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7月21日(水) 
現在、通勤中に「メガロポリスの虎」(平井和正:角川文庫 1975:→【amazon】)を読んでいる。機械に飼育され、だらけきった未来の人間の描写が延々と続き、ぜんぜん盛り上がってこない。平井先生の作品としては珍しいなあ。しかし、「きちがい」とか「めくら」とか「つんぼ」とか、今では目にすることのできなくなった言葉が連呼される。これだけ頻出すると、いっそ爽やかな感じさえするくらいなのである。

今日家に帰ってみると、金魚を入れているのが金魚鉢から洗面器になっていた。水草を買ってきたら金魚鉢には大きすぎたそうなのである。水面が広くなったので金魚には息苦しくなくなって過ごしやすくなったと思うが、横から中が見えなくなったのはちょっとツライな。

わはは、これには笑った。「“通常の3倍”高速化したガンダムUSBメモリ」だそうである。こういうキャッチフレーズにつられて買っちゃう人もいるんだろうなあ。私ゃこういう製品はスペック最優先なので、キャラクターモノは買わないんだが。というか、ガンダムにはあまり萌えは無いからなあ。弟妹はハマってたんだけど。ま、薄々の一般人ですから。



7月22日(木) 
また居間でブッ倒れて眠ってしまっていた。足が攣って目が覚める。4時前である。筋肉を伸ばしても縮めても、どうにもこうにも治らない。無理やり固定して痙攣は治まったが、痛みは残っている。寝室に上がって布団に潜り込む。

起きるべき時刻になる前から娘が泣き出して、カミさんが起きる気配がする。起きてから訊くと、熱を出したそうである。ううむ、カミさんは締め切り前なのにねえ。でも私も仕事が忙しい時期なのである。

今日も京都で仕事。出勤時に梅田駅の本屋で「バガボンド 20」(井上雄彦吉川英治:モーニングKC:→【amazon】:→【bk1】)と「ブラックジャックによろしく 9」(佐藤秀峰:モーニングKC:→【amazon】:→【bk1】)が「本日発売」の垂れ幕つきで山のように積まれているのを見つけてしまった。まだビニールもかかってない。本当に入荷したてののホヤホヤのようである。しかし、何で同じ日に出すかね。まあ、まず買うのは「バガボンド」でしょう。やっぱり格が違うし「ブラックジャックによろしく」の精神科編は連載を読んでいてもあまり面白くないからな。

買った「バガボンド」をさっそく往きの電車の中で読むが…やっぱりスゲエや。この、表情の一つひとつ、背景の1枚いちまい、いや場面の一つひとつををペン先を使って描き出しているというのが信じられないくらいの水準である。もっとまとめて読みたいよな。不満といえば、巨雲が構えたときに顎が上がっているように見えるところくらいか。逆に言うと、そんな細かなところまで気になってしまうくらいのレベルに来ている。でもやっぱりカミさんはこれを読んで、巨雲×小次郎で萌えたりするんだろうか。

見開きの海の絵のページを2回使ってるのね。まとめて読んで初めてわかった。まあ、効果をあげてるからいいか。繰り返し使うことによるリフレイン効果もあるからな。それでも1回目に読んだときには物語の流れに呑まれてぜんぜん気づかなかったのだった。

しかし、ブックファースト梅田2階店のねーちゃんは可愛い人が多い。レジで精算するときに、お釣りを確認するのを忘れてねーちゃんの顔に見とれていたくらいなのである。アブナイ奴である。容姿で採用してるのかなあ。まあそれも重要な付加価値の一つなんだが。

帰りに古本屋でモーニングを買う。今週のモーニングの目次では、他のコミックスは「モーニング出版物のお知らせ」なのに「バガボンド」だけは「『バガボンド』最新単行本のお知らせ」と別になっているんだよな。これだけの特別扱いもある意味すごい。「3800万部突破」ですか。1巻あたり200万部近く。翻訳もされてるみたいだし、大変なものである。まあ、そういうことに関係なく凄い作品だと思うのだが。

そして梅田に着くとまた本屋に入って「ブラックジャックによろしく」も買ってしまう。今日はモーニングの日だな。これも帰りの電車の中で読み始めるが…なんだか1巻丸ごと読んでも導入部という感じで、今までのような盛り上がりが感じられない。やっぱり精神病というのは扱いを慎重にせざるを得ないんだろうか。

バガボンド」と「ブラックジャックによろしく」とモーニングを買って帰ってきてカミさんに「はい、お土産」と言って渡したので息子は「ぼくのおみやげは?」と訊いてくる。うーむ、キミへのお土産はないんだな。仕方がないので、仕事中に舐めるために鞄の中に入れている飴玉を1つ出してきて明日の朝にでも食うように言うのである。

息子は私の白髪を抜くと言い出した。抜いた本数が増えることの達成感と収入に結びつくことにハマっているようだ。すごく巧くなっている。まだ目標を探索するのはそれほど上手くないようだが、ひとたび目標を捕捉すると一瞬で抜いてしまう。間違って他の毛を抜いてしまうこともない。もうこの点では母親を超えている。けっきょく、今夜だけで80本を抜いたのだった。私の財布から240円を出してきて渡すと「これで400円になった。ドラゴンボール買えるわ!」と言う。そうか、そうだねえ。

娘が熱を出したのでカミさんは彼女と一緒に1階で寝るという。それで息子は私が2階に連れて行って寝かせたのだが、電灯を消して横になると彼は「父ちゃんの白髪が出てきて寝られへん」とか言っている。目の前を白髪が乱舞しているらしい。そうか、集中するとそういうことになるんだよねえ。私も中学生の頃、将棋にハマっていたときには横になると天井を将棋の駒が動き回っていたものだ。しかし7歳でその境地になるとは、私の子供の頃より進んでいるよなあ。



7月23日(金) 
今日も京都で仕事。帰りに阪急の特急待ちの時間調整で本屋に入り、「オタク学入門」(岡田斗司夫:新潮OH!文庫:→【amazon】:→【bk1】)を手に取って読み始めると面白くてやめられなくなって買ってしまう。書いてあることにいちいち感心しているというのも薄々だし、これを今まで読んだことがないというのも薄々だな。

そして、この本でオタクのバイブルのように書かれているブレードランナースター・ウォーズも私にはあまり面白くなかったんだよな。「ブレードランナー」は併映されてたターミネーターの方が圧倒的に面白かったし、「スター・ウォーズ」に至っては評判だったのでテレビで最初に放映されたときに観たのだが、退屈で最後の戦闘シーンのときに眠ってしまったくらいなのである。そもそも、どちらも世間で評価が高いらしいから観てみるか…という感じでかなり遅れて観たんだよな。やはりどうしようもなく薄々である。

梅田に着くと、ホームにはずいぶん人が多い。よく見ると、縞柄の服を着たりメガホンを持ったのが並んでいる。ちょうど甲子園から帰ってくる時間帯にかち合っちゃいましたか。ここからは鬱陶しくなるなあ。

これだけ多いということは勝ったのかな。経験的に何となくそう思うんだが、なぜなんだろう。勝敗と観戦者数は無関係のはずなんだが。考えてみて、勝ち試合ではほとんどのファンが試合終了まで観るから一斉に帰ることになるせいではないかと思い至った。負け試合だと途中でパラパラと帰っちゃうからな。そういう意味では、こうやってまとまって帰ってくる客というのも熱狂度が高いファンなんだろう。だとするとやっぱり鬱陶しいんだなあ。

家に帰ってから確認してみると、1点差負けだったようである。そうか、それだったら最後まで観戦しますわな。



7月24日(土)
今日も昼過ぎまで寝ている。気がつくと、カミさんだけ起きているようである。娘が愚図りだしたので背中をトントンして大人しくさせていたら目が覚めてしまった。起きることにする。息子もすぐに起きてきた。カミさんは入れ替わりで寝るという。

更新されたサイトを一通り見て回り終えた頃に、息子は腹が減ったという。「パンでいいか?」と訊いて「いいよ」とは応えられたのだが、昨夜のご飯が残っているようなので「キムチ納豆でご飯を食べるというのもあるけど」と言ってみる。そうすると彼はすぐにその気になるのである。彼は「二人で分けて食べよ」とか言っている。さすがにあの辛そうなのを小学2年生が一人で食うのはキツいかもしれないね。それじゃそうしますか。

ご飯が2人分には足りないので、チキンラーメンを作ってこれも二人で分けて食べる。息子は食事を終えると、ずっと「ねえ、(ドラゴンボールの)15巻買いに行こ」とうるさい。「ちょっと待っとれ」と日記を更新するまで待たせるのである。家を出る前にカミさんが事前に買ってきている分を確認すると、17〜21巻であった。だったら15〜16巻を買う必要があるわけですな。

首から自分の稼いだ金が入っている財布をぶら下げ、家を出て自転車に跨ると息子は「近道で行こな」と言って本屋のある駅とは反対方向に走り始める。どうしたんだと思いながらも、とりあえず困るまでは彼の思うとおりにさせようとついてゆく。すると彼は踏切を越えようとするのである。おいおい、本屋も線路のこっち側なんだぜ…と思いながらも、とりあえず困るまではとついてゆく。すると彼は、線路の向こう側の道を真っ直ぐ目的地の方に向かって走ってゆく。ふうむ、この道だと線路のこちら側のゴチャゴチャした路地を曲がりながら行かなくてもいいから彼の精神的には近道ということなんだろう。距離よりも曲がる方向を判断する回数の方が問題なのだな。

再度踏切をを超えて目的の本屋に着く。コミックスの棚の方に行ってみると、彼が渇望していた15巻のみ無いのである。彼はもう、どうしていいかわからないようである。それで、古本屋を廻ることを提案する。ドラゴンボールはあるかどうかわからないんだけどね。

しかし、最初に入った店に15巻も16巻もあったのであった。ただ、価格が250円になっていた。でもまあ、他の店にある保証はないし、この炎天下を探し回って無かったらダメージは大きい。まずは15巻を私が買ってやる。それで続きをどうするか訊くと、自分の金で買うと言って16巻をレジに持っていく。不器用な手つきで財布から金を取り出して払っている。「安いとこで買えてよかったわー」とか言いながら帰ってくるのである。

ATOK16で入力した文字を変換しようとしたら固まるようになってしまった。また辞書が壊れたようである。困ったもんだな。辞書のような重要なファイルは壊れたら大変なことになるんですけど。このページを参考にして復旧を試みる。しかし、[ユーザー辞書のクリア]ができないのである。なぜだ。熟考の末、辞書がメモリ上にあるせいではないかと思って「オンメモリ辞書」のチェックを外すとクリアできるようになった。クリアしてWindowsを再起動である。すると正常に変換できるようになった。やはりユーザー辞書が壊れていたのか。困ったモンである。

しかし辞書をクリアしたので、学習した単語をぜんぶ忘れている。それで[辞書合併]をしようとすると、「アプリケーション エラー」のダイアログを表示して異常終了してしまう。ATOKが自動でバックアップしている辞書ファイルも壊れているようだ。仕方がないので自分でシステムドライブの内容をファイルサーバにバックアップを取っていたものから合併する。これで復旧できた。もし自分でバックアップしてなければ学習したものがすべて無くなってしまうことになっていた。そう思うと背筋がゾッとするな。そんなことは許されることじゃないぞ。どんなに謝られて賠償金を積まれたって許せないこともあるのだ。

念のため、ATOK Syncをして、「オンメモリ辞書」のチェックをONにしてまた再起動。これでやっと元通りである。いや、辞書は元に戻ったが、単語の優先順位がクリアされてしまっている。これだけでも出てくる単語が無意識に思っているものと違うので激しいストレスを感じるのである。

今夜は私が息子を寝かせる。彼と一緒に寝室に上がろうとしているとカミさんに「これも持ってってよー」と、娘と哺乳瓶をわたされる。一緒に寝かせろということのようである。カミさんも締め切り直前のようだからね。しかし、娘の目はバッチリと開いているのである。電灯を消して布団の上に寝かせると、当然のごとく泣きはじめる。うつ伏せにして背中をトントンしても泣き止まない。というか、なかなかうつ伏せになってくれない。泣き続ける。

仕方がない。こういうときには横抱きにして歩き回ると泣き止むのである。しかし泣き止んだはいいが、眠ってくれない。抱かれたままじっと私の顔を見つめている。娘が泣くか私が室内を歩き回っているかなので、息子も眠ることができない。私も疲れてきたので、また横にして泣かせる。もう、しばらく泣かせて疲れさせるしかない。ミルクを飲ませようとすると、最初は嫌がるがすぐにチュウチュウ吸い始める。しかしすぐにまた泣き始める。疲れてきたと思しきタイミングでまた抱き上げ、寝室の中を歩き回る。彼女は私のシャツのすそを握りしめたまま目をつむり、やっと眠ってくれたようである。



7月25日(日)
昨日のATOK16の辞書が壊れる件だが、正規ユーザならATOK Syncが使えるから、こまめにジャストシステムが管理しているサーバにバックアップしていれば最悪の事態は避けられるわけだ。そういう意味では、不正コピーへの対策としては有効かもしれないな(笑)。

昨日ドラゴンボールの17巻が家にあるのを知ったので、息子はそれを読みたいと言っている。そんなに続けて読んだら有難味がないでしょ。でも彼が金を稼いでも、家にあるから彼の金で買うわけにもいかないからなあ。そういうことで、白髪を70本抜いたら1冊読ませてやるということにする。それで彼は早速抜き始める。最近乱獲しているので見つけるのが大変なようである(保護したからといって増えるわけじゃないと思うけど)。しかし、読みたい一念というのは恐ろしいもので、ついに70本抜いてしまったのであった。

bk1「2004年上半期総合ベストセラー」が発表されていた。「文芸・ミステリ・SF・ホラー」のトップは空の境界ですか。これは読んでないのだが、表紙が印象的なんだよな。店頭で見てもダントツに目を引く。上下巻が並んでいるともう無敵である。描いている武内崇という人はゲーム界の人のようだ。今や才能のある人はそっちの方に流れてるのかねえ。

昼過ぎになって、家の外で雷鳴が轟きはじめた。だんだん近づいてきている。これはヤバいかもしれない。前にも書いたが、私の大事なデータは常時稼動しているハードディスクにしかバックアップを取ってないのである。近くに落雷すれば、この10年間蓄えてきた情報が全てが水泡に帰してしまう(以前ディスクにバックアップしていた時点までは戻れるか)。それで、私のパソコンとサーバ、NASすべてを停止させ、電源ケーブルとLANケーブルを切り離すことにする。

予想通り、しばらくすると強烈な雨が降り始め、窓の外を稲光が走り、近くに雷が落ち始める。幸い、電子機器に影響を与えるような近くには落ちなかったが、それでも過電流が入ってこないようにしているべきだよな。でも、休日だからこれができるけど、平日だったらひとたまりもないな。やっぱし光ディスクへのバックアップを再開するか。

雷雨の前後しばらくはパソコンが使えないので先日買ってきたチュー坊がふたり田渕由美子)を読んでいたのだが、末娘ののか子ちゃんが可愛い。中学生の娘がいる家庭っていいなあ。「一家に一人、女子中学生」って感じですか。我が家がそうなるのは、10年以上後か。それまでこの暮らしが継続できるんだろうか。

雨が降って多少涼しくなったので、息子に古本屋に行かないかと誘ってみる。「面白い野球マンガあったら買うたるで」と言うと素直についてくる。1軒目は目ぼしいものはない。2軒目で「桃子について」(田渕由美子:Queen's comics:→【amazon】:→【bk1】)があるのを見つけて買ってしまった。「チュー坊がふたり」を読んでいて昔の感覚が蘇ってしまったのかな。復帰後の作品を買うのは初めてである。

それから「キャプテン 1」(ちばあきお:集英社文庫:→【amazon】:→【bk1】)があったので息子に買ってやる。あんまり最初から魔球とか出てくるマンガを読ませるのは教育上よろしくないからな(苦笑)。そしてマンガばかり読ませるのも問題があると思うので、家に帰ってから息子とキャッチボールをするのであった。

Linuxザウルスで書いていた日記をCFカードに入れてパソコンで読もうとすると、また壊れていた。またカードにコピーし直しても同じである。いちどファイルが壊れてしまうと、削除してコピーしなおしても壊れたままになってしまうようだ。ポインタが壊れてしまっているのだろうか。その上から別の名前でコピーすればちゃんと登録されたんだけど。かなり時間を無駄にした。こういうことじゃ困るなあ。



7月26日(月)
朝、家の外では雨がジャバジャバ降っている。この降り方は、新婚旅行で行ったバリ島を思い出すなあ。本当に日本は熱帯になっちまうんじゃないだろうか。

往きに梅田の本屋に寄ると、揺籃の星が出ていた。ホーガンの新作ですか。これは買わねば…と思ったのだが、解説を読むと「読者に度量の広さが必要」などと書いてある。さもなくば途中で投げ捨てたくなるだろうと。それじゃ私にゃ無理だ。パラサイト・イヴ」でさえあんなに糞味噌だったんだから。そういうことで購入を諦める。でも解説でこういうことを書いていいもんなんですかね。

しかし、ヴェリコフスキー理論ですか。アレは酷いよなあ。小学生のときに(たしか無料期間があったから)購読してたリーダースダイジェストであの理論(とも言えないよなあ)の記事を読んで子供心に「(権威ある雑誌だと思ってたのに)なんでこんなデタラメを載せるんだ!?」と思って雑誌に対する信頼が失墜したのを思い出すなあ。いま思えば、アメリカの雑誌なんてこんなもんなんだろう。

阪急で隣に座ってきたオバサン、「農家民宿に人気」などという見出しの記事を読みながら電車の中なのに日焼け防止の長手袋をしてやがんの。すげえイヤンな感じ。

やっと「メガロポリスの虎」(平井和正:角川文庫 1975:→【amazon】)を読み終えたが、やっぱりちょっと盛り上がりに乏しかった。カタルシスがないのよね。どうしてもこの人にはそういうものを期待してしまうのである。

帰りに梅田駅の本屋で日経キャラクターズ!を見つけてカミさんへの土産に買ってしまう。表紙に「誰も知らなかったランバ・ラルと書いてあったのが敗因かな。まあ、付録にDVDがついていたこともあるな。

カミさんに土産を買って帰ると息子が「ぼくには?」と訊いてくるはずなので、鶴橋駅のブックオフに寄って「キャプテン 2」(ちばあきお:集英社文庫:→【amazon】:→【bk1】)を買って帰る。これを見せたら喜ぶだろう…と思っていそいそと家に向かう。しかし、玄関を開けても彼は自分の机のところでドラゴンボールを読んでいて出迎えに出てきやがらねえ。父親はぜんぜん無視なのである。くっそお、こいつは見せてやらないもんね。と、存在感の薄い薄々の父親は思うのであった。

今夜は食前にカミさんが生協で買ってきたノンアルコールビールというのを飲んでみる。疲れていてアルコールを飲むと酔いつぶれてしまいそうなときには有効だろう。そう思っていたのだが、飲んでみるとそれほどよろしくない。私はそれほどアルコールは必要じゃないと思っていたのだが、それでも飲んでみると物足りない。運転前などアルコールを摂取できないときのために普及させようとしていたみたいだが、ぜんぜん売れていなようないのも頷ける。これじゃ、酒好きな人にはかえってフラストレーションが溜まるでしょう。 でも、そう思ってしまうということは、私もアル中の仲間入りか。

今日のトリビア。中国の小説ダウンロードサイトでは、『銀英伝』が『ハリポタ』よりも売れてるんですか。へぇー。



7月27日(火)
朝、私が出勤する準備をしているとき、カミさんは日経キャラクターズ!を読んでいても私の話をぜんぜん聞いてない。ううむ、やはり私は家庭内で存在感の薄い薄々の亭主なのである。

阪急の特急で京都に向かって走っていると、西向日駅の左側にぽつんと市街地に囲まれた緑の小山が見える。こんな街中にあの程度の小山が残っているのは何なんだろうと気になっていたのだが、地図で調べてみると神社のようである。やはりこの世の中、あれだけ開発された地域で緑のまま残ろうと思うとそういうものでないと無理なのかなあ。

今日から「光世紀パトロール」(石原藤夫:徳間文庫 1986:→【amazon】)を読み始めている。傾向としては堀晃先生と同じような感じだが(というか、こっちが先輩か)、堀晃先生に比べるとドラマが弱い。「ハードSFだからそういうものを期待してはいけない」などと言ってはいけない。それに、あんまり「新しいものを見た」という感覚もないんだよな。

しかし、こんな歴史上の有名人の遺伝子を復元してクローニングしたという登場人物を出して、こういう扱いをしていいものなんだろうか。

どうも、読んでいてもこれ以上面白いことは起こりそうにないので、中断して帰路には「何かが道をやってくる」(レイ・ブラッドベリ大久保康雄:創元SF文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読み始めることにする。すごい雰囲気のある文章だな。雰囲気だけと言ってしまえば身も蓋も無いんだが。いや、この目眩くような感覚を味わわせるというのは大変なことだ。このイメージを味わうべきなんだろう。

しかし眠い。帰りの電車の中で眠ってしまっていて、梅田に着いたのにも気がつかなかった。目を開けると、すでに乗車側の扉が開いて、京都方面行きの乗客が席につきはじめていた。いつも眉をひそめて見ている「終点に着いても目覚めない、だらしない乗客」というヤツに自分自身がなってしまっていたのだった。酔ってるわけじゃないんだよー



7月28日(水) 
今日から息子はお義母さんとキャンプに行くことになっている。カミさんが集合場所まで車で送って行くので、私は娘を保育所に送ってから出勤しなければならない。慣れないことをするので、1時間早起きする。着替えてから出勤する暇がないので背広姿で連れて行かねばならない。負ぶっていくわけにはいかないので自転車のハンドルに付けている座席に座らせるのである。ベルトが切れているのでちょっと不安なのだが(おい)

引き続き通勤中に「何かが道をやってくる」(レイ・ブラッドベリ大久保康雄:創元SF文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。名文ですなあ。訳も素晴らしい。この万華鏡のようなイメージ。そして、10以上年前の時点で49版ですか。SFとしては驚異的…というよりこれはファンタジーか。

いま仕事場で使わせてもらっているPCにはAdobe Reader 6.0が入っている。これが非常に使いにくくてストレスが溜まっていたのである。なんせ起動が呆れるくらい遅いし、文字列の検索をするとウインドウの右側を検索結果の情報が占拠して本文が縮小され読めなくなってしまうのだ。何のために検索しているのやらわからない。自分のマシンならこんな糞ソフトは即刻アンインストールして跡形もなく消し去ってやるのにと思っていたのだが、今日このマシンにAcrobat Reader 5.0も入っているのを見つけてしまった。さっそくフォルダオプションでPDFファイルの関連付けをAcrobat Reader 5.0に変更する。ラッキーである。これでかなりストレスが減るはずである。しかし、何でバージョンアップして重く使いにくくなるかね。このマシン、Pentium Mの1.3GHzでXGAなんだから性能が低いわけじゃないぞ、断じて。

今日は遅くまで京都で発注元の営業との打ち合わせにつきあわされ、梅田に着いたときには23時を過ぎていた。しかし、大阪駅にはいっぱいいるのである。虎印の法被を着たのやらメガホンをいくつも首からぶら下げたのや。疲れているのに何でこんな時刻にこういう集団と一緒に帰らなきゃいけないんだ。試合が延びたのか。しかしやっぱり鬱陶しい。他の人間と明らかに雰囲気が違う。酔っ払い…よりも動きが大きく速く、祭り帰りのようなうわついた感じ。勤め人の中に遊び人が混じってる感じ、と言えば言い過ぎか。

今日も帰りの電車の中で寝てしまっていた。気がつくとヨダレまで垂らしている。だらしないことである。



7月29日(木) 
昨夜も居間で床板の甘い誘いを断れず、横になって意識を失っていた。朝になってカミさんが下りてきても気づかない体たらくである。横になるときに「歯を磨かなきゃ」と思ったのだが「それじゃ目が覚めてしまうぞ」という声に押し切られ、「目が覚めた方がいいだろう」という心の奥からの声は無視されてしまったのであった。

今日も今日とて京都で仕事。出勤時に梅田の本屋に入ると「スカーレット・スターの耀奈」(梶尾真治:新潮文庫:→【amazon】:→【bk1】)を見つけてしまったっ!! これは、ずっと探していた作品なのである。インターネット上で書店が営業を開始しはじめた頃に見つけて発注しようとしたのだが、在庫が無かったのだ。私ゃ古本屋を見たらすぐにフラフラと入ってしまう方なのだが、その私でも一度も見たことがない幻の作品だったのである。それが再版されるとは、黄泉がえり効果には感謝しないといけないな。

今日は発注元に移動して昼から打合せ。途中で松屋に入り、サイドメニューだけの昼食を摂る。ご飯、豚汁に納豆、お新香。食っていると、日本人はこういう米と豆と芋に少量の野菜という食事をするのが正しいのじゃ、という気分になってくる。肉なんぞ食ってたら、心も身体もぶくぶくになってしまうぞ。でも、豚汁にブロック状の脂身が大量に入っていて、なかなかそういうわけにもいかないのだった。私の注文を聞いて、これは動物性蛋白が足りないというので増量したわけじゃないだろうな。

今日も帰りにカミさんへの土産で週刊モーニングを買って帰る。帰りの電車の中で読み終えて、「何かが道をやってくる」(レイ・ブラッドベリ大久保康雄:創元SF文庫:→【amazon】:→【bk1】)の続きを読み始めた。しかし今日も眠い。ひょっとして、ここ2日間電車の中で熟睡してしまっていたのはこの作品を読んでいたせいだろうか。モーニングを読んでいるときには全く眠気を感じなかったのに、この作品を読み始めると猛然と眠くなってくるのである。すごい表現だと思いながらも、私の脳は退屈しているのだろう。やはりファンタジーはダメなんだな、私は。



7月30日(金) 
けっきょく、昨日まで読んでいた「何かが道をやってくる」(レイ・ブラッドベリ大久保康雄:創元SF文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読み続けるのは断念してしまった。あの表現を私の脳の能力では処理しきれないのかな。若い頃に読んでいればまた違ったのかもしれないんだけど。そういう意味では、若い頃に比べて脳で動いているソフトは最適化されてるけど、クロック数やメモリ量は明らかに落ちてるよなあ。

それで続いて読み始めた「鷺娘―京の闇舞」(菅浩江:ソノラマ文庫:→【amazon】)だが、昨日の眠さからは信じられないくらいすらすらと読める。でも、いのまたむつみさんがイラストということでスゲえ組み合わせだと思ってたんだが、期待したほど絵は良くないかな。

家に帰るとカミさんはケーブルテレビでAKIRAの英語版を観はじめた。これは高価い金を出してレーザーディスクを買ったのに、たしかまだ私は通して観てないんだな。これだから薄々は困る。これを機会に観通そうと思って観ているが、なるほど素晴らしい出来である。たぶん当時はアメリカでも向こうのクリエイターたちが「ひえー」「すげー」「やられたー」とか言いながら観てたんだろうな。しかし、それにも増して眠い。途中で何度も気を失うのでストーリーが追えない。仕方がないので寝ることにする。これだから集中力の無い薄々の一般人は困るんだよな。



7月31日(土)
昨夜はAKIRAを観ていて遅くなってしまったので、昼過ぎまで起きられない。不健康なことである。

現在、我が家の家庭内LANに散在しているデータのバックアップは、データ量が大きくなりすぎて光ディスクには入らなくなっているためファイルサーバやNASに更新分を同期するという方法で行っている。しかし、それでは常時稼動しているマシンのハードディスクに入っているため、落雷などで一挙にすべての機器が破壊された場合、データも全滅してしまう。ハードウェアは金さえ出せば何とでもなるが、データは消失すれば取り返しがつかない。そこで、現在の状態をDVD-Rにバックアップし、今後毎週1週間分の更新情報をDVD-RAMに書き出してゆくことにする。

それでまず現状の個人データをDVD-Rにバックアップをしようとしたら、B's Recorder GOLD5が異常終了してしまうのである。バックアップするファイルを選択して追記可能な形式で保存するかどうか訊かれて不要だと言ったとたんにウインドウが消えてしまうのだ。5.5へのアップデータがあったのでそれを入れてみたが、それでも状況は変わらない。ファイル名が長すぎるせいかもしれない。そう思って、ファイルサーバからDVD-RAMドライブが繋がっているサーバのディスクにファイルをコピーして名前を短くする。そうすると書き込むことができたのだった。それじゃやっぱりファイル名が長すぎたせいか。いや、この方法でうまくいったということは、ネットワークドライブから書き込もうとしたせいだという可能性もあるな。そして次のデータはファイルサーバから直接書き込んだら何の問題もなく書き込めたのだった。やっぱりファイル名が長すぎたせいですか。異常終了するくらいなら事前にチェックしろよ。このあたりも処理速度を上げるためなのだろうなあ。

今日も息子を連れて買い物に行く。例によって、ついてくればドラゴンボールのコミックスを読ませてやるという条件つきである。ダイエー系のスーパーでバーゲンブローを買おうとして酒類売り場に行くとブラウベルクブロー ライトというのが出ていた。これはバーゲンブローのライト版だと考えていいのでしょうか。まず何よりも値段が安い。350mlが1缶でも税込みで100円を切っている。実は週末に通勤路にある安売りの酒屋で輸入モノの(と思われる)発泡酒が税込みで24缶2200円台で売っていてこれも買ってみようかなと思っていたのだが、あれは330ml入りなので単価はこちらの方が安いか。さっそく夕食前に飲んでみるが、たしかにバーゲンブローよりも軽い。時としてバーゲンブローが重く感じる私としてはこちらの方がいいくらいである。値段も安いし。これがバーゲン価格でないことを祈ろう。PB商品はバーゲンしないと思ってるんだけどね。

サマージャンボの発売が今日までだというので、カミさんが家族一人一枚ずつ4枚を買ってこいという。私はクジ運が皆無なので、これも息子を連れて行く。彼は「3億円当たったらドラゴンボールがいっぱい買えるなー」とか言いながら自転車で走り始める。カミさんがあると言ったあたりに発売所はない。付近を探し回るが見つからない。このまま家に帰ると「あなたのせいで3億円損したのよ!」と折檻されるので、家の反対側の学生街まで足を伸すことにする。しかし息子が疲れてきたようである。「まだないの〜?」とか後ろで走りながらぶーぶー文句を言っている。そのうちに後ろでガッタンと跳ね上がる音がして息子の自転車が転けた。自分の自転車を道路脇に停めて様子を見に行くと、彼は立ち上がったが泣きそうになっている。仕方がない、ここから先は父ちゃん独りで探すことにするか。そういうことで引き返して息子を家に送り届けるのである。

息子は家に着いてもぶーぶー文句を言っている。ドラゴンボールの18巻を渡して家を出るのである。しかし、大学から駅までの通りを隅から隅まで見てまわっても、また家の反対側の駅まで戻ってカミさんが言っていたところを再確認しても、やはり宝くじを売っているところは見つからない。やっぱりこんな田舎には無いのだよ。家に戻ると息子が出てきて「やっぱり無かった?」とか言っている。ああそうだよ。そして彼は「テレビでは昨日までって言うてたで」とか言っている。昨日職場でも同僚たちが「今日までやから…」とか言ってたんだよな。そう思って調べてみると、発売期間は昨日までじゃないですか。ふにゃふにゃ。

夕食後にカミさんがチャンネルをガチャガチャと変えていたらサッカーの中継をしているのが映った。アジアカップですか。PK戦も延長になっているようである。宮本が決めて1歩リード。そして、相手が枠に当てたっ! 勝利である。相手が蹴る瞬間、キーパーが一瞬右に動いてから左に跳んだので軌道が外にずれたんだな。絶妙のタイミングである。しかし、苦労してますねえ。

ケーブルテレビでロボットアニメの特集をしているようである。息子はザンボット3とか興味深げに観ている。やっぱり富野作品のテーマソングはいいねえ。でもいかにも低予算なアニメだな、と思いながら観ている。絵や動きじゃなくシナリオで勝負するしかない、って感じですな。そして次のイデオンを観て、予算が上がっているのが歴然とわかって笑ってしまうくらいである。しかし、子供の前でイデオンのテーマを、声を揃えて歌ってる両親って問題ありませんでしょうか? 私はどういう話かも知らないのだが、オタクの弟妹が観ていたのでなぜか歌えるのである。

新書館ウィングス文庫 狼谷辰之 
 対なる  【Amazon】
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ISBN4-403-54021-X ¥620+税 



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