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7月11日(木) 
今日も通勤中に「タイムマシンのつくり方」(広瀬正:集英社文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。往きに「Once Upon A Time Machine」を読み終えた。「親殺しのパラドックス」に対して一つの解答を与えた話である。今となっては当たり前になってしまったネタだが、語り口が巧いので楽しんで読めた。筒井康隆氏による解説によれば、当時はファンダムで評判になった斬新なアイデアだったらしい。それでこれだけ面白ければ、仲間内で映画化までしてしまったというのもうなずけるな。

今夜も23時まで仕事。疲れた。帰りに「化石の街」を読み終える。これは好きな作品だ。男が道に迷って入り込んだ街は、すべてのものが凍りついていた…子供の頃から「こうなったらどうなるんだろう」と思っていたことが形になってここに書いてある。面白い。



7月12日(金) 
今日も昼から広島に出張である。19時に打合せを終えることを目標にしていて予定通りに会議を終えたのだが、帰り際に相手に呼び止められて時間を食う。それでも何とか最後の広島発ひかりに乗って帰ることができた。それから大阪まで移動しても、家に着いたのはいつもより早いというのが情けない。明日はまた休日出勤だ。

そして今日も長時間移動するので「時空道中膝栗毛」(小松左京:ケイブンシャ文庫)を読み始める。弥次喜多のような江戸時代の2人組が時空の穴に落ち込んで世界中のいろんな時代を旅するという話である。いちおう小松先生のSFなのだが、主人公が現代人じゃないし紀行文による文物紹介というスタイルは何となく面白くなさそうで読んでいなかったのだ。それでも小松先生の筆力で読ませてくれるんだけどね。でも、主人公の2人が実は肉体関係があったというのも…当時としてはネタだったんだろうけどねえ…

今は移動中に「MIND CRUISIN’」(杏里:→【amazon】)を聴いている。疲れているせいか、あんまり良くない。特に後半は最後の曲を除いてちょっと…

そういや、例の脱衣ブロック崩し女性向けもあるのね。私は知らなかったが、けっこう一部では流行っていたようである。



7月13日(土) 
今日は休日出勤である。私が去年作っていたプログラムを変更しなければならないのだが、暇を見つけてやるというわけにはいかないのである。プログラミングは邪魔の入らない環境で集中してやらないといけないのだ。少なくとも私は。しかし、身体がC言語を忘れている。値を比較するのに「==」ではなく「=」を使っていてバグらせてしまった。こういうのは見つけにくい。文法的にはエラーじゃないからなあ。C言語というのは、if文の中で移送をすることもできるのである。

しかし、Visual C++というのは融通の利かない言語だな。パターンを指定してウィザードに従っていくとプログラムの骨組みができるのは簡単になったと言えるんだろうが、逆にそのパターンで対応できないことをやろうと思うと二進も三進もいかなくなってしまって根本から作り直さざるを得なくなる。リンクのしかたも設定項目が多すぎて何がなんだかわからない。C言語の頃は世界が単純だったなあ…などと年寄りの繰言をつぶやきながらデバッグするのである。こんなにややこしくなったのは、やれることが高度になったせいなんだろうか。なんか方向が間違ってるような気が…

今日は通勤中に「DOWNTOWN STORIES」(J-WALK:→【amazon】)を聴いている。「何も言えなくて」の最初のバージョンが好きで、この曲のために買ったアルバムである。それで、アルバム全体としてはこの曲以外は非常に地味だなあ…とか思いながら聴いていたら、後半はなかなか盛り上がりましたね。分厚いコーラスがよろしい。



7月14日(日) 
7時20分に目が覚めた。しかし息子がいない。カミさんに言われて見ると、いつもと反対側に寝ていた。お互い、かなり転げ回って寝ていたようである。息子は熟睡している。声をかけてみるが、何だか起きそうにない。「後でビデオで観るか」と言うと、かろうじて「あとで、みる」と応えるのである。そのまま小用に起きて、カミさんがセットしていたビデオがちゃんと目的の番組を録画しているか確認していたら息子が起きてきた。寝ててもいいのに…と言うが、起きるという。そのままハリケンジャー龍騎を観るのである。

今日はカミさんも早く起きてきた。我々もまだ朝食を食べる前だったので、3人で食事をする。しかし眠い。まだ10時だが、寝ることにする。息子に本を読んでやると言って一緒に寝室に上がったのだが、本を読み終わると彼はさっさと下りて行ってしまった。私はそのまま意識を失うのである。

気がつくと16時である。妻子は家にいる。カミさんは外に遊びに行くようなことを言っていたが、今日はテレビを観て過ごしたようである。ずっと二人で家の中にいて、ストレスが溜まらなかったであろうか。休日だというのに役立たずな亭主である。

私も息子を外に連れ出す気力がないので、私のライブラリからNHKスペシャルでマメンチサウルスとかティラノサウルスの特集をしていたときのテープを探し出してきて観せる。しかし、彼はあまり興味を示さない。やはり、5歳児には現在得ることのできる情報から恐竜の生態を推理する、とかいう内容は早すぎるのか。子供の頃の自分はけっこう好きだったような気がするんだが。そして彼は「ぼく、うるとらきゅーでも、いいけどなー」とか言いだした。「それやったら、はっきり『ウルトラQが観たい』と言え!」と思わず怒ってしまうのである。しかし、ウルトラQを再生しはじめても、彼は別のことをしている。この野郎、とテレビを消してしまうのである。

今夜は外食しようと言っていたのだが、スーパーで惣菜を買って家で食べることにしてついでにビール(というより発泡酒だな)を買いに行く。我が家ではビールの一箱24本を1年以上かけて飲むのである。前の箱が無くなったので、今年の分ということになるか。私はアルコールで酔いたい人でないので、我が家では酒類が消費されないのだ。カミさんも酒が必須な人ではないので、そういう意味では似合いの夫婦だと言えよう。これで妻が酒飲みだったらちょっと辛いからねえ。経済的にも家庭内の雰囲気的にも。

今日は私が息子を風呂に入れる。彼の身体を洗っていたら、なんだか息子のムスコが大きくなっている。「どうしたんや」と訊くと「こーふんしてるねん」と応える。どこでそういうことを覚えたんだよ。どうせ、母親が「興奮して大きくなってる」とか言ったのを聞いて覚えたんだろう。さらに「何で興奮してるねん」と訊くと、「みんな、いつかしぬから」とか言う。おい、何でそういうことで…とかツッコもうと思ったら、彼はいきなり「ぼく、しんでもおとうちゃんのことわすれへん…」と言って涙ぐむ。うーむ、いったいどうしたんだ。最近、かなりセンシティブになってますな。



7月15日(月) 
今朝は7時に起きたのだが、通信ができなくなっている。我が家のプロキシサーバが止まっているようである。カミさんが落としたらしい。「焦げ臭い匂いがしてたから止めた」そうである。先日もダウンしてたからな。起動させようとするが、どうもうまく立ち上がらない。ずっと立ち上がってるので、ずいぶん無理はさせているのである。触ってみると、すごく熱くなっている。気温が上がってくるとヤバいかもしれない。次回もちゃんと立ち上がるか自信がないのである。5年以上前のキカイだからなあ。この世界で5年前というと大変なモノですな。そろそろ代替機のことを考えた方がいいかもしれない。古い機種でもいいからそれほど高価いものは必要ないと思うが、設定するとなると面倒くさいなあ。

今日から通勤中に「All The Best!」(Paul McCartney:→【amazon】)を聴いている。20世紀最高の作曲家(と言ってしまってもいいだろう)のベスト盤である。ソロになってからの選曲だが、ビートルズ時代の曲を含めると収拾がつかなくなるだろうからな。とりあえず、1枚は持っておくべきだと思って買ったのである。今までほとんど聴いてなかったんだけどね。それでも聴き始めるとさすがに素晴らしい曲が並んでいる…と思って聴いていたのだが、どうも中盤以降になるとそうでもない感じになってきた。やはり人間を神格化してはいけませんな。人間、歳も取るしいつも最高の状態とは限らない。

夜半には台風がやってくるというのに、今夜も23時まで仕事をする。窓の外がそれほど荒れていないので、みんななかなか帰らないのである。いかんなあ、こういう環境は。仕事場を出た時点では雨は降っていなかったが、台風が近づいているというので遠回りして帰るのである。



7月16日(火) 
先週の出張中から「時空道中膝栗毛」(小松左京:ケイブンシャ文庫)を読んでいたのだが、やっと読み終えた。しかしいくら小松先生の作品とはいえ、このウンチクの連続は読むのが少し苦しい。私の歴史的知識が乏しくてバックグラウンドが理解できないというのもある…というか、あんまり歴史に興味がないせいだろうな。学生時代も地理とか歴史の成績は悪かったのである。主人公が江戸時代の人間のために、感情移入しづらいせいもあるか。

今夜も23時過ぎまで仕事。仕事と生命を維持するために必要なこと以外は、ほとんど何もしていない。つまらぬ人生である。



7月17日(水) 
目が覚めた。外はまだ薄暗いが、体内時計はもう起きるべき時間を過ぎていると告げている。時計を見ると、薄暗くてよく見えない。「*:15」の「*」が6時なのか8時なのかが判断できない。7時ではないようだが。次に時計を見ると「8:20」であった。やはり体内時計が正しかったか。最近、カミさんの目覚まし時計が鳴ってないような気がするんだがなあ。起きて雨戸を開ける。雨が降っているようである。それで暗かったのね。

ベランダに出てみると、花が咲いている。先日買ってきたものである。我が家の人間はみんなルーズなので鉢植えなのにしばらく水をやってなかったりして「1本の棒にシオシオの葉っぱがまとわりついている」という状態にまでなっていたこともあったのだが、立派に花をつけている。生命というのはしぶといものである、というのを実感する。

今朝も通信ができない。昨夜もカミさんが我が家のプロキシサーバを落としてから寝たようである。今回もうまく起動しない。画面も、なんだか一面にノイズが乗ったようになっている。こりゃそろそろ寿命かな。今朝は遅いので、カミさんには今日一日通信を我慢してもらうしかないか…と思って顔を洗いに下りて上がってきたら起動していた。真剣に代替機のことを考えるべきか。

今日からまた通勤中に「タイムマシンのつくり方」(→【amazon】:→【bk1】)の続きを読んでいる。「異聞風来山人」を読み終えた。過去の偉人が実はタイムマシンを持っていて…というパターンの話である。しかし、平賀源内がホモだったとは知らなかった。そして、これもオチにはヤラレたと思ったのだった。

ついに今夜は23時半まで仕事場にいてしまった。もうそろそろ退社時間を遅らせるのも限界である。家に帰ると1時近くか…



7月18日(木) 
居間で目が覚めた。6時である。昨夜もカミさんが寝室に上がってゆくとそのまま倒れて寝てしまっていたのだ。寒くて目が覚めたのである。3時間しか寝ていないが、倒れる前よりは頭は冴えている。日記を書き始めるのである。その前に今日聴くCDをMDに録音しておかなければならないな。

家を出て、MDプレーヤーのスイッチを入れる。しかし、音楽が聴こえてこない。リモコンのディスプレイを見ると「NoDisk」と表示されている。せっかく録音したのにディスクを入れ忘れたか。馬鹿だな。しかし今からディスクを取りに行く時間はない。無駄に重いMDプレーヤーを持ってゆくことになるのである。

今日も通勤中に「タイムマシンのつくり方」(→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。往きに「敵艦見ユ」を読み終えた。これも、過去改変の問題に対する一つの答えですな。そして帰りに「二重人格」と「記憶消失薬」を読み終えた。「二重人格」は、二人の男の心が一つの身体に入ってしまう話である。これも料理のしかたがなかなか美味しい。続く「記憶消失薬」は…いやー、これは面白い。飲む前の一定期間の記憶を消す薬があったらどうなるか。そして最後にとびきりキレのいいオチが待っている。SFの鑑ですな。

今夜も23時半過ぎまで仕事をしていた。地下鉄に乗って乗換駅で終電が出てしまってたらどうしよう…などと思いながら仕事場のビルを出ると、地面が濡れている。雨は降っていないが、空は雲が渦巻いているようである。自転車を置いてある駅で降りてそのときに雨が降っていたらどうしようもなくなるので、遠回りをして歩いて帰る。

家に着くと1時である。妻子はもう寝ている。台所のテーブルの上に食事の用意はできているのだが、明日から2泊で出張の予定なので食事をしている間に出張用のFIVAにデータを移しておきたい。その前に職場で更新したファイルを持って帰ってきたのをフロッピーからファイルサーバに入れなければ…ということで、ThinkPadを起動してその前に座る。そして…



7月19日(金) 
カミさんが居間の戸を開けたので目が覚めた。5時である。昨夜も居間で寝てしまっていたのだ。入ってきた彼女に「ご飯も食べてないの?」とか言われてしまう。はい、そうです。「上で寝たら?」と言われて、私もそうすべきだとは思うのだが、まだ出張用のFIVAへのデータの移行ができていない。起きてからやったのでは間に合わないだろう。でも、そういう作業をしてたら目が覚めてしまいそうだなあ…とか思いながらも、FIVAをネットワークに繋いでデータの同期処理を走らせてから寝室に上がるのである。

今日からまた広島に2泊3日で出張なのである。今やっている客ではないのだが、別の客でサーバのリプレース作業をするのでその応援に行くのである。まあ、作業はほとんど担当の人間がやるのだが、何かあったときのための備えである。作業日はお客様にこのサーバを使わないようにしてもらっているので失敗が許されないのだ。私の客の作業のときにも手伝ってもらうだろうからお互い様である。

夕方から広島に移動し、19時前から客先に入る。そして明日の作業のために、新旧のサーバを直結してデータのコピー処理を走らせる。今夜は今日中に寝れるかと思っていたのだが、一緒に来ているメンバーと食事を終えてホテルに着いたときには23時半を過ぎていた。無理か。それでも、部屋に入るとテレビを見たりして無為に過ごしてしまうのである。



7月20日(土) 
目が覚めた。7時前である。昨夜も部屋に入ってベッドの上に腰掛け、ちょっと横になったらそのまま気を失っていたのである。エアコンを入れていたので寒くて掛け布団を身体に巻きつけて寝ていた。風邪は引いてないかなあ。昨夜はシャワーも浴びてないので早く起きねばならない。しかし、意識がはっきりしない。しばらくじっとしている。

今朝は9時前から客先に入り、サーバの設定を行う…はずだったのだが、来てみるとサーバ間のデータ移動が失敗していた。データ移動が終わる前にシャットダウン処理が始まってしまったようだ。調べてみると、通信速度がまったく出ていない。100MBPSでつながっているはずなのだが、理論値の20分の1以下しか出ていないのである。なぜなんだろう。古いサーバが原因のようだが。けっきょく、テープを用いて移動させることになるのである。

しかし、テープの使用でまたトラブる。ここはAITという規格のテープを使っているのだが、お客様が予備のテープがないというので念のために用意してきたというAIT3という上位規格のテープを試しに入れてみると、ドライブが動かなくなってしまった。上位の規格が出現することを想定してなかったのか。ダメじゃん。サーバを再起動してもドライブの電源をOFF→ONしても復旧しない。強制的にイジェクトする方法も見つからない。途方にくれてしまうのである。

まあ、いじっていて何とか強制的にアンロードする方法は見つけたが、こういう製品を作るところは信用できないなあ>ソニー。まあ、私は昔からソニー製品はあんまり好きじゃないんだけどね。

けっきょく、作業は翌日までかかってしまった。一緒に行っているメンバーと食事をしてホテルに着くと2時である。客先の作業場所が山の中にあるので、移動にまた時間がかかるのである。これで明日移動して月曜日の朝は大阪で仕事してそれからまた広島に移動である。事実上、休日なしなのである。

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