1999年7月上旬の日記
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■7月1日(木)
先日の日記を書きながら思ったのだが、なぜ「地震」は「じしん」なのだろう。「地」が震えるわけだから「ぢしん」ではないかと思うのだが。あれだけ文法に関しては頭の固いATOK(「女王」が「じょうおう」で出ないくらい固い)でさえ「ぢしん」では「地震」と変換しない。昔の文書などには「ぢしん」と書いてあったと思うのだけどね。「鼻血」などは「はなぢ」なのに、どこで違ってしまったのだろうか。

今朝は職場で朝礼があるので早く出社しなければならない。そのため、昨夜は早く退社した。職場を出てみると雨が降っていた。キタを回って、図書券とか残業で遅くなったときに食べる菓子とかを買おうと思っていたのだが中止する。大局的には天候は回復の方向に向かっているはずなので、昨日とは逆に地下鉄から降りる頃には止んでいるだろうと楽観して自転車を置いている駅で降りる。予想通り止んでいた。

家に着くとまだ9時前である。凄いな。階上から息子の声が聞こえる。まだ起きているのだな。そのうちに「とーちゃーん、おかえりなさいっ!」と声をかけてくる。「ただいま」と応える。上がっていくと、妻子は寝室にいた。寝かせているところだったようだ。ん、髪の毛が短くなっているな。散髪したのか。で、息子はこの日もあったことを報告してくれるのである。「かみ、きった」と言う。なるほどね。母親が「チョキチョキしたんやな」と言うと「ちょきちょき、した」と繰り返す。

今夜は私が息子を寝かせることにする。カミさんは「1時間ぐらいかかるで」と言ったが、「対なる者のさだめ」の締め切りは今日のはずだし、せっかく早く帰ってきたんだからね。眠ってしまえば私は夕食抜きになってしまうが、そのときはそのときのことである。…でも、やっぱり寝ないな。絵本を読んでいるときから落ち着きがない。読んでいるのに集中してくれないのである。読み終わって電気を消すと、こんどは私の喉仏を掴みにきた。うう、そりゃこれはキミや母ちゃんには無いモノだから珍しいかもしれないが、握られると気持ちが悪いからやめてくれ…と頼んでも止めるような相手ではない。上に乗っかってきたり叩いてきたり、暴虐の限りを尽くす。もう親の思うとおりにはならないなあ、独立した人格なんだよなあ…などと妙な感心のしかたをする。ひとしきり暴れたあと、いきなりパタリと横になった。このまま寝てくれるかな。

けっきょく私もそのまま寝てしまった。しかし、朝は妻子よりも早く起きることができなかった。10時間近く寝ていたことになるか。やはり疲れていたのだな。カミさんは昨夜で「対なる者のさだめ」に載る書き下ろしを書き終えたらしい。それはよかった。今日出版社に送るつもりだったようだが、今夜私が読んでチェックしてから書き直して明日送るようにしてもらった。

今日は昼休みに生きて死ぬことのヒント(立川昭二:小学館文庫)を買った。最近、小学館文庫のこのシリーズをよく買ってるような気がするな。

今朝、Ruputerの電池を交換した。2回目である。半年近く保ったことになるのかな。意外と保つものである。CR2025が2個だから400円足らずか。でも、装着しているだけでほとんど使ってないからなぁ(苦笑)。



■7月2日(金)
昨夜はカミさんの原稿を読まねばならないので、少し早めに退社した。22時頃に帰宅したのだが、居間に妻子はいなかった。息子を寝かせているのか。着替えてから寝室を覗くと、息子が「かーちゃん、だっこぉ」とつぶやいてカミさんにしがみついた。眠りかけだな。

息子を寝かせてカミさんが起きてくるのを待ちながら日記を書き、通信し、ログを読み、レスを書く。調子に乗って寝るべき時刻までそういうことをやっていたのだが、カミさんは起きてこない。作品が完成して緊張が解けたかな。疲れているだろうし。

居間に上がって、その辺のものを温めて食べる。それからカミさんの原稿のチェックをすることにする。この日の朝、カミさんはその日に印刷するようなことを言っていたので帰宅したときに探したのだが、紙の原稿は見つからない。
彼女のワープロを引きずり出し、電源を入れる。「美貌の食卓」の続きらしき文書が出てきた。登録しているかどうかわからないので「とりあえず」という名前で登録して、目的の原稿を探す。このフロッピーには入っていない。結婚直後に買った機種だから、ハードディスクはついていないんだな。それどころか、2DD専用だ。それらしきフロッピーを探して……あった、これかな。日付が7月1日になっているから、これだろう。呼び出して、読む。かなり心理描写が中心になった地味な話になってるな。これで受けるんだろうか。エッチもないし(爆)。「対なる者の証」も、あまり成績は良くなかったらしいからねぇ。まあ、ウィングス文庫自体、あまり売れていないんじゃないんだろうか。あれだけ山のようにアノ手の本が出てれば、新人が認知されるのは大変だ。読んでいて引っかかりを感じたところをメモして食卓の上に置く。すでに、外ではニワトリが鳴いていたのだった。

今朝も起きるとノドが渇いていた。顔を洗ってお茶を飲む。飲んだお茶が食道を通り、胃に到達した瞬間に「ヤバい」と感じた。胃が痛い。胃に物を入れれば治まるかと思ったが、胃が重くなっただけであった。しばらく待ったが状態が改善しないので、職場に電話をかけて痛みが治まってから出社すると伝える。しばらく寝室で横になって……気がついたら午後だった(笑)。痛みは取れたが、まだ気持ち悪いので今日は休んで明日か明後日に仕事をすることにしたのであった。

今日は日記を書きながらはるか昔に買ってきたTOPSの「Romanesque Champion」を聴いていたのである。これも10年以上前のアルバムだな。3枚で1000円だったからな。3曲目の「LOVING YOU」はけっこう良かった。こういう骨太の曲も好きである。カヴァーよりもオリジナルの方がいいような気がするな。ここにこんなことを書いても読んだ人が買えるわけじゃないし、ほとんど無意味だな。まあ、私的な「日記」だから、個人的なメモにも使うのである。本の感想なんてのも、そういうものだし。でも、サワリだけでもAM放送程度の音質でもいいから、ここに貼りつけてクリックすれば聴けるようにできればいいんだけど、著作権の侵害になるからね。やりようによっては昔のほとんど忘れられている曲を発掘して紹介するDJのようなことも可能なメディアだと思うのだけどね、インターネットというのは。個人対少数でも充分成り立つわけだし、ここみたいに(笑)。そういうことなら許されてもいいんじゃないかとも思うのだが、承認や線引きの問題もあるからねぇ。

日記を書いていたらカミさんが息子を連れて帰ってきた。やはり、雨が降ると自転車は大変だな。居間に上がってカミさんがワープロを広げると、息子はそれを指差して「いんたーねっと」と言う。そういう言葉、どこで覚えたんだ。でもね、これはワープロ専用機だからインターネットはできないんだよ。最新の機種ではできるみたいだけど。そのうちに彼は、電卓を持ち出してキーを叩きはじめた。自分も情報機器を扱っているつもりらしい。そして「シンちゃん(仮名)のいんたーねっと」と言う。その言葉に両親は大ウケしたのであった。まあ、液晶とキーボードがついているという点では同じだからね。



■7月3日(土)
昨夜は私が息子を寝かせたのだが、彼は私に身体を寄せてきて「とーちゃん、かりかりして」と言ってくる。どこか痒いらしい。「どこが痒いんや」と問うと、私の手を膝や肘の裏にもってゆく。カサカサになっているようだ。これは、
アトピーかなぁ。私自身が子供の頃は重症のアトピーだったので、子供に遺伝しないか心配だったのだが、恐れていたことが現実になってしまったのだろうか。今まで出なくて安心していたのだけれど。私が発症した頃は40年くらい前で、まだアトピーなどという概念も無い頃だったのである。そういう時代に全身に原因不明の「湿疹」ができたものだから、私の母はミイラ男のようになった我が子を抱えて、たいそう苦労したそうだ。

例によって昨夜は息子と一緒に眠ってしまったので、今朝は早起きしてネットサーフィンする。ニュースのサイトを回って、日記を書いていると妻子が起きてきた。彼らが食事をしている間に日記を書いて上げる。昨夜は風呂には入れなかったので、テレホタイム後にシャワーを浴びてからカイロに行き、そのついでに息子を保育所に連れていくつもりだったのだが、雨が小康状態になったということでカミさんが連れていってくれた。ありがたいことである。

落としてきたテキストを読んでいてとなりの山田くんに日本アニメ映画史上最高の製作費23億6000万円を投じたというニュースを見たが、そんなに金をかけて大丈夫なのかな。個人的には監督が高畑勲氏だということで、イマイチ信用できないんだが(笑)。ジブリというブランドでみんな見に行くんだろうか。まあねえ、カリ城ラピュタよりもジブリが世間に認知されてからの魔女宅なんかの方が興行成績は良かったらしいからねえ。

芸能ネタ連発である。江木俊夫氏が逮捕されたらしい。しかし、最新の写真をみると変わり果てた姿ですな。単なる禿げかけたオヤジだよ。「マグマ大使」とかを見ていた私などにとっては、こういう姿で悪事を為して出てこられると哀しいものがありますな。まあ、大衆のわがままなんだけど。でも、ねーちゃんを口説けなかったからといって、酒に覚醒剤を入れて飲ませるなんて……情けなさすぎるぞ。

昨夜の夕食後に、息子に「よーぐると、ほしい」と泣かれたので、カイロからの帰りにスーパーに寄り、ヨーグルトを買う。家に帰ると、なんだかカミさんの機嫌が悪い。私の昼食の用意をすると、すぐに昼寝してしまった。早く家を出た方が良さそうだな。昨日休んだので今日は仕事に行くのである。家を出たときには雨はパラついている程度だったのだが、駅に行く途中で盛大に降り出した。コンビニで、数分間だったが雨宿りをしなければならないほどであった。

通勤時に医者が末期がん患者になってわかったことを読み終えた。現在の医学ではどうしようもない腫瘍に蝕まれて、どんどん悪化してゆく様子がリアルに伝わってきて痛ましい。しかし、脳を切り刻まれ、自分の人格が壊れていく恐怖や体力の衰えと闘いながらも、冷静でかつこれだけ胸に迫ってくる文章を書かれたことには敬意を表するものであります。人間というのは、弱くて、そして強いものなんですね。



■7月4日(日)
昨夜は帰宅したときには息子はもう眠っていたのでいつもの時間まで起きていたのだが、今朝もまた早起きしてネットサーフィンするのである。
テレホタイムが終わって、落としてきたテキストにざっと目を通す。寝室は静かだが、息子は早く起こさないと今夜また寝付くのに時間がかかるだろうと思われるので、起こしに行くことにする。8時半で、平日なら起きている時間なのだが、彼は熟睡している。呼びかけても反応しない。くすぐっても同じである。身体を撫でると起き上がったが、またすぐうつ伏せになってお尻を上げた体勢のまま動かなくなってしまった。そういうことを何度か繰り返しているうちに目が覚めたようである。

居間に下りて朝食の用意をする。インスタントの味噌汁を作っていると、息子は「みそしる、つくってる」と言う。うう、これは本式の味噌汁の作り方ではないんですけど。今日もメニューはふりかけと納豆である。変わりばえしなくてスマンな。最後に私がキムチを出してくると「いくら、ほしい」と言う。「これはイクラ違うねん。『辛いの』やねん」と言うと、「からいの、ほしい」と言う。ほんの少し食わせてやると、何度も次を要求する。最終的にはご飯をお代わりしたのであった。最初にもけっこう多めについだはずだったんだが。

いつも食事の後片づけをしているときにウンチをされているので、今日は食後すぐに「ウンチするか?」と訊く。最初は「せえへん」とか言っていたのだが、何度か訊いていると「といれ」と言いだした。二人でトイレに走る。便器に座らせると、オシッコがチーッと出た。降りようとするので「ウンチは?」と訊くと、気張ってウンチを出したのだった。よしよし、偉いぞ。

朝食後に私の部屋に行って昨夜録画していた「ヒッパレ」を観る。森川美穂さんとVOX―IVが出演するというので楽しみにしていたのだが、あまり印象に残らなかったなぁ。おお、デーモン木暮氏だ。この人はデビュー当時からかなり上手くなったという印象があるのだが、デビュー当時の記憶はもう残ってないな。あらら、香坂みゆきさんじゃないですか。久しぶりだなあ。この人もテレビであまり歌わなくなった頃からすんごく上手くなった記憶があるんですよね。以前、ベストアルバムを借りたことがあるんですけど、あれがCD化されていれば買いたいなあ。でも、今週はあまり彼女の声が聴けなかったのであった。で、今週で印象に残ったのといえば…パパイヤ鈴木とおやじダンサーズでしょうか(笑)。今日も息子は途中で退屈して私の膝の上から抜け出したのだが、このときだけは注目して見てましたね。よっぽどインパクトが強かったのだろう。まあ、冷静に聴けばヴォーカルもけっこう上手かったし。コーラスはちょっと…でしたが。

ヒッパレ」の最後の曲を観ていると、膝の上がジンワリ濡れてきた。あやや、やったね、キミ。でも最後まで観て居間に上がる。パンツを替えて絵本をひととおり読む。そして、しばらく自由に遊ばせた。その間、私は新聞を読んでいる。いつも思うのだが、一人で遊んでくれるようになって楽になったものである。まあ、何度もオモチャの列車の接続が外れて「ちゅないで」と言ってくるので、そのたびに列車を繋いでやらねばならなかったが、それで新聞を読んでいるのを頻繁に中断されるのを除けば、まったく問題ない。

こういう時間も有効に使おうと、先日買ってきたSAKURAさんの「LOVE ON WINGS」を聴く。なかなか落ち着いたアルバムですね。以前にシングルを何枚か借りて聴いた感じでは、もう少し若い音楽をやっていたような印象があったのですけどね。けっこういい感じの作品です。「君のために」のアレンジが変わっていなかったのも嬉しかった。

そうこうしているうちに、昼前になってカミさんが起きてきた。カミさんの朝御飯といっしょに我々も昼食を食べる。息子はずっとカミさんに怒鳴られて泣きっぱなしである。うう、お母ちゃんが起きてくるまでは、あんなに機嫌が良かったのにねえ。

息子を連れて買い物に行くことにする。カミさんも来るようである。外出する前に、洗濯機に入れる息子のパンツを手洗いする。なんだか鰹出汁のようなニオイがする。そういえば、風呂の蓋を取ったときにも同じようなニオイがするな。ということは…ははは。

まずは近所の電器屋に行く。DMの封筒を持っていくとカップをもらえるのである。最近、お茶を飲むカップが少なくて不自由することが多いので嬉しい。でも何も買わないのである。息子はここでもパソコンと音楽のキーボードを叩いて遊んだのであった。そういえば、インターネット接続サービスが八千円とか書いてあった。それはボロいな。インターネット接続なんて、パソコンを電話線につないで、要求されるままに必要な情報を入れていくだけだと思うんだが。初心者は大変だろうけど、慣れた人間ならほとんど手間はかからないですよね。使いだしてからトラブルが起こったときの対処までやるとなると大変ですけど。

それから、近所にあるスーパーの階上にある遊技場に行く。樹脂製のボールが満たされたプールの中で遊ばせたりしたのだが、前回来たときよりも運動能力が上がっていることが確認できた。斜面を登るのがかなり巧くなっている。三輪車にも乗せたが、ペダルを踏んで進めるようにもなっている。よし、今度はウチの自転車に乗ろうな。最後にアンパンマンの汽車に乗った。これはお金を入れると動くだけじゃなくてカードが出てくるのである。カード目当てのリピーターを獲得しようという算段か。息子はそのカードが気に入ったようでずっと持っている。帰りにスーパーに寄ったのだが、レジでお姉さんにそれを出そうとする。いやいや、それでは物は買えないのだよ。

帰りにミスドでドーナッツを買ってきたので食べて、息子には昼寝をさせることにする。カミさんに寝かせてもらって私は自分のことをするつもりだったのだが、寝室から息子の泣き声が聞こえてきた。またモメているのか。泣き止まないようなので上がっていく。私の方に来るように言うが、拒絶される。うう、そんなに怒鳴られても母ちゃんの方がいいのか。しかしそのうちにカミさんが布団に潜ってしまった。脚が痒くなってきたようだが母親に掻いてもらえないので「とーちゃん、かりかりして」と言ってくれた。「こっちに来い」というと転がってやってくる。脚を掻いてやる。でも寝ないのである。けっきょく私の方が先に寝て……

気がつくともう夜であった。階下で息子の泣き声とカミさんの怒鳴り声が聞こえる。またモメているのか。カミさんが「元禄繚乱」を観たあとに彼を風呂に入れたのだが、風呂の中でもまたモメている様子である。風呂から上がっても息子は服を着るのを嫌がる。怒鳴られっ放しでも抵抗の手段がないからねえ。寝かせるのもカミさんがやったのだが、またまた寝室でモメているようである。そのうちにカミさんが泣いている息子を置いて下りてきた。さすがに真っ暗な中、独りで放っておくのは可哀想なので、私が上がって背中をトントンして寝かせたのであった。

けっきょく、カミさんの怒鳴り声と息子の泣き声ばかりの一日であった。ああ、明日からまた仕事だよ。ふう。



■7月5日(月)
昨夜はカミさんに昨日の日記を書いて印刷するように言われた。保育所との連絡帳に添付して記述を省略すれば、彼女の負担の軽減になるのである。昨日はいっぱい書くことがあったので、書き終わったときには5時を過ぎていた。もう外は明るい。睡眠不足で仕事に行くのは辛いが、日記を書いていないというので今朝もイライラされちゃ、息子が可哀想だからね。印刷して食卓の上に置き、寝る。でも、こういう内容を保育所に出すのも問題があるような気がする。

朝になって起きると、カミさんが妙に明るい。息子も戸惑っている。「ここ数日落ち込んでいたのは夏コミに行けないと思っていたせいだとわかったから今年は夏コミに行く」宣言されてしまった。「行くったら行くったら行く」だそうである。そんなものなのかねえ。因果なものだねえ。まあ、息子のことを考えると拒否できませんわな。時として、尖った言葉は叩かれるよりも痛いですから。それに、私の実家にはお盆に帰らなくちゃいけないわけじゃなし。最大の問題はむしろ、私が休暇を取れるかどうか、だったりして。

今日は、銀行口座の住所変更に行った。私の給与振り込み用の口座のあった支店がリストラされるので、キャッシュカードが使えなくなるのであるが、住所変更をしていないのでキャッシュカードが送付されていないのだ。結婚当初に住所変更しようとしたのだが、その当時は該当支店に行かなければならないということだったので「何で客がそこまでせにゃならんのだ」と、行ってなかったのである。今回は最寄りの支店で変更できるようだけどね。通帳も切り替えになる。7年間通帳記入をしていなかったので、7年ぶんの入出金実績を延々と記入してくれたのだった。でも、カードは「住所変更された」という情報が統合先の支店に行くまでに7〜10日かかって、それからカードを作って送付するので、入手するまで半月かかると言われてしまった。支店間の連携が悪いんでないかい>S友銀行

今日は職場からの帰りに
大使閣下の料理人(2)」かわすみひろし西村ミツル:モーニングKC)を買った。うう、ええ話や。やっぱり少し話を作りすぎのような気もするが、それも含めて一皿の料理として味わうべき作品なんでしょう。

今夜は眠かったので早めに退社した。22時前に家に着いた。息子の声が聞こえる。着替えるために寝室の隣に上がっていくと息子が「とーちゃん、おかえりっ」と声をかけてくる。嬉しいねえ。着替えていると寝室から歩いてきて抱きついてきた。嬉しい嬉しい。しかし、私が帰ってきたので彼は元気になってしまった。まったく寝ようとしない。私に馬になれと言う。よじ登ろうとする。私の顔に毛布をかぶせようとする。眼鏡が落ちる。何がしたいんだろう。私がいると寝そうにないので、彼らを残して居間に下りたのだった。

カミさんが「観用少女(4)」(川原由美子:朝日ソノラマ)を買っていた。まあ、何というか、畏るべき美しさ、ですな。このシリーズは作者が力を入れて描いているのがビンビンと伝わってくるので、こちらも集中して読まねばならないという気になる。しかし、相変わらずいい仕事してますねえ。川原由美子さんは別コミでデビューした頃から読んでますけど、この系列の作品はほとんど世界が変わりませんね。これは驚異的なことです。時の流れと現実の中で磨り減ってゆく才能を数多く目にしてきただけに。



■7月6日(火)
今朝、起きて居間に入っていくと息子はおにぎりを食べていた。横に座ると、飯粒のついた手で触りにくる。こらこら、やめてくれ。私が納豆を食べだすと例によって「なっと、ほっしい」と言う。食わせてやると、口の中に入れた瞬間にカミさんの方を向くので、引いた糸が頬っぺたに付着する。カミさんは「手と顔洗うまではお前と親子違うからな」と言い捨てて逃げていく。そんなに嫌わなくても…ねえ。でも、頬っぺたのヌルヌルを洗い落とすには何度も洗わなければならず、息子は嫌がって泣いたのであった。洗い終わると、上半身にかなり水がかかっていたので彼は「びしょびしょ」と言った。

今日は家族3人で同時刻に家を出た。息子は、いつもは自転車を出しに行くときには玄関先で大人しく待っているのだが、今日は両親が自転車を取りに出ると泣きだした。二人同時に出ていったので置いて行かれると思ったのだろうか。

今日は昼休みに
トキワ荘実録丸山昭:小学館文庫)を買った。この本は、トキワ荘に住んでいた作家たちに関する編集者の回想録である。ああいう方々の若い頃の話というのは聞いてみたいものだからね。しかしここに載ってる肉筆同人誌、いま市場に出てきたら一体全体いくらくらいの値がつくんだろうかねえ。…最近、小学館文庫の購入が多いな。後発だから力を入れているのだろうか。そういえば平凡社新書なんかもそうだよな。少し前の幻冬社文庫もそうだったし。やはり安定してしまうと面白い物は出て来づらいということかな。

今日は通勤中にデパートB1物語を読み終えた。著者はヨーロッパで洋菓子職人の修行をして帰国後に製菓会社を興した人らしい。最初のうちはギョーカイの裏話で面白かったのだが、途中から新書らしくデパートの歴史とかの固い話になってしまったので読むのがちょっと辛かった(じつは途中から読み飛ばした)。あとがきを読むと、どうもこのあたりはこの人の専門ではないせいもあるようです。やはり、精通していることだからこそ生き生きした文章が書けるというものでしょうか。でも最後に、デパートのお菓子売り場に入っているヨーロッパ名店の紹介なんかがあるので、カミさんには見せないほうがいいな、これは。

今日の昼前にカウンタが2000を超えた。今回は100上がるのに一週間だったか。

おおお、新書館のホームページができているぅ〜! つい最近まで無かったのに。カミさんの商業誌の話を書くたびに、あればリンクしようと思ってかなり探したが見つからなかったのだ。さすがにセンスがよろしいですね。対なる者の証のページまである。でも、どうもこれはウイングス文庫の最新刊を紹介しているページのようなので、短い命かもしれない。おうおう、小説Dear+のページもある。『美貌の食卓』が載っている号だ。この雑誌は年2回発行だから、これはしばらく残りそうだな。しかしもうカウンタが2000超えているのか。やはりこういう会社は、これからはWeb上でもプロモーションしないとダメでしょうからね。そういう点では、実は先行きに少し不安を感じていたのだ。あとは、編集さんに電子メールを使えるようになってほしいものです。



■7月7日(水)
昨夜、帰宅するとカミさんは友人と電話をしていた。長引きそうなので、階下の自分の部屋で日記を書く。書き終えて上がっていってもまだ電話をしている。待っていると眠ってしまっていた。まあ、電話の相手が小説でボツを喰らったらしいから、今日くらいは仕方がないでしょう。しかし、編集が通して一冊分書かせておいてからボツにするかね>某社

今日は七夕である。今朝、カミさんに短冊に願い事を書かされた。保育所で笹につけるのだろう。私は「はやく じがよめるように」と書いたのだった。そうすれば、一人で時間をつぶしてくれるから…というのもあるけど、やはり読書の喜びを知ってほしいのだ。そういえば、昨年の今ごろ人工衛星のドッキングの実験をするのに、衛星に「おりひめ」と「ひこぼし」という名前をつけたばっかりに、新聞に
「おりひめ・ひこぼし ドッキング先送り」とかいう見出しが出て赤面してしまった私だった。ん、赤面する方がおかしいって?

今日は昼休みに小さな江戸を歩く 九州・四国・西国路編」馬渕公介:小学館文庫)を買った(ハードカバー版の解説はこちら)。日本全国の古い町並みのルポルタージュである。私は姫路で生まれ育ったのだが、立ち読みしていて姫路城の描写に惚れてしまったのである。どうやったらこういう文章が出てくるんだろうか。毎日苦心惨憺して日記を書いてる身としては、こういうのを見てしまうとスゴイと感じてしまうのだな。けっこう上手く書けたと思っても後から読み直すと読みにくくて自己嫌悪に陥ってしまいますからね。そりゃ、書いた直後は内容が頭に入っているからすんなり理解できるけど、時間をおくと説明不足やリズムの悪さが歴然と見える。そういう意味でも、こういう忙しい身で日記をリアルタイムで公開するというのは無謀だよな。文章力があるならともかく。おやおや、そういえばこれ、また小学館文庫だよ。今日もいっぱい出てたんだが、並んでいるタイトルを見てるだけで「あれも読みたい、これも読みたい」と思ってしまうんだよな。よほど編集者が優秀なのか私と相性がいいのか。



■7月8日(木)
今朝は息子の機嫌が悪い。何か気に入らないことでもあったんだろうか。泣きながら階段を下りていくのを布団の中で聞いている。居間に下りてもずっと泣いている。私が起きても泣いている。30分くらい泣きっぱなしかよ。鼻水で鼻の下が粘液の海のようになっている。ティッシュで拭こうとすると嫌がる。息子が泣いている横で新聞を読んでいたカミさんが言った。
光瀬龍さん、亡くなったの?」
「え?」
「『百億の昼と千億の夜』…だからそうでしょ」
「…そうやな」
先生が亡くなられてから、何があってもいい覚悟はできていたが、やはり現実にこういうことになるとねえ。でもまあ、個人的には光瀬龍さんはSF作家としての天寿は全うされたと思います。七夕の日に星になってしまわれたのですね。合掌。

そういえば、息子を怒鳴らなくなってから、彼の肘の内側のカサカサが治ってきたとカミさんが言っていた。こういうのもストレスの影響は大きいだろうからねえ。

今日は昼休みにクロノス・ジョウンターの伝説梶尾真治:ソノラマ文庫NEXT)を買った。うおお、梶尾真治氏の時間SF、しかも恋愛モノである。これは昼飯を抜いてでも買わなければなりますまい(いや、食った後だったんですけど)。こんな本が出ているのはまったく知らなかったのだ。ライトノベルのところにはあまり行かないしね。



■7月9日(金)
今朝は妻子が先に家を出たのである。自転車を出すときにカミさんが息子を玄関の中に残して鍵をかけて出たのだが、彼はそれを見て内側から掛け金を下ろしてしまったのだった。そうすると外からはどうしようもない。息子の力では上げてロックを解除することができない。カミさんは中にいる私を呼んだのだった。私がいなきゃ、ガレージを開けて入らざるを得ないからな。

今日は昼休みに
これは役立つ『葬儀屋さん』の打ち明け話尾出安久成美文庫)を買った。これも裏話の本かな。あんまり知らない世界のことが書いてあるし、知っておいた方がいいことも書いてあるようだからね。

今日はウチの部の新人歓迎会だったのである。今朝、後輩のところにAIBOが配達されてきたそうな。さっそく今日の午前中は半休して出してみたそうである。開梱して取り出すまでの様子をデジカメで撮ってきていた。段ボール箱の中で発泡スチロールの緩衝材にはめ込まれているところは普通の電気製品と同じであるが……なんだか、ずいぶんヘンなポーズをさせて撮ってるな。まだほとんど動かしていないそうだ。彼が次に本社に来るのはたぶん16日くらいだから、そのときには連れて来るんじゃないかな。

NiftyInfoWeb一緒になるらしいが、ここのURLなんかは変わらないだろうな。URLとかメールアドレスというのは各人が築き上げてきた「顔」なんだから、変えられると困るんだよね。Niftyのドメイン名が変わったときにもずいぶん迷惑を被ったけど。…とか書いていると「そのまま継続される」という記事があった。まあ前回のドメイン名変更はNiftyのせいじゃないんだけどね。しかし、全国的に「〜or.jp」を「〜ne.jp」に変えるというのも乱暴な話だったよな。全体の体系はキレイになるのかもしれないけど。そのせいで、いまだに検索エンジンの検索結果から跳ぼうとしてもリンクが切れてることがありますからねえ。

アメリカで人種によるインターネットへの接続度の差が大きいという商務省の調査結果が出たらしいが、こうやってますます差が開いていくんでしょうね。日本でも東大に通った学生の家庭の収入は国民の平均よりもかなり高いという話を聞いたこともあるし。まあ、個人の能力が高ければそういうのは関係ないかもしれないが、やはりインターネットの知的好奇心に与える影響というのは大きいような気がする。でも、同じ所得水準でも人種によって差があるみたいだから、これは将来大きな差になるんじゃないだろうか。まあ、現在流行っているPCじゃなくて、先を見て別のことに投資しているのならそちらが勝つんだろうけどね。本来、投資というのはそうすべきなんだけれども。ウチの子がパソコンを使えるようになるころには昼間でも常時接続できるようになっているかな。まあ、情報を見るだけの受け身の人間に育ってもらっても困るんだけど。

またアメリカハイテクネタであるが、向こうではオールスターの投票がインターネットからでも可能らしいのだが、メジャーリーグのWebサイトに侵入して好きな選手に大量投票した奴がいるらしい。当然そういうこともあると思うんだが、もう、そういう時代になってるんだねえ。とか書いてたら、宇多田ヒカルさんのホームページでトラブルがあってハッカーの仕業じゃないかというニュースが入ってきましたな。

さてさて、アメリカネタ3連発である。あちらでの調査によると検索エンジンのカバーしている範囲は、最大でも16%しかないらしい。日本でもそんなものなんだろうか。ウチのページで調べてみると、1ヶ月遅れくらいでも日記の内容を全部拾ってくれてるのはInfoNavigatorくらいだからねえ。前にも書いたけど、やっぱりそんなもんなんでしょうかね。面白いページ、ためになるページでも、検索エンジンに載っていないために知られていないところはいっぱいあるんだろうな。まあ、そういうところを見つけたら個人でもリンクして広めることができるのがWebのいいところですけれど。この報告では『すべての情報がWeb上で入手できるように(中略)なったら,洪水のようなWebへの情報掲載のペースも弱まり,検索エンジンの側が追いつくことができるだろう』などと書いているそうだが、それは甘いと思う。私みたいに意味のないバカなことを書き込む人間はますます増えてくると思うんだな。

そういえば、光瀬龍さんが亡くなったのをWeb上で報道してたのは、私の見た範囲では朝日だけだったな。その程度のものなんだろうか、「百億の昼と千億の夜」という作品の知名度は。ちょっと悲しい。…と思ったら、産經一日遅れで載せていた



■7月10日(土)
先日の日記に「ライトノベルのところにはあまり行かない」と書いたが、全く読まないとか、毛嫌いしているとかいうことではないのである。あまり手が回っていないだけなのである。例えば「タイム・リープ」(高畑京一郎:電撃文庫)は良かったのである。あの前後に読んだSFの中ではワタクシ的にはベストだったくらいで(いや実は、あんまり数を読んでないからなんですけど)…ということで、本日の出勤途中にジュンク堂に寄って「クリス・クロス」(高畑京一郎:電撃文庫)と雨の檻菅浩江:ハヤカワ文庫)を買ってまいりました。菅浩江さんは異形コレクション2 侵略!に載っていた「子供の領分」が良かったですからね。やはり、アンソロジーで気に入った作品を読むと、その人の作品をもっと読みたくなるものでございます。でもなあ、今ごろ「菅浩江」などと言っているようでは、とてもSF者とは言えないなあ。ただ、本当はライトノベルのところに行ったのは某所で薦められていた作品を探しに行ったからなのだが、大型書店を何件も回って発見できなかった。やはり発行される本の数が多いからなんでしょうかね。

昨夜はカミさんが長電話をはじめたので、横にいたら眠ってしまっていた。酒も入っていたしね。そうすると今朝は早く起きねばならないのだが、妻子が起きてくるまで起きられなかった。途中で一度目が覚めた記憶はあるんだけどね。カミさんが布団を掛けてくれていたようである。有り難いことである。今日もカイロに行ってから休日出勤するので、朝食を食べてから慌ててシャワーを浴びる。カイロに行くついでに息子を保育所に連れていくのが少し遅くなってしまった。ただ、先生もさらに遅れてきたりしたのだが、いいんだろうか。自転車で走っていると、息子が「はやい」と言う。そうか、いつも母ちゃんと走っているより速いか。急いでいるからな。「きもちいー」とも言う。そうだな、風が気持ちいいな。こういう感覚も表現できるようになっているのか。

そういえば昨日、カミさんの横で「観用少女」を読んでいて気づいたんだが(ついつい手に取ってしまうのです)この本、人の名前がまったく出てきてないのね。

昨日でトキワ荘実録を読み終えたので、今日から通勤中には訊く中島らも:講談社文庫)を読んでいる。本当はクロノス・ジョウンターの伝説を読みたいのだが、まとまった時間がとれたときに腰を落ち着けて読みたいのである。読み出して電車を降りるのが辛くならないとも限らないし。でも、まだ途中だけど「訊く」もなかなか面白い。特に毒物に関するウンチクとか、こんなにサラッと言われるとねえ(苦笑)。CM業界の人の発想法に関する話も面白い。しかし、中島らもさんって本当に私と正反対だな。そんなにラリりたいのかねえ。

トキワ荘実録」もなかなか面白かったです。ああいう人たちの若い頃に立ち会えたというのは本当に幸せなことでしょうね。漫画家さんたちの方から見ると、「この人のおかげでここまでやれた」ということだったみたいですけど。結果的には石森先生(あえてこう書く)の絶筆が自分のためのものだったなんてねえ…

息子はまだ指示代名詞が使えないらしい。夕食時にカミさんが彼の知らない物を食べていたら、指差して「…(意味不明)…ほしい〜」と言うだけだったそうな。まだ「それ、ほしい」とは言えないんだな。脚を掻いてほしいときにも「どこ?」と訊くと「ここ」とは言わずにこっちの指を持って痒いところに誘導するだけだからな。

そういえば、例の東芝の件、ついに新聞に載っちゃいましたね。しかし、「2、3日中に法的措置を執ります」と脅していたんじゃなかったのか? それに、あそこを見た人間があの程度の説明で納得すると思っているんだろうか。このままでは、本当にあの会社はインターネット史に名を残すことになりかねないぞ。インターネットやってる人間って、いちばん電気製品を買う層なのにね。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥640+税  ISBN4-403-54008-2



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