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▲6月1日(土)▼ →
今朝も食卓の前で死んでしまっていた。カミさんが寝室に上がっていってしまった後、どうにも身体を横たえる欲求を満たすことが限りなく魅力的に思えてきて、それに抗うことができなかったのである。それなのに今日は休日にもかかわらず朝早くから仕事に行かねばならない。辛いことである。
今日も通勤中に「恐怖症」(異形コレクション:光文社文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。往きに石神茉莉氏「夜一夜」を読み終えた。ヒロインの少女がなかなか魅力的である。それだけ。次の柴田よしき氏「つぶつぶ」は…いやー、これは笑える。作者もこれはギャグとして書いた…んだよね? 続く本間祐氏「恐怖六面体」は「超短編」の連作だが…これもよくわからない。
今日は余裕をもって仕事を早めに終えて日本橋に寄り、今日から始まるT-ZONEの閉店セールを覗いてみようかと思っていたのだが、やはり打合せが延びたりして16時半になってしまう。これじゃ寄り道はできない…というか、家にも寄らずに直接保育所に行かなきゃ間に合わないな。
疲れているし仕事の荷物も持っているので、今日は寄り道をせずに家に帰る。そして息子にウルトラマンコスモスを観せながらパソコンをいじる。コスモスが終わると彼は「きんにくばんづけ、もう、にどとやらへんのかなあ」「みたかったのになあ」とか言って涙声になっている。面白くなくなって終わったんじゃないから、彼なりに衝撃を受けているらしい。たんなる視聴者の5歳児でさえこれだけ惜しんでいるのだから、山田勝巳氏あたりの喪失感はいかばかりのものであろうかと思うのである。
息子は昨日ラーメンが食べたいと言って母親に作ってもらって、それを自分で運んでいて食卓に乗せたときにひっくり返して怒られて泣いていたそうなのである。それでカミさんに今夜はラーメンを食べに連れて行くように言われているのである。しかし、彼に何を食べたいか訊いてみるとウチで食べたいと言うのだ。電子ジャーの中を確認してみると、ご飯が大量に入っている。2日も外食してると古くなって食べられなくなってしまうな。カミさんが外泊するのにどういう意図でこれだけ大量のご飯を炊いていったのかは知らないが、これはおかずを買ってきて食べた方がいいでしょう。
息子と二人でスーパーに総菜を買いに行く。ここは20時で閉店のはずだから安くなっているだろうと予想したとおり、半額のものがいっぱいあった。二人で食べきれないほどのおかずを買って、味噌汁8食分を2セットに加えデザートにヨーグルト3個パックまで買って税込みで千円に満たないというのは嬉しいことである。
夕食後に息子がパソコンをいじりたいというので、膝の上に乗せて彼のために作ったリンクページを表示してやる。彼は円谷プロのサイトに行って、塗り絵を印刷してほしいと言う。しかし印刷しようとすると、プリンタは何も反応しないのである。プリンタサーバを開けて画面を見てみると、「MultiPASSの初期化に失敗しました」というエラーが出ているのだった。サーバを再起動しても状況は変わらない。サーバとプリンタの間にZIPドライブを接続したからかなあ、などと思って外してみる。しかし、それで再起動しても同じである。サーバにプリンタの状態を制御できるソフトとか入ってないか探すが、どうもそういうものは入ってないようである。息子がじゃれついてくる。こら、誰のために私がこういう苦労をしていると思ってるんだ。ZIPドライブを繋いだ状態で印刷のテストはしたはずだから、やはりそのせいではない。ちょっと安心した。使うときは繋ぎ換えないといけないというのは現実的じゃないからな。これは何か状態がおかしくなっているに違いない。サーバは何度も再起動しているから、プリンタの方が疑わしいな。そういうことで、プリンタの電源コードを引っこ抜いてから全て再起動したらエラーは出なくなった。PCから印刷すると…おお、プリンタが動き出したぞ。しかし、紙が出てこない。どうも、紙をうまく認識できていないようだ。プリンタに埃が溜まるというのでカミさんがビニールシートを被せているのだが、それがシートフィーダーを圧迫しているせいかなあ。紙を挿しなおして再度印刷すると、やっと紙が引き込まれた。ふう、何とか父の威厳を保つことができたな。しかし、パソコンはハマると大変である。パソコンを使うと生産性が上がるというのは嘘かもしれない…などと思うひとときである。
▲6月2日(日)▼ →
7時過ぎに目覚ましが鳴ったので起きる。雨戸を開けて寝たので眩しいのもある。しかし息子は直射日光を浴びながら熟睡している。これは起きないかな…と思いながらも「ハリケンジャー、観いひんか?」と言うとすぐに起き上がる。やはりモチベーションが高いと起きるんだな。目はなかなか開かないみたいだけどね。ハリケンジャーと龍騎を観てから朝食を食べる。まだご飯が大量に残っているので今朝の朝食も納豆にご飯である。
息子は朝からずっとスパイダーマンを観に行こうと言ってうるさい。父ちゃんは日記を更新するまでは家を出ないんじゃ。それで私のライブラリからウルトラQの2本目のテープを出してきて観せることにする。録画データを見ると、84年になっている。20年近く前の映像が再生できるんだ。考えればスゴいことである。間のCMにスタレビの大阪公演の宣伝が入っていて驚いたのだった。しかし息子は2つ目の話の途中でまた映画を観に行きたいと言い出す。腹が立ったのでビデオを止めるのである。
日記を上げて昼頃に家を出る。このまま行くと映画館には開演ギリギリに着くことになってしまう。次の回を観ることにして日本橋に寄ることにする。やはりT-ZONEの閉店セールに行きたいのである。ポイントも使わなきゃいけないしね。地下鉄の中で「父ちゃん、お前につきあって映画観に行くんやから、お前も日本橋につきあってくれ。わかるな」と言いきかせるのである。
日本橋に着いて歩いていると道端で鉄道写真を売っているにーちゃんがいる。息子が喜ぶのではないかと思って「これ、何?」とか話を振ってみるが、彼は興味を示さない。もうこっちの方は興味の中心じゃないのかな。ガチャポンの専門店ができていて、そこではハリケンジャーのを見つけて欲しそうにしてたんだけどね。しかし、日本橋でガチャポンの店が増えているのに驚いた(「ガシャポン」とか表示してあったりしたけど)。これは想像もできなかったなあ。こういうところに店を構えてペイするほど売れるんだろうか。
目的地に着く前に息子は腹が減ったと言いだした。しつこいので吉野家に入ることにする。彼は「おいしい」と言いながら食べていたのだが、半分も食わないうちに「きもちわるい」と言いだした。卵と牛肉はキミには濃すぎたかね。残っているのを私が引き継ごうとしたが…肉がぜんぜん残ってないじゃないか。そりゃ気分も悪くなるでしょうよ。
T-ZONEに入るが、めぼしいものは残っていない。やはり昨日に来るべきであったか。辛うじてサプライ売り場が7割引になっていて、ZIPディスクの250MBがあったのでその3枚パックを2つ買うことにする。マイナーな製品を使っていると得をすることもあるということか。ポイントは500円分以上貯まっていた。それを使うとけっきょく1枚500円くらいで買えたことになるか。まあまあ満足である。かなり店内に長居してしまったので、息子にガチャポンを買わせてやることにする。ちょうど店の外に並んでいる。彼に何を買うか訊くと「うるとらまん」とか応える。「ハリケンジャー違うん?」と訊くが、迷いはないようである。とか言っていたのだが、100円玉を2枚を渡すとけっきょくハリケンジャーのに入れたのであった。何のこっちゃ。歩きながら息子は中を覗き込み「つのがある」「ごーらいじゃーや」とか言っている。それじゃ、座れるところに行こうか。そういうことで、大型電気店に入って休憩所の椅子に座る。カプセルに入っていたのは小型のフィギュアのようである。彼は自分で組み立ててしまった。やはり、やる気があると違うんだな。
息子は電器屋に入るとパソコンをいじる。「すぱいだーまん、いれたい」とか言っている。スパイダーマンにナニを入れたいんだろう?とか思った…ということはないが、訊いてみると、私がGoogleのイメージ検索画面で「怪獣」と入力して画像を検索したのを見て、自分もスパイダーマンの画像を検索したいと言っているのである。IMEの設定をカナ入力に切り替えてキーボードを押させる。でも、カナ入力を覚えられるとイヤだなあ。私は個人的にはローマ字入力の上がいいと思っているのだ。だから、ローマ字を覚えるまではキミは自分のパソコンを持てないんだよ>息子
映画館に行き、スパイダーマンを観る。なかなかよくできた映画だったが、どうもあの「アメリカ的」な世界に居心地の悪さを感じてしまう。やはり、アメリカでは「眼鏡をかけた優男」というのは馬鹿にされるのか。だからこそ、クラーク・ケントもああいうキャラクターだったんだろうなあ。そういう意味では私は日本人に生まれて良かったよな。私が就職した頃は黒縁眼鏡をかけていて、当時はあの映画が流行ってたので「スーパーマン」と呼ばれていた身としては辛いものがある。あと、ヒロインに全く魅力を感じないのが困ったものである。劇中では「あんな美人」とか言われているんだが。やはりあれは「アメリカ的美人」なんだろう。私ゃ、ああいう顔の部品が大造りで大口を開けて歯を剥き出して笑う女というのは醜悪にしか感じないのである。まあ、元がアメコミだから仕方ないか。それから、CG部分の「慣性質量」の表現が足りないような感じがするのが気になった。あと、糸を出すならお尻からじゃないかと思うんだけどな。
映画館を出て信号待ちをしていると、息子が道端の電信柱を触っている。何かと思って見ると、ポールにくっついているガムの噛みカスを触っている。慌ててトイレに連れ込んで手を洗わせる。彼が石鹸を出そうとして排出口のところを押すと、勢いよく出て顔射されてしまったのであった。頭のてっぺんまで白い泡が飛散している。なかなか悲惨な状況である。
しかし、疲れた。いつもなら街に出ると本屋とかパソコンショップとかに寄ってから帰ろうとか思ったりするのだが、とてもじゃないがそういう気分にならない。まっすぐ地下鉄の駅に向かう。それに反してトイレを出た息子はまたずいぶんとハイである。私の前をパタパタと駆けてゆく。床のブロックを一つおきに跳んだり、盲人用のブロックの上を走ったりしている。スパイダーマンになった気分なんだろうな。ヤクザ映画を上映している映画館からみんな肩を怒らせて出てくるようなものだろう。
地下鉄を降りて駐輪場に行くと、我々の乗ってきた自転車が倒れて3台くらいの下敷きに
なっていた。ここは無料だから無法地帯なんだな。引きずり出しているとガイジンの兄ちゃんがやってきて「だいじょうぶ?」と言いながら乗っている自転車を起こそうとする。そんなことをされると私も他人の自転車を起こさなきゃいけなくなっちゃうじゃないか。自分のを引きずり出したら他のは放っておこうと思ってたんだが(苦笑)
今日も帰りにスーパーに寄って半額になっている総菜を買う。昨日のおかずがまだ残っているので今日は昨日の半分の金額ですんだ。スーパーを出て自転車に乗ろうとして気がついた。傘立ての柄が折れている。この自転車は息子の送り迎え用なのでカミさんが傘のホルダーをつけているのである。駐輪場で倒れたときに折れたんだろうな。家に帰って夕食を食べるが、息子は口が痛くてご飯しか食べられないと言っている。どうしたんだろう。
▲6月3日(月)▼ →
今日も通勤中に「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。今日は速瀬れい氏「夢の奈落」を読み終えた。これは良かったですね。妙にホラーにしないで、「恐怖症」というテーマを真っ正面から描いているのがいい。まあ、この作品が「異形コレクション」に入れるべき作品かというと、それはまた別の問題だが。
今日は通勤中に「愛の世代の前に」(浜田省吾)を聴いている。ハマショーである。このアルバムが出た当時、入ってる曲をいくつか有線で聴いて、良かったから買ったのである。なかなか楽曲の質が高くて素晴しいアルバムである。私ゃこの人のファンではないんだけど。でもある意味、「ファンじゃないけど、それでもこの作品は誉めなければならない」と言われるほうが、偉いことなんじゃないだろうか。
土曜日に無理して新大阪の客の仕事をしたので今日は落ち着いて広島の客先の仕事をしようと思っていたのだが、また新大阪の客から性能面のクレームが来たので評価環境を設定しろと昼前に発注元から言われてしまった。それをやるはずだった部下がまた別の客のトラブルで出て行ったので、けっきょく私がやることになる。このソフトの設定は彼に任せていたんだがなあ。マニュアルを見ながらやるので時間がかかる。しかもこのマシンを繋ぎ込もうとした環境がおかしくて、原因を調べるのに開発部門の人の応援を頼んだりしてもう大変である。とりあえずひととおり動く環境を整えたときには朝の4時になっていた。
金曜日は1時まで仕事をして土曜日も出勤してそしてこの月曜日に徹夜とは、なかなか悲惨なことである。昨日は一日中街中を歩き回っていたしなあ。仕事場を出たときには空はもう明るくなりかけている。タクシーで駅まで移動してそこから自転車で家に帰ると5時を過ぎている。食事の用意をして食ったりしていると6時。そして日記を上げてから寝ようと思って書いていたら妻子が起きてきたのであった。
▲6月4日(火)▼ →
カミさんに起こされて目が覚める。11時半である。徹夜明けの状態から3時間くらい寝ていたことになるか。熟睡していた。まるで泥の中で溶けかけていたのを引きずり出されたような気分である。身体も心もどろどろのべたべたである。崩れずに動き出せるようになるまでに、けっこう時間がかかった。
今日も通勤中に「愛の世代の前に」(浜田省吾:→【amazon】)を聴いている。昨日は帰りに聴くことができなかったので、1回しか聴けなかったのでる。このアルバムを聴いていて感じるのは、レコーディングに参加しているメンバーの実力の高さだな。ちょっとした間奏の一つひとつが洒落てるし、巧い。もちろん全体としても素晴しい出来である。
相変わらず通勤中に「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。まずは飯野文彦氏「浸食」を読み終えた。導入部は何となく懐かしい感じだったが、最終的には何だかよくわからない。続いて倉阪鬼一郎氏「布」を読み始めたが…なるほど、そう来ますか。これはなかなか鋭い切り口ですな。でも、オチがイマイチ。次の横田順彌氏「恐怖病」は押川春浪シリーズの話だが、これもオチがイマイチ。時子さんも出てこなかったしな<それは読み方が違う
今日はさすがに朝から出勤したら死んでしまうので、昼から本社に出て先月分の報告と事務処理をすることにする。だから定時に帰って家でワールドカップの日本戦でも観ようかと思っていたのだが、昨日設定したサーバに関しての問い合わせが殺到して仕事にならないのであった。けっきょく、19時過ぎまで本社にいた。家に着いたらちょうど終わったところ…というタイミングだな。スポーツ新聞社のサイトを再表示すると「後半開始」という内容が表示された。
これは直接家に帰らずに中継を観れるところを探すしかないか。キタ方面に出れば、テレビを観れるところもあるだろう。そう思って本社を出て北方向に歩き始めたら、近くのビルの中から歓声が聞こえてきた。朝日新聞社のビルである。社内でみんなで観てるんだ。まあ、マスコミだからな。それも仕事だと言えるんだろう。
堂島の地下街に入るが、意外と電器屋とかが見あたらない。大阪駅前ビルの地下に迷い込む。ここも、飲食店に入れば観れるところもあるようだが、家で食事の用意ができているはずなのにそういうところに入るわけにはいかない。飲み屋の前を歩いていると、またまた中から歓声が聞こえてきた。また点を入れたのか。2点取れば勝てるんじゃないだろうか。それにしても観たいぞ…とか思いながら、テレビを見れる場所を探して早足で歩く。暑い。ようやく、人だかりがしているところを見つけた。パソコンショップの店頭である。何とか群衆の中でモニターが見える位置を確保するが、やはりパソコンでテレビを観るのは辛いと実感する。時間軸方向の解像度が悪すぎる。遠くからだとボールの動きなんか見えやしない。それでも、雰囲気を味わえるだけでもいいだろう。そう思ってそこに留まることにする。
やはり日本はリードしている。しかし、押されているようだ。かなり息が上がっているように見える。まあ、こういう大舞台の初戦では飛ばしすぎるものだからな…とか思っていたら、案の定同点にされてしまった。やはり日本は客が大人しいなあ。もうちょっと相手にプレッシャーをかけるくらいのことはやれるんじゃないかと思ったりもするんだが。けっきょく、引き分けである。最後はヒヤヒヤしながら観てたので、よくやったという感じかな。それにしてもいいチームになったものである。特に中田英が素晴しい。ここ一番の動きは明らかに周囲とレベルが違うように見える。前のワールドカップのときは、まるでやる気がないように見えたんだけどね。
家に帰る途中でBOOKOFFに寄って本を1冊と100円のCDを5枚買う。しかしこういうところに行くと、大量の在庫の中から買うべきものを選ばねばならないので非常に時間がかかる。今朝は寝てないのになあ。早く帰れたからといってこういうところに寄るとは、馬鹿じゃなかろうか。
家に着いて、テレビでワールドカップのダイジェストを観る。やはり韓国のサポーターは元気がいい。観客席が真っ赤っか。まるで唐辛子畑だな。日本戦を観るが…2点ともセットプレーじゃないのね。これは偉いことである。なんだかここしばらく、日本が点を取る形がぜんぜん想像できなかったりしたからな。しかし稲本、化けたな。なんか、フォワードよりもフォワードらしい仕事をしているような気がするぞ(笑)。移籍に際して「2002年のワールドカップがすべてじゃないと思っている」と言ったのは偉いが…とか思っていたのだが、けっきょくはこの道が最短だったのかもしれないね。まあ、次の試合でどうなるかはわからないけど。
▲6月5日(水)▼ →
今日は通勤中に「Verse-Day」(金子美香)を聴いている。10年以上前に深夜の音楽番組で「あやまらないで Bad Boy」を歌っているのを観てそれが良かったので買ったのである。なかなか元気が良くてよろしい。しかし、Webで調べていて知ったのだが、どうもヴォーカルが本職じゃなかったのね、この人。まあ、聴いてて不快にならなければそれでいいんだが。本職でも酷いのがいるからね。
引き続き「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。今日は瀬名秀明氏「眼球の蚊」を読み終えた。日常に異物が侵入してくる話である。こういうのを読むと小松左京という作家の偉大さを思い出してしまいなすなあ。そういえば先日、部下が「目の中に黒い点が見える」と騒いでいた。視線を動かしたときに視野の中を移動するということだったので飛蚊症だろう。医者には様子を見るようにとしか言われなかったというので、それはもう治らないと言うと「えー、これ治らないんすかー、うっとうしー」と大騒ぎである。今まで経験したことがなければそうかもしれないなあ。実在しないものが視界に現れて邪魔をする。視線を動かしてもついてくる。気にするなと言っても無理な話である。私なんかは中学生の頃からつき合ってるから、普段はほとんどその存在を意識してないんだが。いや、意識し始めたのも図書室で借りた天文関係の本に観測の邪魔になるものとして書いてあったのを読んだからだったからな。
金曜日にまた広島に行く予定だったのだが、さらに明日の夕方から打合せが入ってしまった。明日から1泊ということになるか。泊まるとなると準備もあるので今夜は早く帰ろうと思ったのだが、けっきょく22時までかかってしまった。ツラい。
▲6月6日(木)▼ →
今日は通勤中に「Christopher Cross」(Christopher Cross:→【amazon】)を聴いている。これは好きなアルバムだ。私の人生の中でもベスト10に入る…かどうかはわからないが(笑)、それくらいの作品である。デビュー曲の「Ride Like The Wind」のように気合いが入っているものもいいが、「Never Be The Same」のように力を抜いて軽く楽しげに演っているのがたまらなく気持ちいい。次の「Poor Shirley」もスケールが大きい…というか、この真っ直ぐさが感動的だ。
引き続き「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。今日は朝松健氏「荒墟」を読み終えた。こりゃまた凄惨な話でしたな。しかしこの外道な主人公の「他人に共感できない」というところに共感できる自分って、何なんだろう。
そして、今日も広島に移動するので「火星人ゴーホーム」(フレドリック・ブラウン/稲葉明雄:ハヤカワ文庫 SF:→【amazon】:→【bk1】)を読み始める。どういう話かというと、現実の生活に「荒らし」が出現する話なのである。匿名掲示板に来るヤツならそこに行かなければいい話なんだが、実生活にこういうものが闖入してくると別の世界に行くわけにもいかず鬱陶しいことこの上ない。この電脳世界の存在だった「荒らし」が現実世界に出現したらどうなるかを描いたところがSFである。何せ奴らはこちらと物理的な関わりを持つことはできないが、精神的には極めて忌々しい存在なのである。そう、相手が自分に触ることができないとわかると、ある種の人間は「火星人」になるのだ。
今回は出張用パソコンを持ってくるかどうか迷ったのだが、広島には1泊の予定なので持ってきていない。データを同期させる余裕もなかったしね。会議開催通知が15〜19時となっていたので今夜はネットワークに繋がれないから早く寝ようと思っていたのだが、けっきょく終わったのは23時前である。そしてホテルに入ってワールドカップのフランス対ウルグアイ戦のダイジェストを観はじめると、コンビニで買ってきた弁当がなかなか食べ始められない。やはり世界最高レベルにある人間たちが全力を尽くして闘っている姿というのは、私のようにサッカーに詳しくない人間でも目を離せなくなってしまうものですねえ。
▲6月7日(金)▼ →
今日は朝から広島で打合せである。会議室はパーティションで区切られているのだが、その壁がミシッと音を立てるたびに身構えてしまう。隣の部屋のドアが開閉されることによる気圧の変動で歪むときの音なんだけどね。阪神大震災の余震が起きるたびに前触れとしてミシミシいう音が西北西からやってきていたのを身体が覚えているのである。あの頃はまだNIFTYに入ったばかりで息子もまだいなかった。そのくらい昔のことなんだが。ウチのようにそう大した被害が無かったところに住んでいた人間でもこうなんだから、被災した方々はもっと酷いだろうなあ。
広島での打合せは午前中で終わったのだが、大阪に移動してまた仕事をするのはキツいので応接室を借りて夕方まで大阪のメンバーで来週の作業を打ち合わせる。それが終わり、広島発のひかりまで1時間以上あるので広島駅ビルの本屋に入る。そこで「対なる者」シリーズの3冊(→【amazon】:→【bk1】)が並んでいるのを見つけてしまった。これはまた奇特なことではある。まあ「広島カープ」(宝島社文庫:→【amazon】:→【bk1】)という本がドーンと本棚1段を占領してたりするのは「いかにも広島」という感じなんだけどね。広島駅の改札では、女性の駅員さんが浴衣姿で切符を切っていた。南の方の道路沿いでは屋台が出ていたらしいから祭りでもあるのだろう。いや、「切符を切る」という言葉は正確じゃなくて、今はスタンプを押しているだけなんだが。ひょっとして、今の若い人には「切符を切る」という言葉は理解できなかったりして。
帰りの新幹線の中でも「Christopher Cross」(Christopher Cross:→【amazon】)を聴いている。やはりこういうサウンドは非常に体質に合う。オフコースもアメリカに進出しようとしたときに向こうでクリストファー・クロスに似ていると言われたらしいからな。そういえばクリストファー・クロスも子供の頃は横浜に住んでいたらしいけど、小田さんや鈴木さんも同世代で横浜出身だし、当時の横浜には何かがあったんだろうか…などと妄想してしまうのである。
広島発のひかりが出発する20分前に本屋を出たのだが、ホームに着いたときには列車が入ってくるところであった。もう少し早めに出るべきであったか。それでも何とか2人掛けの窓際を確保することができた。金曜日の夕方だけあって、広島発でもさすがに人が多い。それでも立つ人が出るほどではなかったのだが、神戸に着くと大量の人が乗ってきた。座席の間の通路にまでびっしりと人が立つような状況になってしまう。えらい混みようである。なんだか、外人さんも混じっているようだ。家に帰ってカミさんに訊くと、やはり神戸でワールドカップの試合があったそうな。なるほどね。
疲れている。物欲をコントロールすることができない状態である。大阪に着いたときには20時前である。ヨドバシカメラもソフマップも開いている。行ってしまう。ヨドバシではヘッドフォンを買ってしまった。mpmanに繋いでいるヤツの調子が悪かったからこれはいいんだが、ソフマップでプロアトラスWの全国DVDを買ってしまった。新製品だしヨドバシより1000円安かったので思わず買ってしまったのである。やはり地図ソフトはパソコンに入れておきたいソフトの一つであるからなあ。ZENRINの電子地図は買ったんだが操作性が悪くて使い物にならなかったからな。疲れているとついつい財布の紐が緩くなってしまうのである。
しかし、フルインストールで8.5GBですか。私のマシンの内蔵ディスクはそんなに空いてないぞ。やはり、これでNASを導入する理由ができたな(苦笑)。でも、最初の製品は買いたくないな。あちこちで遅いと言われているみたいだから次の機種では可能な限り性能のチューニングはされるだろうし、ネットワークに1台接続するにしては80GBはちょっと少ないような気がする。早く次の機種を出してくれ。今なら疲れているからすぐに買いそうだ(苦笑)。
あー、野尻ボードで林譲治さんに呼びかけられたんで、思わず出て行っちゃったよ。あそこで不用意なことを書くと袋叩きに遭っちゃうから、避けてたんだけどなあ。私みたいに薄々の一般人にはちょっと荷が重い。
▲6月8日(土)▼ →
目覚めると昼である。一昨日は出張でパソコンが使えなかったので、昨夜は5時まで起きていたのである。妻子が起きたのも全く気づかなかったな。しかし、元気が出ない。7時間も寝たのになあ。何とか自分の用事とパソコンのバックアップは済ませたが、あとはWebを見て回る気力もない。重症である。仕方がないので、ぶらぶらと可愛い女の子の絵が置いてあるサイトを探すことにする。それほど期待せずに廻っていたのだが、いきなり凄いのを見つけてしまった。「つちのこ準星群」なるkojitaさんという方のサイトである。これはいいものを観せていただいた。少しは元気が出そうである。
▲6月9日(日)▼ →
7時過ぎに目が覚めた。起きるか。息子に声をかけると、すぐにすっくと立ち上がった。平日の朝とはえらい違いである。いつものようにハリケンジャーと龍騎を観て朝食を食べる。そのうちにカミさんが起きてきた。今日はカミさんが息子を「小林サッカー」を観に連れて行ってくれるそうである。それまでにパソコンを使うというので、録画していたハリケンジャーと龍騎をまた息子に見せる。しかしパソコンをいじりながら見ていたカミさんがハリケンジャーに出てくるゴウライジャーの兄弟がツボだとか言って騒いでいるのであった。まあ、同性愛じたいがタブーだから、それに近親相姦が加わったって同じだけどね。いや逆に同性愛だと近親相姦を禁じる理由が無くなるんじゃないだろうか。などとコワいことを考える自分がいる。疲れているんだよー
映画を観に行った妻子は思ったより早めに帰ってきた。面白かったそうである。息子は自転車で駅まで移動して、途中で自動販売機に商品を補充しているところに突っ込んだりしたそうである。まあ、まだ初心者だからね。私が自転車を買ってもらったのは小学校も中学年になってからだからなあ。時代は変わったものである。妻子が腹が減ったというので夕食を食べに出ることにする。息子にリクエストを訊くとラーメンがいいというので例のラーメン屋に行くことになる。まだ早いが、早く食べてワールドカップの日本戦が始まる前に帰ってくるべきだな。みんなそう思っていたようで、けっこう混んでいた。妻子を隣の古本屋に行かせて私が列に並ぶ。
ラーメンを食べ終えてカミさんが座椅子を買いに行くと言うので、また妻子を車で行かせて私は隣の古本屋の店内を巡回する。先日私が出したと思しき本も並んでいた。文庫本とかはそれほど回転が良くないのかなあ。
ラーメン屋から帰ると20時頃だったのだが、まだ西の空が明るい。カミさんが息子を風呂に入れろと言うので、20時30分の試合開始までにと息子を洗って必死で出てくる。試合が始まったが、日本が圧倒的に攻めている。こんなにボールを支配できるとは思ってなかったな。しかし、点が入らない。得てしてこういうときに逆に点を入れられるとガタガタッときたりするのだが…とか思いながら前半が終わる。しかし、後半に入ってやってくれました。また稲本でしたか。まあ、あれはアシストした柳沢の方が巧いと思うんだが、それでもちゃんと決められるというのは偉いものである。他の選手は(中田英でさえも)シュートチャンスになると球の押さえが利いてなかったからね。そして、得点後はまた圧倒的に攻められる。疲れてきているのかパスの精度が悪くなっているので心臓に悪い。それでも、敵も疲れたのか諦めたのか投げやりな攻撃が多くなったので助かったが。疲れてもコツコツ地道にやってくるような相手だったら危なかったかもね。あと、トルシエ監督は大舞台になると緊張してうまく采配できないと評されていたんだが、この試合を見る限りは選手交代もムードとか選手の疲労度とかを見てうまくやれてたみたいだしな。
昨日バックアップも済んだので、プロアトラスWの全国DVDをインストールしてみることにする。しかし、いきなりインストールできないのである。『いくつかのファイルは、現在システムの他のプログラムで使用中のためインストールする事ができません。新しいプログラムをインストールするためには、システムを再スタートして、再度「SETUP.EXE」を実行してください』というメッセージが出て再起動しようとするのだが、そんなソフトは起動していないので当然のように再起動後も同じメッセージが出る。そこでそのまま言われるままにすると、永久ループの無間地獄に陥ってしまう。何なんだ? 「あとで再起動する」を選んでインストーラを終了させ、タスクトレイ上の常駐ソフトをすべて終了させるが状況は変わらない。スタートアップに入っているショートカットをすべて移動させて再起動しても同じである。調べてみると、DLLをシステムフォルダにコピーしようとしてロックされていたときにこういうエラーになるらしいが、そういうことだったら再起動しても状況は変わらない可能性の方が高いと思われるのでこういう動きをするようにしちゃ堂々巡りになっちゃうと思うんだが。けっきょく、「窓の手」で自動実行をすべて削除してインストールができるようになったのだった。犯人は不明のまま。これによる時間のロス、約2時間。責任者出て来い!
▲6月10日(月)▼ →
今日は通勤中に「You Got It」(横山輝一:→【amazon】)を聴いている。オープニングのノリはクボタかと思っちゃったですよ。でも、それ以外はやはりそんなに印象に残らない。いちばん盛り上がるのが最後に入っている既存の曲のライヴだというのも何だかなあ。
そして帰りに「火星人ゴーホーム」(→【amazon】:→【bk1】)を読み終えた。四半世紀も前(なんと、当時は真空管が温まるまでラジオから音が出なかったのだ)に出版された作品としては(道具立てが古い部分もあるが)物の考え方じたいは全く古びていない。それは「道具」じゃなくて発想で勝負してるからなんだろうか。描かれた時代に関係なく、ある設定に対して突き詰めて考えて描かれた作品が読みたいんだよな、私は。
ううむ、そういう意味では牧野修氏「斯くしてコワイモノシラズは誕生する」も凄い。また「恐怖症」(→【amazon】:→【bk1】)を読み始めているのである。目のつけどころもそれを表現したときの迫真性も、ここまでの作品とは明らかに違う。最後にもう少し驚かせてくれるかと思ったんだが、それは高望みだろうな。
今夜も22時半まで仕事をしていた。地下鉄の駅から出たときに雨がパラついていたのでコンビニでマンガ雑誌に目を通すのを中止して家に向かったが、それでも23時を過ぎてしまう。着替えるために階上に上がってゆくと、暗い寝室の中からいきなり息子の声が聞こえてきた。びっくりしたな。まだ起きていたのか。私が食事を食べていても階上からドンドンいう音が響いてくる。今夜はまたずいぶんと元気である。けっきょく、居間に下ろして座椅子を倒した上で過ごさせる。寝室では跳ね回っているのだが、こういう普段と違う環境だと嬉しそうに横になるのである。そのうちに眠ってしまった。
明日は早めに家を出なければならないので寝る前に日記を更新しようと思って書きはじめたのだが、けっきょく4時になってしまった。馬鹿である。何でこんなに時間がかかるのかね。
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