2001年 8月上旬の日記
▲8月1日(水)▼ →
今日は月初なので、フレックスを使わず定時に出社した方がいいだろう。早めに起きて家を出なければならない。しかし、眠い。昨夜も遅かったからなあ。
今日は通勤中に「Octave」(KOME KOME CLUB)を聴いている。2日連続の米米である。でも、やっぱり「KOMEGUNY」と同じくシングル曲以外は印象が薄い。聴き慣れてないせいではないと思うんだが。
スルッとKANSAIのプリペイドカードが残り1枚になってしまったので、今日は安売りチケット屋で予備のカードを買うために早めに退社する。1%しか安くならないんだけどね。ついでに図書券を20枚買う。これは4%安いからかなりお得である。使い方によっては消費税分くらいは浮く。私が金を使うというと、本とパソコン関係と昼食代と通勤の交通費くらいだからな。
そしてジュンク堂に寄る。しかし今日は本は買わなかった。ついでに梅田のソフマップに行く。究極の貧乏から脱したので、少しは物欲がたぎりだしたのである。しかし、値段を見てみると、インターネット通販よりも2割くらい高価い。うーん、これだったら通販した方がいいかなあ。
先日から「バガージマヌパナス わが島のはなし」(池上永一:文春文庫)を読んでいたのだが、断念。100ページ目まで我慢して読んだが、ぜんぜん面白くない。さらに帰りの電車の中の10数分で200ページ目まで目を通したが、ずっと同じ調子である。これ以上読む気にならない。これは、私に読まれるべき作品ではなかったな。
しかし疲れた。いつも地下鉄の駅から地上にでる階段を上るときに青息吐息になる。歳のせいかなあ。出勤時にはそうでもないので、ガス欠か疲労か。さらに今日は帰りにかなりの距離を歩いたので、疲れは倍加している。家に着き、夕食を食べ終えると睡魔に耐えきれずひっくり返る。息子が「とーちゃん、ここで、ねたら、だめですよー」とか言っている。カミさんも自分で息子を寝かせるつもりだったらしいが、私とセットで寝かされてしまうのであった。
▲8月2日(木)▼ →
目覚ましが鳴ったので目が覚めた。7時半である。あら、昨夜は何もせずに早く寝てしまったんだが、ぜんぜん目が覚めなかったな。9時間近く寝たことになるか。なんせ、シャワーも浴びていない。慌てて浴室に駆け込む。シャワーを浴びていて気がついた。「あ、まだ今日通勤中に聴くアルバムを録音してないぞ」「Octave」を今日も聴くのはツラい。居間に駆け上がり、いちばん時間が短そうなCDを選んでMDへの録音を開始する。今日から読む本も鞄に入れなければならない。ドタバタである。朝食を食べ、日記を書いて上げる。家を出るのが少し遅くなってしまった。
今日は通勤中に「The Swinging Star」(DREAMS COME TRUE)を聴いている。これは、ドリカムのアルバムの中ではいちばん好きなのである。人気絶頂の時期で勢いがあるし、余計な力が抜けている。今みたいに何か新しいことをしようとして収拾がつかなくなっているようなこともないし。何よりも歌詞が印象に残る。いつも私はサウンド主体に聴いていて、歌詞は頭に残らないんだけどね。「 あの夏の花火」の夏の夜の花火の思い出。「DA DIDDLY DEET DEE」の、二人の新生活の始まりの嬉し恥ずかし。「SAYONARA」の板挟みの苦悩、「眼鏡越しの空」の憧れの人への想い…
そして今日から通勤中に「あやうしDNA」(岬兄悟:富士見ファンタジア文庫)を読み始めた。昨日まで「バガージマヌパナス わが島のはなし」を読んでいて、かなり読書体力を奪われたので、軽い物を読むのである。やっぱり気力を使わずにスラスラと読める。こういうのも必要だよな。趣味だから必要以上に苦しむ必要はないんだから。
今日は昼休みに職場近くの書店で「情報系これがニュースだ」(日垣隆:文春文庫)を買った。「情報」を中心にした視点でまとめられたルポルタージュ集のようである。失明後に英語を覚え、プログラミングを覚え、盲人用のソフトを作り、英語の本の翻訳までしてしまうという人の話を立ち読みしたが、凄いですねえ。盲人にも天才も凡人もいるし、そうじゃない人も同じだというのはわかっちゃいるんだけどね。
家に帰ると妻子は「ジュラシック・パーク」を観ている。日本語吹き替えのソフトを借りてきたということである。息子は怖がってオシッコを漏らしてしまったそうな。にもかかわらず、彼は終わった後で母親に「こんど、これの『3』観に行こか」と言われて行く気になっている。けっこう気に入ったようだ。
今日もしんどい。息子はカミさんが寝室に連れていってくれたのだが、座っているのもキツく、歯を磨いて寝室に転がり込み、カミさんと交代する。どうしちまったんだ、オレ。
▲8月3日(金)▼ →
今朝もカミさんに起こされて目が覚める。7時半である。また9時間も寝てしまったぜ。妻子に遅れて居間に入っていくと、息子が「きょーりゅーが、くさ、たべてた」とか「やぎとひつじ、きょーりゅーに、たべられてしもた」とか言っている。昨日の「ジュラシック・パーク」がよほど強く印象に残っているらしい。カミさんも「1回観ただけなのに、すごく覚えてるわよ」とか言っている。この年頃に観たものは一生を通じて影響するような気がするからねえ。まあ、「千と千尋の神隠し」や「ジュラシック・パーク」なら、いいか(苦笑)。
家を出る。今日も暑そうだ。自転車に乗ってMDプレーヤの再生ボタンを押す…「ピッ!」という操作音がしない。あれ、どうしたんだろう。自転車を停め、コードが繋がっていることを確認する。まさか…と思ってプレーヤーを開けてみると、はは、ディスクが入ってないじゃないか。昨夜録音したのになあ。取りに戻る時間はない。録音せずに聴けるように、ポータブルのCDプレーヤを買った方がいいのかもしれないなあ。
今日は昼休みに職場近くの書店で「教養としての〈まんが・アニメ〉」(大塚英志・ササキバラ ゴウ:講談社現代新書)を買った。私は薄々なので、オタクの人たちと話をするときのために教養を身につけねばならないのである。
あの、Office上でコピー操作をするといちいち画面の中央にドーンと現れて作業の邪魔をしてくれるOfficeクリップボード。アレを出さなくする方法を探してみた。げっ、レジストリを変更しなくちゃいけないのか。3回続けて消せば出なくなると書いてあるページもあるんだけどね。今やってみたら、いつの間にか出なくなってるから自動的に出なくなるというのが正しいんだろうか。
toto収益配分基準等審議委会長に古橋広之進氏が選出されたという話ですが、何だかイヤンな感じですな。ああいう人ですから、こういう権力の素を与えることに非常に危ういものを感じてしまうのですな。いや、逆に権力を使ってこの利権を手に入れたのかも…などと邪推してしまう私なのであります。
▲8月4日(土)▼ →
息子は今朝も「じゅらしっくって、なに?」とか訊いてくる。やはり「ジュラシック・パーク」へのハマりようはホンモノのようである。「『ジュラ紀の』いう意味やで」と答えると続けて「ぱーくって、なに」と訊いてくる。「『公園』や」と言うと「『こうえん』とか『ゆうえんち』やな」と応じる。知ってるんなら訊くなよ。さらに、いろいろと蘊蓄を披露してくれる。「かえるの、えぬいーしー、いれてんねん」とか言っている。こら、それを言うなら「DNA」だろ。
昨日、Niftyの料金コースを無制限2000円から5時間950円に変更した。よく考えてみると今Niftyを使うといえば、メールのチェックと、出張時にダイアルアップでインターネットに繋ぐときしかない。月に5時間も使うわけがないのである。万単位で金を損してたような気がするぞ。そして今日その変更完了案内のメールが来たのだが、それに「アクセスポイント変更を忘れずに!」と書いてあってドキッとした。何でわざわざそういうことをやらなきゃいけないんだ。面倒くさいなあ…とか思ってしまったのだが「テレコミコースからの変更の方のみ」と書いてあったのだった。オレはそれじゃないぞ。しかし、そういう文言は該当するユーザだけに送るような仕組みにはできなかったのかね。そんなに難しいことでもないと思うんだが。
息子は朝食を食べると昆虫図鑑を読みはじめた。ひらがなを1つずつ指差しながら読んでいき、最後にそれを繋げて言葉にしている。「お・お・か・ま・き・り・の・よ・う・ち・ゆ・う…おおかまきりのようちゅう!」おおっ、ひらがなの並びを読めるようになっているのか。文字を音に変換しながら、それをメモリーに蓄積して後で組み合わせて単語として認識できるようになっているのね。ちょっと前までできなかったのに。これができるようになれば、あとは早いような気がするな。
経済的にどん底は脱したのでインターネット通販でスキャナとCD-RWドライヴを買おうとしていたのだが、送料が合わせて2,500円もかかると表示されて躊躇している。まとめて買っても送料は安くならないのか。それでもソフマップあたりで買うよりは安いのだが、故障したときのこととかを考えるとなあ…などと朝食前からずっと悩んでいる。今日はカミさんが息子を保育所に連れていってくれるという。彼女らが家を出てもまだ悩んでいる。そのとき、玄関の扉が開いてカミさんが何か叫んだのだった。
またガレージの中に猫の親子がいたらしい。昨日入り込んでいたのは聞いていたのだが。しゃーないなあ。捕まえるか。短パンに腹巻姿のまま下りて行き、通勤時に駅まで自転車に乗るときに着けている軍手を装着する。カミさんは車が出せないとか言っている。母猫は逃げ出したらしい。道の向こう側で鳴き続けている。子猫は逃げ出してないそうだ。自動車の下にいないのを確認して車を出してもらう。ガレージの一番奥に置いてある冷蔵庫と壁の隙間を覗き込むと、何かうごめいているのが見えた。腕が届くギリギリのところだな。まずは腕を突っ込んでみる。手に触れたので頭をひっ掴んで引きずり出す。まだ引っ掻いたり噛みついたりするような段階にはなっていないようなのはラッキーだったな。2匹を引きずり出して段ボール箱の中に放り込む。毛は生えそろっている。もう1匹いたが、それは取り逃がした。傘を突っ込んでも反応がない。スチールラックの下を覗き込んでも見つからない。仕方がないので上に乗せてある荷物を降ろして冷蔵庫を引っぱり出す。しかし、いない。あとはラックの下くらいしか隠れるところはないはずなんだが、横から覗き込んでも何も見えない。髪の毛が埃だらけになっちまったぜ。ガレージの入り口のところで見ている妻子の目を盗んでガレージの外に逃げ出せるほどすばしこくはないはずなんだがなあ。
9時20分になってしまったので、妻子はそのまま車で保育所に出かける。私は再度捜索を開始する。冷蔵庫の蓋を開けてみるが、いるわけがない。ふと思いついて、冷蔵庫の裏側を見ると…いた。機械の隙間に隠れていたのだった。これもひっ掴んで、動き出した車を運転しているカミさんに示すが、彼女は気がつかずに行ってしまった。
さて、カミさんが帰ってくるまで、こいつらをどうするか。ちょっと遊んでみるかな。1匹取り出して転がして遊ぶ。嫌がっているのが楽しい。自分の心の中にどす黒いものが蠢くのを感じる。読者の反感を買うのを承知で書くが、可愛いからというのではなく、子猫に限らず親の後を追うカルガモのヒナとか、幼い動物を見ると虐めたくなるのである。これは私の心の中で最大の暗黒面であると認識している。それを押さえるのが理性というものなんだけどね。だけど、理由さえあれば、ためらいなく自分の手で絞め殺してしまえるんじゃないだろうか。人間というのは恐ろしいものである…って、みんな一緒にしちゃいけませんね。
隣のオバサンがやってきた。自分が母猫に返してやるという。1匹掴んで道の向こうに連れていった。母猫はそれを咥えて姿を消した。しかし、これでまたガレージに帰ってこられたら元の木阿弥なんだがなあ。そういうことがないように、残りの2匹はせいぜい虐めて恐怖心を植え付けてやるか…などと心の底で喜んでいる自分が嫌である。
カミさんが帰ってきて、二人で居間のホットカーペットを剥がして干す。8月の今まで敷いたままだったのである。残った子猫は段ボール箱に入れてガレージの前に置いていたのだが、このままではもうすぐ直射日光が当たるようになってしまう。死なれたら後始末が面倒だ、というので植え込みの陰に移動させる。やはり母親に連れていってもらうしかないか。みんな眼が目脂だらけで視線が虚ろだから、ノラとして生き残るのは難しいと思うんだけどね。
2時間ほど自分の用事をしていたのだが、それが終わっても子猫はそのままのようである。カミさんによれば、一度母猫が迎えに来たがガレージの前から移動させていたので見つけられなかったそうなのである。子猫たちは鳴きもしないし。また母猫が姿を見せたので、カミさんが子猫を連れていく。1匹は咥えていったが残りの1匹は放置されていた。しばらくして見ると見えなくなっていたから連れていったのだろう。これで厄介者はいなくなったか。二度とウチのガレージに入ってこないことを祈るばかりである。
けっきょく、パソコンの周辺機器をインターネット通販で買うのは中止したのであった。
▲8月5日(日)▼ →
今朝は9時過ぎに目が覚めたが、起きられずにゴロゴロしてたら息子が起き上がった。一緒に起きる。最近昆虫に興味を持っている彼のために昆虫写真が載っているサイトを探したのだが、なかなか適当なのが見つからない。どこも写真の数が少ないし、操作性的にも四歳児の息子でも使えるようにサムネイルをクリックしていけば目的の画像に辿り着けるような作りになっているサイトがなかなか無い。昆虫オタクの人、もうちょっと頑張ってください。まあ、鉄道マニアと比べると撮影の難易度も違うし、やってる人たちの性格も違うんだろうけどね。キカイ系と自然系だと、全体としてみるとPCに対する親近感も違うかもしれない。あ、昆虫マニアの人は写真よりも標本なのかな。
カミさんも今日は昼前に起きてきて、来週イヴェントに行くので今週は息子を連れて昆虫展に行ってくれると言う。私はその間にインターネットを巡回し、昨日借りてきていたヴィデオを編集して……いたら妻子が帰ってきた。けっこう早かったね。
帰ってきたカミさんは昼寝をすると言う。息子に一緒に寝ようと言っているが、彼は寝ないとゴネる。私も一緒に寝室に上がっていったので泣きながらついてきたが、「ねむったら、だめ、ねむったら、だめ、ねむったら、だめ、ねむったら、だめ……」とエンドレスで繰り返している。疲れてないのかね。両親が横になって動かなくなっても眠られずに動き回っているので、ついに母親に眠らないなら出ていけと怒鳴られる。それで彼は寝室を出て行ったのだが、階下に下りることもできずに廊下や隣の部屋でゴソゴソしては扉を開けて寝室の中を何度も覗き込んでくる。仕方ないなあ。起きると、彼は隣の部屋のカミさんの鏡台の椅子に座っていた。「べんきょーしてた」んだそうである。
▲8月6日(月)▼ →
今日は通勤中に「あやうしDNA」(岬兄悟:富士見ファンタジア文庫)を読み終えた。たしかに読みやすくはあるのだが、ちょっと歯応えが…とか思ってしまうのは贅沢だろうか。まあ、読書体力が落ちてたんでこれを読んだんだからね。ラクに読める作品を書くというのは、それはそれで大変だということはわかるのである。次はもう少し頭を使う作品を読みましょうか。
そしてMDでは「LA・LA・LA LOVE THANG」(久保田利伸)を聴いている。中古CDを買ってきたものである。彼がデビューしたときにトンデモナイ才能だと思ったのはいまだに鮮烈な印象が残っているが、あれからもう20年近く経つんじゃないだろうか。ASAYANでやっていたCHEMISTRYのオーディションとかを観ていても、最近の若い才能のあるヴォーカリストはほとんど彼の影響を受けてるんだよなあ。たとえ一般には知られていなかったとしても、こういう人間がいちばん凄いのである。ただ、デビューしたときから彼は才能がありすぎていつか自分の手の届かないところに行ってしまうんじゃないかと感じていて事実その通りになったのだが、「LA・LA・LA LOVE SONG」は久しぶりに手の届くところに戻ってきたという感じだったんだよな。で、このアルバムだが、まあ全部好きな曲というわけにはいきませんわね。
おおー、オフコースのDVDが出るのかっ! これは買わねばなるまい。We areツアーのときのライヴは入ってるのかなあ。映像を記録されてたのはわかっているのだが、発売されていなかったのだ。
また、キツいプロジェクトに投入されることになりそうだ。今やってる仕事は後任に引き継いでしまわねばならない。ラクすぎるくらいのペースでやれてたんだがなあ。けっきょくは他がやらないキツい仕事をすることでしか生きていけないんだよな、ウチの会社。ということで、今日は引き継ぎをやっていると帰るのが遅くなってしまったのであった。
▲8月7日(火)▼ →
今日は通勤中に「It's only a Ballade」(YASUSHI NAKANISHI)を聴いている。バラード集であるが、さすがに長いこと活動してきた実力派の作品を一定のテーマで集めてみると壮観ですな。どれも落とせないよなあ。シングルで持ってる曲もあるんだけど。
▲8月8日(水)▼ →
今日は宇都宮に日帰り出張である。東京からさらに東北新幹線に1時間乗らねばならない。まあ、打合せは13時からだから9時前ののぞみに乗ればいい。東京駅でも東海道新幹線から東北新幹線に直接乗り換えできるので便利だ。東北新幹線が東京まで延びたというのは大きな意味があるな。しかし、乗り換えるときの自動改札機、乗車券と乗り換え前後の特急券の3枚を一度に処理できるのか。もっと多い場合も考えられるな。どういう仕組みになっているんだろう。
東北新幹線のホームに上がり、やまびこに乗り換える。乗り換え時間が10分しかないので駅の中のコンビニで安い弁当を買えないのは残念である。しかし、ホームに上がってもまだ乗り込めないようである。けっきょく車両に入れたのは出発1分前であった。何なんだ。これ以外にも、駅の中の整備状況とかを見ても東海道新幹線よりも気合いが足りないような気がした。
やまびこは旧式の200系であった。車内に入った瞬間、古い車両の匂いがする。まあ、朝日によると【毎月10両前後のペースで取り壊されており、4年後には温水洗浄機能付きトイレなどを備えた新「E2系」にすべて換わる予定】らしいからねえ。座席の前に通販のカタログが置いてある。このあたりも東海道新幹線と違うところだな。そして走り出したが、何だかずいぶん遅い。これじゃ在来線と変わらないんじゃないかと思っていたのだが、大宮を過ぎると新幹線のスピードになった。都内では速く走れない理由でもあるんだろうか。
宇都宮に着き、タクシー乗り場で「餃子ビーナス像」を見る。「餃子消費量日本一」ということらしいが、アイデンティティを主張するのにそういうことしかなかったのかね。地方都市の悲哀というのを感じてしまうのだが。まあ、逆に女子高生などはスレてなくていい感じだったんだけどね。九州でもそうだったから、やはり大阪が酷すぎるのかもしれん。
帰りの新幹線の中で「宇宙の孤児」(ロバート・ハインライン/矢野徹:ハヤカワ文庫)を読み終えた。いま読むとさすがに古い感じはするが、ワクワク感というのは最近の作品よりも感じられるんだよな。やっぱり時代の気分というヤツなのかなあ。
往復で8時間近く新幹線に乗るということで文庫本を3冊持って行ったのだが、けっきょく読み終えたのは1冊だけだった。2冊目を読み始めて眠ってしまう。気がつくと京都を過ぎていた。首の後ろが痛い。寝違えたか。頭部を固定せずに不安定な状態で眠るとやりやすいんだよな。大阪に着き、寝起きのボーッとした頭で新幹線から降りた瞬間、全身を衝撃に包まれた。暑い! 風呂の湯の中にとぷんと漬かってしまったような気がした。歩き出しても、お湯をかき分けながら進んでいるような気分である。汗が蒸発しない。何とかしてくれ。
帰宅は23時を過ぎてしまったが、妻子はまだ起きている。「紅の豚」のヴィデオを観ていた。明日から保育所を休んで私の実家に帰るので遅くまで起こしているのか。しかし、かなり母親の趣味に染められつつあるよな。対抗して私も「ウルトラQ」とか観せたり…すると他の子と話が合わなくていじめられたりしてしまうんだろうな。
▲8月9日(木)▼ →
カミさんが明日から東京のイヴェントに行くので、今日は家族3人で私の実家に移動することになっている。いつもは朝から行くのだが、今日は私が出張帰りなので昼過ぎに出発することにしてもらう。息子は昨夜遅くまで起きていたのだが、けっこう早く起きてきた。彼はまだ「ジュラシック・パーク」がマイブームのようである。「えいごの、じゅらしっくぱーく、なんで、わらうとき、にほんごなん?」とか言っている。いや、笑い声は万国共通なのだよ。その後も「きょうりゅうのたまごからなあ、べるきーらぷとるが、でてくるねん」などと解説してくれる。うーむ、ヴィデオがあって同じものを何度も観れるからなんだろうか。
出発する時間を遅らせた分、何をしているかというと、インターネットしているのである。その間も息子が昆虫の本を読んでくれとうるさいので「耳をすませば」を見せることにする。恋愛モノだから息子には面白くないかもしれないが、いちおうジブリ作品だからね。最初に主人公の家庭内の様子を見て爆笑。ウチそっくり。笑ってたらカミさんに「うちも他人から見たらああいうふうに見えるのよ」と言われてしまった。いや、そうだから笑ってたんですけど。オタクの家って見ただけでわかっちゃうからねえ。息子はまた古道具屋に入るシーンで「こわいー」と言いだした。こらあ、ちょっと暗いだけじゃないか。何がトラウマになってるんだろう。
さて、いよいよ出発である。昨年ああいうことがあったので、カミさんは冷蔵庫の扉は何度もチェックしたらしい。自転車で駅まで移動する。途中で息子が「あたらしい、ばす」を見つけたと叫ぶ。ふむ、今日はついているかな、キミ。難波の安売りチケット屋でカミさんが東京に行く新幹線のビジネスきっぷを買い、あとはいつもの通りのルートである。昼飯は梅田のコンビニで買い、阪神の車内で食べる。いつもは見れないのだが、今日は山陽電鉄の路線を走っていて併走する新幹線を2回目撃した。息子は「さんびゃっけい、ふたつも、みれたなー」と満足げである。
実家では夕食を食べ風呂に入り家人が寝静まってから私のFIVAを鞄から出してきて使い始める。途中で息子を寝かせてから起きてきたカミさんがインターネットするためにFIVAを貸したりしていたら、日記を書き終えて更新し終わったときには5時になってしまっていた。カミさんもかなり時間がかかってしまって「やっぱり遅いわねえ」とか言っている。56Kのモデムで通信してるんだから、仕方ありませんね。たまには普段いかに恵まれた環境で通信しているかを確認するのもいいでしょう。
▲8月10日(金)▼
目が覚めると午を過ぎていた。ああ、やっぱり起きられなかったか。息子に起こされた記憶はあるのだが…はは(憫笑)。カミさんはもう出かけているだろう。階段を下りて行くと、虫籠に蝉とかその抜け殻がいくつも入ったのが置いてある。午前中だけでこんなに獲ったのか。こっちの蝉はスレてないのかねえ。
実家ではインターネットするのに電話を使わない時間帯に遠慮しながらダイアルアップで繋がなければならないので宿泊は2泊だけの予定だったのだが、私の両親も孫と少しでも長く過ごしたいようだしカミさんもイヴェントから帰ってきてすぐは疲れて機嫌が悪いだろうから3泊して日曜日までいることにする。息子に寂しい思いをさせてイヴェントに送り出して、それで疲れて息子に当たられちゃかなわん。まあ、明後日は日曜日だから家に帰っても息子の相手をしなくちゃいけないからね。実家にいると息子の相手は彼の祖父母に任せて私はダラダラできるのである。
ということで今日も一日、実家でダラダラと過ごす。夜、息子はテレビで「火垂るの墓」を観始めたら、終わるまで風呂に入らないと言っている。野球で30分遅れなんだぞ。彼は観終わると「おもしろかったねー」とか言っている。「そうか?」と応えると「こわかったねー」と言い直す。それにも「そうか?」と応えると「おもしろくなかったねー」と。おい、ちょっとは自分の意見というものを持て。
それから風呂に入ったので、寝るときにはもう真夜中である。今夜は私が寝かせねばならない。2階に上がって電灯を消すと、彼はあちこち痒いと言いだした。「かゆい」「なんで、かゆいんかなー」と繰り返す。すまん、アトピー体質は私からの遺伝だ。これからも、彼が自分に似ているせいで苦しい思いをしているのを見るたびにつらい思いをするんだろうな。
とにかくこのままでは彼は眠れない。冷房の利いている1階の部屋に連れて行き、祖母に薬を塗り直してもらう。気温が低いと痒みも気にならなくなるようなので、そのままここで寝かせることにする。室内は明るいが、タオルケットを掛けるとゴロゴロしてすぐに寝息をたてはじめた。私はその横で日記を書く。
日記を更新し終わって息子を2階に連れていく前にトイレでオシッコをさせようと思ったが、彼はフニャフニャである。何とか立たせてオシッコはさせたが、パンツを上げていたら彼はそのまま崩れ落ちて便器に手をついてしまった。あ゛〜、コノヤロ。便器の蓋を閉じてその上にグニャグニャの身体を引っ張り上げ、手を洗わせるのには大変な苦労をしたのであった。死んだ人間は重い。
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