2001年 11月上旬の日記
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11月1日(木) 
今日は通勤中に「THE SEASON IN THE SUN」(TUBE)を聴いている。TUBEのファーストアルバムである。これは未開封だったんだな。貸しレコード屋で借りて気に入ってCDが出たときに買ったのはいいが、そのまま聴かずに死蔵していたのである。…すると、彼らがデビューした頃はアナログがメインの時代だったのか?

今日は職場への往路でアイ・アム菅浩江:祥伝社文庫)を読み終えた。いやー、いい作品でございましたね。ちゃんとSF的な「自分は何者か」「人間の尊厳とは何によるのか」という問いかけも入ってるし。途中でネタは割れてしまったのだが、それでも読ませて、感動させてくれる。取材もずいぶんされたのだろう。ただ、取材した現実に引っ張られたのか、多少物語として弱いかなと思えるところもあったような気もした。患者のエピソードに比べて、主人公の心の動きがイマイチわかりづらいというか。まあ、それは些細なことではある。

今朝、行きがけに地下鉄の駅のホームに下り、電車がまだ来ていなかったのでベンチに座った。そして、鞄を開けるために両腕を上げようとして背中に嫌な感覚を感じた。痛い背筋を傷めたようである。私は猫背なので背筋を傷めやすいのだ。しかし、重いものを持ち上げたわけでもないし、ベンチに座るまでは何も感じなかったんだがなあ。よっぽど休もうかと思ったのだが、今日は月初の日でもあるし、何とか鞄を持って歩けそうなので会社へと向かうのである。

今日は昼休みに会社近くの書店でまた、つかぬことをうかがいますが… 科学者も居留守を使う98の質問ニュー・サイエンティスト編集部金子浩:ハヤカワ文庫)を買った。前巻と同じく水玉螢之丞さんのイラストに惹かれて買ってしまったのである。…しかし、民営ヨシダジム【みないでピカチュウ】って、こんな凄い企画があったとは…知らなかった。でも、肝心の画像が見えないみたいなんですけど、どうしたんでしょうか。某所から圧力がかかったとか。



11月2日(金) 
息子が歌っている。「ひっこぬかーれてー…」とか歌っている。ピクミンというゲームのCMソングらしい。カミさんも歌っている。頭の中を回って止まらないと言っている。私はまだ聞いたことがないが、かなり洗脳力が強いようである。日本中の人間がこれを歌うようになってしまったらイヤだな。カミさんなんか、ゲームキューブまで買ってしまいそうな勢いである。息子のお年玉を横領して買ってしまいそうだとまで言っている。それやっちゃオシマイだろう。あんまりうるさいのでCMのムービーでも落ちていないかと思って任天堂のサイトを見ていると息子が横から覗き込んできて「あ、ぴくみんや!」と言ってマウスを奪い取られてしまった。さっそく彼はピクミンに青と赤と黄色があることや、頭の先が葉っぱだったりつぼみだったり花だったりすること覚えて「ぴくみんなあ、あかぴくみんと、あおぴくみんと、きいろぴくみんがあるんやで」とか言っている。はあそうですか。しかし、「赤ピクミン青ピクミン黄ピクミン」って言いにくいなあ。3回続けて言えますか? 私は言えません。歳を取ると舌の回りも怪しくなってきたような気がするのである。ちなみに、任天堂のサイトにはムービーは置いていませんでした。こういう点ではセガの方が進んでるな。

今日は通勤中に虹の天象儀瀬名秀明:祥伝社文庫)を読み終えたが……うーん、このネタならもう少し感動できそうなものだが…う〜ん…やはりこの人は「情」よりも「知」の人なんだろうな。けっきょく最終的にどういうことだったのか、私みたいな馬鹿な読者にはよく理解できなかったし努力してまで理解しようという気も起きなかったし。この人は「感動の物語」(帯より)というような作品を書くよりは、もう少し現実の科学に近い設定で話を描いた方がいいんじゃないだろうか。あまり読者を騙すのは得意じゃないみたいだし。謝辞のところに「実在の人物を登場させましたが、物語として昇華させるために事実と異なる出来事も描いております」とか書いているのを見ると、「嘘」を描くのに罪悪感を感じているのではないかとさえ思えるのだ。まあ、読む方もかなり先入観が入っているかもしれませんが(苦笑)

今夜も帰りは遅い。家に帰ると22時を過ぎていたのだが、しかし自転車を停めると家の中でドタドタ、ドタドタと音がする。息子はまだ起きているようだ。私が夕食を食べている間にカミさんは息子を寝かせてくれる。そして、息子を寝かせて下りてきたカミさんにチョッカイをかけにいったら押し倒され、背中をグリグリ揉まれてイかされてしまった。ああー、まだ歯を磨いてないのにぃ……



11月3日(土) 
昨夜は居間で果ててしまった。寒くて何度か目が覚めたが、寝室まで上がる気力がない。コタツの中に潜り込む。コタツのスイッチを入れるだけの知能さえ湧いてこない。そういうことで、今朝は8時前に起きて通信をはじめた。しかし世の中にはヌーディストのサーチエンジンなんてものがあるんですな。そこからヌーディストのサイトを廻る。べつに、オトコのナニが見たかったわけではない。でもこれだけハダカが氾濫してると、裸体に関する感覚がマヒしてきますな。ハダカを見ても動じなくなる。世の中全体をこういうふうにしてしまえば、覗きをして捕まるヤツもいなくなるんじゃないだろうか。まあ、それはスゴく不幸なことのような気もするが。それでも「あの娘の裸を見たい」というのは残るんだろうな。でもそれは、今の世の中で「あの娘の顔を見ていたい」というのと同じか?

今日は土曜日だが休日なので、妻子は起きてくるまで寝かせておく。10時半過ぎに息子が起きてきた。機嫌はよい。「おはよ」と言うと笑顔で「おはよ」と返ってくる。しかし彼はずっと「ぼくの、すきなとこ、いきたい」と言っている。先週行った遊園地にまた行こうと思っているようである。そんなに毎週行けませんって。

雨が降っているので外に出るわけにもいかない。息子は外に出たがっている。これは電車のビデオでも観せるしかないか。私のビデオライブラリから電車関係ということで、京阪電車の淀屋橋伸延工事の模様とか、高架化とかの資料ビデオを見せる。しかし昭和30年代って、トンネルは人間が掘ってたのね。続いて阪急の三複線化の映像になったが、息子はもう興味を無くしたようで、電車のオモチャで遊びはじめた。まあ、それはそれでいいんだけどね。

昼を過ぎ、13時を過ぎてもカミさんは起きてこない。明日は私が息子の相手をするから今日はお願いすることになっていたのだけどねえ。14時過ぎになってやっと起きてきた。体調が悪いようだ。これは、今日もカラオケは中止だな。カミさんが下りてきたので、私は自分の部屋に入り、急いで用事を片付けるのである。

先週の日曜日に行ったスーパーで思いのほか安く食料を調達できたので、今日も20時頃を狙って車で出かける。今夜もピザが半額で買えた。息子がピザを食いたがっていたので好都合である。入店したときには寿司は値引きしてなかったのだが、カミさんは半額になったタイミングでゲットしたようである。デフレだねえ。いやウチがセコいだけか。まあ、これから世界がどうなるかわからないしな。



11月4日(日) 
目が覚めると11時半である。息子はまだ寝ている。まったく起きる気配がない。昨日はそれほど疲れなかったはずなんだがなあ。昼過ぎになってちょっと不安になってきたところで起きてきた。パンツが濡れているそうである。長いこと寝てたからねえ。

今日もカミさんがピクミンのCMソングを歌っている。歌い終わると最後に息子がナレーションを入れる。私だけ仲間外れである。でもおい、「いんてんどー」って何だ? 「淫転堂」って頭の中で変換されてしまったぞ。まあ「任天堂」ってのも、かなりスゴいネーミングではあるんだけどね。

今日は私が息子を遊ばせる日だ。昨日も昼過ぎまで相手をしてたんだけどねえ。不況なので金を使わずに楽しむ方針である。自転車に息子を乗せて車庫のあるJRの駅まで行こうかとも思ったのだが、体調が悪いのでくじける。そこで次善の策だ。近鉄の東大阪線と大阪市営地下鉄は相互乗り入れしてて、大阪市営地下鉄は阪急と相互乗り入れしているので、それに乗って新幹線を見に行くことにする。阪急は新幹線と並行して走っている区間があるのである。改札の外には出ないので、料金は1駅間のみだ。かなり反則っぽいが。

息子は外に行こうとうるさい。日記を書いて上げるまで待ってくれ…とか言っていたら、14時を過ぎてしまった。息子を連れて駅まで歩く。今日は起きるのが遅かったから、ちょっと運動して早く寝てもらわねばならない。たいていの荷物は彼のリュックに詰めて背負わせればいいのでラクである。500mlのペットボトルにお茶を詰めたのも彼のリュックに入れている。途中で腹が減りそうなので、駅前のスーパーに入って半額になっているパンを買う。3個買って100円でお釣りがくれば上出来だろう。

地下鉄の堺筋線に乗り換え、天六(天神橋筋六丁目)まで行く。乗った電車はここまでであった。息子はここが終点なのにさらに先に行けるのが不思議そうだが、地下鉄はここまでだからここで折り返す電車もあるんだよ…とか言ってもなかなか伝わらない。対向車線の車両が3台ほど阪急が続いたので「なんで、はんきゅうばっかり、くるん?」とか訊いてくるし、なかなか大変である。

阪急の路線に入り、京都線を河原町に向かって走る。途中で車庫が見えたのだが、地下鉄の車両ばかりが停まっている。阪急の路線に隣接しているのに地下鉄の車庫なんだろうか。息子と「不思議やなー」とか言いながら電車に乗っている。阪急の急行もなかなか速い。また「速いなー」と言い合うのである。

そして上牧駅で降りる。家を出る前にカミさんの道路地図帳で調べたところによると、阪急はこのあたりで新幹線と並んで走っているのである。駅に着く前に息子が新幹線が走っているはずの方向とは反対方向を指して「じぇーあーるの、でんしゃ!」と叫んだ。おお、あっちには東海道線も走ってるのか。ここはなかなかラッキーなスポットだね。いま地図で見ると、京阪の本線もこの近くを走ってるんですな。見えなかったけど。

ホームに降りてみると、新幹線の線路は金網のフェンスのすぐ向こうを走っている。これはよく見えるぞ。かなり速度を出している区間だと思うしね。待合室があるのでそこに入る。ちょっと寒いからな。入ってみるとエアコンが設置されていた。至れり尽せりだな。こんなにしてもらって、なんか、悪いみたいだねえ(こらこら)。待合室の中に座っていると、数分毎に新幹線が走り抜けてゆく。遠くに東海道線を走っている列車も見える。貨物列車も見えた。白い電車が走っていると思ったら息子が「はるかや!」と声を上げる。よくああいう遠いのがわかるねえ。

来る途中で買ってきたパンを待合室の中で食べる。その間に100系300系700系は一通り見ることができた。そう息子に言うと彼は「ぜろけいは?」と訊く。「0系はなあ、東海道新幹線はもう走ってないんや」と応えて納得させる。するとさらに彼は「ごひゃっけいは?」と言う。「500系は編成が少ないから見れるかどうかわからへんで。東京駅でホームの両側に見たことあるから2編成はあると思うけどな」とか応えていると、500系の車両が青銀色の流線型の車体を輝かせながら走り抜けていった。「500系、見れたなー」と喜び合うのである。キミが嬉しければ私も嬉しい。

ある程度見るべきものを見たので息子に「もう帰るか?」と訊くと「もういっかい、みてから」と応えた。おお、そういう応え方をしてくれると、なんだか嬉しいぞ。なぜなのかはよくわからないんだけどね。ここまで来たんだから、もう少し先に行けば別のものも見れそうだ。カミさんも遅くまで外に出てた方が嬉しいようなことを言ってたからね。息子に「帰るか、それとも嵐山線見るか?」と訊いてみたら、「あらしやません、みる」と応えた。それじゃ、もう少し先まで行きましょうかね。

息子は「嵐山線」というのがなかなか覚えられないようだ。何度も「はんきゅう、なにせん?」と訊いてくる。いつもは、こういうことならすぐに覚えるくせに。そろそろ疲れてきたかな。まで行ったが、嵐山線のホームに上がって到着した車両を見て「他の阪急と同じやな」と言ってそのまま帰ってくる。乗ってしまうと改札を出ずに引き返して来れる保証もないしね。そうなると大変なことになる(爆笑)。息子は乗りたがるかと思ったのだが、素直についてきた。やはり疲れているのか。

息子に特急に乗って帰るかと訊くと「とっきゅう」と応えたのでそれに従う。しかし、ずいぶん混んでるな。座れないどころか外も見えない。息子は立っているのも辛そうだ。そのうちに彼は、私を見上げて地団太を踏み始めた。疲れて立ってられないのか…と思ったらオシッコらしい。うう、次の駅に着くまで我慢してくれ。4駅くらいだから…と思っていたのだが、こういうときに限ってなかなか着かない。彼は半ズボンだし、これだけ混んでる中でジョーッと漏らしたら大変なことになるぞ…と冷や冷やしながら彼の背中を撫でるのである。

何とか駅に着くまで耐えてくれた。特急を降りてエスカレーターを駆け下り、トイレに走る。間に合った。以前、耐え切れずにジョーッとしてしまったこともあったからなあ。それだけ成長したということだな。ありがたいことである。そこからは各駅停車でまったりと帰ることにする。息子は座っているのも辛そうだが、寝ないかと言っても起きていると言い張る。フラフラになりながらも最後まで起きていた。

帰りはカミさんに車で迎えに来てもらう。待ち合わせの古本屋までは少し歩かねばならないのだが、息子は「つかれた」「あるけへん」とか言ってしゃがみ込む。ここで甘やかしてはいけない。無視して歩いてゆくと声をあげながら追いかけてくる。しかしそれでも、家に着くと俄然元気になってしまうんだな。困ったもんである。



11月5日(月) 
今日は通勤中に「BOSTON」(BOSTON)を聴いている。ボストンの最初のアルバムである。これが出たときは衝撃的だったねえ。ロックであるが、それまでに存在しなかったロック。これによってロックに新しい地平が開けたのだ。このグループの中心であるトム・シュルツという人はMITを卒業してポラロイドに就職し、仕事をしながら自宅の地下にスタジオを作って暗く一人でデモテープを作ってたんだな。オタクだよなあ。それが音楽の1ジャンル(と言ってもいいだろう)を創ってしまうんだから凄い。何年かかったのかは知らないが、このアルバムの完成度は四半世紀を経たいま見ても一分の隙もないのである。なんせ、2枚目のアルバムなんか1年以上かけてシコシコとミックスダウンしてたという話だからねえ。凝り性なんですなあ。この美しいメロディーラインと分厚い音の重なりは理系の音楽というべきなんだろうか。そういう意味では似たような経歴のオフコースの音楽が「響いて」しまったのも必然だったのかもしれない。当時は驚いたんだけどね。あ、それからこのグループはアルバムジャケットが宇宙船のイラストなんですな。ジャケットを開くと、その内側には宇宙船の詳細な設計図が…やっぱりオタクだ。

昼頃から雨が降り出した。22時半まで仕事をしていたので遠回りして帰ることになる。途中でコンビニに寄ってマンガ雑誌を読む。今日は月刊誌も出ている。「修羅の刻」…なんだか、ぜんぜん盛り上がりませんねえ。この点に関してはカミさんと意見が一致した。強い相手が出てこないからねえ。しかし、この事件をきっかけにしてに陸奥と不破が分かれたんだろうか。

今夜も遅くなってしまった。家に帰り着いたのは真夜中である。息子はもう寝ている。それで私は寝る前にWebを巡回したり日記を書いたりしていたら3時近くになってしまった。もう寝なければいけないのに、新しいMP3プレーヤーを探したりしてしまう。Z'sX Lightningを使っていたのだが、やはり再生するファイルによってはピコポコノイズが発生するのは辛い。Play!2000 NEXTというのを落としてきたが、軽く作ってあるそうだし画面上でも控えめにしててよろしい。Media Player7.1の図々しさは今思い出しても腹が立つ。Z'sX Lightningでノイズが入ってしまう曲を再生しても大丈夫だ。気に入ったので、これをメインのプレーヤーに変更する。気がつくと4時を過ぎていた。馬鹿である。



11月6日(火) 
今朝も息子は調子が悪いようである。座椅子の上で伸びているので顔を洗いに行こうと言うと、嫌々ついてきて1回顔を濡らして終わりである。それでも朝食を食べると元気になってきた。「あー、すっきりしたー」と言いながらトイレから出てくる。うむ、それはいいことだねえ。大人になると、排便の快感を味わえないようになったりするんだぞ。

今日は通勤中に「Electric Youth」(Debbie Gibson)を聴いている。デビー・ギブソンは好きだったんだな。久しぶりに聴いたが、やっぱりいいっすね。メロディに無理がない。良質のポップだが、唱方はけっこうソウルフルである。あの頃の私は、このソウルの匂いに惹かれたんだろうな。アレンジもいい。We Could Be Togetherの最後でアカペラになってドッ・ドド…とドラムスが入ってくるところなんか、涙が出るくらいカッコいい。

今日は通勤中にここほれONE−ONE!小川一水:集英社スーパーダッシュ文庫)を読み終えた。なかなか読ませてくれます。読んでいて気持ちのいい作品でしたね。聴いていたのが「Electric Youth」だということもあって、非常にさわやかな気分になったのであった。まあ、ちょっと最後が都合よすぎるかな…という気もしたんだけどね。

風が強い。昼休み、ビルの外に出ると、オフィス街の敷石の上を枯葉が舞っている。改めて秋の訪れを実感するのである。

図書券の残りが少なくなってしまった。これでは安心して本を買えない。今日は早めに職場を辞して安売りチケット屋で図書券を買い(それでも20時ギリギリ)、ジュンク堂に寄る。ミドリノツキ 下」岩本隆雄:ソノラマ文庫)とNANASE 1」筒井康隆山崎さやか:ヤンマガKC)を買った。うわー、七瀬ちゃんだ〜。なんか、憧れてたお姉さんに久しぶりに会ったような気分である。今日は買わねばならない本が買えたな。帰りの電車の中で「ここほれONE−ONE!」を読み終えた後に「NANASE 1」を読み始めたのだが、凄いすごい。ジェットコースターに乗ってるように…いや、濁流にのまれたような感じで読み終わってしまった。いやいや、山崎さやかさんのシャープな絵が原作にジャストフィットですね。けっこう気合い入れて描いてるみたいだし。しかし、こんな地味な背表紙でいいんでしょうか。これじゃ売れませんぜ。探すのにも苦労したんだから。探すのが面倒臭い人はbk1で買いましょう(笑)。

寄り道をしていたので、今夜も家に帰り着くと22時近くになってしまう。さっそくカミさんに「NANASE 1」を読ませる。「『NANASE』って『七瀬ふたたび』の『七瀬』?」と訊かれる。いちおう知っているようだな。息子を妊娠して入院してたときに家族八景を持っていって読ませた記憶があるからな。彼女も物凄いスピードで読み終えて「『七瀬ふたたび』ってこんなハードな話だったの」と言う。キミキミ、小説で身を立てようと志すものとしてそういう認識ではいけませんねえ(え?志してないって?)。原作を読むかと訊くと読むというので、私の部屋から「七瀬ふたたび」を掘り起こしてきて渡すのである。「家族八景」は見つからないな。どうしたんだったっけ。

カミさんは明日、胃カメラを飲むんだそうである。毎年人間ドックに入っている私でさえまだ経験したことがないのにねえ。経験したくもないが。しかし、バリウムも飲ませないでいきなり胃カメラになるのかなあ。私に対してもそうだったが、どうもあの病院は大げさな検査をしたがるような感じである。その方が儲かるんだろうけどね。彼女にとっては、それよりも脂っこい食事を禁じられた方が大問題のようである。「ラーメンも食べるなって言われちゃった」とか言っている。まあ、私も高脂血症で脂肪の摂取を減らすように言われているので、やっとバランスが取れたということか。

昨日、Play!2000 NEXTをメインのmp3プレーヤーにしたのだが、同時に実行するプログラムによっては音跳びするのである。やっぱり2000であってもWindowsはダメだね。「486のCPUでも音飛びしない」ように作ったと書いてあるんだけどねえ。軽く作ってもOSのCPUの割り振りがタコだとダメなのよね。でも、同じことをしてもZ'sX Lightningだと音跳びしないのである。やはり軽いと評判になるだけのことはある。NT系のOSに対してチューニングしてあるらしいしねえ。音もこちらのほうがいいようだ。こっちをメインのプレーヤーに戻すかなあ。自分で作ったmp3ファイルではピコポコノイズは発生しないからなあ。しかし困ったもんである。

私が夕食を食べていると息子が眠そうにしているので、今夜もカミさんが寝かせてくれる。それで今日も寝るのが遅くなってしまう。シャワーを浴びて出てくると4時である馬鹿である。

シャワーを浴びている間にCDに入ってる曲をmp3に変換する処理を走らせていたのだが、浴室から出てくると画面が真っ黒になっていた。何を押しても反応しない。泣く泣く電源を落として起動しなおすのである。Windows2000はプロセスが1個死んだくらいではOS全体には影響を及ぼさないんじゃなかったのか? このあたりがMicrosoftの製品の怪しさである。これでまた私の睡眠時間が削られるんだな。



11月7日(水) 
今日は昼休みに職場近くの書店でDV(ドメスティック・バイオレンス)−−殴らずにはいられない男たち」豊田正義:光文社新書)を買った。世の中にはこういう人もいるのね、という感じである。私には理解できないけどね。これはたぶんカミさんも読むだろう。

今日は通勤中に「Best of England Dan & John Ford Coley」(England Dan & John Ford Coley)を聴いている。このデュオは好きなのである。大学時代、夜中に聴いていたAMラジオから「I'd Really Love To See You Tonight」と「We'll Never Have To Say Goodbye Again」が流れてきたとき、一目で(いや、一聴して、だな)惚れてしまったのである。当時は「イングランド・ダン&ジョン・フォード」と呼ばれてたんだったっけ。それ以来、私のフェイヴァリットな曲の上位に君臨しつづけているのである。

今日も遅い。家に着いたときには22時近くになっていた。居間には妻子はいない。着替えに上がって起こすといけないので、スーツ姿のままパソコンを出してきて通信するのである。そのうちにカミさんが下りてきた。胃の検査の結果は異常なしだったようである。何でも好きなものを食べてもいいと言われたそうだ。それで「ラーメン食べに行こうね」とか言っている。なんだか、反動が怖いな。

カミさんに「DV(ドメスティック・バイオレンス)−−殴らずにはいられない男たち」を見せると、彼女は怖い顔をして読み出した。いつもは「ながら人間」なのに、テレビもほとんど見ていないようである。…ほう、けっきょくサッカーは引き分けだったのか。ホームだから善戦するだろうとは思っていたが、それでも大したものである。中田が出てくると追いつかれるあたりが…イタリア人に舐められてるのか?(苦笑)

睡眠不足なので今夜は早く寝ようと思っていたのだが、パソコンの前で何度も気を失うので気がつくと2時近くになっていた。やっとの思いで日記を書き上げ、内容をチェックしようとするが、自分で書いたことであるにもかかわらず内容が頭に入ってこない。そのうちに意識が……



11月8日(木) 
コタツの中で目が覚めた。8時前である。昨夜は日記を書き終えたところで力尽きてたんだな。慌てて日記を上げる。口の中が気持ち悪い。昨夜はカミさんが出してきたチョコレートをたらふく食べてそのまま眠ってしまったからなあ。8時を過ぎても妻子は起きてこない。起こしに行かねばならないか。

今日は通勤中に「Me too」(岩崎宏美)を聴いている。私には珍しく歌謡曲である。これは、シングル曲だった「聞こえてくるラプソディー」が良くて作曲者を見たら濱田金吾氏でそれでアルバムを借りたら濱田金吾氏の曲が半分近く入っててそれがまた良かったからCDを買ったんだな。濱田金吾氏の曲は好きなんすよ。いやあ、いま聴いても「聞こえてくるラプソディー」はいい曲ですねえ。この、なめらかな手触りが心地いい。ラストの「さよなら夏のリサ」もいい曲です。

「インターネットオークションで最終的な価格を決める要素は何か。eBayにおけるコインの取引に関する経験的な調査」ですか。オークションする人には参考になるかもしれませんね。インターネット上の人間の行動について分析するこういう研究は流行るでしょうなあ。ネットワーク上のことだから、うまくやれば元データはそれほど人手をかけずに収集・整理できるだろうしね。そうすると、目のつけどころの勝負になるなあ。素人でも、切り口によってはけっこうユニークな分析ができるかもしれない。

今日は昼休みに職場近くの書店でサイバー経済学小島寛之:集英社新書)を買った。立ち読みで8割くらい読んでしまっていたし本を置く場所もないのだが、それでも買うべきだと思ったのだ。内容としては「『ベイズ推定』等、確率論を携えたリスク制御の新テクノロジーを、数式を極力使わずにわかりやすく紹介」(カバーより)している本である。デリバティブとかいうと難しいものであるらしいのだが、この本では最終的にはマクロな視点でまとめてあるので非常にわかりやすいし納得できる。どんなに立派なことを書いてあっても「これはどっか違うんじゃないの?」と思うような本は買わないからなあ。

明日仕事を休むので今夜も遅くなってしまった。家に着くと翌日になっている。カミさんはイリヤの空、UFOの夏 その2」秋山瑞人:電撃文庫)を読みはじめた。近所に無くて隣駅の本屋まで買いに行ったそうである。最後の方になって「泣けるぜ、秋山!」とか言っている。「悲しいんじゃなくて、むしろ美しいシーンなんだけど、泣けるのよ」だそうである。やっぱり凄い人ですねえ。私も自分の分を買わねば。

またマウスポインタが動かない。ここしばらくは調子よかったんだけどなあ。いったい何なんだ。またストレスが溜まるのである。カミさんは「イリヤの空、UFOの夏」を読み終えると寝室に上がっていった。彼女がいなくなると私は、つっかえ棒が外されたように…



11月9日(金) 
また居間で果てていた。朝になって息子が下りてくる。うう、身体がバリバリに凝っているぞ。しかしカミさんが起きてこない。今日は息子の七五三の写真を撮りに行くので写真屋を10時半から予約しているのである。11月の休日は空きが無くて今日になったのである。それで私も休むことになってるんだな。9時を過ぎてもカミさんが起きてこないので、息子を起こしに行かせる。便利になったものである。

かなりバタバタしたが、何とか予定通りに写真屋に着いた。ここはいろいろな服を着せてくれるのである。洋装と和装を一着ずつ着て撮ることにする。最初に選んだタキシードが大きすぎたので代わりのものを選びに行っている間に持ってきたデジカメで息子を撮ると、彼は壁を指さして何か言っている。「しゃしん、とったら、あかんで」と言っているようである。彼の指さす方を見ると「撮影禁止」と書いてある。おろ、君の方がエライね。

私が背広でカミさんがスーツなので、洋装の方は家族写真。そして和装の方は全身と上半身と、それに陣羽織まで着せられて撮られている。計4ポーズである。そして、値段を聞いてブッ飛んだ。1枚5000円近くするんですか。それも、枚数が増えようが焼き増ししようが値引き無し。そりゃタダで衣装を提供して着付けまでしてくれるはずだ。4ポーズを自分の家と両親の実家用に作ると、ほぼ1ヶ月分の可処分所得が吹っ飛んでしまう。これはボロいな。5000円稼ぐのにどれだけしんどい思いをするかを考えるとねえ。個人的にはこういうことをしても子供本人のためにはならないと思ってるんで、無理してまでやることはないと思ってるんだけどね。まあ、祖父母のためにやるようなもんだからな。私の両親から贈ってきたお祝いを充てることになるか(それでも足りないけど)。1セットだけ作ってスキャナで読み込んで印刷してやろうか、とか思ったり。

そして家に帰り、簡単な昼食を摂って一家全員で昼寝をする。私の疲労も限界である。起きてきて夕食。昨日今日と続けて夕食は牛肉である。カミさんが医者に何を食べてもいいと言われたせいだろうな。それほど脂っこいものを控えていたようには見えなかったんだが。これはトータルとしてみると脂肪の摂取量は増えるのであろう。それに昨日例のスーパーに行ってステーキ肉をかなり安く手に入れたらしい。「大丈夫か、というくらい安かったの。もっと買っとけばよかった」とか言っているのである。



11月10日(土) 
今朝はカミさんが息子を保育所に連れて行ってくれる。今日カミさんは明日のバザーの準備があるので、帰りは私が連れて帰らねばならないようだからね。

いま使っているmp3再生ソフトが一長一短なので、「SoundPlayer Lilith」というのを落としてきて使ってみる。「PentiumIIIのSSE使用時には、国産フリーソフト最速クラスのパフォーマンスを発揮します」と書いてあるので選んでみたのである。「軽く作る」だけじゃなくて、性能を上げるにはこういう方向もあるよな。「ファイル形式の変換にも対応」しているらしいし、こういうソフトをディスク上に用意しておくのもいいだろう。後からmp3ファイルの録音レベルを変えることもできるらしい。そりゃ便利だ。とりあえず使ってみた範囲では、音跳びはしないしピコポコノイズも聞こえない。現時点ではこれが最有力かな。

相変わらず今日もマウスポインタの動きがおかしい。しかし偶然、Webページの更新チェックに使っている「A-Scope」を終了させると動くようになったのである。前のマシンのときから使ってるんだけど、よく見るとこのソフト、NT系のOSには対応してないのね。メモリーの確保に失敗したとかいってよく落ちてたのはそのせいか。そういうことで、WWWCというソフトを落としてきて、当面はこれを使うことにする。

しばらく前から、愛用している時刻合わせソフトが動かなくなってたんだが、総務省通信総合研究所Webサーバの提供表示形式が変更されたせいだったんだな。今頃になって最新版をインストールするのである。

帰ってきたカミさんは昼食を食べると座椅子を倒してそこで昼寝をする。それから明日のバザーの準備をするために保育所に出かけていった。私は自分の用事を始める。そこにカミさんから電話がかかってきた。バザーの準備に来ている人は子供を連れて帰ってほしいと言われているらしい。何だって? バザーに協力しない人は子供を連れて帰れとか言うならともかく、それは話が逆なんじゃないだろうか。バザーの準備に来ているということは、すでに労働力を一人分提供しているということだし。保育所に子供を預けているということは、それほど家庭内の労働力に余剰があるとは思えないんだがなあ。それに、そういうことなら事前に予告してくれえ。こっちにも予定というものがあるんだから…などと少々ムッとしながら用事を切り上げ、保育所に向かうのである。

保育所に着くと、息子がおやつを食べているのでもう少し待つように言われる。いったい何なんだ。それだったらたとえ数分であっても家でやるべきことはあったのになあ。母親たちがバザーの準備をしている部屋の窓にすがりついて子供が一人泣いている。何で泣いてるんだろう。相手をしようとするが、泣くばかりである。これは母親でないと無理かな。しかし、ウチの息子とそれほど年齢は変わらないと思うんだが、もうこんなに大きな虫歯があるのね。ウチの子は歯だけはキレイなのである。これは親の努力で何とかなることだからね。アトピーはどうしようもないのが辛いところなんだが…とか書くと、「ハウスダストを出さなければ」とか言われてしまいそうだな。

そして、おやつを食べ終えた息子を連れて保育所を出る。いつもより早いので寄り道をして帰ることにする。何軒か本屋を廻ってイリヤの空、UFOの夏 その2」を探そうという心づもりである。駅前のバス停が見えてくると息子は「あたらしい、ばす!」と声を上げた。確かにそうだな。だったらあの近くを通ることにしようか。側に行くと、バスが転車台の上に乗って回転している。息子は「てんしゃだいやなー」とか言うのである。バスを見ていると、反対側を電車が走り抜けていく。新型車両が2台続けて通ったので息子は「なんで、しんがたしゃりょう、ばっかりなん?」と訊く。いや、世の中の現象には必ずしもはっきりした原因というものがあるわけではなくて、「たまたまそうなった」としか言いようのないことも多いのだよ。まあ、キミは今、因果関係というものを発見して、それで世界のかなりの部分を説明できることにセンス・オヴ・ワンダーを感じているんだろうけど。

薬屋で葛根湯を買い、本屋は3軒廻ったが「イリヤの空、UFOの夏 その2」は発見できなかった。2軒目の本屋では、息子は自分の好きな絵本を引っ張り出してきて平積み台の上に広げて読み始める。だいぶ本屋の楽しみ方というのを身につけてきたみたいだね。頼もしい限りである。店の中に入って昆虫関係の雑誌を渡してやると「のこぎりくわがたや」とか言いながら読んでいる。ページをめくるたびに何かと訊いてくるのが大変だが…おいおい、広告のページで訊いてくれるな。そこは解説が載ってないから説明できないよ。

3軒目の本屋の前にはガチャポンの販売機が並べてある。その中にウルトラQのガチャポンがあった。この時代にこんなものが売ってるんですか。誰が買うんだよ(笑)。ひょっとすると、一部の人には垂涎のアイテムなのかもしれないけどね。表面に描いてあるのがゴメス、ナメゴン、ペギラ、カネゴン、ガラモン…息子はみんなわかってしまうのである。何たることであろうか。いや、そういうふうにしてしまったのはオレなんだけど。

日が暮れて気温が下がってきた。息子は自転車の後ろで「さむい」とか言っている。キミがそういうことを言うなんて珍しいね。私のトレーナーの下に背中から手を入れさせる。なんだか喜んでいるようである。彼は後になって、こういうことを思い出したりするんだろうか。私もいちばん古い記憶の一つは父親の自転車に乗せてもらってるときのことだったりするからな。

息子は家に着いてからしばらくすると腹が減ったと言い出した。我慢しろ。人間、少しは飢餓というものを味わうべきだ。カミさんが帰ってきてから軽く菓子を食べるが、それからもずっと空腹を訴えている。カミさんも腹が減ったようなので、買い出しに行くことになる。例のスーパーである。安いので病みつきになっているのである。しかし、惣菜類が半額になるのは20時頃なのだが、それよりも1時間以上早く着いてしまった。この時間帯だと2割引程度である。ううむ、なんだか消化不良だな。

息子は先週からずっと「キムチ納豆」というモノがこのスーパーで売っているのが気になっているようである。パッケージに「激辛」と書いてあったので買わなかったのだが、彼はそれ以降何かあるごとに口にしていたので買ってやることにする。まあ、キミの二大好物が合体したんだから無敵だわな。家に帰って開けてみると、納豆にキムチ味のタレがついているだけだった。これだったら、自分で納豆にキムチを混ぜた方が旨いと思うんだがな。彼は「からい」と言いながらも、けっこう喜んで食べている。辛さに対する耐性はキミの方が上かもしれないな。

夕方になってまたマウスポインタが動かなくなる。すると、あのソフトが原因というわけでもないのか。どうも、USBのDVD-RAMドライブを繋ぐとこういうことになるようだ。Microsoftの標準ドライバを使ってるんだがなあ。そういえばどうも最近、右手の人差し指の腹が痛い。なぜかと思っていたのだが、マウスが使えないのでタッチパッドを擦りすぎてるせいじゃないだろうな。いちばんよく使う指だから、キーボードが打ちにくくてしょうがないのである。

狼谷辰之  新書館ウィングス文庫
なる
¥620+税  ISBN4-403-54021-X



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