2001年 5月上旬の日記
▲5月1日(火)▼ →
さすがに昨日の移動はキツかったのか、息子はなかなか起きない。母が布団を剥いでも父が布団の中に引きずり込んでも、起きない。今日からまた2日間、保育所に行くんじゃ。起きてくれい。彼は起きると「はんしんの、あたらしいやつ、みれて、よかったな」とか言っている。やはり嬉しかったのであろう。
朝食を食べていると息子は「うんち」と言いだした。トイレに連れて行き、便座の上に乗せると彼は「おしり、きれいにするやつ、どこ?」と訊く。私の実家のトイレでお尻を洗浄したのが病みつきになったのか。以前は水が出てくると驚いて泣いていたというのに。成長したと喜ぶべきなんだろうか。父親としてはちょっと複雑なのである(おいおい)。まあ、ウチも早くそういう設備が導入できるようになればいいね。…家のローンを返すのが先か。
今朝は保育所には私が送って行くことになる。息子は家を出ようとするときに「あし、いたい」とか言っている。歩けてるんだから大丈夫だろ。保育所に着くべき時刻まで30分近くあるので「キックボード、乗るか?」と言ってみる。するととたんに態度が変わるのである。やっぱり出所拒否症か。保育所でも同じようなものに乗って走ってたから乗れるだろう。彼をキックボードで走らせ、私は歩いてついて行く。自転車よりは遅いので、私が走らなければならないような状態にはなかなかならない…というよりは、彼がこちらの歩くスピードに合わせてくれてる感じだな。走っていても自転車よりは余裕があるようである。自動車や自転車が走ってきても、わりと早く気づいているようだし、途中で家屋の側面にある水道の蛇口を見つけては「すいどう、つかってるな」とか言いながら走っていたりする。とか思いながら歩いていると、息子がべちゃっと転けた。やはりキックボードは、ちょっとした段差でも転けやすいのだな。見ると、彼が倒れている側にある電柱の根元に黄色い水溜まりが。そこに、彼が首から掛けていた鞄が……うっわー、犬のオシッコか。鞄を持ち上げると…濡れている。手持ちのティッシュで拭きながら歩くのである。その後も何度か転けたが、息子は上手くいかないとかいうようなことを言いながらすぐに立ち上がってまた走り出す。何かに一生懸命になっているときというのは、そういうものである。しかし、保育所に着いて敷地内を移動中に手ひどく転けて泣き出した。いまのは強烈だったね。しかし、土のグラウンドの上だから怪我はないと思うぞ。泣いている彼を連れて教室に入り、持ってきたものを所定の場所に置こうとして気がついた。あ、着替えのパジャマ、持ってくるの忘れた。息子と一緒に玄関に下りるときには持っていたのだが、そこでカミさんにゴミを出すように言われたのだった。そして、ゴミを出して帰ってきたときには綺麗サッパリ忘れていたのだ。これは老化現象であるな。家までもう一往復しなければならないか。荷物を持って保育所に戻ってくると、息子は胸に薬を貼ってあるのを見せてくれる。先生に貼ってもらったらしい。好きだねえ。
今日は某所のログからカミさんの過去の日記を捜索してHTMLに整形していると一日が終わってしまった。私の過去の日記を彼女の書いたもので補完しなければいけない部分があるのである。しかし、「こういうこともあったねえ」と思いながら、ついつい読みふけってしまいますねえ。
▲5月2日(水)▼ →
今朝は7時前に起きて通信する。今日も仕事を休むのだが、雨が降っているので息子の保育所への送り迎えはカミさんにお願いする。これで今日一日もパジャマ姿で過ごすことになるんだろうなあ。
昼前になってカミさんが「ラーメンが食べたくなってきちゃった」と言いだした。インスタントにするか例のラーメン屋に行くかと選択を迫られたので、カップラーメンで昼食を済ます。連休中は何かと物いりだからね。彼女はそのままお昼寝に入ってしまった。昼がラーメン一杯だったので、すぐに腹が減るのである。カミさんが食べかけて放り出してあるスナック菓子を片づける。しかし、何で食べかけの菓子が何袋もあるのかね。食べかけのものを片づけてから次の袋を開けるべきなんじゃないかと思うんだけど。
今日は主にPC系のサイトを廻る。スゲエなあ、バグ一つで億単位の損失ですか。バグを作り込んだ人間やテスト仕様を作った人間はすんげえプレッシャーを感じるでしょうねえ。私ゃ怖くて、とてもこういう仕事はできないな(笑)。アLゴリΘ゛ムが必要ない静的なHTMLの記述でさえバグ出してるくらいだから(苦笑)。
▲5月3日(祝)▼ →
今朝は9時前まで寝る。息子も保育所が休みなので、早起きして連れてゆく必要はない。彼は10時過ぎに起きてきた…と思ったら、トイレで用を足してまた上がっていった。しばらくしてカミさんも下りてきたが、以下同文。11時近くになって息子が下りてきた。彼は早速「ぼく、おなか、すいた」と言う。飯の用意をしなければならないか。カミさんは昨夜「明日の朝はご飯にするね」と言っていたのだが、まだ起きてこない。仕方ないので昨夜のおかずの残りと納豆で朝食を食わせる。
息子は朝っぱらから「かんとうはだかかい、みたい」と言う。最近のお気に入りはトーマスとこれである。見せてやると彼はKENYA with J-TRAPが演っているときに関東裸会のメンバーが感心しているのを見て「かんとうはだかかいが、ちょっとまじめな、かおしてるな」とか言っている。そりゃ、あれはシャレなんだから。そういえば彼にとって最近「関東」という言葉はヘンだという認識になっているようで、天気予報で「関東地方」という言葉が出るたびに「へんやなー」とか言っている。ううむ、ちょっと歪んだ先入観が入ってしまったかなあ。
息子は「ちょっと、うんち、してくる」と言ってトイレに駆けて行く。ラクになったものである。終わったと言ってやってきたので確認すると、まだ拭き残りが付着していた。トイレに戻って拭き直す。まあ、こういう時期もそんなに長くないだろう。
昼過ぎになってカミさんが起きてきた。図書館に行こうと言う。そうだな、私も半年以上借りっぱなしの本があるような気がするからね(苦笑)。親子3人で自転車に乗り、図書館に向かう。カミさんは息子も自分の自転車に乗せたかったようだが、まだそれは無理でしょう。彼は私が乗せて行くことになる。しかし、行ってみると図書館は閉まっていた。虚しく家に戻るのである。しかしこのまま家に戻るのも悔しいので、私は息子を連れてスーパーに買い物に行くことにする。そこでC.C.グレープの1500mlを見つけた。255円は高価いが、私はまだ飲んでないので試しに買ってみることにする。しかしレジで精算すると138円と記録されていた。ラッキー! 500mlの値段で登録されてたんだな。
カミさんは息子を公園に連れて出たが、すぐに帰ってきた。息子がかなり疲れているそうである。今日は遅くまで寝ていたのにねえ。夕食は早めに食べに出ることになる。
昨日の昼にカップラーメンを食っただけではカミさんの「ラーメン食いたい欲」は昇華されなかったようで、今日の夕食も外にラーメンを食いに行くことになる。当初は新しいラーメン屋を開拓するようなことを言っていたのだが、家を出るときに訊くとやはり例のラーメン屋に行くということになっていた。まあねえ、最近は私もあそこ以外のラーメン屋に行くことは考えられなくなっているのである。やはり中毒性があるのであろうか。高脂血症と言われて動物性脂肪を含む食事を制限している私も、ここに来た日だけは脂肪を気にせずスープまで啜るのである。明日もニンニク臭くなるが、休日だからよかろう。
そして、食事を終えると例によって隣の古本屋に行く。まずはカミさんが本を選んでる間、雑誌や絵本のコーナーで息子の相手である。彼は最初は「でんしゃのほん、ないな」とか言っていたのだが、前回読んでいたJRの車両のカタログのような本を出してきてやると、座り込んで読み始める。車両の型番しか載っていないので「これ、なに」と訊かれて答えるのも大変だ。そしてカミさんと交代である。夫婦とも読書が趣味で良かったねえ。つい前日来たところなので、あまり掘り出し物は無いかと思っていたのだが、まだ本棚に入る前で床の上のカゴに入っている文庫本の中に……うおおおおお、オリジナルの「星虫」があるっっ! こりゃ、個人的には原価の倍の値段でも買うかもしれないと思っていたのだが、こういうモノを200円で買ってしまっていいものであろうか。ソノラマ文庫版は持っているのだが、それでもオリジナルが欲しくなるほどの名作なのである。どうもそのカゴの中身を見てみると、けっこう濃ゆい趣味の人が蔵書を放出したような感じである。まあ、異動の季節ではあるんだけどねえ。しかしそれにしてもオリジナルの「星虫」をこういう一律価格の古本屋に売るかねえ。…ということで、以下の本を買った。
「星虫」(岩本隆雄:新潮文庫 1990)\466→\200
「月のしずく100%ジュース」(岡崎弘明:新潮文庫 1990)\427→\200
「半獣神」(夢枕獏:光風社出版 1985)\830→\200
「模造記憶」(P.K.ディック/浅倉久志:新潮文庫 1989)\466→\200
「絹の変容」(篠田節子:集英社文庫 1993)\390→\95
「アクアリウム」(篠田節子:新潮文庫 1996)\466→\200
「月のしずく100%ジュース」などは、ファンタジーノベル・シリーズだというだけで買うのである。私の中ではファンタジーノベル・シリーズというのはもう、神話になっているんですな。実物は今回はじめてお目にかかったというのに…いや、そうだからこそ、か。ファンタジーノベル・シリーズなんて、当時は存在さえも知らなかったからなあ。発行年を見ると1990年ですか。思ったよりも最近ですな。それでもSF方面にアンテナが向いていなかった時期ではある。
帰りにカミさんから聞いたところによると、来週泊まりに来られる木根さんからもこのラーメン屋で接待するよう要望があったようである。やはり、中毒性があるのだ。私は食事の味に関してはあまりこだわりが無くて、美味いと感じることも不味いと感じることも他人よりは少ないと思うのだが、このラーメン屋は掛け値なしに美味いと思うのである。
カミさんは風邪気味のようである。明日はパーマをかけに行くと言っていたのだが、中止するようである。まあ、それがいいでしょう。そういうことで、息子は私が風呂に入れてカミさんが寝かせるのである。
▲5月4日(祝)▼ →
昨夜はカミさんが息子を寝かせてくれたので、3時半までダラダラと通信していた。イカンなあ。それで今朝は10時過ぎまで寝ていた。まあ、7時間寝ればいいか。それでも妻子よりは早いのである。息子は起きてくると「しーしーぐれーぷ、かえてよかったな」とか言っている。よっぽど嬉しかったらしい。
けっきょくカミさんはパーマをかけに行くそうである。「3時過ぎたらお布団入れといてね」と言われる。うっ、そんなに時間がかかるんですか。明日からの2日間は東京に遊びに行くから昨日と今日は息子の面倒を見ると言ってたので、私は自分の用事をするつもりだったんだがなあ。まあ、昨日「明日パーマかけに行っていい?」と訊かれて「うん」と答えてしまったから仕方ないか。
明日電車の中で息子と食うパンを買いに行くのに、カミさんと一緒に家を出て途中まで行こうと思ったのだが、彼女は別方向に行くというので振られてしまった。息子と二人でスーパーに行く。安いパンを探してかなり走り回った。カミさんが外出している間は家で息子と遊ぶ。彼はNHKで「BSデジタル広場・銀河探遊記」という番組をやっているのに興味を持ったようである。そういうものに関心を持つのはなかなかよろしい。そういえば以前も月とか星を一緒に観てたよな。
15時過ぎになってカミさんが帰ってきた。そろそろ布団を入れなきゃと思ってたんだ。いいタイミングで帰って来るものである。布団を入れて居間に下りてくると、息子はカミさんが買ってきたバナナの皮を指で削っている。え? バナナの皮の剥き方を知らなかったのか。そういう点ではまだサル以下だな。剥き方を教えてやっても、なかなかうまくいかないのである。
カミさんはホームセンターにラックや息子の座椅子を見に行くというので親子3人で出かける。息子に自分の自転車を運転させたいと言うので、我々は徒歩である。しかしカミさんは何か買うかもしれないといって自転車に乗ってきた。私は裏道を往きたいのだが、カミさんが信号を待つのが嫌だということで自動車が行き交っている道を往く。いちおう歩道はあるのだが、ところどころで途切れているので自転車に乗った息子と一緒だと非常に神経を使うのである。
カミさんに彼女が借りていたヴィデオソフトを返してくるように言われた。息子を連れて出かける。ついでに昼間にスーパーで柏餅が安かったので買おうかと思ったのだが、さすがにもう無くなっていた。家に帰ってカミさんにそれを言うと、彼女も甘いものが食べたかったという。また他の店に買いに出る私と息子であった。
▲5月5日(祝)▼
今朝は6時前に起きて通信を始める。今日明日と実家に帰るので通信しづらい環境になるからね。7時ちょっと前に階上で目覚ましが鳴ったが、カミさんは起きてこない。7時に起きないといけないと言っていたんだがなあ。とか思っていたら、7時ちょうどに起きてきた。やはり、イヴェントの日は寝過ごさないヒトなのである。というより、イヴェント前夜は興奮して眠れないとか言ってたからなあ。まるで小学生ですな。息子は起こさなかったようだ。今日は息子と2人で関西の主要な私鉄を制覇するつもりなので彼女と一緒に家を出ようと思っていたのだが、体力が必要だから自分で起きるまで寝かせておくことにする。
出がけにカミさんが新幹線の中で読む短編集を貸してほしいというので「祈りの海」と「電脳セッション」を提示したら「祈りの海」を選ばれた。「祈りの海」は私もイチオシだし、彼女も読みたかったそうである。気に入ってくれれば嬉しいのだが。
10時前になって息子が起きてきた。食事をさせて出発の準備をしていたら昼前になってしまった。出発である。まずは近鉄東大阪線より乗車。そのまま地下鉄の中央線に乗り入れる。森ノ宮駅の前で息子は「かいそうでんしゃ、まってるかな」と言う。なぜかこの駅には回送電車が停まるホームがあるのである。今日はOTSの車両が停まっていた。ありゃ、地下鉄の駅なのに何で別の会社の車両が停まってるのかね。まあ、ほとんど同じようなモノなんだろうけど(笑)。息子も「へんやなー」とか言っている。どうでもいいことなんだけどね。
堺筋線に乗り換える。幼児を連れた家族連れが多い。そうか、みんな動物園に行くのね。ウチみたいに電車に乗るのが目的だというのは歪んでるんだろうな。そして南海に乗り換え。急行が来るというのでホームに上がったら、隣のホームにやって来た。あら、間違えたか。もう間に合わないな、と思ってたら特急サザンがやってきた。そういえば息子がこれに乗りたがっていたな。自由席のある便だろうか。おう、アタリだ。前方に走って自由席に乗り込む。「サザンに乗れたな」というと彼も興奮気味である。新今宮では隣にラピートが停まった。彼のヴォルテージがまた上がる。難波に着くと彼は「あ、ちがうでんしゃ!」と声を上げる。泉北高速鉄道の電車が停まっているのである。そうか、あれも初めて見るな。さっそく前に息子を立たせて記念撮影である。南海難波駅内の広告にはラピートが載っているものが多い。息子はそれをいちいち指差して「らぴーとが、いっぱい!」と叫ぶ。やはり、目立つデザインというのは意味があるな。
地下鉄の御堂筋線に乗り換えると、息子は早くも疲れを見せ始めた。こら、まだ予定の何割も消化していないぞ。そんなことでは、あの空に輝く鉄道王の星は目指せんぞ飛雄馬…じゃない、シンジ(仮名)。って言ったって、私も鉄道マニアじゃないんだが。とりあえず、座席の狭い隙間を見つけて息子を座らせてもらう。淀屋橋に着き、エレベータで上がって改札の外に出るが、どうやら出口を間違えたことに気づく。また改札の中に戻るのである。こういうとき、乗り放題のチケットは便利だな。しかしこれ、その日に最初に乗った駅しか裏面に記録されないのか。まあ、それだけで充分だというのはわかるんだけどね。
淀屋橋で京阪に乗り換える。ちょうど特急が停車していたので乗り込む。2階席の2人掛けの席がちょうど空いていたので座る。息子はかなり眠そうにしている。今朝は遅くまで寝てたんだけどなあ。「終点までだいぶかかるから寝ててええで」と言って横にする。私の上着を被せてやると彼も寝ようと努力していたようだが、なかなか寝付けないようである。いろいろと体勢を変えるが、けっきょく眠れない。膝の上に抱いて寝かしつけていると彼が「けいはんの、しゃこ!」と声を上げた。たしかに車庫である。しかも線路の両側に何両もの車両が停まっている。息子はそれで目が覚めてしまったようで、けっきょく終点まで起きて過ごしたのだった。
出町柳で降り、息子が乗りたがっていた叡山電車の駅に向かう。以前京阪電車に乗ったときに、叡山電車に乗りたかったと言ってずっと残念がっていたのである。これはスルッとKANSAIの対象外なんだな。料金を見ると最短区間で200円なので、駅構内に入ることにする。次の駅まで乗って引き返してくればいいだろうと思っていたのだが、乗ってみるとどうも様子がおかしい。駅にはホームしかない。改札というものが見あたらないのである。どうも、車掌さんが切符の回収や精算を行うようになっているらしい。これは往復の料金を払わねばならないか。急いでZAURUSの乗換案内で料金を確認して降りる。400円も使ってしまったか。ちょっと哀しい。こういう方式は想定外だった。駅構内に出入りするタイミングで課金が発生する方式に慣れきっているからなあ。もともとはこういう方式だったと思うんだが。
出町柳に戻り、京都の地下鉄に乗り換えるために三条まで戻る。そこまでは特急の2階建て車両の1階席に座る。三条で降りるというと息子は不思議そうである。もう父親に引き回されているだけだと思ってるだろうな。「じーちゃんと、ばーちゃんのとこ、いく」とか言い始めた。そろそろ腹が減ってきているのもあるだろう。もうちょっと待て。阪急の特急に乗ったら食わせてやるからな。
京都の地下鉄に乗り換えるが、東西線はホームにも扉がついている。東京とかも最近できた地下鉄はこういう方式が多いな。たしかにこの方が安全だが、車両に対する親しみは無くなるよな。とか思うのはオレだけか。乗り換えるたびに車両をバックに息子の写真を撮っているのである。烏丸線では扉は無かった。これなら地下鉄の車両が見れるな、と思っていたら息子が「ならと、きょうとの、でんしゃ!」と叫んだ。見ると、近鉄の車両である。ピンクとライトグリーンの地に「NARA」と「KYOTO」とペイントしてあるのである。まあ、息子が喜んでいるようだからいいか。彼は地下鉄に近鉄の車両が走っているのが不思議だったようで、相互乗り入れしていることを説明してもなかなか納得してくれないのである。
烏丸で阪急に乗り換える。ちょうど特急が停まっていたが、昼食を食べるためには息子と並んで座らねばならないので河原町まで戻ることにする。河原町で待っていた特急も並んで座れそうな場所は無い。補助席で食事をするわけにはいかないからなあ。これもパスしてトイレに行ったりして時間を潰していたのだが、次に入ってきた特急は出入り口が3つあるタイプだった。これは車両の両側に進行方向と直角に座るのである。やはり、進行方向に向いた2人掛けの席に並んで座りたいので、これも見送ることになる。続いて「臨時特急」というのが入ってきた。こういうのは初めて見たな。息子に珍しいことを教えると、彼も「りんじとっきゅうやなー」とか言いながら見ている。これよりは次に来る特急の方が早く大阪に着くらしい。それに乗ろうな。
梅田行きの特急に乗り込んで昼食を広げるタイミングを計っていると、けっこう途中の駅で人が降りてゆく。これだったら烏丸で特急に乗ってもよかったかなとも思ったのだが、やはり安全を期した方がいいだろうね。さあ、昼食だ。3個150円のパンと1個50円で売っていた野菜ジュースのブリックパックである。さすがに息子は腹が減っていたようで、パンにむしゃぶりついている。ジュースも一気飲みである。まあ、美味しく食事ができるということは幸せなことである。
阪急の梅田駅に入ろうとしているとき、梅田駅から3本の列車が並んでやって来た。息子は大騒ぎである。神戸線と宝塚線と京都線で同じ時刻に発車したんだな。彼はそれ以降も「はんきゅうでんしゃ、みっついっぺんに、きたなー」と言っていたのであった。なかなか良いものを見たねえ。
3日間乗り放題のチケットが破損しているのを発見した。阪急梅田駅のサービスコーナーで何とかならないか相談するか、機械で読めるからというので相手にしてもらえない。通常のカードに比べて材質が弱いような気がする。どうせ3日しか使わないだろうという考えなのか。我々のように酷使する奴もいるんだぞ。まだ1日目なのに。
阪急神戸線の特急に乗る。息子は座っているのに倦んだようで、かなり居心地が悪そうである。それでも発車すると窓の外の風景を観ている。やはり、発車までに時間が長いと退屈みたいだね。途中で彼が「うんち」と言いだした。うわ、ピーンチ。阪急の特急にはトイレは無いのだ。特急だから次の駅に着くまでどれだけかかるかわからない。とにかく息子にはしばらく我慢するよう言い聞かせる。以前よりはかなり耐えられるようになっているのが救いだな。特急は王子公園駅に停車した。王子動物園にパンダが来てるから停車するんだそうである。そうか、阪急電車の正面にパンダのパネルがついていたのは、そういうことだったのね。急いでトイレに向かうが、大便所が和式である。息子はたぶん和式ではウンチができない。車椅子用のトイレに使ってもいいと書いてるのを見つけた。ここは洋式だろう。息子を連れて駆け込む。ズボンとパンツを降ろして便座の上に乗せる。これで一安心だ。しかし彼はズボンやパンツを脱がないと用を足せない。靴もまとめて脱がせる。しかし、床に裸足で立たせられないから後で穿かせるのが大変なんだよな。気がつけばここにはトイレットペーパーが無い。私のポケットにあるティッシュは残り少ない。大事に使わなきゃいけないな。
各停に乗って三宮に向かう。息子は「じーちゃんとばーちゃんのとこ、いく」と言い続けているが、「ポートライナー乗るか?」と訊くと「のる」と応える。これは業というものであろう。しかしそれでも阪急はJR線と並行して走っているので彼はけっこう喜んでいる。JRの特急が走ってきた。彼が「あれ、なに?」と訊く。知らないのか。「はまかぜ」と書いてある。言うと彼は「はまかぜ、みれて、よかったなー」と言っている。そういう意味ではキミには阪神線よりも阪急の方が嬉しいか。
三宮で降りて歩く。息子はけっこう元気である。体力は残っているか。ポートライナーに乗り、当初はすぐに乗り換えて戻ってくるつもりだったのだが、こちらにやってくる車両が混んでいるので結局一周して戻ってくることになる。ずいぶん短い間隔で走っているしどの車両も混んでいるので、けっこう儲かっているのではないだろうか。そうか、もう開業して20年になるのか。
三宮で神戸の地下鉄に乗り換える。地下に下りる階段で息子は両足でピョンピョン跳び下りたりしているが、そろそろ疲れが限界に近づいているようである。地下鉄の車両の中で、ついに負ぶってくれと言いだした。改札口まで背負って歩く。ジュースの自動販売機が見えるたびに「C.C.グレープ、無いなあ」とか言って彼の気を紛らわせながら歩く。あとはもう最短距離を行くからキミが何を言っても路線変更はできないぞ。
神戸電鉄に乗り換え、新開地に向かう。新開地駅で特急が停まっているかと思ったのだが、各停しか停まっていなかった。特急列車をバックに息子の写真を撮りたかったのだが各停で我慢しよう。
山陽電鉄に乗り換え、西に向かう。山陽電鉄もJRと並行して走っている区間がある。そこで息子が叫んだ。「はまかぜ!」…本当だ。2つも見えるなんて珍しいね。彼は「はまかぜ、ふたっつ、みれて、よかったなー」「とっきゅうより、はやかったなー」と言っているのであった。東二見駅の車庫でも彼は「しゃこや!」「ふるい、でんしゃ!」と叫ぶ。そしてさらに「はんしんの、でんしゃ!」と声を上げた。あらら、本当に阪神の車両が停まってるよ。大阪の地下鉄の駅にOTSの回送が停まっているよりさらに不思議だな。
実家の最寄り駅に着いたときには19時を過ぎていた。最初に電車に乗ってから7時間以上経っているな。熊本でさえ、電車に乗ってたら5時間足らずで着くというのに…その5割増しか。これで私の両親の実家に帰るときにも電車で大丈夫だな。レールスター養成ギブス(笑)。まあ、カミさんが嫌がるだろうけどね。とりあえず、乗った路線を並べておこう。
近鉄東大阪線 \190
大阪市営地下鉄中央線
大阪市営地下鉄堺筋線 \270
南海本線 \150
大阪市営地下鉄御堂筋線 \200
京阪本線 \460
京阪鴨東線 \210
叡山電車叡山本線
京都市営地下鉄東西線
京都市営地下鉄烏丸線 \200
阪急京都本線
阪急神戸本線 \600
ポートライナー \240
神戸市営地下鉄山手線 \190
神戸高速鉄道南北線(神戸電鉄)
神戸高速鉄道東西線(山陽電鉄) \150
山陽電鉄本線 \710
\3570
荷物も重いし疲れてるし息子と二人なのでタクシーに乗るべきなんだろうが、連休中はほとんど身体を動かしていないので歩いて実家まで向かう。予想通り息子は3分も歩かないうちに歩けないと言いだした。彼を抱き上げて歩く。しかし重いぞ。彼を抱いて歩き通すのは無理なので、ときどきは自分で歩かせながら実家に向かうのである。
実家に着き、私の母が台所で料理をしている横でテレビを見ていると、息子が「ばーちゃん、おみず、こぼれた」と言って入ってきた。コップでも転かしたのかと思っていたのだが、母の「トイレが水浸しや」という声に行ってみると、あらー、トイレの床に水が溜まっている。息子がブルーレットをいじって詰まらせて水がタンクの中に流れなくしてしまったらしい。母と私で雑巾掛けをすることになるのであった。息子は横で「かんとー、はだかかーい」とか歌っている。こら、少しは反省しろ!
今夜も、何度も息子に「おしっこ」と言って起こされる。布団に入るたびにこれだもんなあ。トイレに行ってもほとんど出ない。4度目くらいに一人で行くように言うと彼は、ここで漏らしてもいいのかと訊く。そうか、漏らして怒られるのがトラウマになってるんだな。大丈夫だ。4歳児がそういう心配をするもんじゃない。寝る前にトイレに行って、それでもやっちゃったなら仕方ないさ。
▲5月6日(日)▼
今朝は8時過ぎになって家族が起きたようなので、息子を起こしてオシッコをさせる。今朝も漏らしてなかったな。偉いぞ。彼をそのまま残して私は部屋に戻って布団に潜り込む。しかししばらくして彼は祖母を連れて戻ってきた。私の上に乗る。むぎゅ。何だよ。訊くと、身体が痒いので薬を塗ってほしいという。そうか、昨夜も痒いと言ってたので薬を部屋の中に持ち込んだんだったな。目が覚めてしまったのでそのまま起きる
親父がNHKの「のど自慢」を見ているが、なんか、えれえLェヴェLが高い。私の認識をはるかに超えている。最近の世間のLェヴェLはこんなに高いのか。だったらもう私の時代じゃないな(おいおい)。それとも福井県丸岡町だけの現象なのか。それでも、ゲストがアレだから演歌系の評価が高いのは仕方ないんだろうねえ。横目でテレビを見ながら、昨日の日記を書いていると一日が終わる。何だかなあ。
明日からまた仕事なので今日は早く帰るつもりだったのだが、夕食を食べたりしていたらけっきょく前回と同じになってしまった。家に着くと23時前か。実家を出るときに息子はちゃんと「ばいばい」とか「またくるねー」とか言っている。今回はなかなか実家が気に入ったようである。今夜も泊まると言ってたくらいだからな。「父ちゃんは帰るで」と言ったら例によって前言撤回したのだが。私の両親は私と息子が歩いて行くのを、見えなくなるまで見送っている。帰省してきた子供に連れられてきた孫が帰ってゆくのを見送るのは切ないものであろう。まあ、ウチの両親なんかは九州から関西に出てきてたので、数年に一度しか孫を見せに帰れなかったからな。
駅に行く途中で公園のそばを通るのだが、近づいてゆくと息子は「こわいー」と言いだした。たしかに木が繁ってて暗いけどね。「大丈夫や」と言いながら彼を引っ張って歩く。しかし彼は「こわいー」と言い続ける。「今日来たんか?」と訊いても泣きわめくばかりである。公園を過ぎたあたりから「くっ、くっ、くるしい」と言いだした。すごい激烈な反応だな。精神の弱い人間だと、暗闇の中でこれだけ怖がられると引き込まれてパニックを起こしたりするんだろうか。負のフィードバックループに入り込んで「恐ろしいもの」を見てしまったりとか。公園の脇を過ぎても息子は「くるしい、くるしいっ!」と言い続けている。街灯が少なくて暗いから立ち直れないのかなあ。「何が怖いんや」と訊いても「きょ、きょう、きっ、きっ、きてへん、きてへん」と言って会話にならない。このままでは心因性のショックでも起こしそうだな。落ち着かせることにするか。電車に乗り遅れるかもしれないが、たどりついたときには息子は魔王に連れて行かれていたてなことになったら困る。立ち止まって「スーハー、スーハーって、息してみ」と言う。彼はしゃくり上げながらも深呼吸をしている。「はい、すーーっ……、はーーっ……」と一緒に言ってやる。少しは落ち着いたようである。それでもしばらくは、しゃくり上げながら歩いていたが、やがて「もう、だいじょうぶ」「こわくない」と言った。健気なものである。落ち着いてから何が怖かったか訊いてみたら「ゆっ、ゆっ、ゆうれいが…くる……おもたん」と応えた。そうか、世の中、幽霊がいた方が面白いとは思うけどね、父ちゃんもキミの10倍長く生きてるけど自分の目では見たことがないんだよ。
駅にたどりついたときには直通特急の出発2分前だった。間に合ったか。ホームに急ぐ。しかし、ホームに上がってから彼は「あっ、おしっこ、いかな」と言った。家を出る前に祖父母に駅でトイレに行くように言われていたのである。あと1分じゃないか。でも、梅田に着くまで1時間以上トイレに行けないからなあ。急いでまたホームを下りる。手は洗わなくていいぞ…とか言っていたのだが、彼は律儀にも小便器のボタンを押して水を流している。こりゃ、手を洗わねばならないか。手を洗わせ、ハンカチを持たせてホームに走る。何とか間に合ったか。
息子は昨日から「かえりは、はんしんが、いい」とか言っていたのだが、やってきたのは阪神電車であった。彼は喜んでいるが、私は阪神は進行方向に向かって2人で座れるシートが無いのでちょっとツラい。息子は実家では祖母が昼寝させようとしてもどうしても寝なかったくらい元気だったのだが、そのうちにぼんやりと宙を見つめるようになってきた。抱き寄せると頭を私の膝の上に乗せてくる。そのまま動かない。2人掛けの席ではないので、三宮で人がいっぱい乗ってきたりすると占有面積が多いようでちょっと焦る。まあ、前に座ってるオジサンとオバサン2人分よりは少ないからいいか。
梅田に着いても息子は眠っている。パソコンの入った鞄を背負い、息子を抱いてホームに出る。何歩か歩くと彼は目を開けて周りを見回した。起きたんだったら歩いてくれ。地下鉄に乗っても、彼は頭を私に膝の上に乗せて寝る。やっぱり疲れたのかねえ。
家に帰ると、カミさんも着いたところだったようである。彼女は「祈りの海」の「貸金庫」と「キューティ」を読んだらしい。けっこう好評だったようである。「小松左京の作品を読んでるみたい」だったという感想であった。そうですか、私は何にしても基準が小松作品なので、そういう見方はできなかったですね。ワンアイデアに強烈な腕力でリアリティを与えているのを読むのが快感なんだそうで。あと、訳もいいと言っていた。それは私も感じましたね。きっと訳者自身が作品に惚れ込んでいるのに違いない。
カミさんは「久しぶりやなー」とか言いながら息子を抱きしめている。まあ、2日間楽しんできたわけだし、今夜くらいは優しくしてもらえるんじゃないかな。しかし、今夜は彼女が息子を寝かせたのだが、日記を書いていると階上から彼女の怒鳴り声がして息子が泣きながら下半身裸で下りてきた。ベトナムで空襲から逃げてきた子供のようである。号泣して「おっ、おがーぢゃんに、おこられた」とか言っている。「何で怒られたんや」と訊いても要領を得ない。パンツとズボンを穿かせている間にも涙とヨダレがボトボト落ちてくる。「とーちゃんが、つれてって」「あとで、ねかせて」とか言っている。キミもツラいねえ。今日は情緒不安定のようだからね。よしよし、一緒に行ってやろう。そして私の布団に横たえ、寝かせてやるのである。
▲5月7日(月)▼ →
今日は月初なので早めに出社しなければならない。何故かとカミさんが問う。「月初めには朝礼とかあるのよ。アナタが勤めてた会社の方が予算達成とか厳しかったと思うんだけど、会社勤めしてた頃に無かった?」と言えば「私、右から左だったから…」と応える。「そうだろうねえ。『OL進化論』のジュンちゃんみたいだったんじゃ…」と言ったら図星だったようである(笑)。
今日も通勤時間に「S-Fマガジン・セレクション 1987」(早川書房編集部編)を読んでいる。往きには梶尾真治氏「"希望基地"にて」を読み終えた。うーん、言いたいことはわかる(つもりな)んだけど、イマイチ心に響いてこないなあ。そして、帰りに水見稜氏「パティの出てくる日」を読み終えた。これもあまり面白くなかったな。いろんな原因によって時間軸がずれることをテーマにしているのかとも思ったのだが、どうもよくわからない。もうちょっとキレイな切り口を見せてほしいもんだけど。
そういえば、昼休みに食堂で行列に並んでいるときとか、ちょっとした時間にZAURUSで小松先生の作品を読んでたんだった。今までに読んだのは「飢えなかった男」と「再会」だった。「飢えなかった男」は基本は誰でも考えつくアイデアだと思いますけど、それに対してこれだけ記述を積み重ねて世界を構築しているのが圧巻ですね。ラストもなかなかニクいし。ただ気になったのは、誤字がいくつか散見されたこと。たぶんテキストデータにするときの入力ミスだと思うが、売り物なんだからもうすこしキチンと校正してほしいものです。「再会」もいい。我々とは全く異なる種族同士のファーストコンタクト。そのとき……単純といえば単純な作品だけど、やはり読んで心の中に浸みだしてくるこの「気分」が気持ちいい。ワタクシ的には、こういうのがSFの王道なのである。
カミさんが自分のサイトの小説のページで背景の画像が出ないと言っている。テクニカルサポートをすることになるのである。たしかに背景の定義には間違いはないようだ。私がやりなおしても出てこない。これはソースを見てデバッグ(苦笑)するしかないか。ホームページビルダーが生成したソースをいろいろいじって、ブラウザで表示してみる。HEADブロックの中に妙なタグがあったので、それを削除すると背景の画像が表示されたのだった。うーむ、よくわからん。
▲5月8日(火)▼ →
今日は雨が降ってるし体調が悪いし仕事の切れ目なので休むことにする。昨日報告書を書いていて有給休暇の消化率が悪いのに驚愕したせいもある。もう1年の三分の一が過ぎたというのに今年の分の四分の一しか使っていないのだ。もちろん昨年分は丸ごと残っている。私の会社では有給休暇の有効期間は2年間なのだ。先月末はあれだけまとめて休んだのになあ。次のプロジェクトに入るとまた休めなくなるからな。…ということで、今日も一日パジャマ姿で過ごすのである。
息子の保育所への送り迎えはカミさんがやってくれた。やはり息子は帰ってきたときに父親がいると嬉しいようである。夕食前に「たかいたかい、して」と言ってくる。立ち上がると私の身体によじ登ってくる。父親にしがみついて「かーちゃーん、みてー」と叫ぶ。調理中の母親が振り向かないので近くに歩いてゆくと、彼女の頭を叩きにいき水滴を飛ばされて撃退される。私まで濡れちまったぜ。
夜になって土曜日に録ったヒッパレを観る。Nansho Kidsはなかなかフレッシュでよろしゅうございますな。平均年齢12歳ですか。やっぱり若いってのはイイなあ…とかつぶやいたらカミさんに睨まれた。今回の注目はsweetboxの「beautiful world」かな。やはり本場モノは違いますな。あの表現力を見ると小柳ゆきちゃんにもまだまだ進化の余地があると再認識してしまいますね。本人が演っているのも観たことがあるが、なんか選曲がわざわざ難しく分かりにくくしているような感じがしたのだ。このままいくとドリカムみたいになっちゃうんじゃないか、とか心配してたんだけどね。勢いがある今のうちに、ああいう難しい曲にチャレンジしておいた方がいいのかなあ。
今夜は私が息子を風呂に入れる。彼の身体をザッと洗って湯船に入れ、自分の身体を洗っていたら彼は湯船から出てきて座り込んでしまった。お湯が熱すぎたか。すまんかったな。でも、自分でそういう危険回避の行動をとれるようになったというのは偉いものである。本当は保護者がちゃんとしないといけないんだけどね。最近彼は父親と風呂に入ると上がりぎわにシャワーで足に冷水をかけられるということを学習したようで、シャワーをかけようとすると嫌がる。もうそんなに寒くないだろう。息子をカミさんに引き渡してから自分の頭を洗って出てくると、息子は寝るのも私と一緒にしたいということである。それで今日も私が息子を寝かせることになる。しかし今夜も彼はなかなか寝ない。何度もトイレに起き、そのたびに階下のトイレまでお供されられる。そして痒いと言っては薬を塗らされるのである。そのうちに「ちんちん、いたい」と言いだした。ええっ、どうしたんだ。そういう症状の対処法は知らないぞ。でも、こういうのは父親しか対処できないからなあ。触ってみると、ずいぶん固くなっているようだ。何度も行っているが、またトイレに行かせてみる。そうすると痛みはなくなったようである。何だったんだろう。
▲5月9日(水)▼ →
今朝も息子は調子が悪い。泣きはしないが、居間に下りてきてからも床の上でゴロゴロしている。食も進まない。翌朝こんなに眠くなるくらいなら、もっと早く眠ってしかるべきだと思うんだがなあ。
今日も通勤時間に「S-Fマガジン・セレクション 1987」を読んでいる。往きに久美沙織氏「真珠たち」を読み終えた。これは面白かったですね。14年も前の作品なのに「インター・ネット」の記述が出てくるのが凄い。やはり、こういう「感度」が高くないとSF作家は務まりませんわね。しかし、前に読んだ「黄金の小麦の国で」とこの作品でこんなに私にとっての面白さが違うのは何故だろう。どちらもこのアンソロジーに入ってるくらいだから一般的な評価はそれほど差はないと思うし、テーマも似たようなものだと思うのだが。このあたりを分析すれば、もう少し読む本の選択も精度が上がると思うんだけどね。
田中外相、やってますな。官僚というのは大臣でさえこれだけ馬鹿にしてるんだから一般国民なんてゴミ以下でしょうな。もっと頑張って官僚を押さえつけて、良き前例を作っていただきたいものであります。そもそも「ワシャわからんから、良きに計らえ」というようなヤツが大臣になっていたというのが間違っていたんだよ。
仕事をしていると、懐のPHSがブルった。カミさんからのメールである。「FIVAが壊れたみたい」とか書いてある。ううむ、Windowsというのはだんだん壊れてくるからなあ。買ってから2年くらいだから、そろそろヤバいかもしれない。ということで、今日は早めに帰るのである。
帰りに家の近くの本屋で「築地魚河岸三代目 2」(鍋島雅治 作/はしもと みつお 画:ビッグコミックス)を買う。今回の連載が面白かったので買ったのだが、どうだろうか。家に帰ってカミさんに、私が彼女のFIVAの復旧作業をしている横で読みながら「いきなり、やおいモードなんですけど」と言われてしまった。はあ、そうなんですか。彼女がそういうことを言うということは、ある程度の水準は確保しているということか。
家に着いて寒気がするので葛根湯を飲み、さっそくカミさんのFIVAの様子を見る。起動しようとするとSAFEモードで起動するか訊いてくるのでSAFEモードを選択するが…起動しない。「ナントカを初期化中」というメッセージを出したまま固まってしまったり、その次に「Windows保護エラー」になったりする。LANカードやマウスを取り外しても同じである。確かにハードディスクの音もおかしい。でも、Windowsを起動しようと努力はしているみたいだから、ハードディスクが完全に破壊されてるわけではなさそうだ。これはフロッピーから起動するしかないか。でも、起動ディスクは作ってないぞ(爆笑)。そこで私のFIVAを引っ張り出してきて、それにFDDを繋いで起動ディスクを作るか。そういえば、起動ディスクってどうやって作るんだったっけ(自爆)。FDDのマニュアルを見ても載ってない。FIVAの箱からマニュアルまで引きずり出してきて見つけた。ほうほう、そうするのね。んで、FDDをカミさんのFIVAに繋ぎ直してフロッピーから起動する。内蔵ハードディスクの内容が見えた。生存者はいるようだ。カミさんからメールボックスの内容をサルベージしてほしいと言われているので捜索の旅に出る。しかし、個人のメール情報を格納するディレクトリに自分の漢字の名前をつけているので、そこから下の階層に降りられない。DOSに日本語入力を組み込むのもややこしそうだからなあ。けっきょく、知り合いの作ったDOSのファイラーをThinkPadでダウンロードして、それを使うことにする。ThinkPadにはFDDが無いので、サーバのFDDを使ってフロッピーに入れる。サーバはふだん使わないのでちょっと離れたところにあるから、ちょっと大変だ。そいつをインストールして、やっとメール情報の存在を確認することができた。しかし、DOSなのに動作がスゲエ遅い。ハードディスクのアクセス時にカックンカックンというような音まで鳴り出した。これはヤバいですね。早く救出しなければ。でもでも、INBOXのファイルが20メガですか。圧倒的にフロッピーに入らないよなあ。これは分割してフロッピーにバックアップするようなツールをダウンロードして入れるしかないよなあ。DOSにUSBのDVD-RAMドライヴのドライヴァを組み込むほどの根性は無いし。ふだんからバックアップしてればWindowsが生きててネットワークだって何だって使えるから私がこんな苦労をしなくてもいいのに…せめて完全に壊れててくれれば諦めもつくのに、などと不穏なことを考えるのである。やはり体調が悪いのか。それにしても中途半端な壊れ方をしてくれたものである。またDOSで動作する分割バックアップツールを探してThinkPadでダウンロードしてサーバのFDD経由でFIVAにインストールする。まずはファイラーの圧縮機能でメール関係のファイルを全て圧縮することにする。しかし、実行中にINBOXの読み込みエラーが発生してしまった。うわ、これは万事休すか。ここまで苦労したのが諦めきれずに何度か再試行していたら、何故かうまくいったようである。さて、そういえばバックアップするフロッピーディスクが要るな。20枚は必要だ。今どきDOSのフロッピーディスクなんて持ってないしなあ。真夜中なので買いに行くのも何だし。昔買いだめしていたMacフォーマットのディスクはあるけど…サーバで20枚もフォーマットし直すのは面倒臭いしなあ。でもカミさんの書院でフォーマットできるはずだよな。彼女はやるという。もう、我が家のIT機器総動員である。バックアップを始めると、いきなり読み込みエラーになってしまった。ついさっき作ったファイルなのになあ。これは何度再試行しても読むことはできなかった。もうハードディスクは頼りにしない方がいいな。仕方がない。圧縮前のファイルを最低限バックアップしよう。このソフトがハードディスクを作業領域に使わないように作られていればいいのだが。まずINBOXのバックアップを開始する。どうやらハードディスクへの余計な書き込みはしていないようである。さっきアクセスエラーが出たから不安ではあるんだけどね。フロッピーの入れ替えはカミさんにお願いする。私が「築地魚河岸三代目」を読んでいるとカミさんがエラーが出たという。あら、やっぱり読めなかったか、と思ったがよく見るとフロッピードライヴのエラーだった。再試行してみると、どうもFDDのアクセス音がおかしい。データを記録するトラックを見つけられないような音である。サーバに持っていって確認すると…1.2MBでフォーマットしてるぢゃないですかアナタ。しばらくしてまたエラーになったという。またFDDのエラーである。今度はちょっと様子が違うような感じである。またまたサーバのところまで持っていってチェックする。ああ、途中まで書き込まれている。この状態を他のディスクにコピーできないかと思ったのだが、やはり途中でエラーになってしまった。Macフォーマット済で売られているディスクをDOS用にフォーマットし直すのは良くないのかなあ。そういう話も聞いたことがあるけど。バックアップはまた最初からやり直しである。いや、書き込み済のディスクのフォーマットからやり直しだな。けっきょく、エラーになったのは1枚だけであった。なんとかバックアップはできたようである。カミさんはもう終わったような気でいるらしいが、ちゃんと復旧できることを確認しなければ終わりではない。さて、バックアップしたファイルをどうやって戻そうか。サーバでそういう作業をするのは面倒臭いので、FDDを私のFIVAにつなぎ直して、そこに戻すことにする。そこで確認しようとしたのだが、どうもネスケがうまく立ち上がらない。出張用のマシンだからダイアルアップで接続するようになってるので、どうも思い切って設定できないのだ。Windowsの設定はどうも細かくいじるのが怖いのである。仕方ないので、サルベージしたファイルを私のThinkPadにネットワーク経由で転送する。これは数秒である。事前にこういうふうにやっとけばラクでいいのにねえ。そこでネスケが動くように設定してファイルを所定のフォルダにコピーする。何とか見えたようである。奇蹟の生還、だな。時計を見ると2時になっていた。6時間近く作業していたことになるか。
▲5月10日(木)▼ →
カミさんのFIVAが昇天したので、私のThinkPadを夫婦で共用することになる。回線の共用だったらまだ同時に作業ができたのだが、PCの共用だとそういうわけにはいかない。まあ、息子にとっては両親そろって通信中ということがないからいいのかもしれないが。カミさんは私のFIVAを使いたいようだが、これは出張用なのであまり設定をいじりたくないのだ。私はWindowsの設定機能を信用してないのである。私のWindowsのスキルが低いせいかもしれないけどね。
朝、起きると頭が痛い。背中もガチガチである。今日も休むことにする。午前中に軽く通信してから、昼食を食べて寝る。気がつくと息子が起こしに来た。夕食のようである。居間に下りてゆくと、妻子は「ナウシカ」のヴィデオを観ていた。息子は観ながら何かと訊いてくる。これはちょっとキミには難しすぎるんじゃないのかなあ。
朝日のサイトが重い。ああ、あのレッサーパンダ男、逮捕されたのね。産經のサイトとかは、それほど重くないんだけどなあ。何か弱点があるんだろうか。まだテレホタイムになってない時間帯なんだが、やはり常時接続が一般的になってきてるんだろうなあ。こういう情報はテレビニュースを待つよりはインターネットで最新の情報に自分でアクセスするのがいいですからね。それにしてもこの犯人、絶対に近くにいてほしくないタイプだよなあ。
しかし、カミさんのサイトの掲示板に載ってる日記を見ると、FIVAのデータを自分でサルベージしたように書いている。それに、私のThinkPadは彼女の予備のマシンなんですか(号泣)。
狼谷辰之 | 新書館*ウィングス文庫 |
対なる者の誓い |
¥620+税 | ISBN4-403-54021-X |
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