2001年 3月中旬の日記
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3月11日(日)
息子が起きたようだ。私の耳元で「もー、あさですよー」とか言っている。うー、まだ8時過ぎじゃないか。しかし彼は寝室を出て階下に下りてゆく。寝室内にカミさんはいない。だったら起きるしかないか。彼を追って居間に下りてゆくとカミさんがいた。まだ出かけていなかったらしい。息子の熱を計っている。36度台だそうである。それだったら、今日は熱を出さなければお義母さんに法事に連れて行ってもらう予定だったので、そうしてもらえばよかったかな…などと思っていたら、カミさんが電話をかけ始めた。どうやらお義母さんに連れて行ってもらえるらしい。有り難いことである。

今日は妻子がいないので、昨日できなかった自分の用事をする。それから、保育所から先日の生活発表会のヴィデオが来ていたのをダビングしておくようにカミさんに言いつけられていたのでコピーしなければならない。しかし私の部屋には8台のヴィデオデッキがあるのだが、平均年齢が10年を超えているのでみんなガタがきているのである。そして部屋が荷物で一杯なので、多少調子が悪くても修理に出すには大変な作業が発生するのである。デッキをラックから出すためには、まるで倉庫番みたいなことになる。特に最近、ヴィデオはほとんど観てないし。VHSのデッキなんか4台あるのにここ1年くらいの間、使ったのは1台だけだったりする。VHSからVHSにダビングするには当然VHSを2台稼働させなければならない。メカがイカレてる可能性もあるよな。試しに新品のテープを入れてみると、デッキがテープを飲み込んで出てこなくなってしまった。あちゃー、こりゃ駄目だ。倉庫番をしなくちゃいけないのかぁ。

とかいいながら、ダビングはあきらめてMacNiftyのフォーラムを巡回する。私はNiftyのフォーラムはいまだにMacで読んでいるのである。過去ログの移行が難しいし、Windows用の通信ソフトやログブラウザは使いやすいフリーウェアが少ないからね。そして、過去ログをPDにバックアップしようとしたら、Macに接続しているPDドライヴがディスクを認識しなくなっている。前々から認識しにくくなっていて、何度もディスクを出し入れしないと認識しないようになっていたのだが、今回はまったく読めそうな気配がない。だましだまし使っていたが、ついにコイツも限界かな。さて、どうするか。これ以上Macに投資はできないしなあ。

必死でPDを認識させようとしているところに電話が鳴った。お義母さんからである。息子を駅まで迎えに来いという。あれ、夕食までカミさんの実家で食べて来るというように聞いていたんだけどなあ。まあいいか、そう言うなら迎えに行かねばなるまい。最寄り駅まで自転車で行き、改札の前で待つが、なかなかやって来ない。寒い。とても寒い。身体の芯まで冷える。20分待っただけで死にそうになってしまった。お義母さんに「顔色が悪いわよ」と言われてしまったのだった。お義母さんも風邪を引いて体調が悪いようである。そういうことですか。

ついでにスーパーで買い物をする。店に入ると息子が「おしっこ」と言ったので彼を連れてトイレに行く。トイレに入ると彼は「シンちゃん(仮名)、たかかったら、おしっこできへんなー」と言う。先日彼が母親と出かけたときに一人で男性用トイレに入ったのだが、小便器が高くて用を足せずにベソをかいて出てきたらしいのである。そのときのことを言っているのだ。よほどショックだったらしいな。ショウガ蜂蜜が切れかけていたのだが、運良く見つけることができたので買う。一通り買い物をして家に帰ったが、先日潰れたスーパーの跡地に百円ショップが開店していたので見に行くことにする。店内に入るとまずゲーム機があるので息子が遊びたがる。椅子に座ってボタン類をガチャガチャやっているが、それじゃあんまり面白くないだろう。金は入れてやらんぞ。売り場に行って客の様子を見ても、開店直後だというのにそれほど盛り上がっていない。スーパーだと一種異様な雰囲気になるんだがなあ。まあ、百円ショップだと安売りするわけにもいかないだろうからね。この雰囲気を持続するのが大事だということかな。でも百円ショップは最近出店ラッシュで過当競争になりつつあるんだが。品揃えを見ても、それほど大量に必要としないものが多いような気がするからねえ。

カミさんが泣きながら帰ってきた。病み上がりに無理して病気の亭主と子供を置いてまでイベントに出て行ったのに、何で泣きながら帰ってくるかね。聞けば、初対面の人を駅まで車で送っていったのだが、難波と言いながら日本橋の駅で降ろしてしまったそうなんである。あらあら、アナタがそういうヒトだと知ってる相手ならともかく、初対面の人にそれをやるとマズいですね。彼女は家に帰ってからも連絡を取ろうとしていたが、遠方から来られていたので私が寝るまでには帰宅されてなくて連絡が取れていなかった。先方の家族への説明でもミスって、心配させちゃったみたいだしねえ。

今日は久しぶりにヒッパレを観た。いや、今週はアタリでしたね。まずはEVE。いつ聴いてもいいなあ。背筋がゾクゾクします。そして、関東裸会の唄関東裸会 三羽鳥)に強烈にウケてしまった。いーなー、これ。私ゃ、とんねるずはあんまり好きじゃないのだが、それでもこれは笑える。PaniCrewのダンスも凄かったねえ。とか思ってたら、KENYA with J-TRAPはさらに凄い。その上、踊りだけじゃなくあの女声ヴォーカルが巧い。踊りながらあれだけ歌えれば大変なものであります。桑名正博氏の息子の美勇士君も二世といいながらけっこう歌えてたし。これで最後がてん・むすじゃなければ言うことはなかったんだがなあ(苦笑)。



3月12日(月)
今朝は早めに目が覚めて半覚醒状態を彷徨っていたが、けっきょく7時半まで寝ていた。いつもの時間である。今日も通勤中に銀河帝国の弘法も筆の誤りを読んでいる。往きに「銀河を駆ける呪詛」のちょうどいいところで職場に着いてしまったので、昼休みに職場近くの書店で続きを読み終える。でも、けっきょく駄洒落で落とすわけなのね。

今日は19時過ぎに仕事を終えて本屋廻りをする。ジュンク堂ハイウェイ惑星石原藤夫:徳間デュアル文庫)を買った。学生の頃に買って読んだ記憶はあるが、手元にないので買っておいた方がいいだろう。

家に着いたのは22時近かった。カミさんは電話中である。息子はもう寝ている。寝室に入ってゆくと、眠っている彼の額には冷却シートが貼ってあった。また熱を出したのか。昨日は元気になったと思ったんだけどなあ。

カミさんと話していると、階上で戸の開く音が響いた。息子が起きたらしい。オシッコか。だったら偉いのだが…と思ってトイレに入れようとすると「おふとんで、でてもーた」と言う。それで起きたのか。着替えさせてすぐに寝るかと思ったのだが、寝るのを嫌がるのでしばらく両親で交互に抱いて過ごす。顔が赤い。けっきょく、しばらくすると私の膝の上からズルズルと滑り落ちてゆくので、座布団で受け止めてその上で寝かせる。そして、完全に眠ってから抱き上げて寝室に連れてゆくのである。



3月13日(火)
カミさんの「だんなさん、ごめん。8時半」という声で目が覚める。まあ、こういうこともあろうかと今日は10時出社の予定にしていたのだ。息子を起こさないように起きたつもりだったのだが、私が隣の部屋に行って着替えていると彼は起き上がって階下に下りて行った。居間に行くと、彼は座椅子の上でグッタリしている。そういう状態になるなら寝てるべきだと思うんだけどねえ。それでも私がパンを食べると彼も袋を開けてパンにかぶりついた。まあ、食欲があるなら大丈夫だろう。朝刊を取るために玄関を開けると、外では雪が舞っている。何てこったい。

今日から通勤時に影が行く ホラーSF傑作選」(創元SF文庫)を読んでいる。まずは往きに「消えた少女」(リチャード・マシスン中村融)を読み終えたが、四次元空間の説明や描写がどうにも納得できない。帰りには「悪夢団」(ディーン・R・クーンツ中村融)を読み終えた。救いのない話でしたが、これは超能力の描写にリアリティがありましたな。

今日は息子が保育所を休んでいるので仕事を早く切り上げて帰る。一日中カミさんに息子の世話をさせるわけには行かないだろう。19時前に家に着いたが、誰もいない。まさか息子の調子が悪くなって医者に行ったとか入院したとかはないだろうな…などと縁起でもないことを考える。まあ、PHSにメールも入ってないから大丈夫だろう。などと思いながら、パソコンを出してきて通信を始めるのである。

19時半過ぎになって妻子が帰ってきた。買い物に行っていたらしい。息子が先に居間に入ってくる。とりあえずは元気なようだ。彼が鞄を壁に掛けようとしたとき、貼り付けてあるフックの先がポッキリと折れてしまった。彼は「とれちゃったー、かなしー」と言って泣き出した。その後も「とれちゃったー」と言いながら泣き続ける。「とれちゃったー」と繰り返して、えーんえーんと泣く。ぜんぜん立ち直れない。新しいのを買って貼り付ければいいだけの話なんだがな。やはり、ちょっと弱ってるんだろうか。

カミさんが買ってきた惣菜で夕食を食べ始める。食い物を口に入れて、やっと息子は立ち直りのきっかけをつかんだようである。やはり例によって空腹のせいでテンションが下がってたのか。その程度のものなのね。

夕食中に彼は「うんち」と言いだした。私がトイレに連れてゆく。最初の一撃が便器の中に勢いよく投下された瞬間、彼は「おしり、いたいいたいいたいいたい…」と叫んだ。大きすぎたらしい。その後も便器に座っている間「いたい」「いたい」と言い続ける。そういうことでは立派な「受」になれないぞ(おいこら)。

息子は『たけしの「万物創世紀」』で新幹線の輸送をやっているのを観て非常に感銘を受けたようである。「しんかんせん、おっきかったなー」とか言っている。カミさんも「ビデオに録っとけばよかった」とか「輸送する日がわかってたら吹田の車庫まで見に行くのに」とか言っている。息子の影響かな。

息子は今夜は母親と寝たいと言っていたのだが、私が寝かせることになる。カミさんは同人誌の編集作業があるらしい。息子は階段を上りながら「かんとー、はだかかーい」とか言っている。アレがよっぽどウケたらしいね。私もそうなんだけど。



3月14日(水)
昨夜は私が息子を寝かせたのだが、私がウトウトしかけると彼は「とーちゃん、とーちゃん」と呼びかけてくる。そして「ここ、かい。くすり、ぬって」と言うのである。アトピーなのであちこち痒くなるらしいのである。もう何度起こされたことか。本人も辛いだろうが私もツライのである。薬は飲ませたり塗ったりしてるんだけどねえ。

今朝は尿意で目が覚めた。もう明るくなっている。トイレに行って時計を見ると6時である。今日から出張なのでThinkPadのデータをFIVAにコピーする処理を走らせてから寝ようと思っていたのだが、FIVAが立ち上がるまでの間にあちこちのサイトを覗いていたら7時半になって妻子が起きてきたのであった。

息子の顔がガサガサになって腫れている。アトピーの症状であろうか。ちょっと酷くなってきたかな。医者に行った方が良いかとも思うのだが、今日は母親は確定申告に行くのである。まあ、もう少し辛抱してくれ。命に別状があるわけじゃないし、医者に行ったからといって劇的に良くなるとは思えないからな。悪い親なのである。

今日も移動中に影が行くを読む。出勤時に「群体」(シオドア・L・トーマス中村融)を読み終えた。こういう、怪物が出てきてパニックになるというのはすごく懐かしい感じがしますねえ。こういうのは好きです。まさしく「ウルトラQ感覚」。まあ、ウルトラQだったら、もう少し最後は怖い余韻を残して終わったんだろうけど。私ゃ、ウルトラシリーズではウルトラQがいちばん好きなんですよ。某所でそう発言したら誰も賛同してくれなかったけど。特撮がルーチンワークになってない頃の熱気のようなものを感じるんですよね。SFしてるし。

そして、大阪の客先から新大阪までの移動中に次の「歴戦の勇士」(フリッツ・ライバー中村融)を読み終えた。これは、なかなか緊迫感がありましたね。それから、新幹線に乗ってる間は長編を読もうということでフラッシュフォワードロバート・J・ソウヤー:ハヤカワ文庫)を読み始める。やはりソウヤー氏の小説は面白い。東京まで3時間、一度も眠ることなく読めてしまう。これは大変なことだ。まだ半分くらいしか読めてないんですけど、フラッシュバックの反対だから「フラッシュフォワード」なんでしょうか。ああ、読むのが遅いなあ。

東京に着き、地下鉄への乗り換え駅まで総武線の快速に乗ったのだが、2階建て車両に乗ると非常に空いている。余裕で座れた。東京からの電車がこんなに空いてるなんて信じられな〜い…などと思っていたら、そこはグリーン車だったのだった。降りるためにデッキに移動すると、「グリーン券を買ってない奴はデッキに立つのも許さん!」という意味のことが書いてあった。あららら。降りてからそれ以外の車両を見ると、乗客がスシ詰めになっていたのだった。知らなかったとはいえ、ちょっと申し訳ない気分。

今夜はホテルで独りなのでマイペースで日記が書ける、などと思いながら必死で日記を書いていたら4時を過ぎてしまった。ちょっ書きすぎたな。いつもより寝るのが遅くなってやんの。馬鹿じゃなかろか。そういや、今日はホワイトデーだったか。ここ数年、何もしていないような気がする。イカンなあ。



3月15日(木)
今日は朝から23時過ぎまでずっとカンヅメで仕事。ホテルも仕事場から歩いて5分のところに泊まっているので本を読む時間もない。仕事場のビルに入るのにIDカードが要るので部外者は昼休みに一人で行動することもできないし。日記に書けることなんて、何もないのである。



3月16日(金)
ホテルのベッドの上で目が覚めた。昨日の下着を着たままである。ああ、シャワーを浴びる前に寝てしまったんだな。たしか日記を書き終えてHTMLに整形しようとしたところでベッドの上に横になってそれっきり…だったんだ。夜中に寒くなって毛布の下に潜り込んだのは覚えているが…今は何時だ?…6時半か……6時半!? まだ昨日はインターネットに接続してないんだ。昨日の朝日の朝刊の記事はもう消えてしまったか? 一気に目が覚めた。飛び起きてFIVAの電源コードをコンセントから引き抜き、机の上からベッドの枕元に移動させる。電話のモジュラージャックが、部屋の机と反対側にあるのである。見てみると、まだ昨日の記事が残っていた。ありがとう朝日。更新が遅くて助かったぜ。一通り巡回してシャワーを浴び、日記を整形して上げる。その頃にはもう、今日の朝刊の記事が上がっていたのだった。

今日は客先での打合せが早めに終わったので、予定より早い列車で大阪に帰れる。まあ昼飯抜きで客先に移動したので、時間的にそれほど得をしたわけではないのだが。東京駅に着き、予約していた便の変更をするために窓口に並ぶ。しかし、列が全く動かない。いちばん前のオッサンが「…はできますか?」「…はできますか?」と繰り返している。こりゃダメだ。こういうのはツラいよねえ。時間がかかる人間だけ窓口を分けるというのは不可能だし。いや、かつて「●品目以下」用の特別のレジを設けたスーパーがあったらしいが、「なんで1品目多いだけで利用できないんだ」とか「あそこだけ空いているのは不公平だ」とかいう、システムの趣旨を理解できない客からのクレームが多くて定着しなかったという話も読んだことがあるからな。とかく人間というのは度し難い存在なのである。とにかく、このままでは埒があかない。改札の中に入って新幹線の改札前の窓口で予約したが、ここでもかなり待たされた。これだったら自由席に乗った方が良かったかな。まあそれでも乗った車両はほぼ満員だったから自由席もかなり競争率が高かっただろうと思うことにしよう。

明るいうちに新幹線に乗るのは久しぶりである。座席は通路側だったのだが、東京駅を出るときには窓側に人が座っていなかったので息子のためにデジカメで窓の外の電車を撮る。このあたりは多くの路線が並行して走っているのである。新横浜で窓側の席が塞がったので、東京駅で買った弁当を食べてフラッシュフォワードを読み始める。さすがに疲れていたようで、途中で眠ってしまって最後まで読み通すことはできなかった。でも、このプロポーズのシーンは感動的だねえ。翻訳物を読んでこれだけ盛り上がるというのは久しく体験したことがない。原文の力か訳者の力か…おそらくその両方だろう。

家に着いたのは21時前だった。息子が出迎えてくれる。「とーちゃん、なんで、はやくかえってきたん?」とか言われてしまう。こんな時間で早いと言われてしまうのか。まあ、ここ2日間、家に帰ってなかったからね。JRの駅で電車の載っているパンフレットを見つくろって持って帰ってきたのだが、息子にはけっこう喜ばれる。ただ、新しい資料を見ると「これ、なに?」攻撃が始まってしまうのが問題点だが。逆にそれが無い方が問題なんだけどね。

ちょうど妻子は風呂に入るところだったようである。背広から着替えるついでに私が息子を風呂に入れることになる。今日息子はアトピーの件で医者に行ったらしい。注射をされて、痛いと言ったが泣かなかったそうである。カミさんがそう言うと、引き続き彼はそれを私に一生懸命説明してくれる。そうか、偉いぞ。こういうときは褒めてやらなくっちゃね。カミさんに腕の絆創膏を剥がしてやるように言われるが、彼は自分で剥がしてしまった。絆創膏が貼られているということは、検査のための採血だったのね。風呂場への階段を下りながら彼は「かんとー、はだかかーい」などと歌っている。「へんな、うたやなー」とか言っている。一週間近く経ってもアレが頭に残ってるのか。よっぽどインパクトが強かったんだねえ。



3月17日(土)
昨夜も息子と一緒に寝たので、今朝は7時に起きて通信をはじめる。8時半になっても妻子は起きてこない。息子を起こしに行かなきゃいけないな、と思いながら書き終えた日記を上げようとしたら…FTPソフトがサーバに繋がらないのである。何でこんなときにトラブるかね。Webのブラウズもできなくなっている。サーバを開けてみると、何かのプロセスが例外を起こしたという青い画面が出ていた。たくもう、これだからWindowsは…などと言いながらサーバを再起動させるのである。そうこうしていると9時前である。9時半には保育所に入らなきゃいけないから、9時20分には家を出なければならない。そうすると今から息子を起こして10分で飯を食わせて10分で着替えさせて…大変だ。(そう思うんだったら、ネットワークの復旧をする前に保育所に連れて行きなさい)

寝室に入っていってもカミさんは全く起きる気配がない。ごろんと寝返りを打っただけである。息子は調子が悪い。食欲もない。けっきょく、パンを少し囓っただけで出かけるのである。玄関を開けると、地面が濡れている。雨が降ったのか。今は降ってないように見えたので玄関を閉めて出かけようとしたが、門を出ようとしたところで雨粒を感じた。まだ降っているのか。そのまま行こうかと思ったが、けっこう雨粒が大きい。一人ならいいけど子供を濡らすわけにはいかない。また鍵を開けて傘を取りに入るのである。息子は「わすれもの、したん?」などと訊く。忘れ物じゃないんだけどね。

保育所に着くと、息子はまた愚図りだした。「かえりは、かーちゃんが、いい」とか言っている。はいはい、そう伝えておくよ。彼は泣きながら手を振って別れたのである。父親に抱きついて離れない、という状態ではなかったのでラクではあったのだが。家に帰って、今日も今日とて通信である。しかしカミさんは昼過ぎになっても起きてこない。全く起きる気配がない。朝もそうだったしなあ。どこか悪いんだろうか…などと思っていると、やっと起きてきた。べつに調子が悪いこともないようである。

今日は、息子はカミさんが連れて帰ってきた。夕食を食べながら筋肉番付を見る。今日はSASUKEスペシャルなのである。これは見ちゃうよねえ。息子は山田勝己さんが失敗するのを見てベソをかいている。なんか、感情移入してしまったらしい。まあ、あの場にいた全員が彼に感情移入していたような雰囲気だったからねえ。

今日、ウチの実家から手作りのイカナゴ釘煮を送ってきたので電話をかける。息子に代わるが、ふざけてちゃんと会話にならない。カミさんが代わって話をしている間に彼が絵本を「よんで」と持ってきたので「電話でふざけるヤツには読んでやらへん」と言うと、ベソをかいて「ごめんねっ」と言う。「父ちゃんに謝ったってあかん。ばあちゃんに謝れ」と言うと、泣きそうな顔でカミさんが話し終えるのを待っている。受話器を受け取って「ごめんねっ」と言うが、向こうには何のことだか分からない。こちらから指示して、やっとのことで「ふざけて、ごめんねっ」と言えたのであった。

妻子が風呂に入ったのでヒッパレを観る。辺見えみりSMOOTH ACE、良かったっすねえ。ワンダフL!グレイト! 素ん晴らしいヴォーカLグループを知ることができるのもこの番組のいいところである。んで、SweBe、解散ですか。惜しいっすねえ。あの声の混ざり方は好きだったんだけどねえ。

23時前にカミさんが「●●さん(あえて名は秘す)に電話かけていい?」と言った。また長くなるんじゃないかと言うと「原稿があるからすぐ終わる」と言ったのだが、案の定まったく終わる気配がない。心配だったので終わるのを見届けてから息子を寝かそうと思っていたのだが、これでは寝られない。息子が眠くてグズグズ言いだした。ついに強制終了させるのである。こういうことは滅多にしないんだけどね。さすがにちょっと怒ってしまったのだった。



3月18日(日)
今日も8時過ぎに起きて通信。そのうちに息子が起きてくるのもいつも通り。「オシッコしたか?」と訊くと「もれちゃった…」と応える。着替えるように言うとパジャマのボタンを外しはじめるが、いちばん下の最後のボタンが外せずに外してほしいと言う。いちばん上ならともかく、下の方が簡単だろう。自分でやれと言うと「はずして、ほしいぃ!」と言って泣く。どうも今日は調子が悪いな。そうこうしているとカミさんが起きてきた。今日は早いですな。もうちょっと寝ててもいいのに。

今日はカミさんは息子と一緒に海の時空館に行くという。私も一緒に行くかどうか悩んだのだが、けっきょく留守番することになる。ここしばらく、ずっと休日は息子をカミさんに任せっぱなしだなあ。けっきょく、今日も一日ずっとパジャマ姿で過ごしたのであった。

そういえば、100MBのPocketZipドライブが出るらしい。40MBではアルバム1枚分も入らないので音楽プレーヤー用としては不足だったのだが、100MBなら使えるな。フラッシュメモリよりは安いし。ソニーはメモリースティックを普及させたいみたいだけど、あんな高価い記録媒体を動画や音声の記録用として買えというのはユーザーをナメているとしか思えない。まあ、ソニーだからね(苦笑)。で、PocketZipなら小さいし安いしパソコンからは外付けのドライヴとして見えるだろうから、容量さえ大きくなれば私としては理想の音楽記録媒体なのである。MDがあの録音方式だとちょっと使いにくいからね。パソコンは再生中にすぐ音跳びするし。PCのOSNT系だったら、音跳びはそれほど心配しなくていいのかもしれないけどね。やっぱり、PCを買い換えた方が…(苦笑)

妻子が帰ってきた。息子が疲れているそうである。海の時空館は彼にはあまり面白くなかったらしい。これからは私が息子の担当である。絵本を読んでくれと言ってきたので、寝室で読んでやると言う。彼は寝たくないようで、不満そうである。「よるは、かあーちゃんと、ねる」と言う。まあ、私はそれでもかまわないんだけどね。二人で布団に入って絵本を読むが、彼は何度か枕に突っ伏していた。やっぱり眠かったんじゃないか。

今日はカミさんが息子を寝かせてくれたが、眠い。けっきょく1時過ぎに寝てしまうのである。生活リΘ゙ムが乱れてるな(こら)。



3月19日(月)
今日は職場への往きにやっとフラッシュフォワードを読み終えた。やっぱりソウヤー氏はいいですね。今まで読んできてハズレが無いというのは大したもんだ。そして最後に、必ず着地前に一ひねりしてくれるのが嬉しい。SF作家の鑑だな。普通は広げた風呂敷を畳むのに精一杯で、そこからさらにひねろうなんて考えないものだと思うんですが。

そして続いて再び影が行くを読み始める。帰りに「ボールターのカナリア」(キース・ロバーツ中村融)を読み終えた。最初は「これ、ホントにSFなの?」という感じで読んでいたのだが、最後は見事なSFになってましたね。やっぱり巻末の解説に書いてあるように「SFとホラーはべつに相反する概念ではない」のでしょうね。

今日は昼休みにアロマパラノイド牧野修:角川ホラー文庫)を買った。牧野修氏は文庫が出たら買わねばならないと思っている作家の1人なのである。

夕方、課長から電話がかかってきた。大阪の客先の作業で人手が足りないので、明日出れないかということである。うーん、せっかく明日は休もうと思ってたんだがなあ。その場では即答はしなかったのだが、けっきょく東京の客の仕事が今日中に終わらずにそっちの作業で休日出勤しなければならなくなってしまった。まあ、大阪の客先に行くことになってしまうと、通勤時間が往復で1時間余計にかかるし朝9時半から夜中の22時まで働かされることは目に見えてるからな。こっちの仕事で休出しなければならなくなったのはラッキーだったかもしれないと考えよう。

今日は遅くまで仕事をしていたので家に帰ったときには23時近かったのだが、風呂場の電灯が点いていた。まだ寝てないのか。自転車を停めると窓の中から「とーちゃんが、かえってきた!」と息子の叫ぶ声が聞こえる。洗面所に入っていくと彼は「とーちゃん、きょうは、はやかったん?」と言ってカミさんに「遅せえよ!」と返されている。ひゃー、ごめんなさいー。



3月20日(祝)
今朝は起きると9時であった。昨日は日記を更新できてないので書かねばならない。書き終えてそろそろ自分の用事ができるな、と思っているところに息子が起きてきた。もう11時過ぎか。よく寝たな。カミさんはまだ起きてこない。私は昼から仕事に行かねばならないのだけどねえ。午になったので息子と食事をすることにする。食べ終えてもカミさんが下りてこなければ起こさねばなるまい。私が食事の用意を始めると、私のThinkPadでネットサーフィンしていた息子がすぐに立ち上がって「ごはん、たべる」と言う。やっぱり腹が減っていたか。ベビーチーズを出してきたら、いつもは私が口に入れてやる欠片を食うだけなのに今日は自分でパッケージを剥いて食べてしまった。

食事を終えてしばらくするとカミさんが起きてきた。熱があるとか言っている。仕事はどうするかな。今日は保育所が休みだから息子の相手をするのは大変だからなあ。妻が熱を出したということで休むことにしようか。しかし、課長が「休める程度の仕事だったんかい!」とか思いそうだよなあ。カミさんが行ってもいいと言ってくれたので行くことにする。今日くらいは私が息子のお守りをすべきだとは思うんだがなあ。ぶつぶつ…

職場に着いてから思い出した。そういえば今朝、ウチの実家から妹の結婚式のときの着付けをどうするかとか、いろいろ問合せが入ってたんだった。カミさんに電話をかけるが出ない。固定電話でもPHSでも出ない。彼女は息子に「今日、母ちゃんしんどいから、お家に居よな」と言ってたから外には出てないと思うんだが、どうしたんだろう。寝てるのか病気が悪化したのか。息子はまだ電話が取れないからなあ。しばらく待ってかけ直すとPHSの方に出た。運転中だそうである。大丈夫かいな。やはり今日は出勤すべきではなかったか。そしてカミさんに今日は早く帰れるのか詰問されてしまった。食事の用意の都合があるんだそうである。うう、そんな言い方しなくても…まあ、帰宅時間が不規則な私がイカンのかもしれないが。

今日はこっちのプロジェクトのマネージャーも休出はしたくなかったようで早く帰った。私もカミさんに19時頃に帰ると言っていたので早めに帰る。家に着いたのは19時半であった。そのときには妻子はもう食事を終えていた。カミさんは復活したようである。ホッとする。

テレビから静かに音楽が流れ出した。最低限の伴奏と、そして声。息子がそれを観ながら、一緒に歌おうとし始めた。歌詞を知らないので、辛うじて単語の最後の一音を合わせるのがやっとなのだが。『あなたに』「…に」『あえて』「…て」『ほんとに』「…に」『よかった』「…た」小田さんの「言葉にできない」である。やっぱり小田和正氏というよりも小田さんと書いた方がしっくりくるんだな。明治生命のCMだ。息子は食い入るように画面を見据えて歌詞を追おうとしている。自分がずっと好きだった曲を必死になって歌おうとしてくれている、そういう姿が愛おしい。歌いながら彼は、なんだか泣きそうな顔になってきた。曲調にシンクロしてしまったらしい。もう4歳だから、曲に込められた「想い」も感じることができるんだな。せつない曲だからねえ。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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