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7月11日(火) 
久しぶりに仕事である。父が亡くなる前からミッションスクール田中哲弥:ハヤカワ文庫 JA (850))を読み始めていたのだが、往きに「ミッションスクール」を読み終えた。好き嫌いはあると思うが、私はまあ楽しんで読めた。

…というのを書こうと思ってLinuxザウルスを起動すると、なんだか様子がおかしい。SDカードの中身が空になっている。ええー、最近なんか動作が重たかったからスワップを置いてるここが断片化を起こしているんじゃないかと思ってPCに挿してデフラグしなくちゃいけないなと思いながらもやってなかったんだ。

ああー、やっぱりデフラグしておけばよかったか。まあ、この一週間の日記をPCにコピーした後でよかった。あれが消えてたら父の死の前後の記録が吹っ飛ぶところだったからな。そうなったら一生後悔することになる。

すぐにフリーズしたので再起動してSDカードの内容を確認する。ここにスワップを置いてるのに動いてたから、壊れてない可能性もある。そう思っていたら、やっぱり中身が前のままで見えた。あー、よかった。すぐにデフラグしなくちゃ…とか言いながら、しなかったりするんだよな。

あれっ、そういえばエミリーの記憶谷甲州)の最終話、「消えた女」の感想を書いてなかった。読み終わったところで電車が駅に着いて書く暇がなかったんだな。まあそれで書いてなかったくらいだから、あんまり面白くなかったんだろう。テーマは人間の心のぐちゃぐちゃのようだし、オチにも納得しにくかったようだからな。



7月12日(水) 
今日は朝から卸売市場内にある客先でソフトのバージョンアップ作業。ここのマシン室は寒い。かつサーバのコンソールの前は汎用機のプリンタ(タンスくらいの大きさなのよ)にはさまれて狭いのだが、そこで振り向いた拍子に背中がグキッと痛んだ。いてててて、やっちまったか。とりあえず、痛みだけで動けないことはないので作業を続ける。

作業は早めに終わったが、背中も痛いし寒い中で作業していて体調も悪いので客先から直帰することにする。体調が悪いといいながら、しばらく行ってないので帰りに弁天町のブックオフに行ってみる。最近はそれほど掘り出し物が大量にあるということはなかなかなくなってきているので、久しぶりとはいえ苦しいんじゃないかと思っていたら、やはりそうだった。体調が悪いのに無理して遠回りの電車賃を使って行くことはなかったか…というのも、行かないとわからないからなあ。

しかししんどい。鞄がとてつもなく重く感じるし、歩くのも大儀だ。それに蒸し暑い。鶴橋のブックオフを出たときには、まるでぬるま湯にどぽっと浸かってしまったような気がしただよ。これだけ湿気を含んでいると、空気もねっとりと自らの存在を主張し始める。

なんで2003年12月31日は2004年1月1日と続いてるから2003年は2004年と同じ扱いをするなんて馬鹿なことを言えるわけ? それじゃあ時期を区切る意味なんてないじゃないか。恥ずかしくないんだろうか。腐れ役人どもが。小寺信良氏のBlogでも書かれているが、やっぱりこういう連中は「公僕」じゃないのね。



7月13日(木) 
一晩寝たが、昨日傷めた背中の痛みが引かず、風邪も引いたようで頭とか節々も痛むので今日は休むことにする。午後はずっと寝ていた。13時過ぎに寝室に入って、17時過ぎに子供たちが階下で騒ぎ出すまで熟睡していたのである。先に寝ていたカミさんがエアコンをガンガンにかけていたので布団を被って寝ていたのだが、先に彼女が起きたとき冷房を切っていったので起きたときには汗でグチョグチョである。

鍼に行くかとも言われたのだが、5000円くらいかかるというのであえなく断念。息子が先週左手の指を痛めたときにかかった医者に今日も行くというので私も一緒に行くことにする。ここは健康保険が利くらしいからな。

息子が熱があってしんどいと言ってるし私も背中が痛いので、カミさんの車で送っていただく。ここは腕が良くて繁盛しているので待たされると聞いたため、都市と星アーサー C.クラーク山高昭)を持ってきている。息子は手持ち無沙汰のようである。キミも本を持ってくれば良かったのに。

息子の指はまだ押さえて痛みがあるようなので「90パーセントは治ってますが再度傷めるとやっかいなので、もう少しの間スポーツは控えましょう」と言われる。本人は早く身体を動かしたいようなんだけどね。

続いて私の診察…かと思ったら、まずはレントゲンを撮られる。胸を前方と左右斜めから3枚、首を前方と横から2枚。合計5枚である。問診票には症状を書いたがロクに話も訊かず身体を診もしないで、いきなりこんなにレントゲンを撮っていいもんなんでしょうか。そしてまた待たされる。

やっと問診。痛みの原因は筋肉ではなく首のせいではないかと言われる。背中の筋肉は強いので、肉離れなどを起こすことは滅多にないということである。でも触ってみると筋肉が痛いんだがなあ。ふつうの人は首の骨が「(」のように滑らかなカーブを描いているのだが、私の場合「く」のように急に折れ曲がっているということだ。まあ、猫背だというのは周囲の人間からずっと言われてるので、それで首が前に突きだした状態で前方にあるパソコンのディスプレイを見ていればそういう形になっちゃうんだろう。

そういうことで、治療としては首の牽引をされる。座った状態で首を上から引っ張られるのを10秒間隔くらいで繰り返されるのである。それほど効いたようには思えないんだが、診断が正しいとすると即効性は期待できないだろうからな。けっきょくレントゲンをいっぱい撮られたので4000円以上かかった。これじゃあ鍼に行った方がよかったかも。

『Yahoo!検索ランキング、「2ちゃんねる」が1位を明け渡す』というニュースが。そういえば、「2ちゃんねるがおじさん化している」という話もあったなあ。おじさんたちが暗く熱い議論をしているのに若い層は嫌気がさし、SNSとかに流れているんだそうで。



7月14日(金)
仕事を終えて職場からエレベーターで下り、1階で降りると人の波。今日もコンサートですか。女性、それも年配のオバサン(という雰囲気の人は不思議といなかったけど)が多い。それでもそんなに嫌な感じじゃない。でもまた電車が混むなあと思って近くのコンビニで時間をつぶしていたら、韓国語らしき言語をしゃべる小学生くらいの男の子を連れた女性が入ってきた。これもコンサート関係なのかなあ。だったら韓流スターか?

でも、前に韓流スターのコンサートのときに見たほど客層が鬱陶しく見えなかったからなあ。とか思いながら大阪城公園駅に入ると、イベントを告知するホワイトボードの立て看板が設置されていた。見ると「久保田利伸」と書いてある。ああ、それなら納得できますな。クボタなら流行りに乗ってますという感じじゃなくて、自分の価値観をしっかり持ったファンでしょうからね。

ぶははは、「暴力団が追放ビデオやめて」って何じゃそりゃ。暴力団ってのはアウトローであって、お役所に助けを求めちゃいけないんじゃないんですか。「組員の子供らへのいじめを誘発する可能性がある」ったってねえ。親が組員であること自体が、子供には辛いことなんじゃないかと私なんかは思ってしまうんだが。



7月15日(土)
今日は夕方から娘の通っている保育所で祭りをやるので、父母は勤労奉仕しなければならないこともあり家族全員で出かけることになっている。しかし、家を出るときになって雨が降ってきた。降るか降らないか微妙なところという天気がいちばん困る。それでも自転車で保育所に向かう。

カミさんはスーパーボールすくいとスマートボールの店員を15分ずつやって、私はその後に自転車置き場の整理係である。カミさんが店番をしている間は私が娘を連れてそのへんの店で遊ばせようと思ったのだが、彼女は嫌がって母親の足元に留まっている。困ったもんだなあ。やっぱり慣れない環境では母親の側がいちばん安心ですか。

息子は一人でそのへんの店をハシゴして遊び回っている。そういうことで、私は荷物を持って校舎の隅で座って休んでいる。やっぱり疲れが溜まっているなあ。

私が自転車整理係を終えた頃には、もう店はほとんど終わりである。焼きそばも終わっていたので、事前に頼んでいたおにぎりを1個ずつ食べる。我々が食べているところに黒い浴衣を着た女の子が走ってきたので見ていたらカミさんが「可愛いわねえ…このっ!」と言って私をグーで殴る。な…なんなんですか。私は顔が見えなかったのにアナタが可愛いと言うから見ようとしてたのに。

食べ終えた頃に、花火大会をするとアナウンスがあった。みんなで園庭に出て行く。地上に置いて火をつけると上に吹き出すタイプの花火を並べて立てて同時に何本も火を点けるので、一斉に火花を吹き上げる。壮観である。娘なんかは彼女の人生の中で、これだけのものは見たことがないらろうから、ものすごく強い印象が残るだろうなあ。

全ての花火を燃やしてしまい、祭りはおしまいである。来場者は帰りスタッフは片づけを始めているというのに、娘は今回も祭りが終わってから帰りたくないと言って母親に「スロースターターやねえ」と言われている。

それで家に戻ってきてからも家の前で花火とかをしていたら、そのまま風呂に入って寝ることになってしまう。うう、今日の私はトースト1枚とおにぎり1個しか食ってないんですけど。



7月16日(日) 
今日も実家に坊さんがお経を上げにやってくる日である。妹の配偶者のお父さんとお兄さん夫婦も来られるらしい。3連休の中日なので、私も娘を連れて行くことにする。息子は午前中に医者に行ってスポーツ解禁になったそうなので置いてゆく。今日明日とソフトボールの練習があるらしいからね。

カミさんは子供会の祭りの行事で朝から出かけている。朝食を食わせねばならないが、娘はパンを食いたくないと言っている。何を食べたいんだ…チョコだってえ、そんなもん食事として食わせられるか。仕方がないので、九州の叔母さんからお中元で送ってきた饅頭を食うかと言うとそれを食べるという。やっぱり物珍しいものには弱いのね。

雨は降っていないので、娘を自転車に乗せて出発する。近鉄では座れた。布施の駅に入るところで向かいの窓を指さして「おやまや!、おやま」と言う。「お山やな。生駒山いうねん」と教えてやると「いこま…」とか言っていた。

JRでは座れない。恥も外聞もなく隙間に割り込めば座れないこともなかったんだが、それをやらないということはまだまだ追い詰められてないということか。それでも娘を抱いて立っていると、だんだんキツくなってくる。重いなキミわ。

娘は京橋の前でドアの窓の外を指さして「かわや、かわ!」と言う。第二寝屋川である。自然の地形に興味が移ってきたか。

今日はタイガースの試合は大阪ドームで行われるようなので、阪神で実家に向かうことにする。梅田駅前のコンビニに入って食うものを買う。娘はチョコパンを買い飲み物はペットボトルの野菜ジュース。私はサンドイッチである。

改札内に入ったときには直通特急の発車まであと2分足らず。しかし娘に「オシッコするか」と訊くと頷いたのでトイレに入る。この電車には乗れませんな。乗ってから尿意を訴えられても困るし。そういうことで男子トイレに入り、空いていた個室が和式だったので彼女を抱えてオシッコをさせる。紙がないのでティッシュを出して拭く。リュックを背負っていると狭い。

ホームに下りてゆくと、停まっていた特急はロングシートであった。これじゃ車内で食事をしにくいよなあ。娘も乗りたいような雰囲気ではなかったので、パスすることにしてホームのベンチに座ってパンを食わせる。

続いてやってきた特急は須磨浦公園行きであった。しかもロングシート。えー、また見送らなきゃいけないの。それじゃあ娘をオシッコさせていたときに出た列車に乗るのに比べると30分も遅くなっちゃうじゃないか。どうせこれに乗っても神戸で次の直通特急を待つことになっちゃうんだろうしなあ。

しかし、娘はこの電車に乗りたがっている。まあ、直通特急にずっと乗っていると彼女が途中で飽きるかもしれないから、神戸で乗り換えるのもいいか。そういうことで乗ったのだが、娘はすぐに「おりよー(降りましょう)」と言い出した。もう飽きたのか。そういう意味では、神戸で乗り換えというのも意味があるか。

そのうちに娘は身体をすりよせてきた。可愛いものである。そして「おくちゅ、ぬぐ」と言って靴を脱ぐと、横になって私の膝に頭を乗せる。寝るかなと思ったのだが、けっきょく眠れなかったようである。

高速神戸で降りる。やはり次の直通特急を待たねばならないようである。新開地行きの阪急電車がやってきた。娘に「乗るか?」と訊いたらうなずいたので、急いで乗り込む。そして新開地で降り、直通特急に乗り換える。

直通特急はクロスシートだった。乗るとすぐに娘はサンドイッチを食べると言い出す。それは父ちゃんが食べるために買ったんだけどね。とか言いながら二人で分けて食べるのである。

しばらくして娘は「うんこ」と言い出した。ああー、恐れていたことが。それだったら梅田でトイレに行かず電車に乗ればよかったかも。次で降りなきゃいけないな。舞子公園か。明石海峡大橋ができてから特急停車駅になったのでトイレのような設備は新しいんじゃないだろうか。

身障者用トイレはあったが、やっぱり紙はない。でも広いし洋式なので座らせればいい。ただ、「うんこ」と言ったのにオシッコしか出ないのである。「ウンチ出えへんのか」訊くと「おしっこでかたら、なおった」と言う。何じゃそりゃ。

ホームに戻って次の直通特急を待っていると、娘はジュースを飲みたいと言い始める。ペットボトルに入れてきたお茶を飲まそうとすると嫌がる。仕方がないなあ…ということで自動販売機で好きなものを選ばせ、オロナミンCを買うのである。

娘は何で駅構内にジュースが売っているのかと訊いてくる。そりゃ電車に乗っててもジュースを飲みたい人はいるでしょう。需要があればそこに商売のネタが発生するんだよ…とか言っても理解できないか。そのうちに彼女は車窓の外に明石の天文科学館を見つけて「とけ、とけ、とけ、とけー、みちゅかったー(時計を見つけましたわよ)」と、えらい喜びようである。

ようやく実家の最寄り駅に着く。家を出たときはカンカン照りだったのだが、着いたときには曇っていたので歩くことにする。しかし娘は歩き始めてすぐに「もう、あるけない」と言い出した。しゃーないなあ。抱き上げて歩き始めると、雨がパラつき始めた。あらら、娘を抱いてると傘が差せないですよ。やっぱりタクシーを使うべきだったかと思いながら歩くのである。

しかし重い。耐えられなくなってきたので、途中の公園で降りてもらって遊ばせる。娘は「あさ、こうえん、いった」とか言っている。今朝は公園には行ってないはずなんだがな。どうも、「あさ」というのは彼女にとって「過去に」という意味らしい。

何とか僧侶が来る時間には間に合った。妹とその配偶者側の家族は、昨日来たので今日は来ないそうである。今回の参加者は母と私と娘の3人だけ。私が来なかったら母だけになってしまうところだったな。無理して来て良かった。そう思いながらお経を唱えてもらっていたら、窓の外でピカッと光って大粒の雨が落ちてきた。夕立ですか。

坊さんが帰ると、親子孫3人でまったりと過ごす。娘は祖母の膝の上で寝かけたが、けっきょく眠れなかったようだ。私は横になると眠ってしまっていた。やはり疲れている。背中が痛くて、いちど横向きにならないと起き上がれない。

実家で早めに夕食を食べてから帰ることにしていたのだが、娘の機嫌が悪くて飯を食ってくれない。「眠いんやわ」と母は言っている。母におにぎりを握ってもらい、機嫌を取りながら口に入れる。しかし、おかずはほとんど食べない。困ったもんである。

母が妹のお義父さんの好物であるぜんざいを作っていたというので出してくる。茶碗に入れられたのをすすらせてみたら、熱いと言って泣いて怒る。あらー、たしかにこりゃ熱いわ(事前に確かめろよ)。それでも、スプーンにすくって冷やしてから食わせると気に入ったようで、私の分まで欲しいと言うほど食ったのであった。

夕立が去ったら天候は回復するのかと思っていたのだが、我々が帰る時刻になってまた雨が降ってきた。娘を連れてたんじゃ歩いて帰れないな。タクシーを呼んでもらって駅に向かう。運転手さんによると、昨日も強い夕立が降って道が川のようになっていたそうである。

電車に乗り座席に座ると疲れていることを実感する。やっぱり日帰りはこの齢には厳しいなあ。娘はすぐに寝るかと思っていたのだが、かなりハイテンションである。ずっと適当な歌詞とメロディーで歌を歌っている。器用なことや強情なこともそうだが、このあたりも亡くなった父に似てるのかなあ。

そして娘は祖母に持たされたチョコレートを食いたいという。すぐに寝るからいいんじゃないかと思うんだがねえ。食わせてすぐにお茶を飲ませたのだが、またチョコレートを食いたいという。それを拒否するとかなり不満そうだったのだが、私の方に倒れてきたと思ったら動かなくなってしまった。やっと眠ったか。

冷房が効いているので風邪を引かさないようにしないといけない。リュックに入っていたバスタオルがミスドの景品のものなので、幅が狭くて娘の身体をすべて覆えない。なんでこういう標準から外れたサイズにしたんだろう。布を少なくするためなのか?

乗っている特急電車が新開地で停まった。なんで「梅田方面にお急ぎの方は…」とか言ってるのかなと思ったら、「この電車は阪神三宮行きです」とか言うじゃないですか。慌てて眠っている娘に靴を履かせて抱き上げ、向かいのホームに停まっている阪急特急に移動する。シートに下ろしても、まだ娘は熟睡しているのであった。

西宮北口で隣に座ってきた茶髪のねーちゃんが臭い。体調が悪いので吐きそうだ。娘の頭を膝の上に乗せているので逃げられない。拷問である。そんなに香水付けてて自分が嫌にならないですか。昔は暗殺に備えて毒に対する耐性を鍛えるために少しずつ量を増やしながら毒を服用した人もいたというが、そういうことをやってるのかなあ。

大阪に着いた。娘を抱いて阪急梅田からJR大阪まで移動するのは、もう「よーいしょ、ハッハッ、よーいしょ、ハッハッ、…」などと掛け声をかけながらでないと、やってられない。阪神で帰るつもりだったから後ろの方の車両に乗ってたから阪急では前方まで歩かなきゃいけないし。さらにJRでは無用な競争を避けるため後ろの方の車両に乗るためまた歩く。砂袋を抱いて行軍しているようである。

娘は途中で目を開けたが、まだ覚醒してはいないらしく、歩きそうな様子ではない。環状線のシートに下ろすとすぐにまた横になるのであった。

こんな重いのを抱いてるとまったく動きがつかない。プリペイドカードや定期券を改札機に入れるのも一苦労である。これじゃあ、戦火に追われたら君を連れてけないぞ。満州に子供を置き去りにした人たちの気持ちがわかるなあ…って、まだ甘いですかそうですか。



7月17日(祝)
今日は保育所が休みなので娘のお相手。彼女は部屋の中に大型のブロックを積んで自分の「家」を作っている。その中にはオモチャの食器が整然と並べられ、人形が布団を掛けて寝かされている。その中に入れと言われるのでお邪魔するとお茶を飲むかと訊かれる。断れない雰囲気なので飲むと応えると、オモチャのコップを渡される。おままごとですか。やっぱり女の子は違うね。

雨が降っていて外に出られないので、娘はストレスが溜まっているようである。私も外に連れ出せた方がラクなんだがなあ。私が疲れて横になっていると、娘は「とんとんしたろ」と言って胸をトントン叩いてくれる。甲斐甲斐しいもんですね。

しかし、やっぱり子供の相手をするのは大変だ。近所にも子供が多くて外で遊ばせていてもそれほど心配のない時代ならともかく、今のような世の中で子供の面倒を一日中見ていなければならないお母さんというのはものすごい負担なんじゃないだろうか。専業主婦だってこりゃ耐えられないですよ。



7月18日(火)
休み明けは疲れる。しんどいので、帰りの近鉄は乗り換え駅の鶴橋から始発駅の上本町まで戻り、座って帰ることにする。始発なので、いちばん後ろの席を確保できた。それで本を読んでいると、鶴橋駅で駅員が車椅子を押して乗ってきた。車椅子を固定するスペースに行くのかと思ってたら、席を空けろと言うのである。

見ると、ヨボヨボの爺さんが乗っている。それを座らせるために空けろと言っているらしい、こっちを見てそう言われたら立たないわけにはいかない。何食わない顔で立ち上がり,吊革に掴まって本を読み続ける。肩に掛けた鞄が重い。

遅れて乗り込んできた婆さんが爺さんの座った横の席を指さして「空いてるから座ってください」とか言ってるが、そんなとこ座れるわけねえじゃねえか。件の車椅子は、折り畳まれて降りていった。駅の装備品だったか。しかし、電車の中で立ってることもできないで、どうやってここまで来たんだろう。

王監督の手術成功ですか。それはよかった。「転移はない」というのは良かったけど、腹腔鏡を使用して「胃の全摘出手術」って、そういうこと可能なんですか。切除したあと食道と十二指腸を繋がなきゃいけないし、消化液も漏れたりしないんだろうか。そもそも胃をどこから取り出すんだろう。

「マイクロソフトのサイトで障害が発生、復旧のめどは立たず」って、それじゃあろくにサポートしてもらえない一般の会社じゃマイクロソフトの製品を使ってシステムを構築しようなんて思えないよなあ。やらされてるけど(;_;)



7月19日(水) 
朝からスゲエ雨である。寝てても窓の外でザーザー降っているのが聞こえる。家を出るときには小降りになっていたのだが、電車に乗って気がついた。今日は昼前から京都まで往復するのに鞄の中には短編集のミッションスクール田中哲弥:ハヤカワ文庫 JA (850))しか入れてないでよ。

それじゃ、電車の中では食事をするしかないな。そう考えて京橋のダイエーでパンとジュースを買い込み、ついでに隣の本屋に入ると、映画公開にあやかった日本沈没コーナーの隅に天変地異の黙示録―人類文明が生きのびるためのメッセージ」小松左京)があるのを見つけてしまった。小松先生の著作で新書なら買うしかないでしょう。

移動中にはこれを読めばいいか。小説はとりあえず持っているものの中で死ぬまでに読んでおきたいものはある程度片付けたような気がするからな。それで読み始めたが、各部ごとに語り口も違えばテーマもそれを見つめる視点も違うので、1冊の本として読んでいるとかなり戸惑う。これは、日本沈没でブームが来ると見て、その辺にあるテキストを寄せ集めて作った本なのかな。まあそれでも、こういうのが読めるのは嬉しいんだが。



7月20日(木)
今朝も目が覚める前から強い雨がざばざばと降っている。仕事を終えて職場を出たときも雨脚が強く、屋根のある陸橋を歩いていても水滴が空中を飛んでいるのを感じるくらいである。梅雨明けはまだまだ先かなあ。

帰りに本屋に寄り、カミさんから買ってくるよう言いつけられていたバガボンド(23)」を買う。

ついでに日本沈没 第二部もちょっと立ち読みしてみたが。やっぱり「あの」日本沈没の続編だと思って読むと文体に違和感がある。文章と自分の間の距離感が大きい。まあ、文庫が出たときに買わせていただきましょう。私はハードカバーを買わない人だし。

まあ、谷甲州氏が今の日本で最も油ののりきったSF作家だということは、つい最近エミリーの記憶を読んで認識させられているし、作品のスタイル的にもこの人をおいて他にないというのは理解できるんだけどね。

試しに前作の文庫版も読んでみたのだが、やっぱり1ページも読まないうちから、明らかに感触が違う。これはもう、どうしようもない問題だ。

こんなに強い雨が降っているのに、家の近くの神社では祭りをやっているようである。まあ、例年なら梅雨明けしている時期だからなあ。家に戻ってカミさんに言うと、彼女は中止になっていると思っていたようで雨がやんだら行こうと言っている。

家族全員で夕食を食べ、雨が小降りになったので祭りに行くことにする。傘を差して歩いて行ったのだが、神社の境内は人が多くて傘を差す/差さないの判断が難しい。露店のひさしの下なら雨をしのげるのだが、その範囲は狭い。歩き回っていると、けっこう濡れてしまった。

私は息子、カミさんは娘を連れて歩き回る。息子は自分の財布を持ってきたが、中身を見ると65円しかなかったとか言っているので500円を渡す。保育所の祭りで使いすぎたんだろう。それで彼はまずラッキーボールをするが、ダブルリーチがかかったのにけっきょく並んだ穴には入らなかったのであった。

息子が残り200円では遊ぶものがないとか言っているので、パチンコなら200円でできると言う。彼は「えー、子供がパチンコしてええの?」とか言っているが、祭りのときに出てるものは子供がやるためのもんだよ。私も子供の頃はデパート屋上の遊園地でよくやったもんだ。

このパチンコは、穴に入ると金属製のリングが出てきて、その数によって景品がもらえるらしい。展示されている景品には10個以上必要なようである。まず10個は集まらないだろうから景品はもらえないだろうけど、息子にはけっこう楽しめそうな気がする。

それで球を買ったのだが、筒状の容器に球が入ってそれを下から押すことで球が落ちてくることを息子は知らなかったので球を派手に落としてしまう。パチンコ台の後ろのオジサンに「泥は拭いてや」と言われているが、下は砂利だから大丈夫でしょう。

息子がやり始める。最初は球の弾き方もわからないようだったのだが、「手の小指側を固定して親指ではじけ」とか「いちばん上を狙うんだ」とか言っているとだんだんサマになってきた。穴に入るとリングとともに球も数個出てくるので、けっこう遊べる。

けっきょくリングは5枚貯まった。もう1回やったら10枚になるかも…と思わせるところが絶妙のゲームバランスである。息子はもう1回やりたいと言うかと思ったのだが、もう満足したようである。リングをパチンコ台の後ろのオジサンに渡すと、小袋に入ったガムや飴を5袋渡された。息子はけっこう喜んでいる。まあ、リング10枚の景品もショボかったから、子供にはこっちの方が嬉しいかもしれない。

息子がパチンコをやっている途中にカミさんから先に帰るという電話が入っていたので二人で帰る。息子はけっこうパチンコを気に入ったようである。まあ、ラッキーボールよりも圧倒的にコストパフォーマンスは良かったね。しかしカミさんに「パチンコ中毒になったらサラ金から金を借りて腎臓まで売らなあかんようになるかもしれへんで」と脅かされて「ぼく、大人になってもパチンコせえへんわ」とか言っている。いや、自分でコントロールできればいいんですが。

来週は夏休みを取って実家に帰る予定のため原稿ができないとカミさんが怒っているようなので、今夜は私が子供たちを寝かせる。しかし今夜も娘が寝ない。寝ないのはまだいいが、他人を踏みつけるのはやめなさい。もうキミのパワーなら急所を踏みつぶすことも可能なんだから。最悪の場合、救急車を呼ぶ羽目にもなりかねない。2歳児に病院送りにさせられた…ってことになったら恥だよなあ。

ボビーが「WBC組に優勝した満足感があって、うまくコントロールできなかった」と分析していたらしいが、やっぱり、いかに選手のモチベーションを高めるかということを考えてるんですねえ。プレーの結果しか見てない(ように見える)某監督とはえらい違いだ。

うわー、ひっでぇなあ。安全装置に異常が多発し、在庫不足から安全装置を通さずに配線する不正改造を促す文書を配布していたって、いったい…この文書に関わった人間は全員、(比喩でなく)切腹ものですぜ。



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