2001年 10月上旬の日記
▲10月1日(月)▼ →
寒くて目が覚めた。4時過ぎである。やはり夏布団1枚では辛いか。鼻がずびずばである。そのまま寝た方がいいのだが、眠れないので起きることにする。昨日サイトを更新してないしな。こういう体調の時には小青龍湯を飲む。3時間は自由に使えるはずなのだが、Webを巡回していたり日記を書いたり借りてきたビデオを観て編集したり保険の払戻金の振り込み手続きをしたり…とか考えると、すぐに時間がなくなっちゃうんだよな。
かなり強い雨が降っている。風も強い。門のポストに入れられていた朝刊が、真ん中のページまでじっとり濡れている。今朝もカミさんに駅まで車で送ってもらうのである。そういえば、今日から10月である。早いものである。日付でファイル名をつけていたりすると「011001a.txt」とかいう名前になってしまう。なんだか2進数の世界に生きてるみたいだな。そんなこと思いませんかそうですか。
今日も引き続き通勤中に「玩具館」を読んでいる。今日は往きに久保田弥代氏「走馬燈、止まるまで」を読み終えた。これはすごかったですね。駅を出たときにはまだ少し残っていたのだが、結末を知りたくて歩きながら読んでしまいましたですよ。やはり、新しく入ってくる作家の方が一般的に力があるのかな。
今日は通勤中に「GO POP」(村田和人)を聴いている。いやー、やっぱりこの人の作る曲…というよりも「音楽」は良い。体質が合う、というのかな。精神というよりも体感的に気持ちいい。詩とか曲とかいうレベルじゃなくて、サウンド、その音の匂いが心地イイのである。この時期になると、ちょっと曲の出来にバラツキが出てきているような気もするのだが。
今日は早めに帰りたかったのだが、20時過ぎまで仕事場にいた。それでもカミさんは迎えに来てくれるという。駅に着いたとき、待ち合わせ時間まで5分しか余裕がない。コンビニに入ってマンガ雑誌を読もうとするが、ジャンプとヤンマガはそれぞれ2分で読めるがスピリッツは無理だな。予定通り5分未満で2誌を読んで、それから買うことにする。コンビニを出て待ち合わせ場所の古本屋に向かって歩いていると、後方で車のクラクションが鳴った。カミさんの車である。ピッタリだったな。でも、家に帰ってスピリッツを読んだが、今週はすぐに読めてしまったぞ。損した(こらこら)。
息子はかなり眠いようである。風呂から上がって、かなり愚図っている。しかし、私が風呂から出てきても居間でゴロゴロしている。父親と一緒に寝るそうである。眠かったら母ちゃんと寝ればいいのにねえ。そのまま寝室に入る。今日は古本屋で買ってきた本を読まされた。この本、登場人物のしゃべり方がヘンだし、動物園に下駄を履いた子供がいたり、ずいぶん妙な絵本だと思ったのだが、奥付を見ると私が5歳になる直前に発行されたものだった。ふにゃ、私がコイツと同じくらいの年頃の時の本ですか。
▲10月2日(火)▼ →
今朝も5時に目が覚めた。息子も布団を被って寝ている。大の字になって両手を出して寝ているのを見ると、赤ん坊だった頃のことを思い出してしまうな。夏布団に加えてタオルケットも被っているので寒さに耐えられないほどではない。小用を足してまた寝るのである。そして6時半に起床する。昨夜も何もできてないので忙しい。Web巡回、メールチェック、サイト更新…なんとも余裕のないことである。
今日も通勤中に「玩具館」を読んでいる。往きに飯野文彦氏「怪魚知音」を読み終えた。スプラッタですな。個人的には、こういう、読者にショックを与えることを主要な目的とした作品を読むことに意味があるんだろうかと思ってしまうんだよな。べつに、考えさせられることもなかったし。まあ、読むのが嫌だったらこういうホラーのアンソロジーを読まなければいい話なんだけどね。好みの作家を発掘するための代償だということだ。そして帰りに太田忠司氏「タケオ」を読み終えた。いちおうドンデン返しにはなっているのだが、まったく「ヤラレた」という感じがしない。構想自体に問題があるのか、演出の問題か?
来週に息子の保育所で運動会があるので旗を描いてくれとカミさんに言われた。家族に1枚ずつ描かせて飾るのである。息子はカネゴンを描いてほしくて、すでに自分で下書きをしているそうである。ああ、あの丸から線が2本出てたのがそれか。旗に描くんだったら、いつも息子に描いてやってるように一筆書きみたいな線画じゃダメだよなあ。こういうときはインターネット…ということで、カネゴンの画像を探す。そうするとカミさんは私が描かないつもりだと思ったのか、自分でピカチュウを描いてしまった。うむ、やっぱり元漫研の君の方が上手いね。これで私は描かなくてよくなったと思っていたのだが、けっきょくカネゴンを描かされてしまったのであった。
▲10月3日(水)▼ →
今朝も7時前に起きてパソコンをいじる。8時前になって妻子が起きてきた。今朝は息子は調子がいいようである。朝食を食べながらトーストの耳を指して「ここ、あまくない」とか言っている。以前はトーストは周囲から食べていたのだが、最近になってやっと中心部の方が美味いと認識できてきたようである。「にばんめのあかちゃん、うまれたら、なまえ、なんにしたい?」とか言いはじめた。何だよいきなり。そんなに弟妹がほしいのか。
今日は通勤中に「BETWEEN THE WORD & THE HEART」(小田和正)を聴いているが…うーん、冴えんなあ。そういえば、このアルバムを買って聴いて、小田さんが作る音楽への熱が冷めたような記憶がある。それまで十数枚のアルバムを買って、裏切られたと感じたことはなかったのだが、ソロになったあたりから、少しずつ心動かされなくなっているような気がしていたのだ。独りでアルバム一枚分の曲を作るのはかなりキツそうだったからね。ずっと才能のあるソングライターと一緒にやってきたからねえ。それで力を発揮できていたということもあるだろう。あれだけレベルの高い曲を創るのに、どんなにエネルギーが要るかということですな。まあ、裏切られたといえば「NEXT」は酷かったけどね。アレはレコード会社との契約を全うするために義理で作ったものだと思って諦めたんだな。でもこれは、ちゃんと時間をかけて作ったオリジナルアルバムなのである。それに入っている曲に輝きが感じられないとなると深刻だ。
今日も通勤中に「玩具館」を読んでいる。まずは村田基氏「人形の家」であるが、これはなかなか気の利いた作品でしたね。続く井上雅彦氏「愛されしもの」は…どう評してよいものやら。そして帰りに小林泰三氏「綺麗な子」を読み終えたが、おおー、これはSFだ。なかなかの切れ味である。前作といい、素晴しい(ワタクシ的)SFである。私はこの人を誤解していたようだ。ホラー作家だと思ってたんだな。
昨日まで風邪気味で熱っぽくて辛かったのだが、やっとノドの痛みが無くなってきた。このまま回復してくれればいいのだが。とか思っていたら、今日は22時半過ぎまで仕事をしていた。家に帰り着くと真夜中である。当然、息子は寝ている。着替えるために寝室に入ってゆく。彼の寝息を確かめるために顔を近づけると、なんだか小便臭い。股間を触るとじゅんわりと濡れていた。今日はお義母さんが遊園地に連れて行ってくれたので、疲れたんだろうということである。
阪神が難波まで路線を延ばす申請をしたらしい。「たった3.8kmだったらサッサと通せばいいのに」とか思ったら、1,000億円以上かかるんですか。都心部じゃ、地上は走れないしねえ。
最近はふだんネットワークに繋がっている時間が少ないので、息子と一緒に寝ないとどうしても遅くなってしまう。今夜も気がつくと4時を過ぎていた。家に帰ったのも遅かったからなあ。明日も大変だ。
▲10月4日(木)▼ →
今日は通勤中に「Showdown」(村田和人)を聴いている。これも好きなアルバムで、アナログ時代に借りて聴き倒していたのをCD化されたときに買ったんだな。好きなアルバムを挙げてゆくと入ってくる。とくにオープニングの2曲がたたみかけてくるところが、屈指のノリの良さである。こういう曲を聴くと、ヘッドフォンじゃなくて全身で音を浴びたい!と思っちゃいますね。
今日も電車通勤で「玩具館」を読む。往きで田中啓文氏「救い主」を読み終えたが、これもSFでしたな。ぐちょぐちょなのは相変わらずだけど。オチも素晴らしい。こういうオチなら「やられたー」と思うんだよな。
地下鉄の駅でホームからエレベーターに乗って上がっていたのであるが、人工合成の声が「大殺界です」と言った。なんで機械にそういうことを言われねばならんのだ、と思ったら「改札階です」と言ったらしかったのだ。しかし、それにしても地下鉄構内のエレベーターに乗るたびに思うのだが、ホームと改札の2ヵ所にしか止まらないのに何で行先階指示のボタンがあるんだろう。乗ったからには行先は1ヵ所しかないだろうに。
合成の声というと、先日病院で診察を待っているときに後方から人工合成の声が聞こえてきたのを思いだした。それも最近のパソコンが発するような人間的な声ではなく、昔のロボットのような声だ。いや、昔ロボットがいたわけじゃなく、昔の映画とかのロボットのような声なのである。例えばStyxの「Mr. Robot」で「ドモ、アリガット、ミスター・ロボット」とか言っていたような声。振り返ってしげしげと見るのも失礼なので、どういう人だったかはわからなかったのだが、後方には耳鼻咽喉科の診察室があったので声帯に異常がある人だったんじゃないだろうか。そういえば、ホーキング博士の声もああいう感じだったかな。
今夜は昨日よりは早く帰った。家に着いたのは22時近かったが、息子はまだ起きている。彼は玄関まで下りてきて、駅弁がどうしたとか言っている。私が着替えに3階に上がるのにもついてきて電車をいっぱい見たとか言うのである。カミさんによると、TVチャンピオンで「”駅弁王”選手権」というのをやっていたのを観ていたらしい。そりゃ電車もいっぱい見れるだろうね。
宮本春日さんがサイトを閉鎖したそうである。カミさんから聞いて驚いた。かなりストレスは溜まっていたようだったけど、一部掲示板を封印して落ち着くかと思っていたのだが…それほどとは。そんなに嫌だったのか、アイツが。それに関して23時頃カミさんに電話がかかってくるらしい。それに間に合うよう、カミさんは息子を寝室に連れて行くのである。
私は食事をして風呂に入る。お湯はボイラーじゃなくて太陽熱温水器から供給する設定にしていたのだが、今日は曇っていたのでヌルい。頭を洗っていると水と変わらない温度になってしまった。カミさんは寝室だしなあ。冷水に負けないよう、気合を発しながらシャワーを浴びるのである。
居間に上がってゆくとカミさんは下りてきていた。23時を過ぎていたが、まだ電話はかかってきていないようである。私がインターネットし始めると電話がかかってきた。カミさんは相変わらず馬鹿話をしているが、私も励ましのメールを書いて送る。そして、カミさんが電話で話している声を横で聞いていると眠く……
▲10月5日(金)▼ →
明るくなったので目が覚めた。雨戸を閉めてないのか…と思って気がついた。居間の座椅子の上に寝ているのだ。布団に包まれているので気がつかなかったな。たしか昨夜、カミさんが電話している声を聞きながら寝てしまっていたのだ。カミさんが布団を掛けてくれたらしい…とか思いながら、また眠りの淵に沈んでゆくのである。
カミさんが起きて寝室から下りてきた。私も起き上がる。息子は連れていない。今朝は息子より先に起きたようである。何か用事があったのかな。私は起き上がるとそのままパソコンを使い始める。パソコンの前から一歩も動かずに眠って起きるというのは、ラクというか怠惰だというか…
先日のNimda騒ぎであるが、私はその直前にIEにCPU資源を乗っ取られてからスクリプトやコントロールを自分の知らないうちに実行されないようにしていたので難を逃れることができた。このあたりのことは知らない人も多いようなので、参考までに私の運用方法を書いておこう。IE5以上ならたぶん使えるはずである(私は悪評高きIE4は使ったことがないのだ)。ネスケを使ってる人なら、たぶんIEよりは安全でしょう(笑)。まあ、こういうことをしてても絶対に安心ということはないんですが、少なくとも知らない間にIEによってコンピュータの計算資源を盗まれることはなくなるんじゃないかな。あくまでも自分のコンピュータを守るのは、他人のやり方を参考にはしても鵜呑みにせず自分自身で考えてやらねばならないんである
まずは、セキュリティの設定で「レベルのカスタマイズ」を行い、何か実行する前には必ずダイアログを表示するようにする。実行するか確認してきたときには、まずは「いいえ」としてみる。
このままでは新しいページを開くたびに実行するかどうか訊いてきたりするので、何度も訪れるサイトはダイアログで「いいえ」を選択しても閲覧するのに支障がなければ、そこは「制限付きサイト」にして「レベルのカスタマイズ」でスクリプトやコントロールの実行はすべて無効にするよう設定しておく。たいていはこれでいけるはずである。多少見栄えが悪くなっても、安全にはかえられない。逆に実行しなくても何も変わったように見えなければ、それは向こうの都合でこっちのCPU資源を使ってるわけだから、あんまり信用のおけないところだということになりますな。
スクリプトを実行しなければうまく動かないところは、いちいちダイアログを表示しないようにするには「信頼済みサイト」にしなければならない(この「信頼」といのはあくまでもあなたの判断ですので、それでウイルスに感染したからといって私に文句を言わないように)。ただし、そうすると自分の知らないうちに処理を実行されることになって危険なので、よっぽど信頼のおけるところでないとダメですけど。私がそうしてるのは今のところGoogleだけである。まあ、実行するかどうか確認してきても、何をしようとしているのかわからなければ同じなんだけどね。
ところが、スクリプトを実行しない設定にしていても、スクリプトを実行するかどうかしつこく訊いてくるサイトがあるのである。ZAKZAKである。ここはなかなか嫌らしいサイトで、勝手にウィンドウをポップアップしてくれたり、画面上を変なモノを飛び回らせてくれたりする。そういうことを防止するためにも「制限付きサイト」にしておきましょう(微笑)。
さて、何で実行しない設定にしているにもかかわらず実行しようとするかということであるが、考えられるのはフレームの中に別のサイトのページを入れてあるのではないかということである。ソースを見て調べる。「http://adcl.zakzak.co.jp/」かと思ったのだが、そこを「制限付きサイト」にしても状況は変わらない。うーむ、どうしようか。こうなったら最後の手段である。キャッシュを見て、別のサイトからダウンロードしているHTMLファイルを探す。怪しいサイトが見つかったが、アドレスをいちいち入力するのは面倒臭いなあ。ここが頭の使いどころである。キャッシュに入っているファイルのプロパティを表示すればURLをクリップボードにコピーできることを発見した。「http://www1.infodex.co.jp/」というサイトであった。ここを「制限付きサイト」にすれば、ようやくダイアログは出なくなった。…と、そういうことをやっていたら、家を出るのが遅くなってしまったのであった(苦笑)。
今日も引き続き通勤中に「玩具館」を読んでいる。往きに浦浜圭一郎氏「青い月に星をかさねて」を読み終えた。なんだか、よくわからない話でしたな。帰りに今野敏氏「未完成の怨み」と江坂遊氏「瑠璃色のびー玉」を読み終えた。「未完成の怨み」は、何ということもないネタなんだけど、面白く読めた。そして「瑠璃色のびー玉」は…逆にネタは面白いんだけど、何となく読んでいて居心地が悪い。何が違うんだろうねえ。
今日は通勤中に「REQUEST」(MARIYA TAKEUCHI)を聴いている。結婚後2枚目のアルバムだったかな。前作ほどのレベルではないが、安心して聴ける。やはりこの人の作る曲は体質に合うというか、聴いていて気分が癒される。それにしても「テコのテーマ」は良い。こんな心躍るようなアップテンポの曲なのに、なんで聴いていると瞳が潤んでくるのだろう。この曲のB面だった「時空の旅人」も好きだ。この時期の曲はもう、どれをとっても絶品ですな。
▲10月6日(土)▼ →
昨夜も遅くまで仕事をしていたので、家に着いたのは真夜中だった。そして息子はすでに寝ていたので遅くまでインターネットをすることになってしまう。4時過ぎまでやっていたのである。しかし、今日も8時前に起きる。早めに自分の用事を済ませてカラオケに行きたいのである。起きて居間に下りたときには妻子は食事中であった。ちょっとしんどいので、息子を保育所に連れて行くのはカミさんにお願いするのである。
昼前に夫婦二人でインターネットしていたら、画面を見ながらカミさんが言った。「秋山瑞人の新刊、出るんだって!」えっ、そんな話は聞いてないぞ。慌ててMedia Worksのサイトに行って確認する。インターネットは偉大である。「10月10日発売だって」と言うとカミさんは「だったら、もう出てるんじゃない」と応える。たしかに、計算上はそういうことになるが…なんで今まで情報が入ってこなかったんだろう。やはり私は薄々である。
今日も息子を迎えに保育所に行き、そのままカラオケに直行である。今日はカミさんの意向で1時間にされてしまった。1時間だとウォーミングアップなしでいきなりピークにもっていかねばならないのでノドにはあまりよくない。曲数も少なくなるからちょっと欲求不満である。しかし、1時間延長しても200円しかかからないんだから2時間コースにして1時間半くらいで切り上げればよかったんじゃないだろうか…と後から思ったり。今日も息子はあまり歌えない。ちょっと萎縮しているようである。デタラメでも楽しめばいいんだけどねえ。アレみたいに。
カラオケからの帰りに本屋に寄る。目的は秋山瑞人氏の新刊である。どうも無いようだ…と思ってたらカミさんが1冊だけ発見したようである。私が買わされる。まあ、どうせ買うんだけれども。他の本も夫婦で1冊ずつ持ってるからね。あんまり一緒に暮らしている意味がないような気もするが、やはりお互い好きな本はそういうことになるのである。
明後日は息子の保育所で運動会があるので私の実家に来るかどうか確認したら、見に来るそうである。運動会は9時からなので朝に実家を出発すると6時台に出なければならないため、明日の夜はウチに泊まってもらうことにする。それでカミさんは家の中を片づけ始めた。掃除機でブラインドの埃を吸い込んだりし始める。ううむ、そういうことは昼間息子がいないときにやるべきことじゃないかと思うんだがなあ。一段落ついてから彼女は「お茶に埃が入ってる」とか言っている。そりゃ掃除機かけりゃ埃が大量に舞い上がりますがな。息子はアトピー体質なんだし。まあ、以前には私が食事をしている横で掃除機をかけてたこともあったからな。文化の異なる者が一緒に暮らし始めると、何かと違和感を感じることも多いのである。
テーブルの側に積んであった同人誌類を移動させたので、居間がずいぶん広くなった。カミさんは「うちって広かったのね」と言って自分で感動している。まあ、たまには夫の両親が来た方がいいのかもね。
息子は夕食と入浴を終え、父親と一緒に寝ると言っていたのだが、カミさんの横でゴロゴロしている。両親の横で座布団を並べてその上で寝るのが楽しいようなのである。非日常の楽しみというヤツかな。そのうちに本当に眠ってしまった。しかし私も眠い。今朝は4時間未満しか寝てないからな。0時半でそれ以上頑張るのは諦め、息子を抱き上げて寝室に移動するのである。重い。階段でよろけそうになっちまったぜ。
▲10月7日(日)▼ →
今朝は8時に起きて通信を始める。先週もあまりネットワークに繋がれなかったので、巡回すべきところが大量に残っている。…「翻訳を容易な作業とみなす誤解が蔓延している」って、嘘でしょう。機械翻訳の馬鹿さ加減を見れば、翻訳という作業がいかに知的なものかは明白だし、翻訳小説を読んでいると作品の出来は最終的には翻訳者の日本語力に大きく影響されるというのは痛いほど実感できるんだがなあ。終盤に弱いと将棋に勝てないのと同じだ。
10時になって相次いで妻子が起きてきた。大阪市電保存館が3日間だけ公開されているので、今日は息子を連れて行くことにしている。カミさんが家の中を片づけなければいけないので、ちょうどよかったな。最寄りの地下鉄の駅まで車で送ってもらう。息子は駅の階段を下りながら「おーてぃーえすの、でんしゃ、くるかなー」とか言っている。そうそうキミの思うようにはならないと思うぞ。やって来たのは近鉄東大阪線の車両であったが、地下鉄中央線の新旧の車両が見れたので息子はゴキゲンである。
今日はとっておきの非自動化切符を使用したのだが、息子はあまり感動しなかったようである。まあ、鉄道営業の仕組み自体を理解していないから仕方ないのだが。四つ橋線に乗り換え、大国町駅で御堂筋線の車両が見えたので息子は「なんで、いっしょに、はしってるん?」と訊いてくる。いや、一緒に走ってるんじゃなくて並んで走ってるんだよ。この駅では同じホームに停まって乗り換えやすくなってるだけで。
北加賀屋駅に着くと回送電車が停まっていた。息子は「よつばしせんのかいそう、はじめてみた」と言って感動している。ううむ、そっちの方が興味深いか。「北加賀屋行きはここで回送になるんや」と言うとそれ以降も「きたかがやいきが、きたかがやについたら、かいそうになるんやなー」とか言っているのである。
駅からは15分の道のりだそうである。幼児を連れているからもう少しかかるだろう。昼過ぎなので日射しが強い。息子は汗をかいて痒いと言って帽子を脱ごうとするが、強権を発動して被らせる。体力のない人間は直射日光に弱いのである。そして彼はすぐに歩くのを嫌がりはじめた。我慢して歩け。最近は「無理に我慢しなくてもいい」という風潮になってきているようだが、私はキミに耐えることを知る人間になってほしいのだ。忍耐は日本人の美徳だったはずなんだがなあ。
途中でバス停のベンチに座ってお茶を飲んだりしながら歩く。「検車場」という看板のかかった門が見えた。この近くだろう。「着いたみたいやで」というと息子は走り出す。まだ元気なんじゃないか。入り口のところで封筒を渡された。中身はパンフレットとかティッシュとかのようである。入ってみると、隣の敷地に四つ橋線の回送や作業車が並んでいる。北加賀屋で回送になるのも、ここに入るためなんだろうな。息子はまずそれに興味を惹かれたようで、金網のフェンスのところに駆けていく。「さっきのってきたん、どれ?」とか言っている。いや、あの中にはないと思うんだけれども。
構内には6台の車両が展示されている。中に入って運転席とかも触ることができるようである。息子はすぐに飽きるかと思っていたのだが、最後の車両を降りた後で最初の車両に戻れるのでずっと巡回している。他の子がいても臆せず運転席に入り込んでいく。保育所でだいぶ鍛えられたようだな。レバーをガチャガチャいじって「つぎは、あやめいけゆーえん、あやめいけゆーえんです」とか言っている。先日お義母さんに連れて行ってもらった駅か。よっぽど面白かったのかな。横にいる子も「あやめいけゆーえん、あやめいけゆーえんです」とか合わせてくれている。こういう地味なところに来るような子供は、ふつうの遊園地のように傍若無人なのはいないようだ…ってのも、鉄オタの子供を持った親の欲目か。
来場者はだいたい3つのタイプに別れるようである。ウチのような親子連れ、眼鏡を掛けてカメラを持った神経質そうな10代後半から30代の兄ちゃん、そして中高年の方々である。まあこれは大まかな分類であって、オタクなタイプは小学生でも立派なカメラを持ってたのがいたし(ウチの子もそうなりそうで怖い)、女性もいたね。まあ、こういう方面のオタクの世界にも女性が進出してくるべきなんだろうね。
息子も1時間以上市電の中を巡回して疲れたようなので帰ることにする。歩き始めると隣が「緑木検車場」という施設なので、フェンスの内側にレールとか回送電車とかがあるのが見えている。息子は金網によじ登って中を覗き込む。疲れているはずだと思うんだがなあ。また歩き始めてからも、道端の昆虫や植物に注意を向けて彼が疲れを感じないように努める。彼は「じーちゃんとばーちゃん、もう、きてるかなー」とか言いながら歩いている。かなり楽しみにしているようだな。
駅の入り口近くのチーズケーキ屋でアイスキャンディが半額だったので買う。駅のホームで息子に食わせながらカミさんに電話をかける。不機嫌そうな声が聞こえてきた。寝てたのか。その様子じゃ、歩いて帰った方がよさそうだね。息子がアイスクリームを食べ終わった頃に、停車していた回送電車が発車した。息子は「おー」と声を上げる。「あれがさっきの車庫に行くんやろな」と言ってやるのである。
カミさんに迎えに来てもらえないので息子に「中央線と近鉄、どっちで帰る?」と訊くと彼は「きんてつ!」と応えた。来るときには「かえりに、おーてぃえすのでんしゃ、みれたらええな」とか言ってたんだけどね。ZAURUSの乗換案内で料金を調べてみると地下鉄で帰った方が安いようだが、まあ歩く距離はこちらの方が短いからいいだろう。そうすると難波で乗り換えである。近鉄の駅の入り口の前に本屋があったので入る。息子は「なんで、ほんやさん、いくの?」と言うが、本屋を見かけたら入るのが人の道というものであろう。「スター・ハンドラー 下」(草上仁:ソノラマ文庫)を見つけたので買った。上巻を読んでから間隔を空けたくないから、「イリヤの空、UFOの夏 その1」よりもこちらの方が読むのは先になりそうだな。息子に促されて本屋を出て近鉄のホームに下りてゆくと、アーバンライナーが停まっていた。その前に息子を立たせて記念撮影をするのである。
最寄り駅に着いて家まで歩くが、息子は「よーいどん」とか言って先に走ってゆく。元気だねえ。運動会のためのイメージトレーニングなのだろうか。家に帰り着いたときには16時近くになっていたが、我々はまだ昼食を食べていないので外に食事をしに行くことになる。私の両親が来てから一緒に食事をしなければならないので軽く食べるつもりだったのだが、満腹になってしまう。カミさんも「もう食べられない」とか言っている。食い意地の張った夫婦であることよ。
飯屋からの帰りに、息子が明日着る服を探すためにスーパーに行く。適当なものがなかったので、結局ありあわせのもので済ますことになった。カミさんがトイレに行っている間に息子を本屋に連れて行き、電車の雑誌を読ませる。カミさんが帰ってきて「早く帰ろうよお」とか言っていたのだが、息子が読んでいた本を棚に戻したときには彼女が本を読んでいるのである。それを見て今度は私が雑誌を読み始める。3人で本屋に行くと、揃って区切りをつけるのはなかなか大変である。これからは息子も自分で本を選んで読み始めるようになるだろうからねえ。
家に帰るとほどなく、私の両親から梅田に着いたという電話がかかってきた。息子はすぐに行きたがるが、カミさんは待つのが嫌なのでギリギリに出るようである。今夜は、いつも行っている回転寿司屋が隣の駅にもオープンしたので、そこに行く予定である。カミさんに店に行ってもらって、私は息子を連れて駅の改札口に両親を迎えに行く。電車はやって来たようだが、両親は出てこない。息子と「次の電車かなあ」とか言っていたら階段から私の母が下りてきた。階段を上がって外に出ていたそうである。出口はいくつもあるんだけどねえ。
寿司屋に入るがカミさんが見あたらない。どうしたんだろう…と思っていたら、すぐにやってきた。すごく混んでいて、駐車場に入れるのに今までかかっていたそうである。ここは安くて旨いからいつも混んでいるのである。だからこそ100円でこれだけ高品質なものを提供できるのだが。そういうことで数十分待たされたが、ほとんど腹は減らない。それでも何かと回ってくると食べてしまう。ううっ、胃が…
▲10月8日(祝)▼ →
今日は息子が通っている保育所の運動会なのである。妻子は先に行き、私は両親を連れて歩いてゆく。家を出るまでに日記を書いて上げようと思っていたのだが、けっきょく間に合わない。それで家を出るのが遅くなったので保育所に着いたときには開始時間の9時を少し過ぎてしまった。年寄りを2人も連れてるしね。私は大道具係になっているのだが、ちょうど担当の父兄に説明をしているところであった。
大道具係は競技が進むたびにハシゴとかマットとか箱とかを運動場に出したり入れたりしなければならないのだが、どういう状態に組み立てればいいのか紙に鉛筆で書いてあるだけなので理解するのが大変である。けっきょく担当の保母さんに訊きながら組み立てることになる。完成図をデジカメで撮って印刷すればいいのに…とか思ってしまった。次々に競技の準備をしなければならないので、自分の子供など見ている暇がない。走って物を運ぶので、体力的にもけっこう汗をかく。まあ、いつもお世話になってるからねえ。
やっと終わったと思ったら、カミさんがやってきて親子競技に出ろと言う。私ゃ、父兄の中では最年長に近いと思うんですけど。2組に分かれてリレーをするのだが、子供を背負ってグラウンドを半周走るのと、2本の棒の両端を子供と持ってビーチボールを挟んで半周するので1セットのようだ。我々は3番目の走者だったのだが、バトンタッチする前にすでに半周の差をつけられている。これはちょっと頑張らんと面白くならないかのう。息子を背負って全力疾走する。息子が背中で「ひゃー、はやいー!」と声を上げる。半周したところで、棒でビーチボールを挟んで向こう側を息子に持たせ、彼を引っ張るようにして走る。バトンタッチまでに何とか追いついた。これで少しは面白くなるだろう。
こんなに走り回ったのは久しく無かったことだな。ふだん、身体を動かさない仕事をしてるからねえ。久しぶりにこういう身体の動かし方をしたような気がする。40過ぎのオジサンにこんな無理をさせちゃいけませんぜ。
運動会が終わり、例のラーメン屋に行く。ここのラーメンは両親にも食べさせたかったんだよね。脂っこいけど大丈夫かと確認はしたが、ウチの両親は拒否はしないのである。ラーメンと丼のセットを頼んだのだが、みんな残さず食べた。気に入らないということはなかったようである。
両親はそのまま帰るというので駅に送ってゆく。家に帰り、息子がかなり疲れているようなので寝ないかというのだが彼は「うるとらきゅー、みたい」と言って拒否する。それでもしばらく放っておくとカミさんに連れられて寝室に上がっていった。その間に私はパソコンをいじる。Web巡回の合間に柿木将棋IVの最強レベルと指すが、ぜんぜん勝てない。だいぶ弱くなってるなあ。
まだまだテロ関係の情報が出てくる。こういう記事を読むと…辛い。だからといって、本人が犯行を認めてもいないのにそれをかくまってるかもしれないというだけで家捜しに応じないといって他人の家に土足で踏み込んで無関係な家族を傷つけたりするのもどうかと思うが。
緊急事態発生である。マウスポインタがうまく動かなくなってしまった。ちょっと前からポインタを早く動かすと一瞬動いてから元の位置にワープして動き出すような現象が発生していたのだが…Windowsはだんだん壊れていくからなあ。マシンの負荷が高くなるとマウスを動かすのを諦めるような感じもある。何かの拍子に動くようになったりするのだが、そのうちにだんだん動きが遅くなってやがてピクリとも動かなくなってしまうのである。光学式マウスだからゴミが溜まっているとかいう原因ではない。コネクタを抜き挿ししてもダメである。ドライバの更新をしても状況は変わらない。
万策尽きたのでSP2を入れることを決心する。そのために本を買うのも馬鹿らしいのでダウンロードする。104MBを落としてくるのに20分以上かかってしまったが、まあそんなものだろう。SP2を入れたが、状況は変わらないどころか悪化しているようである。まったく動きそうな気配がない。ホイールを回すと少し動くようになったりするのだが、すぐにまた動かなくなる。仕方ないのでPS2マウスとして使おうかと思ってマウスの箱を掘り出してきたりもしたのだが、そのためには内蔵のポインティングデバイスを無効にしなければならないというのを読んで断念する。それでマウスが使えなければ進退に窮するじゃないか。仕方がないのでFIVA用のマウスを接続してみると…動いた。これは、PCじゃなくてマウス側の問題なのか。とか思ってたら、DVD-RAMドライヴを繋ぐとまたピクリとも動かなくなってしまった。やはりOSの問題か。この程度のことがなぜ解決できないんだ>Microsoft
18時を過ぎてカミさんが夕食の買い出しに行くために息子を起こしに行ったが、なかなか下りてこない。どうしたんだろうと思って上がってゆくと、カミさんが息子の横で座っていた。なかなか起きないそうである。やっぱり疲れたんだねえ。それでも起こしてスーパーに連れて行く。息子はかなり飢えているようである。ずっと「おなか、すいた」と言い続けている。かなりエネルギーも消費したんだろうなあ。
食事を終えてノートを再び起動し、こわごわマウスを繋いでみる。おや、とりあえずはちゃんと動いているようだな。シャットダウンしてしばらく放置しておかないと正常な状態にならないんだろうか。謎だ。でもこれじゃ、いつまた動かなくなるかわからない。どうしたもんかのう。
▲10月9日(火)▼ →
今日は通勤中に「Steps」(Keizo Nakanishi)を聴いている。これもいいアルバムですね。どの曲にも中西圭三氏の才能がキラキラと輝いている。才能があるというのは本当に素晴しいことである、というのを実感する。
そして、今日も通勤中に「玩具館」を読んでいる。往きに宮部みゆき氏「オモチャ」を読み終えた。ううー、これは凄い。読み終えて身体が震えた。「まだまだブンガクにもやれることが残っているのね」と生意気にも思ってしまったくらいであった。読み終えて著者を確認する。よっぽど気に入っている人でもない限り、著者名はそれほど意識せずに読んでいるのだ…というか、こんなに並んでいると一人ひとり意識していられない、というのが正直なところなんだな。これが宮部みゆきさんですか。この人の作品を読むのは初めてだが、すごい表現力ですな。「地下街の雨」とか「模倣犯」(「モーホー犯」にあらず)とかいうタイトルを見て、センスのいいタイトルをつける人だな、と思っていたのだが。数文字に凝縮したところでこれだけ印象的な表現ができるということは、やはり言葉に対する感性が優れているのだろう。こういう人と巡り会うために全体的には好みでもないアンソロジーを読んでいるのである。大半は自分にとって意味のない作品であったとしても、これに出会えただけでも当たりだったと思うべきだろう。
そして帰りに菊池秀行氏「女の館」と速瀬れい氏「のちの間」を読み終えた。「女の館」みたいな話は好みじゃないし、「のちの間」も何ということもない話であった。
夕方、カミさんからPHSにメールが届いた。「迎えに行こうか?」という内容であった。雨が降っているようである。しかし、今夜も遅くなりそうなので辞退して駅から歩いて帰ることにする。電車から降りたときにはポツポツ降っているだけだったので自転車で帰ればよかったと思ったが、コンビニでマンガ雑誌に目を通して出てきたときには傘を出さねばならないほどの降りになっていた。それで正解だったのだろう。
▲10月10日(水)▼ →
息子はプラレールの線路を自分で組み立てられるようになったので、最近は暇があると線路を組み替えて遊んでいる。だから居間の一角は、常時彼の造った路線に占拠されているのである。歩いてて足が当たると文句を言われる。生意気になったものである。
目が覚めた。寒い。居間で寝てしまったか。6時だが、まだ暗い。雨の音がする。強い雨だ。そのせいで暗いのか。しかしこのままでは風邪を引いてしまう。寝室に行かなければ。寝室に入ると息子が私の布団の上で布団も被らず横向きの大の字になって寝ている。ちょうどいい、一緒に布団を被って寝る。湯たんぽ代わりである。
そして今、初めて知った衝撃の真実。「ゆたんぽ」というのを漢字で書くとどうなるか。……「湯湯婆」と書くのだそうである。ひょっとして、湯婆婆というのはこの字面を見て思いついたんじゃないだろうな。
隣に寝ている息子が動いて目覚めたときには8時前になっていた。彼は私の布団から脱出してしまっていたので、また私の布団に引きずり込む。しかし彼はそれで目が覚めてしまったようで、起きて下に下りようと言う。起きなきゃいけないね。カミさんはもう一人だけ起きている。珍しいな。しかしすごい雨である。風も強い。まるで積乱雲の下にいるようである。そういうことで、今日もカミさんに駅まで送っていってもらうことになるのである。
今日も遅くなってしまった。家に着くとほとんど真夜中である。息子はすでに寝ている。背広から着替えたときにオシッコをさせようとしたが、身体がグニャグニャで立とうともしないしオシッコも出ない。「オシッコせぇ」と言うと何やら抗議の言葉を返す。仕方がないなあ。そのまままた抱き上げて寝室に連れて行く。彼が寝ているので夕食後はパソコンをいじれるのだが、眠い。新しいページを開いて読み始めるたびに気を失う。見かねたカミさんに「もう寝たら」と言われて寝室に上がるのである。寝る前に再度息子にオシッコをさせるが今回も同じである。オネショしても知らんぞ。
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