2001年 8月下旬の日記
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8月21日(火) 
家の周りで風がうなりをあげている。大粒の雨が窓にバラバラと当たっている。台風である。おかげでよく眠れない。7時過ぎに起きてテレビのニュースを見る。警報は出ていないようである。警報が出ていれば自宅待機なんだがなあ、でも今日は初めて朝から客先に行く日だから行かなきゃいけないだろうな。注意報だけでラッキーだったと思うべきか。今日は早く出かけなければならないのだが、カミさんは起きてこない。起こしに行く。夕方が風雨のピークになるようだから、息子は休ませてやることにする。しかし、食事の準備をしていたら彼は起きてきたのだった。寝ててもいいのに。音が気になったのかな。起きたときには駅まで歩いて行くつもりだったのだが、けっきょくカミさんに車で送っていってもらうことになるのである。意志が弱い。

午後になって台風は近づいてきているはずなのだが、それほど風雨が強くなったという感じはしない。それでも、ビルの窓から伊丹に向かって飛んでゆく飛行機を見ながら「こんな日に飛行機を飛ばすのか。勇気があるなあ」などと思うのである。

台風が来ているというのに今日も21時過ぎまで仕事をしていた。さすがに帰りの電車は空いている。まあ、こんな日にこんなに遅くまで外に出ている奴も少ないだろうなあ。しかし、強い横殴りの雨は対応に困る。家に着いたときには背広もズボンも靴下も、絞れば水が出てくるくらい濡れてしまっていたのであった。

家に着いたときには22時過ぎだったのだが、息子はちょうど寝るところだったようである。私はそのままシャワーを浴びて上がってくると、階上ではまだ息子が起きている気配がする。ちょっと疲れた。肩が凝っている。風邪を引いたかな。葛根湯を飲んだ方がいいか。飯を食うと眠ってしまいそうなので、先にインターネットすることにする。いつも行くサイトを巡回し、日記を書いて上げると1時を過ぎていた。さあ、あとは葛根湯を飲んで食事をして歯を磨いて寝るだけだ。その前にちょっと横になって休もう、と思うと…



8月22日(水) 
昨夜はパソコンの前で死んでしまっていた。目が覚めると7時半過ぎである。ちょっち寒い。風邪を引いたかな。8時前になっても妻子は起きてこない。寝室に上がっていっても二人とも長く伸びていてピクリとも動かない。雨戸を開けても起きない。仕方なく揺り起こすのである。

昨夜も風邪っぽかったうえに寒い格好で寝てたから、朝食前に葛根湯を飲むべきか。でも、葛根湯は腹に対しては下痢をする方向に働くからなあ…と思いながらも飲んだのだが、案の定、通勤中に腹が痛くなってきた。腹巻きもせず、タオルケットも被らずに寝てたせいかなあ。今の仕事場では新入りなので、そんなに遅れるわけにはいかない。何とか仕事場に着くまで耐えるのだ。ビルに入りエレベーターに乗っていると、いよいよ痛みが激しくなってくる。作業場所に飛び込んでパソコンを起動し、トイレに急ぐ。ここは収容人数に対して便器の数が少ない。1フロアで数百人が働けるにもかかわらず、男性用の個室など3つしかないのである。空いてなかったら悲劇的な状況になるなあと思いながらドアを開けると、1つだけ空いていたのであった。ああ、助かった。

栃木の小学生誘拐事件の主犯が逮捕されたらしいが…ずいぶんと悪意のある記事ですなあ>朝日。ここは過去の記事を残してないのでリンクを張れないのだが。1行目から「一見まじめだが、何を考えているかわからず、人と深く付き合うのを極度に嫌う」って…悪かったな! (なんか自分のことを言われているような気になってるらしい)そういう人間は、世間の片隅で真面目に生きてる方が多いと思うぞ。「態度が不真面目で、自分の意見を他人に押しつけ、群れたがる」という人間の方がよっぽど始末に負えんと思うんだが。『「バーチャル(仮想)な世界に浸るうち、現実と空想の区別がつかなくなっているところがあった」と中学時代からの友人は言う』っつうのも、「趣味はパソコンにアニメ、テレビゲーム」ということで記事の方針が先にあって、それに合う意見を載せているんじゃないか。そもそも、こういう型にはまった言葉しか使えないヤツの言うことなんて信じられないぞ。というか、言った方も「得体の知れん奴」と思ってたんだろうな。いかにもオタクを嫌っている人種が使いそうな言葉だし。どう読んでもオタクに含むところがあるとしか思えない。問題にするなら「事件直前の今月6日から無断欠勤し、解雇された。上司に勤務態度を注意されたとたんにやる気を無くしたという」というところだろう。こんな老人の繰り言みたいな記事を書く暇があったら、インターネットに関してもうちょっと真面目に取材して感心するような記事を書いてみろってんだ。朝日のIT関係の記事は、読んでて情けなくなることがあるからなあ。そういえば、容疑者本人のサイトは閉鎖されているようだ。こういうのは保存しておいて、みんなで見れるようにしておいた方がいいんじゃないかと思うんだがなあ。でも、こういう報道のされ方をされると、このサイトを見てさらにオタクへの風当たりが強くなるだろうからな。(斜体の部分は該当記事からの引用です)

今夜も21時近くまで仕事をしていた。家に着くと23時前である。妻子は寝室に入っているようだが、息子の声が聞こえる。着替えに上がってゆくと息子につかまってしまった。元気である。今夜もなかなか寝そうにないな。

今日も風呂に入ってパソコンをいじる。カミさんが下りてきたので夕食を食う。そしてサイトの巡回・更新をしていたら、気がつくと3時になっていた。ああ、明日もキツいな。



8月23日(木) 
カミさんが雨戸を開けた。強烈な光が目蓋を貫いて私の目を射抜く。しかし、起きられない。妻子は先に下りていってしまった。しばらく直射日光が当たっていないカミさんの布団の上に避難して、心身が起動するのを待つのである。

顔を洗って居間に入ってゆくと、息子は昨日に引き続いてトーストの上に目玉焼きを乗せて食べている。しばらくはこれが続くのかな。しかし、片手で持ってダラダラと食べていたもんだから、目玉焼きを床の上に落としてしまった。ベタッと音がする。母親が怒りながら目玉焼きを拾ってパンの上に乗せる。しばらく静かにしていたと思ったら、気がつくと彼は下唇を突き出して目を潤ませている。立ち上がって母親に抱きつきにいく。しがみつくと、顔を胸に埋めてしゃくりあげ始めた。なんだか、泣き方もだいぶ人間らしくなってきたな。

カミさんに自分の飯が食えないと言われ、息子は自分の椅子に戻って食事を再開した。ん? トーストの上に髪の毛が乗ってるぞ。カミさんが「縮れ毛じゃなくてよかった」と言いながら取り除く。しばらくしてまた息子が毛髪を発見した。あ、ひょっとすると床の上に落ちたときに目玉焼きにくっついたのか。パンから目玉焼きを持ち上げてチェックしてみると…げげ、暖かそうな分厚い綿埃をまとった毛髪さんがくっついていた。慌てて排除する。これは食べない方がいいんじゃないかなあ…と思うのだが、こういうときに限って彼はぜんぶ食べるのである。まあ、残飯を漁りながら育つ子供たちもいるくらいだから、大丈夫だろう(苦笑)。

今日は通勤中に「KIICHI-YO」(横山輝一)を聴いている。聴き始めは「ちょっと古くなってるかな」と思ったが、やっぱりノリがいいのである。どの曲もクオリティが高い。毎年のようにアルバムを出していて、デビュー7年目でこれだけのものが作れるとは、やはりこの才能は並ではない。。

どうやらC++でプログラムを作らなければならないようである。この歳で新しい言語を使わないといけないというのはちょっと辛いかもしれないな。まあ、C言語の拡張らしいから何とかなるだろう。VBScriptも初めてだったけど、例を見ながら何とか動くモノが作れたし。

今夜も遅い。家に着いたら23時過ぎだった。息子は眠ったところだそうだ。シャワーを浴びて夕食を終えると翌日になってしまった。しかし、眠い。インターネットを巡回してたら、座椅子に座ったまま気を失ってしまった。まだ日記を更新してないが、今夜は寝ることにしよう。



8月24日(金) 
今朝も起きられないが、昨夜は早く寝た(とはいっても1時だが)ので昨日よりは体調はマシである。息子も今朝は元気だ。グズグズ言わずに朝食を食べている。私も朝食を食べ、急いで日記を書いて上げる。

新しい仕事場で仕事をするようになって、夜も遅いし昼休みも外に出ていない。しばらく本屋に行ってないなあ…などと思って今日は昼休みにビルの外に出て本屋に行く。よろずお直し業草上仁:徳間デュアル文庫)を買った。これは、本が私を呼んでいたんだな。手に取ってみると草上仁氏の短編連作、しかも時間モノといえば買わないわけにはいきますまい。

明日休みたいので、今日は遅くまで仕事をする。VC++は初めてなので苦しんでいる。教えてくれる人がいないのでヘルプを見ながら試行錯誤しているのだが、本当に基本的なことがヘルプを見てもぜんぜんわからないんでやんの。何だこのヘルプシステムは>Microsoft。テキストボックスに入力された値を取得する方法すら見つけられない。オレが馬鹿なのかもしれんけど。Webのサーチエンジンの方がよっぽど役に立つぞ。ただ、Web上には情報がない場合があるとか正確かどうかわからないというのが辛いのだけどね。けっきょく、仕事が終わったときには23時を過ぎてしまっていた。

家に帰ると0時半過ぎである。玄関が濡れている。冷房してるのか…と思いながら居間の戸を開けると…木根さんがいらっしゃった。そうか、明日がイヴェントだったのね。ぜんぜん記憶になかった。だったら、明日休めなかったら大変なことになってたな。



8月25日(土) 
今朝も居間で寝てしまっていた。冷房もつけっぱなしである。また電気代を無駄にしちまったぜ。イカンなあ。今日はカミさんがイヴェントに行くというので、私が息子を保育所に連れて行く。今回は2日連続でイヴェントだそうである。はあ。

息子を自転車に乗せて保育所に向かう。田んぼの上ではトンボが飛び回っている。もう、秋の気配か。保育所に着いたが、やはり土曜日は子供が少ない。息子の教室には誰もいない。子供たちは1カ所に集められているようである。みんなのところに行こうと言うが、彼は嫌がる。抱き上げてくれと言うので持ち上げると、しがみついて離れない。こら、先生が笑ってるぞ。

今日は宮本春日さんのサイトのオフ会である。息子はカミさんの実家に預かってもらうことになっているのだが、今日はお義母さんが遅くなるので息子を引き渡してから現場に行ったのでは間に合わないようである。そういうことで、私が息子をカミさんの実家に連れて行くことになる。しかし、そのままではカミさんの実家に泊まることになって夜にインターネットできなくなってしまうので、遅れてにオフ会に参加することにする。そういう理由で行動を決めるということは、もう真性の中毒ですな。

家に帰り、独りなので新聞社のサイトを廻りながら「8/5 PRiDE」(CORVETTES)を聴く。ベスト盤であるCイズムがあまり良くなかったので通勤中に聴く気にならなかったのだが、それよりもいいような気がするな。全体的に練れてきて「若さ」がいい方向に作用しているような感じだ。それでも私の好みじゃないんだけどね。

一通りインターネットした後、私のマシンに入っているデータをバックアップしながら自分の用事をする。そしてシャワーを浴びていたらカミさんが帰ってきた。木根さんはイヴェント会場から直接現場に行くそうである。私は息子を保育所からカミさんの実家に連れて行かねばならない。念入りに身体を洗っていたら少し遅くなってしまった。慌てて宮本春日さんからFAXで送られてきたという地図を掴んで家を出る。

保育所に着いて私の顔を見ると息子は「ぜんぶ、たべられへんかってん」と言う。昼食は焼きソバだったそうである。昼食がぜんぶ食べられるかどうかが一大事のようだな。保育所を出て駅の方に歩き始めると、家とは反対方向なので息子は不審そうである。しかし、電車に乗れることがわかると駅に向かって走り始める。電車に乗ると、シートに上がって窓の方を向く。こら、そういうことをするときは靴を脱ぎなさい。

電車の中は冷房が強く効いている。息子は「さむい」と言いだした。何度かクシャミをしていたし鼻水も垂れている。風邪気味なのかな。カミさんの実家の最寄駅から歩くが、途中で息子は疲れた様子を見せだした。やはりあまり体調はよくないようである。カミさんの実家に着くと息子は将棋の駒を出してきた。2箱も持ち出してきて、両方とも床の上に開ける。1組でいいんだがなあ。お義母さんが盤を出してこられたので駒を並べていると、息子も並べ始めた。ちゃんと正しい位置に置いている。へえ、教えたことはないはずなのに偉いもんだな。

そうこうしているとカミさんからPHSにメールが入った。会場は2時間しか予約していないとか書いてある。息子をお義母さんにお願いして実家を辞するのである。さて、急がねばならない。家を出るときにカミさんに最寄駅は地下鉄の動物園前だということは聞いていたので、切符を買って電車に飛び乗る。そして地図を広げるが、一瞬どこが目的地だかわからないので焦ってしまった。よく見ると経路を太い線で塗りつぶしてある。なかなかダイナミックですなあ。必要時間をZAURUS乗換案内で調べると、鶴橋で乗り換えて新今宮で降りたほうが時間も料金も少なくて済むと表示された。幸い、日本橋でも鶴橋でも近鉄の料金は同じだったので予定変更して新今宮まで行くことにするのである。

現場は初めてのところなので、少々遠回りになるがわかりやすいように大きな道を通っていくことにする。しかし、歩道上には肉体労働者の方々が溢れている。普段お付き合いのない種類の人々なので、脇を通るだけでも非常に緊張する。私だけ街から浮いている。これは、路地に入らなくてよかったな。

目的地に近づくと今まで見たことのないタイプのお店が軒を連ねている。間口一間程度の入り口の中がすぐに上がり口になっていて、そこにオバサンが座ってこちらを見ている。ケバいねーちゃんが座っているところもある。中は異様に明るい。誘蛾灯効果を狙っているのだろう。

こ…これは遊郭というヤツですか。へえ、まだこんなモノが日本には残ってたんだ。たしか売春防止法とかいう法律があったはずなんだが。こんなに大っぴらに営業してて大丈夫なんでしょうか。日本の古き良き伝統として保存してるんだろうか。それにしては数が多い。ここら一帯、ぜんぶそう。歩いても歩いても続いている。それだけの需要があるということか。中から「お兄ちゃん」と声をかけてくる。ダメっすよ、私ゃ金では買わない主義なんだから。物欲しそうに見えないよう、目を合わさないようにして現場に急ぐ。宮本春日さんのサイトを見ると…へえ、「置屋」っていうんですか。このあたりは私の弱い分野である。といっても強い分野もないんだが。

そういえば、会場の店の名前も覚えてなかった(苦笑)。それらしき店の前でカミさんに電話をかけて確認する。こういうときには携帯は便利だね。やはりこの店だったか。入ると、誰も出てこない。どうなってるんだろう。しかし、古い建物だな。それにデコレーションが不必要に派手だし。しばらく待っても誰も通らないので、帳場の方に入っていって部屋を訊いた。

部屋に入ると、ちょうど始まったところだったらしい。私以外の参加者は宮本春日さん、木根尚子さん、ウチのカミさん枯草姉妹から3人と、私には初対面のkeinさん坂口志貴さん、中川創さん、それから最終兵器おぎのさんである。しかし、ほとんどがサイトオーナーなのね。私は「狼谷の亭主」と名乗る。やおい界でのハンドルネームはこれなのである。この方がアイデンティファイしやすいからね。「●●さんの奥さん」というのと同じである。そして話の内容は……忘れた(爆)。主体がヤオラーの方々だしイヴェント直後だったこともあって、自然と話題はそちらの方に行く。まあ宮本春日さんのサイトのオフ会だから、こういうものか。ケダ板の人がもう少し来られていれば雰囲気も変わったんだろうけど、そうなると私が名乗るのに困るからな(笑)。

遠方から来られている人もいるので帰りは少し慌しくなる。残ったメンバーでどんどん歩いてゆく。どうやらお茶を飲むらしい。喫茶店が混んでいるようなのでSUBWAYでソフトドリンクだけ飲むことになる。茶を飲んでいたら床の下からガタガタッときて横に揺れ始めた。地震か。22時22分。そうは感じなかったが、けっこう大きな地震だったそうである。枯草の面々が集まると、そのやおいエネルギーが地殻に影響を及ぼして地震を引き起こすのであろうか。恐ろしいことである。



8月26日(日) 
朝、寝ていたら電話が鳴った。まだ9時である。カミさんはもうイヴェントに出かけたはずなんだが、何か忘れ物でもしたかな…と思って起き上がり、受話器を取る。何も言わない。イタズラ電話かなとも思って背景ノイズに耳をすませる。…あ、息子か。意を決したように彼が言う。「おうち、かえりたい。むかえにきて」うーむ、今日は一日カミさんの実家で預かってもらって私は遊ぶつもりだったんだがなあ(おいおい)。後ろでお母さんの声が聞こえる。「シンちゃん(仮名)の家、狭いやんか」彼が言う。「せまくない! さんがいだて!」ほう、他人の言ったことに対して理由をつけて反論できるようになったか。まあ、我が家は縦には長くても横には狭いから、掛け算すると結局せまくなっちゃうんだけれども。

お義母さんは今夜も彼を泊めて明日は絵本カーニバルに連れて行くつもりらしい。けっきょく今夜は宮本春日さん木根尚子さんと一緒に例のラーメン屋に食べに行く予定になっているので、彼もそれに参加させて明日またカミさんの実家に連れて行くことにするのである。

起こされてしまったな。今日は妻子がいないので、まとめ買いしていた中古のCDシングルを聴きながらWebを巡回する。しかし、CDを再生しながらCD2WAV32を起動するとCDの再生が停止してしまう。PentiumIIIの700MHzを積んでやってるのになあ。やっぱりWindows2000でもプロセスの管理がちゃんとできてないんじゃないか。この程度のものしか作れないのに、Windows95が出た時点でMacOSのプロセス管理を口を極めて攻撃してたんだから、Microsoftの面の皮の厚さは救いようがないな。とか言ってたら、今度は青画面が出てしまった。再起動である。時間をかなり無駄にする。Microsoftによって奪われた時間は全世界で相当な量になると思うぞ。IEを起動するとウインドウのサイズを忘れている。ちゃんと使いやすい大きさにしてたのに。おまけにまた、表示したページをみんな忘れてしまってるし。何で忘れるんだよ。まったくもう。あああ、ExcelでOfficeクリップボードがまた出てくるようになってる。しかも、何回消してもしつこく出てくる。糞っ垂れ!

「ビールを飲む人よりワインを飲む人の方がより健康だという研究が次から次へと出てきたのは、ワインの健康をよくする性質と同じ程度に、ワインを飲む人たちの社会的地位とか性質にも関係がある、とする新しい知見が発表された」ですか。なるほどねえ。そういうことは十分に考えられますわな。健康にいいという情報に振り回されている人間には耳が痛い。『努力にも階層差が反映している』『文部省が進めた「ゆとり教育」の中で、専門・管理職や高学歴の親を持つ子とそうでない子とでは、やる気と努力の差が拡大する傾向が強まっているという』という階層化日本と教育危機の書評もショッキングだったからなあ。まあ、言われてみればその通りだが。やはり貧乏人の子供は苦しいのか。まあ、それでも能力があればのし上がれるようになってるだけマシだろう。ウチの息子には頑張ってもらわねば。

今日は思う存分パソコンを使えた。これだけ使えたのは久しぶりだな。おかげで一日で200MBくらいハードディスクを食い潰したような気がする。5日で1ギガか。この調子だと残りを数ヶ月で使い尽くしてしまうな(こらこら)。

カミさんが宮本春日さんと木根尚子さんを連れて帰ってきた。今夜はみんなで例のラーメン屋に行くのである。今日は久しぶりに思う存分パソコンをいじり倒せたな、とか思っていたら画面が真っ白になってしまった。うがー、どうしたんだ。今日は酷使しすぎたか。画面全体が真っ白なのではなく、テキストエディタで空白を選択したときのような小さく四角い部分がポツンと見えている。マウスを動かすとそれに応じてその矩形も動くので、システムが死んでいるわけでもなさそうだ。画面表示だけの問題なのかな。シャットダウンさせられるんだろうか。問題は画面を見ずにどうやってシャットダウンさせるかということだな。ふつうは電源ボタンを押すとシャットダウンのプロセスが走るようになっているんだろうが、私はノートを閉じたときにも動いていてほしいので(これもうまく動いていないのだが)、電源ボタンを押すとスタンバイになるように設定しているのである。確かに電源ボタンを押すとサスペンドする。これはOSでやっているはずだから、やはりWindowsは生きているようだ。でも、復帰させてみても状況は変わらない。これじゃ意味がないんだよな。まずはいちばん簡単なパターンで、ウインドウズキーを押してから上矢印を一回押してEnterを押す。…反応がない。続いてCtrl+Alt+Delである。でも、たしかWindows2000って、Ctrl+Alt+Delを押すとメニューが出てきてなかったっけ? まあいいや、Enterを押してしまえ。やっぱりダメか(いま見ると、コンピュータがロックされるみたいですね)。そのうちにマウスを動かしても何も反応がなくなってきた。これは、最後の手段かな。まるで素人だが。電源ケーブルを抜き、バッテリーを外す。画面がブラックアウトする。…ああ、すまないねえ。

さて、バッテリーパックと電源ケーブルを元に戻して起動してみる。これで起動しなくなったら、ハードウェアのトラブルかなあ。そうなったらどうしよう。いちおう昨日にバックアップは取ってあるから重要なデータは復旧できるけど、時間をかければ戻せるようなデータは残してないからなあ。作業量を考えると暗澹たる気持ちになる。通販で買ったから修理の手続きも面倒臭そうだし。…しかし、ちゃんと起動した。やっぱりソフトの問題か。

カミさんが息子を連れてきてラーメン屋に出発する。彼女が駐車場に車を入れようとしてリアシートに座っている木根さんと宮本さんに「後ろ見といてね」と言ってバックしていたら、宮本さんが「あ、ランバ・ラル!」と言った。一同ズッこける。ラーメン屋の隣の中古ゲーム・CD・本屋のモニターを見たらしい。何なの? ラーメン屋でかなりの人が並んでいるので、まずは隣の店に入る。木根さんと宮本さんはモニターの前に立ち止まって動かない。PS2のガンダムのゲームらしい。私は2階の本のコーナーにいたのだが、息子が「すごいでー、きてきて」と言って私の手を引っ張る。何なんだよ、と彼に引っ張られて行くと、モニターの前だった。キミもガンダムにハマってしまったのかよ。しかし見ていると、確かにこれはスゴい。いくらPS2にパワーがあるといっても、ここまでやりますか。これはデモ画面だが、これがコントローラーの操作に応じて動くとなると凄いことですな。宮本さんなどはPS2を買いたいとか言っている。ゲームキューブXboxが出るとか言っているが、これはPS2のキラーアプリになるかもしれないな。

ラーメンを食べ終わると息子は家に帰ると言い出したが「電車の本探しに行こか?」と言うと、隣の古本屋に駆けてゆく。しかし彼はまた入口のところにあるモニターの前で釘づけになる。それから彼は2階の古書のフロアで昔のカラーブックスの近鉄の巻を見つけた。最初はしゃがんで読んでいたが、すぐに私をしゃがませてひざの上に座ってくる。日本人は蹲踞できなきゃいけないんだぞ。へえ、昔の近鉄は赤一色だったのか。息子も「なんで、むかしの、きんてつ、あかかったん?」と訊いてくる。ワシは知らん。そーゆーことは母ちゃんに訊きなさい。当時も近鉄沿線に住んでたはずなんだから。息子はその後もずっとその本を持ってウロウロしている。他のところに移動するときに棚の上に置いたので「買わんでええんか?」と言ったら「かう!」と応える。「それやったら母ちゃんに買うてええか訊いてこい」と言うと母親の方に駆けてゆくのであった。

家に帰ってきてカミさんは息子を風呂に入れようとしたが、彼が「とーちゃんと、はいる」と言ったので彼女は万歳三唱している。ううむ。息子を先に上げて、自分の体を洗ってから上がってゆくと、息子は他の3人が話し込んでいる横でプラレールを動かしていた。やっぱり誰も相手をしてくれなかったのね。

のどが渇いた。身体に悪そうなのはわかっているが、チューペットを冷凍庫から出してきて半分食べる。残りの半分を食べ終わった息子に手を洗うように言うとグズグズ言っているので、金曜日の夜に借りてきたウルトラQを観せる。「ウルトラQ」を観れるとなると元気になるのである。しかし、やはり他の子と話が合わなくなるというので不評である。うーん、だったら今度は初代ゴジラを借りてくるか。ゴジラだったら何の話をしているかくらいは通じるだろう。



8月27日(月) 
今日は通勤中に「GET BACK TOGETHER」(BAAD)を聴いている。なかなかノリのいいロックで聴いてて気持ちがいいのだが、ちょっと盛り上がりが乏しいな。

そして、往きにスター・ハンドラー 上」草上仁)を読み終えた。これは面白かったですね。以前「含まれているいくつかの話よりも、あとがきの方が面白かった」と書いたことがあるが、その後書きのノリで前編突っ走ってしまったような感じだ。

今日はいつもより早めに仕事を終えた。21時過ぎに家に着いたのだが、玄関に入っても階上で何も動きがない。まだ帰ってないのかなと思って居間に入ってゆくと、カミさんがパソコンをいじっていた。息子は彼女の実家にお泊りだそうである。今朝は実家に行くのを嫌がったので家で寝ていて、絵本カーニバルには明日行くことになったので夕方に移動したんだそうで。せっかく早く帰ってきたんだがなあ。

25日の日記を書いていたが、なかなか終わらない。でも眠い。カミさんは寝室に上がっていってしまった。ここで横になると、死んでしまう。しかし、座椅子に座ったまま何度も意識を失う。うう、子供の頃は居眠りするなんて信じられなかったんだがなあ。何とか書き上げて上げたが、最終チェックが不充分である。不安だが、もう3時なので意識がはっきりしないのである。寝る。



8月28日(火) 
今日は通勤中に「Sincerely」(MARI HAMADA)を聴いている。浜田麻里さんのバラード集のようだ。最初の方は「何じゃこりゃ」というような出来だったのだが、後半にはいい曲もありましたな。

今日も早めに家に帰りついたのだが、やはり玄関に入っても階上から反応がない。居間に上がってゆくと、今日は息子どころかカミさんもいない。まだ実家から帰ってないのかな。背広を脱いで、風呂に入ろうかと思っていたら妻子が帰ってきた。息子は疲れているそうで、カミさんはすぐに風呂に入れてしまう。

まだ私の食事の用意が何もできていないという。レトルトのカレーでも作るというので、その間に私が息子を寝かせることにする。彼は先日買ってきた昔の近鉄の本を読むと言う。寝室に入って二人で横になってページをめくり始める。そういえば、息子が「おれんじの、でんしゃ」と呼んでいる今まで2回しか見たことがない車両に似たデザインの電車が載っている。まさかこれがまだ現役で使われているんじゃないだろうな。全ページを眺め終わると、息子は大儀そうに横になった。やはり疲れているようである。多少はゴロゴロしたが、くっついても逃げない。そのうちに動かなくなったが、私も動けない。まあ、このまま逝ってしまってもいいか…



8月29日(水) 
目が覚めると7時前だ。眠いが、やっとの思いで起き上がる。背中が痛い。口の中が気持ち悪い。昨夜は通信できていないから、起きねばならない。パソコンをサスペンドから復帰させるとまたもマウスが使用不能になってしまった。アプリケーションをすべて終わらせて再起動する。またまた時間の無駄である。この糞OSめ。メールとニュースのサイトをチェックし、日記を書く。26日の日記なのだが、なかなか終わらない。8時を過ぎてしまった。今日もチェックが不充分だが上げる。ツライところである。8時を過ぎても妻子は起きてこない。起こしに上がって行くと、カミさんが息子を起こしているところだった。なかなか起きないらしい。昨日は早めに寝たはずなんだけどね。よっぽど疲れたらしい。食事を終えて、慌ててシャワーを浴びる。ちょっと遅れてしまったか。

今日は通勤中に「FOR MY DEAREST」(稲垣潤一)を聴いている。この人の発声法はあんまり好きではないのだが、音楽全体としてみると良かったりするのである。何故なんだろう。「声」じゃなく楽器の「音」として聴いてるのかな。アルバムの出来だが、きっちりと水準をキープしてくるところはさすがである。13作目でこれだけのものが創れるというのは大変なものですな。曲を自分で作らないからマンネリにならない、というのもあるかもしれない。しかし、それはそれで他人に評価される実力と、良いものを選ぶ目と、自分の意見を通せる環境が必要だと思うんだな。

今日は昼休みに球形の季節恩田陸:新潮文庫)を買った。「六番目の小夜子」と「光の帝国 常野物語」が良かったからね。この人はジャンルが幅広いらしいので買ってよいかどうか迷うのだが、解説に「最新作、『光の帝国』(集英社)は、『六番目の小夜子』、『球形の季節』の延長上に位置付けられる作品といえようか」と書いてあったので買うのである。私はミステリやホラーにはツボがないのでね。まあ、望みのジャンルじゃなくても楽しませてくれそうだなという評価はあるのである。そういう作家になりたいものだねえ。

NECのテレビキャプチャユニットが、ネットワーク接続されたPCから視聴が可能となるほか、共有HDDとしがても利用できるようになるそうな。パソコンから操作できるビデオデッキになり、しかもそこにPCのデータも保存できるのか。そういう製品だったら欲しいなあ。でも動画を保存するんだったら容量が40GBじゃ、ぜんっぜん足りないような気もするんだけどね。今のノートの容量を使い切ったら買いそうだ。その頃には容量も100GBを超えているだろう。

今日も(いつもより)早めに退社して21時半に家に帰り着いたのだが、今夜も居間には妻子はいない。家を出た気配は無いので、寝室に入っているのだろう。着替えに上がると息子が起きてしまう可能性があるので、先にシャワーを浴びることにする。CDからのリッピングの処理を走らせてから風呂場に向かう。浴室でシャワーを浴びていると、階上で足音がしはじめた。カミさんが下りてきたかな。でも、なんだか息子の足音のような気がするんだが。上がってゆくと、居間にはカミさんが下りてきていた。しかし、足元に、息子が。

息子はカミさんの横に座布団を並べて敷いてタオルケットを被って横になっていた。眠れなかったらしい。両親が何かやっている横で寝るのが何だか嬉しいようだ。食事をしている私に何かと話しかけてくる。ウルトラQの話だ。ゴメスとリトラの話がお気に入りらしい。私は夕食を食べ終わったが、息子を寝かさないといけないか。

歯を磨き、息子を寝室に連れて行く。私が脱いだ背広をハンガーに掛けていると、南側の部屋にやってきて「おつきさん、でてたで」と言う。窓の外を指差して「ほら、みて!」と言ってくる。本当だな、半月から少し膨らんだくらいか。「おにぎりみたいやなー」とか言っている。そうだね。そこで「なんで、うちゅうに、おほしさん、あるの?」と訊かれてしまった。ううっ、そういう難しいことは訊かないでくれー



8月30日(木) 
今日も7時前に起きてパソコンを触る。昨夜も家に帰ってから通信できなかったのである。今朝は7時過ぎになって妻子が下りてきた。私は今日は打合せがあるから早めに家を出ないといけないので、昨夜そう言っておいたからな。息子も昨日早く寝たからか素直に起きたそうである。

今日は仕事で遅くなってしまった。夕方から雨が降り出している。けっこう強い雨である。これじゃ、自転車では帰れないな。仕事を終えた時点ですでに昨日妻子が寝室に入っていた時間になろうとしているので、迎えに来てもらうわけにはいかない。今日は近鉄奈良線で帰ることにする。JRから乗り換えて近鉄のホームに上がると、私が乗るべき電車はしばらく来ないようなので本を読み始める。

各駅停車が着いたようである。今夜も息子は寝てるだろうから日記のネタがないなあ、などと思いながら目を上げると……一瞬、目がおかしくなったのかと思った。今まで見たことがないような色が目の前に広がっている。いや、これは…あの色だ。息子が「おれんじの、でんしゃ」と呼んでいた電車の、色。今まで2回しか見たことのない電車、息子がもう一度見たがっていた電車が、扉を開けて目の前に停まっている。(→写真)なんという偶然だろう。あの電車を見るどころか乗れるなんて。これは、息子に自慢できるな。

前回見たときに車両の真中に入っているライン上に何か書いてあるのが見えたのだが、「奈良線大型車両登場40周年記念」と書いてあるのだった。今この日記を書いている時点でこのキーワードを入力してインターネットを調べてみたら、見つかった。インターネットは素晴しい。やはり「昭和36年当時の塗色に復元」したんだそうである。

乗ったという証拠を残さないといけないな。デジカメで撮るか。いつもデジカメを持ち歩いてて良かったと思うひとときである。途中で通過待ちをするだろうから、そのときに撮ればいいか。もし通過待ちをしなくても、降りたときに撮れるだろう。案の定、途中の駅で他の電車の通過待ちをした。外に飛び出して撮影する。雨が降っているので車両を出るときに濡れるが、そういうことは問題ではない。2回目の通過待ちをしているとき、反対側のホームに息子が「ならと、きょーとの、でんしゃ」と呼んでいる車両(→写真)が停まった。おお、これも珍しい。奈良線を走っているのはまだ撮ってなかったな。これも撮影しておくのである。しかし、こういう行動って他の乗客には鉄道オタクに見えてるんだろうなあ。息子のためなんだが。

そして最寄駅に着いたときによろずお直し業草上仁:徳間デュアル文庫)を読み終えた。ううー、いい話だったぜ。やはり私を呼んでいただけのことはある本である。物の「命のねじ」を回して、壊れる前の状態に戻せる男。その男が「よろずお直し業」ののぼりを立て、各地を旅して壊れたものを直してゆく。そういう話である。一話一話のあらすじも書けば何ということもない話なのだが、読後感が素晴らしい。やはりこれは文章の力というものであろう。直前にドタバタのスター・ハンドラー 上」を面白く読んでいるだけに、なおさら作者の並々ならぬ力量を感じるのである。

モーニングにプラネテスが載っていた。次回はイブニングですか。追い出されるんだろうか。そういえば、コミック2巻の予告が先週号に載ってたな。1ヶ月前から宣伝しないと売れないんだろうか。一巻が出たときも、どこの本屋に行っても無かったからなあ。SFは迫害されている。でも、オレだけはついてゆくぞ。

家に帰ると22時半だったのだが、玄関に入るとドタドタいう足音が聞こえてきた。息子だ。遅く帰ってきた日に限って起きてるんだな。彼は階段を下りながら「ほら、みてー」と声をかけてくる。何だよ。「おだんご、つくったん」と言っている。見ると、ビニール袋に入った泥団子を手に持っている。ひょっとして、それを見せたくて起きてたんだろうか。居間に入り、さっそくデジカメの液晶で写真を見せてやる。最初に出てくる最後に撮った写真は走り去ってゆくところを撮ったのでかなり写りが悪かったのだが、彼はすぐに「おれんじの、でんしゃ?」と言う。「父ちゃん、これに乗ったんやで」と言うが、「きょう、ぼくも、みたで」と言って、あまり羨ましがらない。こら、ちょっとは「すごいなー」とか言って感心してくれ。あの謎の電車に乗って、写真まで撮ってきたんだからさあ。



8月31日(金) 
8時前に息子と一緒に起こされる。眠い。昨夜はカミさんが息子を寝かせてくれたので、2時半まで起きていたのである。昨夜は雨が降っていて駅から歩いて帰ってきたので、往きに自転車が使えない。カミさんに駅まで送っていってもらうのである。

今日は通勤中に「I'll Prove It To You」(GREGORY ABBOTT)を聴いている。10年近く前に中古で買って今まで聴いていなかったのである。けっきょく何年前の作品なんだろう。しかし、聴いていて非常に心地いい。そんなに凄いと思うような曲はないようなんだけどね。職人の技、という感じかな。ひじょうにセンスがいい。しかし、昔の曲は短いですな。平均して3分台なんですもの。

今夜も家に帰り着いたのは22時半であった。妻子はもう寝室に入っている。しかし、階上からは息子の声が聞こえてくるのであった。着替えに上がってゆくと、息子が寝ないのでカミさんはかなり苛ついているようである。これは私が交代した方がいいな。パジャマに着替えて寝室に入り、息子の横に横たわる。彼はさっそく私の上に乗っかってくる。カミさんは「今日はカレーでいいのね」と言って階下に下りてゆく。夕食の準備ができたら上がってきてくれるのかと甘い期待を抱いてかなり長時間頑張っていたのだが、やはり彼女は上がってこなかった。ついに耐えきれず、そのまま暗い闇の中に墜ちてゆくのである。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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