2000年 4月中旬の日記
前の日記へ
4月11日(火)
昨年カミさんが本を2冊出して収入が増えたので、私の扶養対象から外れることになる。私がずっと出張していた後で入院してしまったので、いま手続きをしているのであるが、なかなか面倒臭い。保険も年金も、まず私の健康保険から抜けてからでないと抜けた証明ができないというのである。今日健康保険証を出してきたのだが、手続きが終わるまでに2週間くらいかかるらしい。必要なときには証明書を出すとか言っていたが、緊急時には持ち出しになるわけね(証明書が出るのは明日になるから医者に行くのは明日にしよう、なんてことは普通ないだろう)。今年のカミさんの収入が少なければ、来年はまた逆の手続きをしなければならないし、扶養というのは不自由なものである。特に収入が不安定な場合は。これも女性の社会進出を妨げてるよなあ。まあ、カミさんの収入が少ないときには保護されていたということなんだけれど。

もう、日記と実時間が10日以上離れてしまっている。必死で日記を書いていると、息子を寝かせていたカミさんが寝室から下りてきた。すぐに寝室の扉が開く音が聞こえてきた。階段を上がっていくと、息子が扉の隙間から顔を覗かせている。私が寝かそうと上がっていくが、彼は例によって「かーちゃんと、ねる」と言って泣くのである。「母ちゃん、お仕事やから」と言っても泣き続ける。ついにカミさんが「放っとけばあきらめて寝るのに…」とぷりぷり怒りながら上がってきたのだった。最近、夜にカミさんの機嫌が悪いと思ってたら、同人誌の締切が近いらしい。そういうふうにはぜんぜん見えなかったんだけどねえ(苦笑)。今回はグー×ハーらしい(意味のわからない人、すみません)。



4月12日(水)
今朝、仕事場に行く電車の中で「猫の地球儀 幽の章」(秋山瑞人:電撃文庫)を読み終わった。やはり戦闘場面になると、この人の文章のスピード感というのはすごい。同じように文字を並べているのに、どうしてこんなに違うのだろう。私ごときでは分析も真似も不可能である。これはもう才能の差としかいえないか。そのへんの作家とは明らかにモノが違う。泣かせる話だしねえ。

カミさんの収入が扶養者としての限度額を超えたことにより、昨年の家族手当も支給すべきではなかったということになって、返金しなければならなくなっている。月に1万ちょっとといっても、1年分(ボーナスも)ともなると、けっこう大きい金額になる。よく考えてみれば、カミさんの昨年の収入の1割以上になるんだな。これは辛いねえ。

今日は昼休みに会社の近くの書店で暗い森 神戸連続児童殺傷事件」朝日新聞大阪社会部編:朝日文庫)を買った。例の酒鬼薔薇事件のルポルタージュである。ざっと目を通した限りでは、母親の性格に問題があったのかなあ、と読めるが、もっとひどい母親もいっぱいいるだろうからなあ。

今夜も家に帰り着いたときは、妻子は風呂に入っていた。今日は私が玄関に入る前から息子は「おかえりー!」とか言っている。自転車を停める音が聞こえたか。彼は今日、弁当のご飯を全部食べたのを誉められたので、そのことばかり言っているらしい。「すごいなあ」と言ってやると、嬉しそうである。パジャマのボタンも自分ではめている。押してはめるタイプであるが。これも誉めてやると、すごく得意そうだ。



4月13日(木)
今日も電車の中で「異形コレクション15 宇宙生物ゾーン」を読む。往路で石田一氏「破滅の惑星」を読み終えた。何だかありがちな話だなあ。帰りには田中啓文氏「三人」を読んだが、こういう刺激にも飽きてきたなあ。人間は慣れてしまう動物なのです。次のとり・みき氏「宇宙麺」はなかなか面白かった。やはりこういうのはビジュアルだとインパクトがありますね。

今日は昼休みに職場近くの本屋で長寿学藤本大三郎:ちくま新書)を買う。こういう話題にはとても関心があるのだ。半分くらいはすでに知っている内容であるが、それが自分の知識とおおむね一致しているので安心して読めるのである。そういう意味では、今日家に帰ると妻子が風呂上がりにチューペットを食べていたが、合成樹脂に歯を立ててしゃぶるというのはちょっと危険なような気がするなあ。合成樹脂自体はちゃんと重合してしまえば危険はないのかもしれないが、柔らかくするためとか何とかで、かなり添加剤が入ってますからねえ。現在の技術では検出不可能な量でも出ていないとは言えないわけだから。避けられる危険は避けた方がいいんじゃないだろうか。

今日は私の布団を干したらしいので、カミさんが息子を寝かせに行くときに一緒に寝室に入る。自分の布団は自分でベッドメークするのだ。寝室に行くと息子ははしゃぐ。私がいるとさらに元気になる。布団の上にダイビングしたり、ゴロゴロ転がったり。そのうちに、彼は頭を母親の顔面にゴツ!、とぶつけてしまった。…かなり怒っている。息子が絵本を読んでほしいというので私が読もうとすると、彼女は「それやったら母ちゃん下りるからな」と言って階下に下りていってしまった。息子は「かーちゃーん、かえって、きてー」と号泣する。寝るときは父親ではいけないらしい。辛い。母親はまた上がってきたが「読むんやったら下りるで」と言い捨てる。息子は泣きながら絵本を読んでほしいと言うが、私が「それやったら母ちゃん下りる言うてるで」と言うとまた泣く。いつまでも泣いている。母親は「うるさい! 泣くんやったらあっちに行って」と怒る。こんなことをしてるんだったら、読んでやった方が早く寝ると思うんだがなあ。読むのは私だし。そのうちに息子は布団を抜け出て泣きはじめた。また母親は階下に下りてしまう。息子が泣きわめくので、彼を連れて居間に下りる。かなり泣き疲れたようなので、座椅子に座って彼を胸の上に乗せ、頭を撫でる。激しくしゃくり上げてはいるが、大人しくなった。子供を寝かせるためには、こちらも安らかな気持ちにならなければならない。そのうちに私も眠ってしまっていた。目が覚めたときには、カミさんがゲームを始めるところだった。息子は眠っているが、ゲームの音が聞こえるとやはりまずいだろう。息子を抱き上げて寝室まで運ぶ。彼に布団を掛けて、私もそのまま動けない。また日記の更新が遅れるが、ま、いっかぁ…



4月14日(金)
今日は職場への往路に「異形コレクション15 宇宙生物ゾーン」収録のひかわ玲子氏「話してはいけない」を読んだ。これはなかなかよかったですね。ありがちな話なんだけど、論理的にアラが見えないし、何よりも文章が読みやすい。電車を降りて、土佐堀川に架かる橋を渡っていると、川面を桜の花びらがゆらゆらと漂っている。どこからやってきたんだろうねえ。

今日も職場近くの書店で本を買う。私の翻訳談義 日本語と英語のはざまで」鈴木主税:朝日文庫)である。タイトルを見て、内容を確認するためにパラパラと立ち読みしていたらハマってしまった。私が普段から日本人の小説しか読まないのも、翻訳の文章を読んでいるとストレスが溜まるからなんだな。

今日は夜遅くから雨が降るという予報だったので、早めに職場を出て家に帰る。カミさんは鎮痛剤を飲んでいる。昨日の頭突きがまだ効いているのだろうか。夕食を食べてミュージックステーションを観る。小柳ゆきが出るのである。まあ小柳ゆきはホンモノであることを確認しただけでしたね。あれは口パクだったんじゃないだろうかと思ってしまうくらいに。

今夜はカミさんがハンニバルという本を読んでいたので長時間(3時間半くらい)インターネットできた。副鼻腔炎や飲んでいる抗生物質アレルギーの薬についていろいろ調べてみる。雑多な情報でも、まとめて読んでいると少しは全体像が見えてくる(ような気がする)。やはり、インターネットは素晴しい。しかし、この2つの薬、いっしょに飲むとマズいんじゃないかというような気もしてきたぞ。こんど病院に行ったときに訊いてみよう。で、「ハンニバル」なのだが、私は歴史物かと思っていたのだが、カミさんに聞くとハンニバル将軍の話ではないらしい。大笑いである。



4月15日(土)
雨が降っている。暗いので起きるのが遅くなってしまった(実は、遅くまでインターネットしていたせいだという噂も)。息子はかなり前から目が覚めていたようだが、寝室から出るときになって持って下りるべき水筒(お茶を入れたペットボトルなんだが)が無いと言ってゴネている。昨日持って上がらなかったんだろう。それは不可能だよ。

今日は、朝からカイロの予約を入れているので私が息子を保育所まで送ることになる。遅くなってしまったので自転車で行く。雨の日に息子を乗せて自転車に乗るのはあまり愉快ではないが仕方がない。息子は、朝食を食べると機嫌が直ったようである。レインコートを着せて自転車に乗せているが、雨の中を走るのをけっこう楽しんでいるようだ。

今日のカイロは客も少なく、比較的あっさりと終わった。しかし、自転車に乗っているとかなり濡れるうえに、寒い。薄着で来たのを後悔してしまった。両方の手は露出しているうえに濡れて風が当たるので感覚が無くなってしまった。もう4月も半ばなのにねえ。

家を出るときにカミさんに「何か買ってくるものは?」と訊いたら「お好み焼きもいいかもしれないわね」と応えたので、帰りに2枚買って帰る。しかし家に帰ると、カミさんは寝ていた。夕方まで寝そうな勢いである。腹が減ったので一人寂しく1枚食べる。カミさんが起きる頃には冷えちゃうなあ。

今夜も外食である。土曜日は外食の日になっちゃってるなあ。なぜかカミさんが、バスで30分ほどの距離の駅の近くにある中華料理屋が美味しそうだから食べに行きたいと言う。まあ、雨が降っているから自転車は使えないんだけれども。息子はバス停に行く途中にあるガソリンスタンドのカーウォッシャーが怖いらしく、家を出る前から「かーうぉっしゃー、いくん?」と訊いている。「前を通るだけやで」と言っても不安は拭えないようである。歩きながらも何度も「しんぱいしなくても、い?」と確認する。けっきょく何も起こらなかったんだけどね。そういえば、息子とバスに乗るのは滅多にないな。彼はバスを見て「あおと、きいろの、ばす!」と言って大騒ぎである。現在、近鉄バスは赤白の旧型車両と青黄の新型車両が混在しているのである。

件の中華料理屋は、価格から見てまあ満足のいく味であった。食前酒のサービスもあったし(苦笑)。カミさんはジャスミン茶が出てきたのに喜んでいる。隣の席で大声で喋っているオッサンがいて、煙草の煙が少し流れてきたのがナニだったが。デザートをここで食べるか別のところで食べるか相談して、別のところで食べることにする。食べるスピードが落ちた息子に「デザート食べへんのか?」と言って脅かしながら食わせたので、席を立とうとすると彼は約束が違うという様子である。「別の店で食べるんや」と言うと「べつのみせで、たべるん?」と繰り返す。こらこら、あんまり大きな声で言っちゃだめだぞ。

「べつのみせ」に行く。私はカミさんの話を聞いて「甘いものの店」だと認識していたのだが、誤解であった。普通の喫茶店である。しかし、何より空気が悪い。喫煙者の割合が多い。テーブルもソファも煙草の焼け焦げだらけである。内装の更新はやってないのかね。息子があちこち舐めようとするので何度も止めさせる。親子ともストレスが溜まるな。そして客が多くてうるさい。致命的だったのが、店員が足りないのである。かなり大きな店だったのだが、一人しかいないのだ。店内に入ったところで「係のものが案内する」と書いていながら誰も来ないので変だと思っていたのだ。レジにも誰もいないし。たぶん、アルバイトにドタキャンされたのだろう。一人で客の案内、テーブルの片付け、注文取り、調理、配膳、会計…と走り回っている。これはかなり時間がかかりそうだ。ずいぶん待っていたが、注文したものが全く来ない。空気が悪くてうるさいので気分が悪くなってきた。私はまだ体調が万全ではないのである。熱が出そうだ。注文をキャンセルして店を出る。完全に時間の無駄だったな。

けっきょく、帰りにコンビニに寄ってアイスクリームを買い、家で食べることにする。コンビニで丸美屋牛肉すきやきふりかけ(復刻版)があったので買う。これは好きだったんだけど、店頭で見たことがなかったんだよな。何か理由があったんだろうか。「エイトマンシール入り」ですか。懐かしいなあ。復刻版と言いながら、バーコードやURLが印刷されているのは時の流れというやつですな。



4月16日(日)
昨夜は眠かった。カミさんも眠かったようで、息子と一緒に寝てしまった。しかし私は通信をするのだ。立派な中毒である。しかし、途中で何度も目の前が真っ白になる。ついに耐えきれず、座椅子を横にして倒れてしまった。気がつくと7時である。結局あまり眠れていないことになるのである。肉体と精神がスリープから復帰するのを待って、また通信を始める。まったく立派な中毒である。テレホタイムぎりぎりまで通信をしてゲームをしていたのだが、9時過ぎになって階上で人が動く気配がした。上がっていくと、妻子が並んで寝ている。息子に「起きるか?」と訊くが、彼は「おきへん」と言う。寝坊助め。誰に似たんだ。「起きたら下りて来ぃや」と言って寝室を出る。1時間後に再度行くと、今度は起き上がった。彼は昨日バスに乗れたことが嬉しかったようで、「あおときいろのばす、のったなー」とか言っている。

さっそく牛肉すきやきふりかけでご飯を食べようと思ったが、炊飯器を開けてみると、そこにはヒジキご飯が入っていたのだった。ありゃー、こらダメだ、ということでインスタントの味噌汁とヒジキご飯で朝食である。息子は味噌汁の具をスプーンですくって食べていたが、無くなったので汁を飲もうとして持ち上げたところでひっくり返してしまった。「あつい」と悲鳴を上げる。見れば、味噌汁をこぼして半纏の袖口に注ぎ込んでいる。脱がせて拭く。母ちゃんが寝てて良かったね。起きてたら「あー、もう!」とかいって怒られてるところだ。

パジャマの上着が濡れたので、タンスから着替えを出させる。息子はチェックのポロシャツを出してきた。頭から被ればいい服ではないので一人では着れないが、今日はおばあちゃんのところに行くからこういう大人っぽいのもいいだろう。私が前のボタンを留めていると、息子は自分でしたいと言いだした。そういえば、かなり前に自分でボタンを留めようとしていたな。あれからかなり経っているはずだから、どれくらい成長しているか見せてもらおうか…とは言っても、これは生地が固くてボタン穴が小さいから、大人でも難しいかもね。案の定、うまく留めることができない。私がボタンを半分穴に通してやると、左手で引っぱり出して留めることができた。次のボタンは自分でやらせる。コツがわかったようでずいぶんサマになってきているが、それでも生地が固いのでボタンをうまく通すことができない。ほんのちょっとだけ頭を出したのを左手の親指と人差し指の爪で挟んで引っ張るが、どうしても穴を抜けない。もう少しなんだけどねえ。今度は、もうちょっとボタンが大きくて生地が柔らかい服で練習しような。気がつけば30分くらい経っていた。そういや、今は食事中だったか。

息子はあまりご飯を食べない。しかし、「韓国産岩のり」で包んで食べさせると全部食べてくれた。食後に野菜ジュースとヨーグルトを与える。とりあえず乳製品を食わせておけば、それほど栄養バランスが崩れることはないだろう。

食事を終えて昨夜録画したヒッパレのビデオを見ようとしたところで、カミさんが起きてきた。ビデを見るが…おお、小柳ゆきの新曲を知念里奈EVEでやりますか。やっぱりこの曲も生半可な実力では歌いこなせませんからねえ。しかし、フルパワーで歌いきれば気持ちいいだろうなあ、この曲。でも、やっぱり里奈ちゃん、コーラスに負けてる。いつまでもアイドルではいられないだろうから、どこかでパワーアップを考えなきゃいけないと思うんですけどね。余計なお世話ですけど。そして、庄野真代麻倉未稀三浦理恵子ですが…うーん、ミスマッチだ。もったいない。で、トリはVOX―IVですか。やっぱいいっすねえ。の曲じゃないみたいだ。

昨日のミュージックステーションのランキングを見ていたとき、カミさんが平井堅の名前に反応したので横顔を出してきて聴く。いやいや、いい曲でございますね。ドラマチックな展開には思わず拳を握りしめてしまいますです。

今日はカミさんの実家に行くのである。お祖母さんの葬儀が終わって落ち着いて、ちょっと寂しくなっているようなのだ。電車に乗って行く。息子は特急電車やアーバンライナーが見れたうえに上本町駅で伊勢志摩ライナーが見れたので大喜びである。乗るべき電車の出発までに時間があったので近くまで行って見たが、カミさんはサロンカーのデラックスさに感心している。「これに乗ってパルケエスパーニャに行こうね」とか言っていた。そうすれば息子も喜ぶだろうねえ。

カミさんの実家に着いた。昼食をいただいてビールを飲んだら眠くなる。気がついたら意識を失っていた。見かねたお義母さんが寝場所を作ってくれた。いったい何をしに来たのやら。夜になって起こされるが、身体が水を入れた風船のように重い。動けるようになるまでに、かなり時間を要したのであった。けっきょく夕食もいただいたので、牛肉すきやきふりかけを食べられるのは一週間先になってしまうな。明日からまた、遠方に出張なのである。



4月17日(月)
今日からまた遠方の客先に仕事に行くので、1時間以上早く起きねばならない。しかし、今朝もちょっと遅くなってしまった。昨夜私が寝たのは3時近かったのだが、その時点でもカミさんはバリバリと通信していたからなあ。息子を起こそうとするが、反応がない。昨日も家に帰ってきたのがかなり遅かったのに、寝かそうとしても「ねえへん」と言ってなかなか寝なかったのだ。彼は今朝も眠いのでゴネる。昨夜、半纏を寝室に持って上がってなかったのに、「はんてん、もって、おりたかった」と言うのである。母親が「自分で下りて持っておいで」と言うと、「かーちゃんが、もって、きて」と言う。当然、そんなわがままが通るはずはない。拒否されて泣く。そのうちに、そのあたりをグルグルと歩き回り始めた。母親が「オシッコか?」と訊くが、「おしっこ、せーへん」と応える。しばらくゴネ続けたあと、ふいに「おしっこ、でてもーた」と言いだす。母親に「何やってんの。トイレに行きなさい!」と怒られて、ようやく寝室を出る。息子に続いて階段を下りた母親が床を見て「えらいベタベタしてるで」と言う。見ると、階段にも息子の足跡が。相当派手にオモラシしたのね。朝の忙しい時間に仕事が増えたので母親は激怒する。息子は泣く。「トイレでオシッコし!」と言われても「かーちゃん、だっこお」と言って応じようとしない。抱いてほしいとの要望も、忙しい母親によって当然拒否される。息子は泣くだけである。そのうちに派手に怒鳴られて、ようやく彼は泣きながら服を着始めた。しかし、泣きながらなのでうまく着れない。着ようとしている服に、大量にヨダレを垂らしている。私が着るのを手伝ってやっていたら、また「ぱんつ、ぬれた」と言いだした。さっきトイレに行かなかったからだよ。急いでトイレに連れていってオシッコをさせる。パンツを一枚余計に汚しちまったな。

時間がないのでご飯とインスタントの味噌汁で朝食を摂る。念願の牛肉すきやきふりかけをかけて食べるが……味が、記憶と違う。もっと濃厚な味だったはずだ。肉を大量に食うようになって、味覚が変わっているのだろうか。いや、たぶん違うと思うぞ。私が食べたいのは、3種類のふりかけが入っているプラスチックケースにのりたま,胡麻塩との組み合わせで入っていたものなのだ。ひょっとすると別の製品だったのだろうか。エイトマンシールも、今から見るとずいぶんみすぼらしいねえ。でも、あの頃はこれが輝いていたんだよね。

往きの電車の中で日記を書き、「異形コレクション15 宇宙生物ゾーン」を読む。竹河聖氏「古いアパート」である。途中までは怖かったのだが、オチがなあ…



4月18日(火)
今週はパソコンジャックがあるホテルの部屋が取れなかったので、電話機から電話線が外せるホテルに泊まっている。しかし、いま泊まっている部屋はコンセントと電話線がそれぞれ部屋の反対側にあるのである。通信するにはパソコンを両方につながなければならない。仕方がないので電話台を部屋の中央に移動させ、その上にパソコンを乗せて操作する。なかなかわびしい様子であることよのう。まあ、電話ボックス内で通信するよりはマシだからなあ。

で、昨夜はホテルの部屋でコンビニ弁当の夕食を食べて通信を終えたら猛烈に眠くなってきた。風呂に入らねばならないのだが耐えきれず、やっとの思いで歯を磨きベッドにもぐり込む。気がつくと5時であった。今からでもシャワーを浴びようかとお湯を出してみるが、ぜんぜん熱くならない。うう、このホテル、深夜はお湯が出ないのか。けっきょく、朝部屋を出る前に急いでシャワーを浴びる。

今日、仕事場で手を壁にぶつけた。妙に痛みが持続するので見てみると、中指が内出血している。薬の副作用じゃないだろうな、とドキッとする。遠方にいるので、そう簡単には医者に駆け込めないのだ。まあ、血小板が減少して出血が止まらなくなるということらしいから、ちょっと違うのかな。しかし、いつまでも痛みが持続するし青あざがかなり広がっている。こんなに内出血が広がるのは初めてである。これで、他にも青あざができたら、仕事を中断してでも大阪に帰って病院に行かねばならないだろう。



4月19日(水)
指が内出血していたので、昨夜も風呂に入るのは避けた。今朝も部屋を出る前にザッとシャワーを浴びる。内出血は赤黒く変色している。数センチ先まで拡がっているのだ。大丈夫かなあ。

今日、家に電話したら、カミさんは同人誌の原稿の目処がついたようである。「次は商業誌だね」と言うと、ちょっとイヤそうである。まだ考えたくないのかな。でも、今年の収入が扶養対象の範囲内だったりすると、また今年とは逆のややこしい手続きをしないといけないからねえ。頑張ってもらわないと。



4月20日(木)
今週も、ずっと遠方で仕事をしているのである。リハビリ期間があったとはいえ、いきなり一週間、朝から晩まで仕事というのは疲れる。ふと、頭の中に妙なフレーズが浮かんだ。「ヤオイ山脈、股割りゃ薔薇の花」……あああ、やっぱり疲れてるんだ。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



ホーム  日記の目次へ  次の日記へ