防止機能はついていないという。2倍速でも怪しいとか言っている。等速で5枚も焼いてたら6時間以上かかってしまいますがな。そんなことをしていたら帰れなくなってしまうので、CD-Rを作るのは断念して復旧方法を調べる。DOSでは起動するようになったらしいので、boot.iniを調べてみるがおかしくはないようである。昨日、隠しパーティションを表示させようとしたときに「パーティションをアクティブにマーク」というのをしてたのが怪しいような気がする。これをやったときには何も起こらなかったのだが、どういう意味だったんだろう(苦笑)と調べてみると…どうやら「パーティションをアクティブにマーク」したパーティションから起動するようになるらしい。そりゃ、そこにはOSは居ませんわな。それをDOSで変更できるのだろうか…ああ、FDISKコマンドでできるのね。やった、解決。そう思って部長のところに行くと、ちょうどWindowsの再セットアップが走りだしたところだったのであった。ああ、間に合わなかったか。ちゃんちゃん。

そうこうしていると、今夜も23時までかかってしまった。今日は早く帰ろうと思っていたんだがなあ。まあ、部長のパソコンが起動しなくなったことに関しては私にも責任の一端はあるから仕方がない。家に着くともう翌日である。パソコンをいじっているが、猛烈に眠い。けっきょくほとんど何もできずに寝るのである。

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