2001年 1月下旬の日記
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1月21日(日)
また、居間のコタツの中に埋もれて寝てしまっていた。起きてきたカミさんに「『帰ってきたような気がしたのに、どこに行ったのかしら』と思っちゃったわよ」などと言われてしまう。「存在感のない父親」というのは良くないとよく言われてるんだがなあ。

息子が熱を出した。明日は休ませることになる。

今日、パソコンを使っているときに間違って電源ボタンを押してしまった。あっ、ヤバいっ……しかし、いきなりちゃんとスタンバイ状態になってしまったのである。なんだよ、サスペンドしなくてさんざん悩んだのに、それもMinSPsの値が足りないせいだったのか。いままで起こった不具合はほとんどコイツのせいのような気がするな。しかし、これはUSBのDVD-RAMドライブのドライヴァを入れてからそうなったと思うんだよな。だったらドライヴァのインストールをするときにSystem.iniを書き換えてくれればいいのに、などと思ってしまった。でないと、私みたいな普通の人には使いこなせないぞ。



1月22日(月)
今夜から東京に出張である。息子の体調が悪いというのに家に居られないというのは役立たずなことであるな。

今日も大阪の本社で20時まで仕事をしていたのでのぞみで移動することになる。往きののぞみの中で「ラッキー・カード」(草上仁:ハヤカワ文庫 1990)の「ウォーターレース」を読み終えた。未来の架空の世界の話だが、祈りの海を読んだ後の私にはSFだとは思えない。でも、これはお話として面白かったですね。

今夜ののぞみを予約すると1号車であった。ホームの人混みの中を長く歩かないといけないなあと思ったが、よく考えると500系の端の車両に乗れるというのは滅多にないことである。いちばん前と後ろの車両には出入り口が1つしかないからね。乗ってみると、座席が11列しかない。やはり、先細りの形状をしているからだろうな。

東京駅に着いたのは22時半である。今夜泊まるホテルにはJRの駅から行くには上野公園を横切らなければならないのだが、公園の中の道というのは細かく枝分かれしている上に直角に交差していないので地図を見ながら歩いてもどの道を行けばいいのかよくわからない。オマケに街灯が少ないので暗い。オヤジ狩りや痴漢に襲われたらひとたまりもないな。道端には雪の塊が残ってるし。やはり東京の方が緯度が大きいんだなあ、と実感する。真夜中の不忍池を見ながら真っ暗な道を歩く、というのは風流なことである。



1月23日(火)
今日は発注元が方針変更をするので仕掛りの作業は中止しろということになり、15時で解放された。すごく早いような気がしたが、それでも新幹線で大阪に帰っていると家に着くのは会社を定時に出たよりも大幅に遅くなるんだな。出張はツラい。移動時間は残業にならないし。

帰りの電車の中で侵略者の平和 第3部 融合」林譲治:ハルキ文庫)を読み終えた。ちょっと詰め込み過ぎのような気はしたが、まあまあ面白かった。あまりに文章が論理的すぎて、小説としては読んでいてちょっと居心地の悪いと感じるところもあったんだけどね。「〜である、なぜならば〜」というような表現が続くと、なんだか技術文書でも読んでいるような気分になってしまう(笑)。で、あとがきがいちばん面白かった…なんてことは書いちゃいけないんだろうな。書いてるけど。

家に着いたとき、風呂場の電灯が点いていた。中から息子の声が聞こえる。「おかえり」と言うので「ただいま」と応えると「…ゆうてくれたよ」と言っているのが聞こえる。一緒に入っている母親に報告しているらしい。今夜は一緒に寝れるかな。



1月24日(水)
東京の作業が保留になっているので、今日は午前中を休ませてもらうことにする。そうなるとかえって朝方から眠りは浅いのだが、起きられずにずっと微睡んでいる。こんなんで疲れが取れるのだろうか。

カミさんは今日はレディースデーを利用してアヴァロンを観に行くらしい。一緒に観に行こうかとか言っていたのだが、私がこういう状況なら仕方ありませんわね。彼女が先に出ていったので、独り寂しく食事をして家を出るのである。

今日も「ラッキー・カード」を読んでいる。往きに「可哀相な王女の話」を読み終えた。まあ、寓話として面白かったですね。これでこの本は読了である。

今日は早めに仕事を切り上げて、久しぶりにキタの本屋巡りをする。時の果てのフェブラリー山本弘:徳間デュアル文庫)、少年の時間(徳間デュアル文庫 Novel 21)、メルサスの少年菅浩江:徳間デュアル文庫)を買った。デュアル文庫ばっかりだな。「時の果てのフェブラリー」は某所で勧められていたのだが、絶版だったし古本屋でも見たことがなかったのである。「メルサスの少年」は以前図書館で借りて読んで良かったからね。良い本ならば自分で金を出して買うのである。キタの本屋巡りを終え、自宅近くの本屋に入ってから気がついた。「あ、プラネテスはもう発売されてたんだっけ」……大ボケである。

今日も家に帰りついたとき、風呂場の電灯が点いていた。しかし私が自転車を停めても息子の声がしない。どうも風呂場の中にはカミさんしかいないようなのである。どうしたんだろう。お義母さんに預かってもらっているのだろうか。しかしカミさんによると、彼は熱を出しているので独りで居間にいるとのことである。そういえば、階上からテレビの音が聞こえてくるな。あれはプラレールのビデオだろうか。でも大丈夫なんだろうか。少し前には独りだと怖がっていたというのに。そういう意味でも私がカミさんが上がる前に帰ってこれたのはよかったな。もう少し早く帰ってくるべきだったんだろうけど。居間に上がると彼は独りで椅子に座ってテレビを観ていた。手がかからなくなったものだ。しかし、やはり熱っぽそうである。私がもう少し暇だといいんだけどねえ。



1月25日(木)
我々が目を覚ましたのは、私がもう家を出ているべき時刻であった。しんどいので、今日は午前中を休ませてもらうことに決めた。そのまま9時半まで寝ることにする。しかし9時過ぎに息子が目を覚ました。一緒に起きる。熱は無いようである。そして職場に連絡。課長は不満そうであったが、午後から出てゆくことで許してもらった。外は雨が降っている。カミさんは車で職場まで送ってくれるという。もうあっちの方は嫌だと言ってたんじゃないだろうか。しかし先に彼女が息子に「モノレール見に行こか」と言ったら、彼はもうすでにその気になっているようである。立ち上がって着替えようとしている。いや、すぐに行くわけではないんだよ。息子と一緒に朝食を食べ終えると、また眠くなってきた。昼まで寝ることにする。いくら寝ても眠いなあ。

12時過ぎに目が覚めた。これは車で行かねば昼一番には間に合わないな。親子3人で車に乗り込み出発する。しばらく走って後部座席を見ると、息子はちょっとしんどそうである。熱で保育所を休んでいるのに連れ出して、すまないねえ。それでも阪急電車の車庫とJR東海道線の間を走っているときは興奮していた。まあ、一時の高揚なんだろうけど。JRでは、あまり普通の電車は見れなかった。最初に見たのが電気機関車が1台だけで走っている姿だった。そして、特急電車が……と思ったが、それは回送だった。いつもはこのあたりの駅で電車を待ってると、いろんな車両が通るんだけどねえ。

今日から少年の時間を読んでいる。まず上遠野浩平氏「鉄仮面をめぐる論議」を読み終えた。編者が前書きで「埋もれている無印の予想外のすごさをわかってもらう」とか豪語してたわりには、それほど面白くもない。続いて菅浩江氏「夜を駆けるドギー」を読み終えたが、なかなか深いですね。でも、「逝ってよし」に「オマエモナー」「age」って……うーん、何と申しましょうか。わたしなんて、こういう型にはまった発言に非常に抵抗がある方なので、読んでてちょっとツラかったっすね。それに、こういう世界の言葉って、すぐに古くなってしまいそうな気がするんですけどねえ。この世界があと何ヶ月、現実感を保っていられるだろうと思うと、ちょっと複雑な気分なのです。あ、「UG」って「Users Group」のことだと思ってたら「アンダーグラウンド」のことだったのね。

今日も22時半まで仕事。家に帰ると妻子は寝ていた。しかし、着替えるために3階に上がると寝室の中から「すーぱーくろしお、みたねー」とか言う息子の声が聞こえてきた。往きに我々が見た回送電車は「スーパーくろしお」だったんだそうである。家に帰ってから彼は私の買ってやった特急大図鑑で調べていたそうである。疑問があれば本で調べるという姿勢は非常によろしい。4歳児としては上出来なんじゃないだろうか。彼はそれを父親に報告すると言って頑張っていたそうである。でもまあ、熱があるときは早く寝た方がいいと思うぞ。

息子に「父ちゃん、ご飯食べてくるからな」と言い聞かせて階下に下りる。息子は「また、あとで、あがってくる?」「いっしょに、ねよな」とか言っている。まあ、それまで起きていたらね。飯の用意をして食っていると、新聞にプロジェクトX 挑戦者たち」ゴジラ誕生というのをやっていると書いてあるのを見つけたので観る。私のような人間にとって円谷英二先生というのは神にも等しい存在だからね。でも、ゴジラの声って、いま聞くとすごく哀しげに聞こえるんだな。オレも歳を取ったかな。



1月26日(金)
今朝も、しんどいのでカミさんに職場まで送ってもらう。有り難いことである。道が思ったよりも混んでいて、ちょっと遅くなってしまった。

引き続き通勤中に少年の時間を読んでいる。今日は帰りに平山夢明氏「テロルの創世」を読み終えた。これは読み応えがありましたね。やはりこの人には筆力がある。私はホラー好みのヒトではないのだが、そういう人間にもこの文章力は有効なのである。

今日も22時半まで仕事。夜になって雨が降り出している。勢いはないが、けっこう量は多い。歩いていると靴の中がグショグショになるのである。かろうじて今日中に家に着いた。足がグショグショなので風呂場で足を洗うが、階上では何の反応もない。上がってみると、やはり居間には妻子はいなかった。しかし、着替えに3階に上がっていくと寝室から息子の声が聞こえてきた。カミさんは「さっき38度の熱があったのよ」とか言っている。彼は今日も「ごはん、たべたら、とーちゃんと、いっしょに、ねる」とか言っている。そして私は今日も「ご飯食べたら来るからな」と言って下りてゆくのである。

カミさんは、寝違えたので自分で飯を作ってくれと言っている。そのへんにあるものではちょっと寂しいので、ストックの缶詰でも出して食べることにしようか。引き出しの中から魚の缶詰を出してくるが、品質保証期間が36ヶ月と書いてある。製造日付を見ると1995年である。6年前か……有効期間の倍なら大丈夫だろう(爆)。皿にあけ、電子レンジで念入りに加熱して食べるのである。まあ、細菌が毒素を作ってしまってたら、いくら加熱してもダメなんだけどね。缶が膨らんでなかったから、そのへんは大丈夫だろう。

しかし、ストックの缶詰が入っている引き出しの中を漁っていたら、底にコールタールのように真っ黒な液体が溜まっているのを見つけてしまった。缶詰のうちどれかが破裂して、腐敗した中身が流れ出てきているのであろう。うげげげげ。缶詰も買い込むばかりぢゃなくて、たまには整理しなくちゃいけないなあ(激爆)。



1月27日(土)
またコタツの中で寝てしまっていた。カミさんが下りてきた。息子は連れていない。昨日も熱があったらしいので、今日も休ませるとのこと。今日も休日出勤である。昨夜からの雨が引き続きジョボジョボと降っている。しかし、カミさんは、首を寝違えているので今日は職場まで送っていけないと言う。まあ、そうそうカミさんに頼るわけにもいくまい。

今日も少年の時間を読んでいる。今日は杉本蓮氏「蓼喰う虫」を読み終えた。書いてあることはわかるのだが、登場人物の気持ちがイマイチ伝わってこない。どこが違うのかねえ。

職場でパソコンを使っていると、画面がいきなりグニャグニャッと乱れた。見ると、横で携帯電話をかけているやつがいた。うわー、電磁波が出るというのは聞いていたが、これほどのものだとは。月面に置いただけでも全天でもっとも強い電波源になるというのもうなずけるな。これは身体に悪そうですねえ。

客先で仕事をしているので、夜になると守衛さんが作業の終了予定時刻を聞きに来る。今日は順調に終わりそうな気配だったので「8時です」と応えたら「朝のですか?」と言われてしまった。ぜんぜん信じられていない。ここ数日、交代で徹夜していたからなあ。

今日は早く帰れるんじゃないかと思っていた(それでも20時)のだが、今回の作業の前後でデータの件数が合わないらしい。それなのに次の作業に入ってしまったと言って課長がテスト担当者を怒っている。しかし、理由がわからない。全体の金額は合っているし、件数も昨年の11月までは合っているのである。今回の作業内容が根本的におかしいのであれば、もっと全体的におかしくなるはずだ。必死で原因を考える。もし作業のミスであれば、原因を修正してからこの4日間の作業をもう一度最初からやり直さなければならない。いろいろ考えた末、次のような結論にたどりついた。件数が合わないテーブルの集計キーにマスター(「顧客マスター」のように共通の情報が入っているテーブル)から決める項目が入っていたのだが、そのマスターの内容が毎日変わるのである。そのため、一気にデータを作ると1件に集計されるものが、毎日データを作っていると別々に集計されることがあり得るのである。昨年の12月から本番稼働したので、12月以降の作業前のデータは一日分を毎日受け取って処理したものだったのである。件数が狂っているのが12月以降だけだというのもそのせいだ。たぶんこれが原因だ。億のオーダーに近い件数があるため元の状態に戻すのに数時間かかるので証明はできないが、課長に説明して納得してもらう。なんとかこれで明日は休めそうだ。けっきょく、職場を出たのは22時半になってしまったのであった。

帰りの近鉄電車の中で、2月から「スルッとKANSAI」のカードが利用可能になるという中吊り広告を見た。まだまだ先のことだと思っていたのだが、もう来週から使えるようになるのか。でも、近鉄のカードの名前は「スルッとKANSAIカード」か。あまりにヒネリのない名前だな。あ、「途中下車」の制度が無くなるのか。カミさんはけっこう利用してたようなんだが。

家に着き、日記を書きながらThinkPadがサスペンドできるかどうか試してみる。あれ、今日はうまくいかないぞ。やはりUSBのDVD-RAMドライヴを繋いでる状態ではダメなのね。



1月28日(日)
今朝も遅くまで寝ていた。例によってカミさんが起きてくるまで居間で息子と二人で過ごす。私がThinkPadをいじっていると、息子がやってきて「シンちゃん(仮名)、しょーぎ、するの、いちばん、すき」と言う。将棋をしたいという意思表示なのである。パソコンで将棋をさせる。しかし、しばらくするとまた私の膝の上に乗ってきて「シンちゃん(仮名)、でんしゃ、みるの、いちばん、すき」などと言ってくるのである。「さっき、『将棋するのがいちばん好き』言うてたん違うんか」と言うと、「シンちゃん(仮名)、でんしゃ、みるの、にばん、すき」などと言う。ううむ、「いちばん」の次は「にばん」だというのを認識したということなんだろうが…

母ちゃんのPCで通信しろ、と言う。すると彼は「かーちゃんに、おこられへん?」などと言っている。ううむ、そうとう恐怖心を植えつけられてるな。そういう「予測」ができるようになったというのは良いことなんだろうが…

カミさんが起きてきて食事を終えると、今日の予定を検討する。息子は出かけたいようだ。カミさんが「京橋にポップコーンを買いに行こうかな」などと言う。いぜん私がOBPで仕事をしていた頃に何度か買って帰ったIMPで売ってるポップコーンが食いたくなったらしい。彼女の意向により京橋でポップコーンを買い、JRに乗ってあちこち廻ってみることになる。今日は車は使わず、自転車で駅まで行く。

地下鉄に乗り、森ノ宮で鶴見緑地線に乗り換えるためにエスカレータを下る(下りなのにエスカレータってえのも変な感じだな)。鶴見緑地線は最近できたので深いところにあるのである。エスカレータの高低差が大きい。息子は少しビビっている。

IMPでポップコーンを買い、そのまま京橋でJRに乗る。まずは大阪駅に行く。「スーパーはくと」が出発するというのでホームに上がるが、まだ到着するには間があるようだ。それでも、あちこちのホームで次々に車両が発着するので息子は目移りしまくりである。ホームにはカメラを構えて列車の到着を待つ兄ちゃんがいる。息子も、こういうふうになってしまうのかねえ。まあ、4歳の時の趣味が10年以上続くとも思えないんだが。

続いて新大阪に移動する。各駅停車の方が空いているのだが、息子は新快速に乗りたがる。まあ、一駅だけのことだし、キミの言うとおりにいたしましょう。カミさんが腹が減ったというので駅構内でうどんを食べる。息子はポップコーンを食べたいようで、うどんは食わないと言っていたが、横で両親が食べ出すと欲しがるのである。そして特急電車の発着用ホームの待合室で特急電車を眺める。ポップコーンをつまみ始めたら、一袋をあっという間に貪り食ってしまった。やはり腹が減ってたんだな。

新大阪で電車に乗る前に息子をトイレに連れて行く。父子で並んで用を足す。先に終わった彼がズボンを上げるのに苦しんでいたら、掃除のおばさんにズボンを上げてもらっている。あ、すみませんねえ。彼は「何歳?」と訊かれて「よんさい」と答えている。うむ、知らない人ともコミュニケーションが取れるようになっているな。

その後もあちこち廻って森ノ宮の駅で降りる。カミさんが改札口のところで引っかかっていたので、息子を連れて駅構内の本屋で本棚を眺めていたら、カミさんはマンガ雑誌を立ち読みし始めた。これは息子を連れて時間をつぶさねばならないな。絵本のコーナーに行って電車100点という絵本を読んでやる。ずいぶんいろんな電車が載っているねえ。キミの持ってる本に載ってない電車もあるみたいだし。そのうちにポケットの中のPHSがブルった。カミさんからである。読み終わって先に地下鉄の駅まで行ってしまったらしい。まあ、相手を見失っても連絡が取れるようになったのは便利ではあるのだが…

カミさんがやってきた。息子は読んでいた絵本が気に入ったようである。母親にまた読めと言う。もう行かねばならんのだがなあ。私が「これ、欲しいか?」と訊くと小さくうなずく。「どう言うの?」と訊いて「ちょーだい」と言わせる。じゃ、買ってあげよう。「またひとつ余計なことを覚えちゃったわね」とカミさんが言う。

レジに行き、息子には商品を渡して包装されたものを受け取るまでをやらせる。本を持っている息子に向かってカミさんが「買ってもらったとき、どう言うの?」と訊くと、彼は「ありがとありがとありがとありがと…」と繰り返す。あー、わかったわかった。あんまり繰り返すと効果が弱くなるぞ。

帰りに駅の近くのファミレスで夕食を食べ、家に戻る。カミさんが「頭文字D」のサントラをかける。息子はそれを聴いて「これ、はちろく、えんじんこわれた、きょくやねん」とか言っている。その曲がどういう場面で使われたかを述べているのである。そんなことは覚えなくていいんだけどねえ。



1月29日(月)
久しぶりに布団の上で目覚めた。妻子は先に起きて階下に下りていったが、息子がずいぶんゴネている。大声で何かわめいている。今日は久しぶりに保育所に行かねばならんのだが、大丈夫なんだろうか。しかし、パンを一口食べると平常の状態に復帰した。ガス欠だと機嫌が悪くなるのかね。

引き続き通勤中に少年の時間を読んでいる。今日は西澤保彦氏「ぼくが彼女にしたこと」を読み終えた。なかなか楽しめた……のは、スクール水着の女子中学生が出てきたせいではない、と信じたい。

今日は早く帰れるんじゃないかと思っていたのだが、何だかんだと問題点が出てけっきょく22時まで仕事場にいた。まあ、昨日よりは早かったので今夜は日が変わる前に家に着いたのだが。とうぜん息子は寝ている。着替えるために3階に上がってゆくと、寝室の中から「ふえーん」と泣き声がして息子が走り出してきた。「オシッコか?」と訊くと「おしっこ!」と応える。そうか、オシッコで起きたか。偉いぞ。ちょうどキミにオシッコをさせようと思ってオマルを持って上がってきたところだったのだよ。

カミさんはバトルロワイアルを読んだらしい。かなりの高評価のようである。某小説大賞の最終選考まで残りながら審査員から酷評されて受賞できなかったというのは有名な話だが、審査員というのは審査することにより自分も評価されちゃうんですよね。けっして名誉職なんかじゃない。そのときの審査員の名前、どこかに載ってないもんだろうか。ネット上だったらどこかにありそうな気もするのだが、バトロワ関係の情報が多すぎて見つけられないんである。

今日は職場近くの本屋で鉄腕ガール 1」(モーニングKC:高橋ツトム)を買った。家に持って帰るとカミさんに「何で買ってきたの?」と言われてしまった。面白かったからだよ〜。悪いかぁ〜。…しかし、私が仕事に追われているうちにたぢからおは「四」まで出てたのね。つい先日「壱」を買ったような気がするんだが……いま調べてみると半年以上前ですね。いくら忙しくても、本屋で新刊をチェックできるくらいの余裕は欲しいもんだなあ。



1月30日(火)
妻子が下りてきたので目が覚めた。今朝も気がつくとコタツの中である。妻子が居間に入ってきても起きられない。眠い。毎日こういうことばかり書いているが、やっぱりどうしようもなく眠い。

大阪の作業が峠を越して落ち着いてきたので、今日は早く帰れた。帰りに梅田の本屋を廻る。ジュンク堂〈柊の僧兵〉記菅浩江:徳間デュアル文庫)を買った。以前見かけたときにいつでも買えると思って買わなかったのだが、いつの間にか一斉に店頭から姿を消してしまっていたのである。誰かが買い占めたわけでもないと思うのだが。しかし、プラネテス 1」を探して何軒か本屋を廻ったのだが、どこにも無い。ちゃんと刷られているのだろうか。SFは迫害されてるからなあ。

仕事は速く終わったのだが、本屋回りをしていたら家に着いたときには22時になっていた。しかし、玄関に入ると息子の声が聞こえる。まだ起きていたのか。階段を下りてきた。そして私が靴を脱いだり手袋を外したりしている間に洗面所のドアを開け、「どーぞ」と言ってくれる。はいはい、ありがとうよ。そして彼は「とーちゃんと、かーちゃんと、シンちゃん(仮名)と、さんにんで(ここで苦労して指を3本立てる)、ねるねん」とか言っている。うーむ、早く帰るとかえって遊べないというのは困ったものである。早く寝れるんだけどね。

息子が起きている間に私が帰ってきたので、もうすでに私が息子を寝かせるものだと決まってしまっているようである。食後に少しだけ時間をもらってニュースのサイトをチェックさせていただく。朝から夜遅くまで働いて帰ってきて、お願いしなければインターネットもできないというのは哀しいものであるなあ(詠嘆)。

その間にも息子は「しかたないじゃない。むりしてびょーきが、おもくなったら、こまるでしょう」「いやだ!」「めい、ちょっとのばすだけだから」「いやだ!」「じゃ、おかーさんがしんじゃってもいいのね!」「いやだ!」「めいのばか! もうしらない!」とか言っている。トトロである。スゲエ感情がこもっている。さつきちゃんの台詞なんて、抑揚から声の高さまでそっくりである。試しに父親の台詞を少し言ってみると、彼はすぐ途中から引き取って独りで喋り始めるのだった。ひょっとして全部覚えてるのか。

今夜は私が息子を寝かせたのだが、絵本を読み終わって電灯を消したところで彼は父母両方と寝るつもりだったことを思い出したようである。母親と寝たかったと言って愚図る。この期におよんで思い出されても困るんだがねえ。



1月31日(水)
今日も21時過ぎまで仕事。家にたどり着くと23時。息子はもう寝ている。昨日できなかった分も通信していたら3時半になってしまった。4時間しか寝れないか。

引き続き通勤中に少年の時間を読んでいる。今日は山田正紀氏「ゼリービーンズの日々」を読み終えた。ほとんどトンデモの世界だけど、このイマジネーションはさすがだと思わせてくれますね。これで「少年の時間」は読了である。全体として、言ってるほどスゴイ作品は無かったな。


狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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