2001年 4月下旬の日記
▲4月21日(土)▼ →
4時に目が覚めた。ノドが痛い。どうやらこれで目が覚めたようである。トイレに行き、ついでに昨夜寝る前に流したバックアップ処理の結果を確かめる。外付けハードディスクのチェック中に異常が発生するというのは内蔵ハードディスクの容量が足りないせいではないかと思って、産經新聞のサイトから丸ごと落としてきた過去記事のデータを外付けハードディスクに追い出してバッサリ削除してからバックアップを実行したのだ。削除にすんごく時間がかかったが、2GB以上空いてしまった。それで正常に実行されたようである。ディレクトリ構造をすべてメモリに展開しているようだからスワップが足りなくなったのか。
医者に行った方がいいと思うんだが、保険証が手元にないのである。昨年のカミさんの年収が減ったため今年度からまた私の扶養家族に入れなければならないので、その手続き中なのだ。困ったもんだな。普通ならすでに帰ってきているはずなんだが、収入がこんなに大きく変動するのはおかしいと思われているらしく、追加で資料を出せとか言われたりしているのである。やっぱり、こういう仕事をしている扶養家族がいる人間は珍しいのだろうな。
ニュースサイトの記事を読んでいて情けなくなった。「公職選挙法には関係ない党内の選挙だから問題はない」って……こんなんで日本の代表は決められてしまうのか。アレが首相をしているのもうなずけることではある。
ワタクシ的には政治家の資格というのは高級官僚と闘えることである。奴らはいかに将来の天下り先の便宜を図るかということを目指して生きているわけだから、それを押さえつけて国民のために奉仕させなきゃいけない。敵の方が情報を押さえてて、かつ「お勉強」ができる人間が揃ってるからどうしても言いくるめられてしまうので難しいのは分かるけどね。それでも大所高所から判断して方向を決めるのが政治家というものである。そういう意味で、私が知っている範囲でマトモだったのは管直人氏ただ一人だな。「あの」厚生省をある程度牛耳ったというだけでも尊敬に値すると思うのである。それでいくと、いちばんマトモそうなのは小泉氏かな。まあ、大臣になった瞬間から寄ってたかって去勢されちゃうのが普通だから何とも言えんけど。あ、あと田中康夫知事も頑張ってるみたいですね。
9時前になって妻子は起きてきた。今朝の息子は機嫌がいい。両手を広げると抱きついてきてくれる。昨夜も24時近くまで起きてたんだけどね。寝室に入ったのは22時頃だったのに。今日は息子が保育所に行っているので自分の用事ができるのだが、我がサイトの新コンテンツ作成で一日が潰れる。人生、こういうことでいいんだろうか。
今夜は保育所で父母の集会があるとかで、夕食後にカミさんが出ていった。その間に私が息子を風呂に入れる。母親がいないので一緒に出なきゃいけないかと思っていたのだが、ちょうど出る直前にカミさんが帰ってきた。息子を預けてゆっくり暖まるのである。風邪気味だからね。
息子は、母親に「今日『ターミネーター』やるんか。これはキミも観とかんとな」と言われたのでずっと「たーみねーたー、みたい」とか言っている。母親が「野球が終わってからや」と言ってもなかなか納得しない。そんなに観たいのか。映画が始まってターミネーターが銃を撃ちまくると、そのへんを跳び回って喜ぶ。まだ敵味方の区別がついていないらしい。そういう意味では続編を先に見せたのはまずかったかな。「しゅわちゃん、ろぼっとになったん?」とか言っている。あれは最初からロボットだってば。まあ、それにしても何度観てもいい脚本である。最後が泣かせるよな。
▲4月22日(日)▼ →
7時半に目が覚めた。まだノドは痛い。平日だったら会社を休んで一日寝てるんだが、今日は日曜日だからなあ(おい)。同人誌執筆中のカミさんから息子の世話を頼まれてるし。こうなったら、気合いで治すしかないか。
通信していると11時前になって息子が起きてきた。元気に「おはよう!」と言ってくる。おお、今日は快調みたいだな。腹が減ったというので食うべき物を探すが、食パンが無くなっている。他にも適当な物がない。「食べるもん買いに行こか」と言うと彼はパジャマ姿のまま階段の方に行こうとするので「着替えなアカンで」と言ったらタンスから自分でシャツとズボンとトレーナーを出してきて自分で着る。ラクになったものである。
最寄りのスーパーが閉店したので、少し遠くまで行かねばならない。この辺でいちばん安いところに行こうとしたのだが、途中でうがい薬が無くなりかけているのを思い出して反対方向に引き返す。安い薬屋の近くにあるスーパーに入る。ここは最近開店したのだが、高価いので行ってなかったんだな。でも、この前は野菜ジュースが安かったのだ。入ってみると、ずいぶん安くなっている。やはり競争が激しくなっているので反省したんだな。食パンが108円だったので2つ買い物カゴの中に入れたが、古い菓子パンが半額で山積みになっていたのを見て1つを元に戻す。野菜ジュースも3本買った。帰りに薬屋に寄ってイソジンのうがい薬とヴィタミン剤を買う。家に帰ると昼過ぎである。カミさんは起きて自分で朝食を食べていたのだった。
今日はカミさんが原稿なので、息子を連れて外に行くのである。先日東京に行くときに環状線の上から大阪城公園で植木市をやっているのが見えたのでそこに行くことにする。長いすべり台もあったようだし。カミさんに原稿を読むように言われたので、出る前に急いで読む。今回は自信があるわけではなさそうである。どっちかというと迷いがあるのかな。でも、この涼介、ちょっと可愛すぎませんか。いくら「受」とはいえ。それにああいう状況になると、かなりニオイが気になると思うんだがなあ。「自転車乗って電車乗りに行こか」と言ったので、息子はもう出かけたくて出かけたくてたまらないようである。父ちゃんが原稿を読んでしまうまで待ちなさいって。
まずは駅まで自転車に乗った息子をフォローしながら歩く。やはり運転技術は着実に上がっている。まだ車が来ると不安なんだけどね。一人で歩いているときに比べて、かなり広い範囲に注意を向けていないといけない。大変だ。駅前のスーパーで先日と同じく安いペットボトル入りのジュースを買おうと思ったのだが無くなっていた。仕方がないので100円のペットボトル入りのお茶を買う。家からお茶をボトルに詰めて持ってくれば良かったか。
大阪城公園に着き、まずはその辺をウロウロする。息子は噴水から水が流れているのに注目する。やはり水が流れてるのが好きなんだね。水源の噴水まで歩く。息子は鳩を追っかけている。かなり人に馴れているようで、近くまで行かないと逃げない。かなりの数がいるので、一斉に飛び立つとスゴいことになる。「すごいなー」と言いながら息子と見上げるのである。噴水ではかなり細かい水滴を吹き上げているので虹が見えている。今日は陽射しも強いしね。息子に教えてやったが、ちゃんと認識しただろうか。実体があるわけじゃないからね。
そして、すべり台とかジャングルジムのあるところに行く。息子は一人で上っていって、滑って下りてくる。いちばん長いすべり台の方に行こうとしたようだが、鉄の輪が連なって筒状になったところの中を抜けていくのができないようで、引き返して短いすべり台で下りてきた。そして下を歩いて最長のすべり台のところまで行く。彼は一人で上っていったが、しばらくすると下りてきた。私についてきてほしいと言っている。うーむ、あそこは高いし人がいっぱいいるからねえ。弱気なものである。けっきょく一緒に上る。いちばん上は混乱の極みであった。いちおう並んではいるようなのだが、かなりルール破りも横行しているようである。そもそも「順番」という意識が無い子供が多いような気がする。自分が優先されるのが当たり前という感じだな。気の弱い子供は損をするばかりだ。これも人生の縮図か。JRの車庫が見えたのだが、息子はもうそれどころではないようである。いちばん長いすべり台はローラー方式なので、一度滑ると尻が痛くなった。もう一緒には行かないぞ。それからも息子は一人で遊んでいたのだが、子供が多いので見失いそうになる。早めに切り上げてこの場から離れるのである。
遊具のあるところから離れると息子は「おうち、かえりたい」とか言いだした。そうか、だったら公園の反対側まで歩こうか。そうしたら鶴見緑地線にも乗れるし。しかし歩き出すと彼はかなり疲れているようである。うーん、大阪城公園を横断するのはけっこう遠いんだがなあ。まあ、歩き出したものは仕方がない。何かと気を逸らしながら歩く。大阪城の堀とか、シャボン玉を作っているオジサンとか、途中で彼の興味を惹くものは何かとあるのである。ベンチに座って休んでいると、彼は背負っていたリュックの中からペロペロキャンディーを見つけだした。腹が減ってるのもあるんだろうな。OBPに着いたら何か食わしてやるか。でないと帰りに自転車を漕いでくれないような気がする。
息子は道端のタンポポの綿毛になっているのを摘んで「ふーっ」と吹いている。まだ上手く吹けない。父ちゃんの血を引いてるなら肺活量はあるはずなんだがな。その後もタンポポの花を摘んで持って歩いている。軍の施設跡の石碑の前に供えようとする。ラピュタの真似ですか。そうこうしているうちにOBPに着いた。だいぶ歩いたね。息子は「おうち、かえりたい」と言い続けている。もうちょっと行ったら飯を食わしてやるからな。「サブウェイ」に入って、いちばん安い「ベジー&チーズ」を1つ注文する。これを親子で一緒に食べるのって、「一杯のかけそば」みたいだな。まあ、家に帰ったらすぐに夕食だから、それほど大量に食う必要もあるまい。家に帰るまで息子の元気が続けばいいのである。息子は腹が減っていたようで、ほとんど彼が食ってしまった。息子は帰りの電車の中でもかなり眠そうだったのだが、自転車に乗ると元気になる。今日も走って追っかけなければならないのである。
今夜は外食することになる。例のラーメン屋である。風邪を引いてるのでニンニクをたっぷり入れたスープをすすりたい気分だったのである。濃厚な豚骨スープにすりおろしたニンニクを小さじにたっぷり一杯……プラスもう少し。「月に一度はここに来てるような気がするんだけど」とカミさんが言う。まあ、あんまり長期間ここのラーメンを食べないのが続いたら精神衛生上良くないでしょう。今日だけはコレステロールを気にせずに食べるのである。あ、着いたときに店の前で行列ができてたので隣の古本屋で以下のものを買ったのだった。
「宇宙のランデヴー」(アーサー・C・クラーク/南山宏:ハヤカワ文庫 1985)\640→\200
「HELLO AGAIN」(KAZUHITO MURATA)\3000→\240
▲4月23日(月)▼ →
やはりノドの痛みは無くならない。熱っぽいし。今日は仕事を休んで医者に行くことにする。家を出ようとしたときに、私の日記を読んでいたカミさんが「こら!」と声を上げた。あら、またマズいことを書いたかしら。ドキドキ。訊くと、どうやら「小松左京亡き現在」と書いたのがイカンかったらしい。「『亡き』はアカンやろう『亡き』は!」と言われてしまうのであった。
医者での診断は急性鼻炎だそうである。ここではまず「お腹の調子はどうですか?」と訊かれるのだ。以前に強い薬を出されて持病が再発したことがあるからね。あの時はここの医者と持病の主治医との間で問合せとかあったみたいだから、専門外だが勉強してもらったんだろう。それ以来、薬の効きが悪くなったような気がするのは仕方のないことなんだろうな。
医者からの帰りに昨日のスーパーに寄ると「1割引セール」をやっていた。あらー、だったら昨日はあんなに買うんじゃなかったな。まあ、こうなることは予測不可能だったんだが。そして、薬屋で「セパホルンZ」というドリンク剤をまとめ買いして家に帰る。まとめて買うとこれが1本100円未満になるというのはスゴいことである。ジュースよりも安いもんね。この製品は「朝鮮人参が入ってます」という匂いがして、いかにも効きそうな気がするのよね。
今日も一日中家の中で過ごすが、新コンテンツの準備で一日潰れる。こんな馬鹿なもの作ってるのは世界中で俺だけだと思うんだが、すでに他にあったら悲劇だな…などと思いながらもシコシコ造るのである。
▲4月24日(火)▼ →
今日も調子が悪い。熱っぽいし体がだるい。ノドの痛みは相変わらずである。布団の中で仕事を休むことに決める。そして今日も一日、家の中にこもってシコシコと新コンテンツの作成である。何でこんなに時間がかかることを始めてしまったかなあ。でも、ここまできたら止められないしなあ…などとボヤきながらパソコンに向かっているのである。
そういえば、うちの親父は大病して定年まで一生ヒラだったのだが、そのぶん仕事で無理をせず私生活でやりたいことをやって生きていたのだ。息子としてはああいう趣味中心の生き方もいいかな、と思ってしまうのである。まあ、彼は高卒なのだが中卒扱いで採用されたらしいので、ああいう大企業では出世してもたかが知れているとは思うんだけどね。入社するときに「中卒扱いで文句は言いません」と念書を取られたらしい。当時の農家の次男としては、とにかく田舎から逃げ出したかったということなのだろう。それにつけ込む企業も企業なのだが。まあ、景気が良かった頃だから、企業自体に半病人を抱えておく体力があったという点ではラッキーだったんだろうね。
今夜も当然のごとく私が息子を寝かせる。寝室に入ると、彼は私の服を脱がそうとする。私にタックルをかけてズボンを脱がし、倒れた私の上に乗ってきてシャツのボタンを一つずつ外してゆく。父ちゃんは風邪を引いてるんだから早くしてくれい。いくつかは自分で外したが、途中で「でけへん」と言って諦めるのである。4歳半の集中力ってのは、こんなもんか。
▲4月25日(水)▼ →
今日も調子が悪い。医者からもらった薬も飲んでるんだが、なかなか良くならんなあ。免疫力が弱いのかなあ。どうすりゃいいのかなあ。そろそろ職場に行かないといけないと思うので、今日は昼から出社することにする。食事を終えて妻子が出てゆくときに、私が「行ってらっしゃい」と言うと息子は「いってきまーす」と応える。それに続けて「はやくかえってくるからな」と言った。両親は爆笑である。そうか、いつも私はそう言って出て行ってるんだっけ。
やっと新コンテンツが形になった。とりあえずアップする。これだけ時間をかけて作ってて、上げる前にパソコンのハードディスクがクラッシュしたらどうしようかとヒヤヒヤしてたんだ。私は小心者なのである。ついでに目次のページの衣替えをする。コンテンツの順番も変える。全く更新していないページがトップというのも恥ずかしいからね。きちんと更新すればいいだけの話なんだが。ネタが無いわけじゃなし。
久しぶりの仕事は疲れる。今日は定時に帰ろうと思っていたのだが、帰り際に前課長に大阪のプロジェクトの様子を訊いたら話が長引いてしまったうえ、明日はそっちに行くことになってしまった。あそこは遠いから早起きしなきゃいけないんだよな。それに帰るのも遅くなるだろうし。
今日は仕事からの帰りに「電脳セッション」(東野司:ハヤカワ文庫 1991)を読み終えた。舞台は古くなってしまったけど、なかなか面白かったですね。あの当時に読めば、もっと面白かったと思うんだが。
今日は息子は母親と寝ると言っているのにもかかわらず、カミさんは「父ちゃんと寝えへんの?」とか言っている。おいおい、今日入稿が終わったから早く寝てもいいんじゃないのか。…とか言いながらも、しんどいので早めに寝ることにする。息子も当初は母親と寝ることに固執していたのだが、ヴィデオで再生しているトーマスを指して「これ終わってから寝よか」と言うと父親と一緒に寝る気になってくれたようである。しかし彼は、寝室に入ると急に泣き出した。ここまで来てから、母親と寝るつもりだったことを思い出したようなのである。彼は泣きながら階段を下りてゆく。けっきょく、カミさんも上がってくることになるのであった。
▲4月26日(木)▼ →
今日は大阪の客先に行くのである。通勤に時間がかかるので早めに出なければならないのだが、ダラダラと家を出る。イカンなあ。バスに乗れば何とかなるだろうと思っていたのだが、バス停のある駅で降りてもバスがやって来ない。時刻表を見ると、何だか前に見たものより新しいような気がする。ひょっとして、時刻表を改正したのか。寒風の中バスを待つことになってしまうのである。
そういえば、この客先にも1ヶ月以上来ていない。次にもいつ来れるかわからないので、昼休みに古本屋まで歩いて行って、買うかどうか迷うような本は全て買う。以下の本を買った。
「神の鉄槌」(アーサー・C・クラーク/小隅黎・岡田靖史:ハヤカワ文庫)\600→\200
「大久保町は燃えているか」(田中哲弥:電撃文庫)\580→\200
「アナベル・クレセントムーン −呪痕の美姫−」(中井紀夫:電撃文庫)\590→\200
「心の鏡」(ダニエル・キイス/稲葉明雄・小尾芙佐:ダニエル・キイス文庫)\640→\200
最近、海外SFのアンソロジーを読んでクラークはもっと読んでおくべきだと思ったし、「大久保町は燃えているか」はいつの間にか買えなくなってるみたいだし、中井紀夫氏の作品はファンタジーでもとりあえず押さえておくべきだと思うし、「アルジャーノンに花束を」は短篇版の方がいいという人もいるみたいだからね。
しかし、Excelのヘルプってのは何でこう使いにくいのかね。97→2000とヴァージョンが上がるごとに使いにくくなっているような気がするぞ。今日なんかもVLOOKUPで#N/Aになったかどうかを判断する方法を見つけるために1時間も無駄にした。以前はちゃんとした目次があったし検索方法もシンプルだったんだが、2000のヘルプは質問文を入力させてそれをオバカな解釈して勝手に探して来るもんだから何が何だかサッパリ判らん。手を入れるたびにソフトが馬鹿になっていくというのは、いかにもMSらしいことである。それにイルカが鬱陶しい。コイツを何とかしろ。いま、試しにこのマシンに入れているExcel97のヘルプで探してみたら、4回の操作(クリックもしくはダブルクリック)で目的の記述にたどり着けたぞ。
最近はここも早めに帰れるようになっているらしい。今日は18時に帰れた。まあ、昨年末が異常だったんで、それが今まで続いたんじゃ身体が保ちませんわね。梅田で乗り換えるので本屋廻りをする。ジュンク堂にも寄ろうかと思っていたのだが、しんどいので断念する。そうか、妙に鞄が重いと思ったら、いつもより本4冊ぶん重かったのね。
ということで、今日も息子が起きているうちに家に帰ることができた。今夜も私が息子を寝かせる。寝室に入ると彼は「ぼく、おもらし、したねん」とか言う。どうやら、保育所でお昼寝したときに漏らしてしまったようである。眉毛が「ハ」の字になって、とても情けなさそうな顔になっている。そうか、そういうことも言ってくれるのか。
▲4月27日(金)▼ →
目が覚めると8時半を過ぎている。こりゃ、職場に遅れる連絡をしなけりゃいけないか。私が起き上がると横でカミさんが目覚まし時計を引き寄せて「えっ! もう11時?」とか言っている。そういえば昨夜、私が寝室に上がってゆくと先に上がっていた息子が時計をいじってたな。油断も隙もありゃしない。目覚ましのスイッチを入れるときにも時刻は確認してなかったんだろうなあ。まあ、ちょうど今朝の朝食後で薬が切れるので、医者に行って午後から出社することにしようか。カミさんも横で保育所に遅れると電話をしているのである。息子が朝刊に挟んであった広告を指差して何か言っている。チーズの写真を指しているようだ。「これ、何?」と訊くと「こうげんそだちの、ろくぴーちーず」と応える。さすがに、スーパーに行くとチーズ売り場に引っ張って行って一つ一つブランド名を訊くだけのことはあるな。
そういえば、昨日から「S-Fマガジン・セレクション 1987」(早川書房編集部編)を読んでいたのだった。昨日はまず夢枕獏氏「すいき」を読み終えた。例の安倍晴明シリーズの作品であるが、イントロが凄い。この1行を読んだだけでモノが違うのがわかる。この作品は以前にも読んだことがありますが、何度読んでも味わいがありますなあ。次の東野司氏「京美ちゃんの家出」はあんまり面白くない。ネットワーク世界の描写に全く興味を惹かれない。これは14年前に読んでても面白く感じないんじゃないだろうか。そして今日は大原まり子氏「黄金の小麦の国で」を読み終えた。雰囲気はあるけど好みの作品ではないな。
私の所属している部署が連休中にフロアを移動するので、今日は荷造りなのである。入っているビルが改装中なので、今いるところは一時的に使用しているだけなのだ。運のいいところは1回の移動でいいのだが、ウチは予算が達成できてないからね。昼から出社しても夕方までは仕事ができるんじゃないかと思っていたのだが、行ってみるとみんな荷造りを開始している。とても仕事ができる雰囲気ではない。仕方がないので私も荷造りを始めたが、定時の2時間前に終わってしまった。移動のない部署に行ってダベって時間をつぶす。
引っ越しの荷造りとかしていると、何かと不要なマシンとかが出てくる。SCSIのケーブルとターミネータが出てたのでゲットする。SCSI機器のコネクタはいろいろな種類があって訳が分からないので、なるべくたくさんの種類のケーブルを用意しておいた方が安心である。まあ、これからSCSI機器を買い足すかどうかは非常に疑問なのだが。これ以上Macは増強しないだろうし、WindowsはFireWireになるだろうからね。SCSIはあれだけコネクタ形状がいろいろあったんじゃ、安心して買えやしない。
定時になってそろそろ帰ろうと思っていたら、後輩が我々の使っているパソコンの起動ディスクとかリカバリCD-ROMが廃棄処分になっているのを見つけてきた。これがないとシステムが壊れたときに手も足も出ないぞ。どうするんだ、Windowsなのに(爆笑)。自分の分だけは確保しておくことにする。荷造りは済んでしまっているので、持って帰らなきゃいけないか。
家に帰ると、妻子は家を出るところだったようだ。キムチを買いに行くのだという。先日私が買ってきたキムチが非常に好評だったのだが、カミさんがそれと同じだと思って買ってきたものが美味くなかったのだ。売っているところは教えたのだが、イマイチ不安である。彼女は息子に「父ちゃんとお留守番してるか?」と言って彼も納得していたようなのだが、私も一緒に行くことにする。鞄を置いて息子を自転車に乗せ、スーパーに向かうのである。
目的のキムチは買うことができた。帰りに踏切で電車の通過を待っているときにカミさんが「回ってる」と言った。駅前のバス停を指している。バスが円盤の上に乗って回転している。ちょっと前までは狭い敷地内で切り返したんだけどねえ。世の中は進歩している。息子に教えてやると彼は「あたらしい、ばす!」と声を上げた。言われてみると、前面の行先表示が電光掲示になっている。そういえば、ああいうのは見たことがないな。彼はバスが回っていたことよりも、回っていたバスが新しい型だったことの方が「事件」だったようである。帰りも自転車の後ろのシートで「あたらしい、ばすやったなー」と言い続けていたのであった。しかしバスが回っていたことも覚えていたようで、家に帰ってから「てんしゃだい、みたいなん?」と言った。そ…そうだけど、何でキミがそういう言葉を知ってるんだ?
▲4月28日(土)▼ →
今朝の息子は起きて居間に下りた後、「ひとりで、かお、あらう」と言いながら階下に下りてゆく。偉くなったもんだなあ。そういう習慣がつけば、朝もスッキリ目覚めて過ごすことができるんだよな。ただ、最大の問題点は、寝覚めが良くないと自分で顔を洗う気にならないということだ。
息子は食事をしていると「うんち」と言って立ち上がった。トイレに行き、便座を降ろす音が響く。しばらくすると水を流す音が聞こえてきた。「ちゃんと拭いたんかぁ?」と言いながらカミさんが見に行ったが、キレイに拭けていたそうである。保育所でも全部自分でやってるらしいからね。
連休の初日である。今年は世間並みに9連休である。今日は息子は保育所だし、私の実家には明日から1泊2日で行くことになっているので、今日は自分の用事ができる。前に帰ったときに息子が連泊するのを嫌がったので、今年は1泊の予定なのである。しかし、新コンテンツを作っている間に廻れなかったサイトを巡回していると一日が終わってしまう。いったい何なんでしょうか。
今夜は私が息子を風呂に入れたのだが、彼は私より先に浴室の中に入ると扉を閉じて「いれたーらへーん」とか言っている。そうか、そっちがそういう気なら入ってやらないもんね。脱衣場の外に出て気配を消す。しかし彼は何分経っても独りであることを気にする様子がない。鼻歌を歌いながら、すっかりくつろいでいる。うーむ、ちょっと前までは独りになるとすぐに寂しがって泣き出してたのになあ。裸で階段の下にいるのも阿呆らしくなってきたので浴室に入る。今日は父ちゃんの負けだ。
▲4月29日(日)▼ →
今朝はピッタリ7時半にカミさんが起きた。それほど早く起きる必要がないときには早く起きるのである。まあ、今日から夫の実家に行くわけだから、緊張しているのかもしれないけどね。朝刊を取りに出ると雨が降っていた。雨の中を4歳児を連れて駅まで移動するのはツラいなあ。今日は午後からという予報だったのに。しかし、家を出るときには雨は止んでいた。カミさんの要望で駅までは自転車で移動する。私はFIVAの入った鞄を背負っているので息子を乗せた自転車の運転はカミさんにお願いする。
駅に着くが、どうも息子の反応が悪い。ホームに上がって行くときにちょうどアーバンライナーが通過して行くところだったのだが、いつもなら階段を駆け上がって行くのにきょうは普通に上がって行く。電車を見ても、いつものような「あ! あーばんらいなや!」というような声が出ない。体調が悪いのかなあ。
近鉄ではいちばん前の車両に乗るが、前方が見渡せる位置は他の子供たちに占拠されていた。まあ、連休中だから仕方ないか。途中で彼らが降りて行ったので、息子をその後に移動させる。抱え上げなくても前が見えるようになっている。ラクになったものだ。
阪神百貨店の地階で実家への土産の菓子を買う。土産というより自分が食いたいから買うんだけどね(笑)。土産を買い終わるが、カミさんが「頭文字D 21」が出てるか知りたいというので階上の本屋に寄る。彼女が本を見ている間、私は息子に電車関係の本を見せてやる。こらこら、そういうページのめくり方をしたら本が傷むぞ。とか言っていると、途中でトイレに行きたいと言いだした。荷物が多いので大変である。
実家の最寄り駅に着いたときには雨がパラついていたのでタクシーを使う。ワイパーがフロントグラスの上を動くたびに水が流れていたので、けっこう大量に降っていたようである。実家に着き、遅めの昼食を食べる。妹夫婦は昨日から新婚旅行に行っているらしい。新婚旅行なら堂々と休んで人出の少ないときに行けばいいと思うのだが、何でわざわざ混んでいるときに旅行するかね。値段も高価いんじゃないだろうか。やはり、これは夫と兄を会わせるとマズいと思っているに違いない。私がいじめるとでも思っているのだろうか。本人に訊くと、こんな性格の悪い兄が居るということを知られるのがイヤだと言うんだろうけどね(爆)。
息子は早速、祖父母から先日のプレイボーイぶりをからかわれている。「もう、一生懸命『僕の家においで』言うてた」「『僕の家、何階建て?』いうて訊かれて『1階、2階、3階、4階……16階』とか言うてたもんな」とか言われている。ううむ、男は好きな女の前では見栄を張らねばならんとはいえ…4歳児がそこまで考えるものなんだろうか。しかしこれは、彼は親戚と会うたびに一生このことを言われるんだろうなあ。
昼食を食べ終わると眠くなってきた。どうして実家に来るとこんなに眠くなるんだろう。まさか、自分の家にいるときの方が緊張してるんだろうか。でも、カミさんの実家に行っても眠くなるからなあ。まあとにかく、息子の相手をしたい人間はいるので、私は寝るのである。
息子が起こしにきた。すっかり熟睡してたな。そして夕食を食べるのである。食って寝るだけだな。夕食中に弟が帰ってきた。彼の今回のお勧めは「空手小公子 小日向海流」(馬場康誌)、「JIN(仁)」(村上もとか)、「仮面ライダー」(村枝賢一)だそうである。「空手小公子 小日向海流」はリアルタイムで読んでるんだよな。村上もとか先生は相変わらず凄いですねえ。疲れていたにもかかわらず、一気に作品の中に入ってしまって読んでいた。「仮面ライダー」は私にはハマれなかったな。まあ、弟は最初の仮面ライダー世代だから。私はそれよりゃちょっと上なのだ。
腹が痛い。トイレに行ってもなかなか恢復しない。昼食後にシュークリームを2つも食ったのがイカンかったかな。それで今夜も私が息子を寝かせる。実家に来ても彼は「おしっこ」と言って起き、親と一緒に階段を下るのである。
▲4月30日(祝)▼ →
今日も遅くまで寝ていた。昼まで寝ていたわけではないが、妻子はもう起きている。昨日も昼寝しているのだが、いくら寝ても眠い。起き出して息子に「今日は何してたん?」と訊くと「ことりさんと『おはよー』ゆうてたん」と応える。私の実家は零細なペットショップを営んでいるので、店の中で遊んでいたらしい。「おっきなとりさん、おはよー、ゆーてくれたん」とか言っていたので、アオボウシインコとでも遊んでいたのだろう。
今日もダラダラとテレビなど見て過ごす。回収した牛乳を再利用していた乳製品メーカーがあったというニュースを見て呆然。馬鹿か、こいつ。雪印の教訓は他人事だったのか。この会社はもうダメだな。この不景気な時勢にこんな無能な責任者のせいで会社が潰れたんじゃ、社員は泣いても泣ききれないよな。
暇なので弟の部屋に入って獲物を探す。「カムナガラ」(やまむらはじめ:YKコミックス)がなかなか面白い。話はちょっと分かりにくいが、お姉ちゃんが可愛い(こら)。これは私も買うことにしようか。
今夜大阪に帰るのであるが、息子はけっこう私の実家に馴染んでいるようである。1泊だけでは私の両親にも少ないと思われるので、カミさんがイヴェントで東京に行っている5〜6日も実家に来ることにする。それだったら、5000円でスルッとKANSAIを3日間乗り放題のチケットを買うべきだったかな、などと思うのである。
息子は祖母と一緒に外に出て、かなり長い間帰ってこなかった。昼寝から起きてきたカミさんが探しに出たくらいである。近くの公園で同じくらいの年齢の男の子と遊んでもらっていたらしい。帰るときに相手が「明日は幼稚園があるから遊べへんな」と言ったので祖母が「この子、今夜大阪に帰るんや」と言ったら「ええーっ」と驚いていたらしい。そういう出会いもあるんだねえ。
夕食を食べていたら遅くなってしまった。息子は眠そうである。何とか駅まで歩き、ホームで直通特急を待っていると、入ってきたのは息子曰く「はんしんの、あたらしい、でんしゃ」であった。彼がずっと乗りたかった車両である。彼は目を輝かせて喜んでいる。その後数日間は「あたらしいでんしゃ、のれて、よかったなー」と言っていたのであった。しかしそれでも疲れには勝てなかったようで、阪神の梅田駅に着いたときには母親の腕の中で眠ってしまっていたのであった。
けっきょく、3日間乗り放題のチケットを買うことにした。実家への往復に使うと1日分余ってしまうが、何とかなるだろう。どうせだったら実家に帰るときにはできるだけ多くの種類の電車に乗せてやろう、などと思って最適なルートを考えていると楽しくなってくるのである。そういえば、学生時代に大学のある九州から実家に帰ってくるときに、一日のうちに最低料金で帰ってくる乗り継ぎの組み合わせを考えるのも楽しかったよなあ。途中でどうしても新幹線を使わなければならなかったのだが、その後に快速に乗ったら、それが遅いのなんの(笑)。新幹線だけに乗っているとそんなに速くも感じないのだが、やはり速いのだということを実感したのでありました。
大阪の地下鉄に乗ってからは息子は起きて自分で歩いてくれた。我が家へは最寄り駅から自転車で移動する。途中で屋台のラーメン屋さんとすれ違ったのだが、息子はそれが嬉しかったようである。「らーめんやさん、みれてよかったなー」とか言っている。「いろんならーめん、あったなー」「おはしとかも、あったなー」と続ける。おいおい、一瞬の間にそんなところまで見ていたのか…と言うとカミさんが「そりゃ、自転車がバランスを崩して転けるかと思うくらい身を乗り出して見るんだもの」と応じる。そういや、彼を乗せて自転車で商店街を走ってて前方の踏切を電車が走るのが見えたときにも、急に自転車の重心が移動するときがあるよなあ。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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