2000年 4月下旬の日記
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4月21日(金)
今夜、やっと家に帰れるのである。帰りの電車の中で「異形コレクション15 宇宙生物ゾーン」を読む。まず五代ゆう氏「バルンガの日」であるが、元ネタを知っている身としてはなかなか楽しめた。なんだか、アニパロ同人誌を読んでいるような感じですけどね。続いて友成純一氏「懐かしい、あの時代」である。淡々とあの世界の異常さを描写していて、なかなかのリアリティなんですが、ちょっと尻切れトンボだったような。あ、そういう意味では、最近あちこちで携帯電話の液晶画面を黙ってじーっと見てる人々を見るようになったけど、あれこそは宇宙人からの指令を受けているに違いない…って、私が携帯電話を持ってなくて何をやっているのかわかってないだけなんですけど。続いて笹山量子氏「占い天使」である。うーん、これもなかなかいい味出してましたね。こういう話はけっこう好きだな。そして、今日の最後はかんべむさし氏「内部の異者」だった。わざとなのかもしれないけれど、硬い文体に違和感を感じた。ある程度読み進んでからは気にならなくなったが、それでもこの世界にうまく入ることができなかった。好きなタイプの話のはずなんだけどねえ。

家に帰るとカミさんがERを見ていた。いやいや、相変わらず凄いですねえ。ものすごい密度だ。私ゃドラマなんて見ないヒトなんだが、それでも引き込まれて観てましたからね。まあ、腑抜けた日本のドラマと一緒にしちゃいけないんだが……あ、そういや先週は皮被りネタ勃ちませんでしたネタで、観てて無意識のうちにちょっと頭が垂れてしまったんだっけ。



4月22日(土)
昨夜も、カミさんがゲームをしている横で通信していたらそのまま意識を失っていた。気がつくと7時だ。テレホタイムが終わるまで通信をしていたら、妻子が起きてきた。今日も私はカイロに行くので、息子を保育所に連れていくのである。昨夜は風呂に入れなかったので、急いでシャワーを浴びて食事をし、出発する。

家に帰るとカミさんに「泣かれなかった?」と訊かれた。「今度の保育所にはずいぶん馴染んでるからね。今日も着いたら『ここの子』になってたよ」と応える。最近は、別れるときもあっさりしたものなんである。「最近はかなりコミュニケーションできるようになってきたからね。前の保育所では問題児扱いだったから」と言われた。えっ、そういうことは聞いてなかったぞ。だったら、そう思われていることがわかるから前の保育所には行くのを嫌がってたのか。そう言われて迎えに行ったときに気をつけて見てみると、やはりウチの子はちょっと浮いてますね。他の子とうまくコミュニケーションが成立していない。他の子は活発だし言葉も乱暴なんだが、ウチの子はずいぶんおっとりしている。乱暴な言葉でワーッと言われても、彼はどう対応していいかわからない様子である。一人っ子の弊害かなあ。まあ、私も三人兄弟だったけどそういうところはあったんだが(今でもそうだ)。そういうところで自分に似て居心地が悪そうにしているのを見ると、やっぱり辛いものがありますね。親としては。

ちゃんと寝れてないので眠い。家に帰ると昼食を食べ、カミさんと一緒にお昼寝である。今日も息子を保育所に迎えに行くのも私がやる。保育所を出て、自転車に乗って踏切の前を通るときに警報機が鳴っていた。息子が電車を見たがるので、自転車を停めてやる。右側からやって来たのは、新型車両でカラーリングが従来と同じタイプであった。「新しい電車やで」と教えてやると、息子は「あたらしいでんしゃやなー」と言う。微妙な違いなんだが、わかっているんだろうか。すぐに反対側から旧タイプの車両がやってきた。電車が通過し終えて自転車を発進させると息子は「あたらしい、でんしゃ、みたなー」と言ったその後に「あたらしくない、でんしゃも、みたなー」と続けた。ほう、否定の表現ができるようになってるのね。その後も家に着くまでずっと彼は「あたらしいでんしゃと、あたらしくないでんしゃ、みたなー」と繰り返していたのであった。

夕食後に妻子が風呂に入って、えらく時間がかかるなと思っていたら、カミさんが息子の髪を切っている。髪の毛が減って頭は小さく見えるようになったが、今度は頬っぺたの膨らみが目立つようになってるねえ。



4月23日(日)
今日は日本橋に行くのである。目的は、FIVAの新型と、PHSの購入である。

FIVAは、カミさんからの昨年の誕生日のプレゼントなのである。発売延期を2度繰り返されたおかげで、半年以上遅れてしまった。なんだか、買ったらすぐに新機種が出そうな気もするが(笑)。なんせ、発表されたのは半年前だからねえ。PHSは、カミさんからの要望である。特に私は必然性を感じていないのだが、彼女がいつでも連絡がつくようにしておきたいんだそうだ。ああ、これで首輪の綱を握られてしまうのか。

移動電話の事業者はDDIポケットに決めている。携帯電話とPHSを比較すれば、私にとっては料金、音質、地下鉄の駅でも使える…などの面でPHSの圧勝だし、PHSの中ではサービス内容でDDIポケットが頭ひとつ抜けちゃってますからね。今の時点では、迷う要素は全くないのである。

家族3人でいっしょに家を出て、私が日本橋を巡回している間、妻子は動物園に行ったり路面電車に乗ったりしていてくれるそうである。日本橋駅まで一緒に行って別れる。

まずは、FIVAが新しくなるとハードディスクの容量が増えるということで、世界大百科事典第2版ベーシック版スペシャルを買ってしまった。毎回バージョンが新しくなるたびに値段が半分以下になってきているのだが、今回2万円になってワタクシ的には買ってもいい値段になったのである。いや逆に、これだけの知識の結晶をこんな値段で買えちゃっていいんだろうか、という気さえする。当初は27万円してたのが2万円になってしまったわけですからねえ。とにかく買っちゃうもんね。ハードディスク常駐も可能になったらしいし。百科事典35巻分をFIVAに入れて持ち運べるのである。これで、私のFIVAにはスーパー・ニッポニカと合わせて日本の二大デジタル百科事典の両方が入ることになる。え? エンカルタもあるって? はははは…

PHSの事務手続きが済んで待ち合わせの時間になったのだが、妻子は来ていないようである。さっそくカミさんに電話をかける。しかし、何度かけても出ないのである。PHSに出ないとは、妻子の身に何かあったのだろうか、と心配する。何度か目にやっと通じた。後で聞くと、お腹を壊してトイレに入っていたらしい。まあ、何事もなくて良かった。それでも、日本橋駅で切符を買っていたら「お腹が空いたけど金がない。100円ください」というのに声をかけられて、子連れだったので怖くて渡してしまったらしいのだが。

路面電車の駅で合流する。妻子はいろいろ食べてたらしいが、私が腹が減っているので近くのラーメン屋に入る。カミさんはここの味がいたく気に入った様子である。特に、チャーシューに惚れてしまったそうで、通ってしまいそうなくらいなんだそうである。まあ、日本橋に来る楽しみができたというのは良いことであるな(苦笑)。

日本橋を巡回している間にゲームソフトの中古を探してくるようカミさんにリストを渡されていたのだが、見つからずに苦労する。やはり、興味のないものは見つけられないんだね。とにかく、数軒の店に入ってタイトルをざっとチェックするだけでも非常に疲れた。けっきょく、合流してからカミさんが自分で探すことになる。目的のソフトは何種類かあったのだが、値段の関係もあり彼女は「機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜」を買った。ずいぶん遅れてるんだけどね。

3時間歩き回って、親子3人ともグロッキー気味である。ゲームソフトに続いてFIVAとその付属品を買いに行ったのだが、息子は帰ろうとゴネる。なだめながら買い物をする。カミさんがゲームを探している間、私は彼にゲームのデモ画面を見せていたのだが、モニターが高いところにあるので抱き上げて見せていたら死にそうになった。なんて重いんだ。家に帰ったときはまだ明るかったのだが、ゴネる息子を風呂に入れて寝かせる。私も耐えきれず、ほどなく寝てしまったのだった。



4月24日(月)
書き忘れていた。昨日、先週の土曜日に録画していたヒッパレを観たのだった。小柳ゆきが出るようだったので、非常に楽しみだったのですよ。観てみると、なんだかもう別格扱いですな。それはいいのだが、持ち歌をソロで歌わせることはないだろう。若いうちから甘やかしちゃいけませんぜ。これに関しては、ちょっと私は怒っているのだ。前回のパフォーマンスに大反響があって再出演の要望が殺到しているだろうことは理解できるが、番組のコンセプトを曲げちゃいけません。持ち歌を歌わせるにしても、せめてEVEとぶつけるくらいのことはやってほしかった。たぶん、営業政策上の理由でああなったんだろうと邪推しているのだが(本人が「他人と歌うのはいやだ」と言ったのなら「見損なってたね」と言うしかないけどね)、ライオンだって檻の中で育ててたら餌を獲れなくなっちゃいますぜ。あれくらいパワーがあれば、他人の曲を歌ったり他のアーチストとセッションして見せた方が評価が上がると思うんだがなあ。今の流れだと、もう放っといても人気は上がってゆくと思うし…甘いんだろうか。ということで、今回のベストパフォーマンスは尾崎紀世彦氏&アルベルト城間氏でしたね。この二人が組めば中途半端なものになるはずがないのですが、今回も素晴しい出来でございました。

今日は午前中に病院に行って、昼から遠方の客先に行くのである。FIVAは買ったが、出発までに設定をするとなると徹夜になってしまうので、今週は旧機種で過ごすことにする。PHSの使い方も覚えないといけないしね。病院で耳鼻科の診療が終わって鼻の吸入をしていたら、医者同士が話しているのが切れ切れに耳に入ってきた。「……夕べ、ゾクゾクしてなあ……ちょうど薬が無くて……葛根湯がないかと思たけど薬局も閉まってて……●●はあったけど、効かへんしなあ……」
う〜ん、やっぱり医者でも葛根湯の効果は認めているのか。

今日は風が強い。カミさんが布団を干していたのが風で飛ばされてしまって、お隣さんが教えに来てくれた。彼女はずっと座ってゲームをしていたので脚が痺れているようだ。悲鳴を上げながら階段を下りていく。「おみ脚をお揉みしましょうか」と近づいていったら「殺ス!」と言われてしまったのであった。



4月25日(火)
先日「最近、携帯電話の液晶画面を一心に見つめて何かやってる人が多いが、何をしているのかよくわからない」という意味のことを書いたが、自分でやるようになってやっと理解できた。とにかく、ボタンが少なくて画面が狭いので、何かやろうとすると相当多くのボタンを押さねばならないし、ちょっとした文章を読むのにもかなりスクロールしないといけないんですね。こりゃ大変だ、と実感する。持ち運びやすいのはわかるが、みんなよくこういう機械を使ってるなあ。マニュアルもよくわからない。けっこう電子小物のマニュアルとかは読み慣れているつもりなのだが、どうも操作方法が直感的にわからない。慣れの問題なのかもしれないんだけどね。みんなちゃんと使えてるというのはすごいなあ。日本の将来も安心か。

今日はPHSでEメールの送受信のテストをした。どうもうまく送受信できない。何回か試してみてやっと理由がわかった。メールアドレスが違っていたのである。マニュアルには「●●@pdx.ne.jp」になると書いてあるのに、実際に受けてみると「●●@di.pdx.ne.jp」なのである。かなり時間と通信料金を無駄にしてしまった。これはDDI-Pの陰謀に違いない。

今日も朝から晩まで仕事。それ以外何もない。ホテルの部屋で夕刊フジのサイトを見ていて、中西圭三氏が離婚されたのを知った。だいたいが、私はあの人が結婚してたのも知らなかったからなあ。芸能人同士の結婚だったのに、ぜんぜん話題になった記憶がなかったのだ。やはり、芸能ネタには弱いのである。



4月26日(水)
今日も遠方で泊まって一日中仕事である。日記に書くべき出来事が何もない。さて、どうしたものか。考えてみれば、私は学生の頃から文章を書くのが苦手だったんだよな。中学生の頃、まったく文章が書けなくなったことがある。理由はというと馬鹿みたいなことで、一人称の書き方に悩んでいたのである。それまで使っていた「ぼく」や「僕」では子供っぽいし、「私」だと女性みたいだし(今はそう思っていない)、「俺」だと馬鹿みたいだし(今はそう思っていないってば)。まあ、少年の頃というのは、どうでもいいことで悩んでしまうものでございます。

だから、作文が苦手だった。記憶力がないので漢字の書き取りができなかった。あと、「●●を使って文章を作れ」という問題が嫌いだった。「言葉というのは何かを表現するためのものなのに、なんで表現すべきものもないのに文章を作らないといけないんだよ」なんてことを思っていたような記憶がある。まあけっきょく、自分の中に表現すべき中身がなかった、ということなんだろうけどね。本を読むのは好きだったけど、国語の成績はあんまり良くなかった。今でも文章を書くのは得意ではない。なんで日記なんか書いているのかねえ。



4月27日(木)
今月中にこの仕事を終わらせるために今日中に残件を全部片付けて明日は挨拶をして大阪に帰れるようにと上司からは言われているのだが、ドキュメントの更新が終わらなかった。24時近くまでやったんだけどね。そりゃ半年以上、プログラムを直すだけで精一杯の生活を続けてきたんだからな。もう、仕様書とプログラムの内容は決定的に乖離している。設計時にお客様と話をさせてもらってなかったから、作ってからかなり変更が発生したし。でもなあ、あれだけ複雑なプログラム(VBで作って、.EXEファイルがフロッピーに入らない)、まともにドキュメント化してたら1本1週間くらいはかかりそうなんだがな。まあ、今月分の作業は発注元から金をもらえてないらしいから仕方がないか。

先日、「青い山脈」が頭の中で「ヤオイ山脈」に変換されてしまうと書いたが、症状が悪化しているようだ。最近は「青い」がすべて「ヤオイ」に変換されてしまうのである。例えば、「ヤオイ鳥」「ヤオイ珊瑚礁」「ヤオイ稲妻」「ヤオイ三角定規」「ヤオイ瞳のステラ」「ヤオイ徳川三代」「ヤオイ宇宙の冒険」…疲れが酷くなっているんだろうか。



4月28日(金)
今日で、この仕事を終わりにしなければならない。いや、今日ではなく今日の午前中だ。4月からの組織変更に伴う座席移動を連休中に行うので、今日中に大阪の本社に帰って机の中のものを梱包しなければならないのだ。だが、昼休みに入っても終わらない。もう、無理矢理やっつけ仕事で終わらせる。もともとは詳細設計書だったのだが、あとで突っ込まれないようにあいまいなところを削ってしまったら概要設計書になってしまった(同業者だけ笑ってください)。あとで怒られるかもしれないが、もう知らん。挨拶をして発注元を出る。これで、この仕事も終わり……なんだろうか?

帰りの電車の中で「異形コレクション15 宇宙生物ゾーン」を読む。まず横田順彌氏「来訪者」である。相変わらず安心して読めますね。このシリーズ、タイトルを漢字3文字で揃えてあるから、本にしたときに目次がキレイでしょう。次に井上雅彦氏「探検」であるが、馬鹿な私にはどこを楽しめばよいのかよくわかりませんです。最後に菊地秀行氏「安住氏への手紙」である。力が入っているとは思うんだが、設定が私好みではない。

電車に乗っていると、小学生の集団が乗ってきた。すんごくうるさい。いっしょに帰ってきていた他の人間は隣の車両に移動してしまった。しかし私は隅っこの座席から移動するのが嫌だったのでそのまま座っている。横に座ったヤツがシートの上で暴れるので靴が私の脚に当たる。こら、向かいの女子生徒、スカートをはいているのに大股開きで座るんじゃない。ブルマを穿いてるからなんだろうけど。あー、男子を蹴るんじゃない。見ると、隣の車両にも小学生の一団が乗り込んできている。車両の移動も無意味だったようだな。しかし、こういう連中を引き連れている先生というのは大変ですねえ。

本社に帰って机の中の荷物を箱詰めする。机の下にあった段ボールが2箱半、机の中身と作業場所から持って帰ってきた荷物を合わせると5箱になった。机の下の箱は、正月休みの間には机の上を片付けねばならないのだが私が帰れないので同僚が箱詰めしてくれたものだ。大半が今の仕事の資料のはずだから、ほとんど要らないはずだが、開けて整理する時間もないのでそのまま行先を書いたシールを貼る。思えば机の中の資料も、ここ数年間まったく見たことがないものが大半なんだけどねえ。

会社の後輩にPメールDXのアドレスがわからなかった話をしたら「ホームページを見ればよかったのに」と言われてしまった。言われてみればその通りだな。でも、私もマニュアルの前に自分を疑ってしまったし、大半の人はマニュアルが間違っているとは思わないだろう。ホームページにアクセスできない人もまだまだ多いだろうしね。

今夜は、プロジェクトの打ち上げである。喉が渇いていたせいか、いつもよりビールが進む。管理職たちとは離れて、いっしょに苦しんだ連中と冗談を言い合うのは楽しい。これが「酔う」ということなんだろう。2次会にも誘われたが、この仕事のことは早く忘れたいのできっぱり断って帰る。地下鉄に乗るまでの間、私に対して敵意を持った視線を返してくる人間が何人かいたような気がする。酔って、荒んだ気持ちが外に漏れ出ていたのだろうか。

家に着くと、カミさんが階段を下りてきた。私を迎えに来たのではなくて、洗濯物が洗い終わったので取りに来たのだ。すると、階上から息子が起きる気配がした。階段を下りてくる。寝ていたのが起きてしまったらしい。まあ、出迎えてくれるのは嬉しいんだが…早く寝たほうがいいんだけどね。

今週のer IV」この前とは逆に勃っちまったネタでしいたね。勃つべきときに勃たなかったり、勃っちゃいけないときに勃っちゃったり、オトコというのは哀しい生き物であります。



4月29日(祝)
昨夜、カミさんと連休中の予定を決めた。彼女は5月2日の朝から4日の夜までイベントで東京に行くので、1日から家族3人で私の実家に行き、2日から彼女だけ東京に行くことになる。カミさんがいない間は、私と息子は実家で過ごすのである。そして、7日は大阪でイベントか。その前日は飲み会の予定も入っているし、なかなか大変だ。

今朝は5時に目が覚めた。日記を書きながら通信していたので、あまり回れなかったな。テレホタイムが終わっても妻子は起きてこない。そうか、今日は休日だから保育所は休みなのだ。その後もパソコンをいじってたら飯を食う時間がなくなってしまった。そのままカイロに行く。今日は休日だったので、患者も施術側も人数が少なかった。

家に帰って息子を寝室から連れて下り、食事を食べさせていたらカミさんが下りてきた。今日は海遊館に行く予定なのである。ただ、連休中だし昼間は混んでいるだろうからということで、ちょっと遅めに行くことにする。それまでの間に、私は息子を連れて近くの電器屋に行くことにする。郵便受けに入っていた封筒を持って行くと鉄腕アトムの水筒がもらえるのである。こういうキャラクター商品をタダで配ってしまうとは、和光デンキ、恐るべし。

自転車で電器屋に行くのに、近鉄線に沿ったルートを選択する。途中でアーバンライナーが走っているのが見えた。息子は「あーばんらいな、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ」と叫ぶ。4両編成だったのである。おお、4つまで数えられるようになったか。今までは2つまでしか数えられなくて、その先にもっと大きな数の世界が拡がっているようだとおぼろげに認識はしていたようだが、それ以上は数えられなかったのだ。これが時期的に早いのか遅いのかは知らんが。

電器屋では腕時計を買った。やはりRuputerでは、常時電源が入っていないので不便なのである。腕はもう片方空いているし、1000円程度のものがあれば買おうと思っていたのだが、太陽電池で1500円足らずのものがあったので買ってしまったのだ。まあ、太陽電池でなくても5年とか7年も保つらしいから、たぶん壊れるまで一度も電池を替えないで済むとは思うんだけどね。2000円足らずの製品もあって私が買った製品との違いは、高価い方は曜日がアルファベットで表示されるのに対して、私が買った方は液晶の外枠に「SU MO TU WE TH FR SA」というのが印刷されていて、当日の曜日の下に「■」が表示される方式なのである。ワタクシ的にはこの方式のほうが「来週の月曜日は何日かな」という場合に計算しやすいので好みなのである。それで値段も安いので買ってしまったのだ。ただ、デジカメ内蔵の腕時計を見れば買ってしまいそうな気がするのが不安だな。でもこの時計、時刻合わせの機能しか付いてないのね。24時間表示への切り替えやアラームさえ無い。まあ、安いから仕方がないかなあ。

海遊館に出発する。カメラを持って行ったほうがいいんじゃないかということで私がデジカメを出そうとすると、カミさんに銀塩カメラのほうがいいと言われた。銀塩のほうが紙の形で見れるからいいということなんだそうである。デジカメだってプリントアウトすればいっしょじゃないかと思うんだけどなあ。まだまだウチのカミさんはアナログ派である。まあ、メモリーカードの残りが少ないから、デジカメを持って行くには少し躊躇する部分もあったんだけどね。メモリーカードは、FIVAで収集・作成した情報をMacに移すまでのバックアップとして使っているのだが、忙しくて移す暇がなくてメモリーの空きが無くなっているのである。

海遊館の前まで来たが、周辺のショッピングセンターに入ると、オモチャ屋とかに若い観光客目当ての面白い製品が並んでて、それを見ているだけでも充分楽しめる。海遊館は入館料も高価いし、そのへんの店を冷やかして食事をして帰ろうかということになる。なかなかチープな考え方である。ラーメン屋で食事をしてアイスクリームを食べ、海の方に行ってみる。ちょうど夕陽が沈むところだったので続けて撮っていたら、フィルムの残りが数枚になってしまった。これでうまく写ってなかったら、またカミさんに怒られてしまうな。

陽が沈んだので帰ろうとしていると、息子が水族館に行きたいと言いだした。水族館に行こうと言って出てきたのだし、彼も熱心に行きたいと言っているので、少し遅くなったが入館することにする。夜間割引というのはないのかのう。息子は、さすがに以前来たときより反応が良くなっている。最初に左右と上が水槽になっているチューブの中を通るのだが、もうそこで魚が泳いでいるのを見て大喜びである。これだけ興奮してくれれば、高価い金を払って来た甲斐があったというものだ。

彼は、いま亀がマイブームなので、コーナーの隅っこでじっとしているゾウガメを目ざとく見つけて「かめさんや!」と叫ぶ。動かないので「かめさん、ねむってる」と言っていたが、彼の動きに反応したのか一匹が頭をもたげて彼の方を見た。「かめさん、おきた」とまた大喜びなのである。彼はピラルクの大きさにも驚いたようで「おっきぃ、おさかな!」とか言っている。しかし息子よ、それは最大の淡水魚だが、海にはもっと大きな魚がいるのだよ。そう、ジンベエザメの大きさにはさすがに感動したようである。しかし彼はそれよりも、銀色にキラキラと輝きながら水槽内を回っているイワシの大群に大きな感銘を受けたようである。「おさかな、いっぱいやな」と高ぶった口調で喋っている。そして、最後に彼が引きつけられたのは巨大なタカアシガニ(だったっけ)のコーナーであった。ここでも「かにさん、おっきぃなー」とか言っていたのである。

今日は眠い。往きの電車の中でも何度か気を失っていたのだが、帰りはさらに疲れているのでほとんど意識がなかった。息子も疲れているようである。家に帰ったら、食事もせずにシャワーを浴びてそのまま寝たのであった。



4月30日(日)
昨日は早く寝たのだが、今朝もけっこう遅くまで寝ていた。12時間寝ていたことになるか。息子も目が覚めた気配がない。さすがに昨日は疲れたか。私が起きて着替えていると、息子が身を起こした。起きたのはいいのだが、半纏を着て下りたいのに無いと言ってゴネる。昨夜持って上がってないんだろう。無理だよ。けっきょく彼は階下から半纏を持って上がってきて、それを定位置(彼にとっての)に置いてから着る。これで夏になったらどうするつもりだ。

起きてから息子は「じーじと、ばーばが、きたら、おふね、のろな」と何度も言う。昨日彼は遊覧船に乗りたかったのだが、両親が夕方に2時間も大阪湾の海上にいるのは耐えられないので「爺ちゃんと婆ちゃんが来たときに乗ろうな」と言われていたのである。そんなに乗りたがったとは思わなかったな。

朝食を食べてヒッパレを観るが、今週は酷かった。ほとんど観るべきものがない。しかし、上原多香子に持ち歌を歌わせるんですかあ。これはあんまりだ。番組のコンセプトを変えてしまうのか。今までも聴くに値するパフォーマンスは週に1〜2曲しかなかったのに、これじゃ、ますます面白くなくなっちゃうな。この娘なんか、この番組で売り出してやったようなもんなんだから、特別扱いしてやる必要なんてぜんぜん無いと思うんだがなあ。自分が好きな番組が変質していくのは哀しいものである。たとえばTVチャンピオンなんか、当初は好きでよく観ていたのだが、いつの間にか出演者に対する敬意というのが見えなくなって、変わった人間を集めて笑い者にしてやろうというような意図が透けて見えるようになって、嫌になって見なくなってしまったんだよな。まあ、あくまでも私にそう見えるようになったということなんですけど。でも、どんなことであれ(悪事は別として)自分にできないことができる人間には敬意を払うべきですよ。で、次にNHK教育でやっている「ゴスペルを歌おう!〜ボイストレーニング入門」で「Oh, Happy Day」を演っていたのを聴いていたら、息子が「おー、はぴー、じぇー」と歌っている。うんうん、あれはゴスペルのキホンだからね。

今日もカミさんは昼前に起きてきた。ずいぶん早いな。私は息子を連れてパンを買いに行く。今日も歩きである。息子は、パンの上に鯉のぼりの形の飾りがついているのを気に入ってしまったようだ。欲しそうにしているので買ってやる。しかしこの店も、好きだったパンが軒並み無くなっているな。ここでも変質が起こっているのか。

今日はカミさんが息子を公園にでも連れていってくれると言っていたのだが、雨が降ってきたので中止になる。私は眠い。あれだけ寝たのになあ。息子もかなり眠そうにしているので、家族3人で昼寝をすることにする。気がつくと2時間半寝ていた。しかし、息子が寝なかったので妻子は寝ていないそうなのである。

夕食後にカミさんが息子と風呂に入り、私は洗い終わった息子を受け取って居間に連れていく。シャツを身につけた彼はボタンを留めようとしている。見ていると、ボタンを思い切り引っ張って穴を通すので多少不細工ではあるが、何とか留めてしまったのである。ほう、穴を通すタイプのボタンを留めたのを見るのは初めてなんじゃないか。続いて、パジャマの上着の押して留めるタイプのボタンも留めてしまった。まあ、いちばん上のボタンは組み合わせを間違えていたので私が指示したのだが。そして、このパジャマはお腹が冷えないようにズボンと上着をボタンで繋げられるようになっているのだが、それも自分で留めるという。これはかなり前に買ったものなので、身長が伸びているためずいぶん引っ張らないといけないのだ。かなり苦労している。それでも自分でやらせる。親が忙しければそういうわけにもいかないだろうが、私は連休中だ。10分以上経っても留められないので、座ってやってみるように言う。座ると身体が前傾してウエストと胸の位置が近づくので、やっと留めることができた。「やった!」と言ってやる。彼も「やったなー」と応える。誇らしげに目を輝かせている。いつものことながら、こういう気持ちを味わわせてくれるというのは有難いことである。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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