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▲9月1日(水)▼ →
今朝は一家で寝過ごしてしまった。朝食抜きで家を出ようかと思ったのだが、息子を待つために食っていたら、彼はその間に一人でさっさと家を出ていってしまった。夏休み前は一緒に学校まで行きたいとか言っていたんだがなあ。成長したということか。ちょっと寂しい。玄関で靴を履いているとカミさんの後ろから娘が這ってきた。カミさんが「お見送りするの?」とか言ったのだが、私が扉を開けると泣き始める。置いていかれるのが嫌だっただけか。
今日も朝から京都で仕事。電車で座れても何をする気にもならず、ぼんやりと窓の外を眺めている。8時間近く眠ったが、さすがに徹夜のダメージは大きいようである。やはり歳のせいか。
引き続き「スカーレット・スターの耀奈」(梶尾真治:新潮文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読んでいる。帰りの電車の中で何度か意識を失いながら「ホーンテッド・スターの玲乃」を読み終えた。うーん、やっぱり文体に違和感がある。これは本当に梶尾先生が書かれたものなんだろうか。そう思ってしまうくらいの違和感である。そして「キュービック・スターの麻綾」も読み終えた。この本もこれで終わりである。ちょっと期待が大きすぎたよな。
逝ってしまったEXILIMの後継機でも探そうかと帰りにヨドバシに寄ったのだが、デジカメ売り場に立っていきなり自分に商品知識が無いことに気づく。馬鹿みたいである。こりゃインターネットでもう少し情報を集めてから来た方がいいな。店に来るまでそれに気がつかなかったとは、馬鹿みたいである。自らの薄々の知識をかき集めてみると、どうも最近のカシオは音楽も聴けるタイプは力を入れてないようである。店頭にもそれらしきものは無い。こりゃインターネット通販で買った方がいいかもしれないな。それだったら店に来る必要もなかったのに。
他のメーカーでも代わりになるものはないかと思って探してみたのだが、Panasonicの「SV-AS10」というのも薄くてなかなか良さそうである。でも、パンフレットの隅に書いてある何となく奥歯に物が挟まったような書き方の小さい文字を見ると、何となく音楽を聴くのに制約がありそうだ。たぶん厭らしい著作権保護のための手順を踏まなくてはいけないような気がする。まあ、作ってるのがPanasonicだからなあ。でも、日本の大メーカーはこういう制約の中で外国のメーカーと戦っていかねばならないのだとすると、こりゃ将来はありませんぜ。いくらハードウェアが優秀でも買う気がしませんもの。
そしてDVD-Rが10枚980円(しかもスピンドル)で売っていたので買う。1枚100円未満ですか。品質に不安はあるが、どうせバックアップ用途だし、大丈夫なんじゃないかな。こういう大きな店では、それほどひどい製品は売ってないだろうし。
退社時間になって携帯に電話がかかってきた。家からである。どうしたんだ。子供たちに何かあったのか…と思いながら電話に出ると、カミさんから予約し忘れていたので「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(J.K.ローリング/松岡佑子:ハリー・ポッターシリーズ:→【amazon】:→【bk1】)を買ってくるようにという指令だった。はあそうですか。
出勤時にもそうだったが、どこの本屋でも「不死鳥の騎士団」が山積みになっている。返品できないらしいのに、こんなに仕入れて大丈夫なんだろうかと他人事ながら心配になる。しかも4,200円ですかあ。上下巻分けて買えないんですかあ。どうも傍目から見てて、あの出版社はやりかたが悪どいように見える。なんか、持ち慣れない金づるを持ってしまったせいで金の亡者になっているように見えてしまうのである。
内容的にも、カミさんに勧められて最初の巻を読みはじめたこともあったのだが楽しむことができずに挫折してしまったんだよな。読んでて楽しくなかったのもあるが、「親が○○だからヒーロー」だという設定が、先祖代々百姓で父親も一生ヒラだった私にはどうにも受け入れられないのである。なんか、いかにも身分制度があるイギリスらしいなあ…と思ってしまったのだった。でも、世界中で人気なんですよねえ。そのへんはよくわからないんだけれども。
▲9月2日(木)▼ →
今日は朝から淀川の西側にある客先に障害の調査に行く。今朝も往きの電車の中では何もする気が起きない。徹夜仕事のダメージは予想よりも大きいようである。
「復活の地 2」(小川一水:ハヤカワ文庫 JA:→【amazon】:→【bk1】)が出ていたのを思い出し、帰りに本屋に寄って買う。完結してないのでまだ読み始められない。あと1巻か。
今日も午前中は大粒の雨が降り、午後も曇っている。やっぱり梅雨みたいだ。家に帰るときもけっこう涼しい。それで、今日は晩酌の発泡酒はやめて、代わりにインスタントの味噌汁で夕食を食う。もともと脱水症状とか夏バテで体力が落ちているときに食欲を増進させるためのものだからな。そういう意味では、もう秋なのか。9月だしな。
うーむ、最近24時間×9日間×6チャンネル分の番組をいつでも観れるマシンですか。いいなあ。独身時代は30万もする最高級のビデオデッキを毎年のように買ってたから、その当時にこういうマシンが出たらぜったいに買ってたよな。こりゃ便利ですよ。すべてのテレビ局の中から最新のニュースや天気予報を観ることができるし、放送時間の変更もぜんぜん問題なし。大事件が起こったときも経過を自由にウォッチできる。ひょっとすると、いずれこういうマシンが一家に一台…という時代が来るかもしれない。
▲9月3日(金)▼ →
娘は今日も元気である。私が朝食を食べている横で食卓に乗り上がろうとするのだが、穿いているズボンがずれて足の裏が床に直接接触しなくて滑るというので「んんーーん(-"-)」と怒っている。抱き上げると「うーー(^^)」と言って喜ぶ。文字にするとほとんど変わらないんだよな。まだニュアンスしかないので、顔文字を使わないと表現できないのである。
通勤中に「かれはロボット」(草上仁:ハヤカワ文庫JA:→【amazon】)を読みはじめている。今日は「キーヴの墓掘り」を読み終えた。うーん、何が面白いのかよくわからん。こういう宇宙人がいるとも思えないし。
今日は大阪で仕事をしていたのだが、20時を過ぎてしまった。もう本屋に寄れないので、帰りに鶴橋駅のブックオフに寄る。「ここはグリーンウッド」の2巻が出ていたので買ってしまった。ちょっと立ち読みしたんだが、やっぱり面白いや。「紅い牙 狼少女ラン」の1巻もあったので買う。やっぱりなあ、10年経っても読みたい作品というのはいい作品なんだよな。当時は面白くても今は題名さえも思い出せない作品もあるけれど。
こういうのを買って帰ると息子が自分の分は?と言いそうだ。それで、彼への土産も探す。しかしドラゴンボールもやキャプテンも見つからない。ドラゴンボールはともかく、キャプテンも最近になって複数の古本屋で相次いで姿を消しているのである。私が日記に書いたせいじゃないだろうな(んなことない)。やっぱりDVDボックスが発売された影響なんだろうか。
それで「サイボーグ009」を買うことにする。けっきょく息子への本がいちばん高価くなってしまったな。本末転倒というヤツだ。まあ、100円で売っているマンガの中には子供がまだ読み慣れていない時期に与えてよいと思えるものが見つからないのだから仕方がない。これは名作だからね。今となってはちょっと絵が古く見えてしまうので、息子がもう少し大きくなると読んでくれなくなるかもしれない。マンガに飢えている今がチャンスである。
しかし帰りの電車の中で読んでみたが、記憶しているよりずいぶんハードな設定ですな。「死の商人」というものは、当時の世界情勢から必然的に生まれてきたものとして描かれている。そしてそれはたぶん正しい。こういう第二次大戦後の体制を前提とした話は息子には早すぎるかなと思ってしまうくらいである。でもまあ、オレも息子くらいの歳に連載第1回を(たしか散髪屋で)読んだ記憶があるからな(調べてみると連載スタート時はほんとうに今の息子の歳だった)。難しいところはぜんぜん気にしてなかったし(それだから今読んでハードさに驚いているのだ)、この設定であれば当時の大人でも読むに堪えただろう。いろいろな読み方ができるのも名作の条件だな。
まあそれでも、今から見ると人種偏見というのは感じるな。巻末に注釈が入っているアフリカ系人種の描き方よりも(当時はあれが「記号」だったんだから。それにそれを言うなら中国人の扱いも酷い。日本人も同じに見えるはずなんだけどね)、テストのためにいろいろな人種を集めてきたという設定なのにあの人種構成は何なんだよ。半分以上がヨーロッパ系ってのは何ですか。アラブ系なんて存在も意識されてない。当時の日本から見た「世界」というのは、ああいうふうに見えていたんだろうなあ。
今日は家に帰り着いたときにはカミさんと息子だけ居間にいて、寝室で娘が泣いている。私が寝室に上がり抱き上げて寝かせようとしたのだが、ぜんぜん眠ってくれないのである。抱き上げて歩いていると目を閉じて大人しくなったので10周くらい部屋の中を歩き回ってから座り、布団の上に下ろすのだが、そうするとまた泣きはじめる。それを2度繰り返してこちらの根気が尽きた。並んで寝て泣かせていると、カミさんが上がってきたのだった。腕がだるくなってしまったぜ。
そして夕食を食べ始めたのだが、娘は私の食べてるものが欲しいと言っているようである。食卓の向こう側に掴まって立っていたのだが、気がつくとこちらに近づいてきている。知らないうちに掴まり歩きをしているのである。やはり食欲は大きなモチベーションなのであるな。
▲9月4日(土)▼ →
今朝も階下で眠ってしまっていた。7時過ぎである。このまま寝室に上がって寝ようかと思ったのだが、息子が今朝は友達が来るので早起きしなければならないとか言っていたのを思い出して起きておくことにする。なんかカミさんが起きないような気もするし。
9時前になっても階上で誰も起きる気配がないので息子を起こしに行く。彼は言いつければ着替えも食事の用意も自分でしてくれるので楽だ。言わなきゃ動かんけど。
時間になっても友達が来ないので息子はどうしたのかなあとか言っていたのだが、母親に様子を見に行くように言われて迎えに行き、やがて二人でやってきた。隣の部屋で遊び始める。娘はお兄ちゃんたちのところに行きたくて仕方がないようである。カミさんによると、隣の部屋に入って「うんっ、うんっ! \(‥)/」と必死で自己主張するのだが無視されていたそうである。それを後ろから見て笑っていたそうだ。
そのうちに娘の誕生祝いを持ってお義母さんがいらっしゃった。しかし私はどうにも眠くなってくる。今週は徹夜したうえに今朝はまともに寝てないからなあ。お義母さんがいらっしゃるのに何度も意識が途絶える。このままいるとかえって失礼になるので寝ることにするのである。
何回か目が覚めたが、なかなか起きられない。何回目かに、暗くなってるけどまだまだ寝れるなあ…とか思っていたのだが、窓の外で白光が光った。雷だ。サーバを停めねば。ということで起きるのである。18時になっていた。午後はずっと寝ていたことになるか。今日は何もできなかったな。
少し遅くなったが、ささやかながら今夜は娘の誕生パーティをする。卵アレルギーの彼女のために、ケーキ屋さんに頼んで卵を使っていないデコレーションケーキを買ってきている。娘はこういうものはほとんど食べた経験はないだろう。切り分けて皿に乗せたものを目の前に置いてやると、鷲掴みにしてむしゃぶりついている。けっこう気に入ったようである。我々も食べてみたが、スポンジが少々固いが意外といける。しまいに彼女は、食べ過ぎて気持ち悪くなっているのだが口は味わうことを欲しているというアンビバレンスな状況におちいってしまったのだった。口に入れてはウエッと吐き出しているのである。
▲9月5日(日)▼ →
今朝は息子が特撮モノを観るため7時半に起きたいと言っていたので、7時半前に起こす。それから寝ようとしたのだが、眠れないので起きることにする。
息子は自分でご飯をついでキムチで朝食を食べる。楽になったものである。私はどうしようかと思っていたら、階上でドタバタという音と娘の声が聞こえてきた。上がってみると、カミさんは熟睡中である。娘がカミさんを起こすと後が恐ろしいので娘を連れて下りる。
息子は独りで遊ぶと言って出て行った。しばらくして外から時間を訊かれたので11時だと応えると、今日も友達を迎えに行くという。そして昨日のように二人で帰ってきて隣の部屋で遊び始める。
午を過ぎたので息子の友達にはお引き取りいただき、昼食を食べていたら電話が鳴った。カミさんの従姉妹からである。息子の又従兄姉たちを連れていらっしゃるという。先方の実家に帰るついでに、先日カミさんが娘さんに貸した「ベルサイユのばら」を返しに来るということだ。今日も千客万来だな。
家の前で息子とキャッチボールをしていたら、彼の又従兄姉たちが乗った車がやってきた。しばらくカミさんたちと話をしてから先方の実家に行く時間になったのだが、息子は又従兄姉たちと一緒に行って食事をいただくことになる。すみませんねえ。
息子が出かけている間に我が家の残り3人で買い物に行く。バーゲンブローが無かったのでちょっと贅沢をして、ふだん飲んでいる発泡酒の倍以上する高価いビールを買ってしまった。まあ、120円高価いだけなんだけれども。「ヱビス<黒>」なんだが、サイトにリンクを張ろうとしたらFLASHバリバリで直接商品のページに張れないようになってるの。困ったもんである。さっそく今夜飲んでみたが、さすがにちゃんと濃厚な味がする。でも、このために倍以上の値段を出すかというと…うーん。やっぱり、ビール風味アルコール飲料が売れちゃうんですよねえ。「本物のビール」にこだわって造ってる人には悪いけど。それでも、気持ちのいい酔いが穏やかに持続するのはいい感じだ。税金のハンディがなければこっちなんだろうけどなあ。
今夜も雷雨。まるでスコールのようである。やっぱりここは熱帯になってしまっているのか。
夕食前にカミさんの指示でご飯をついでいたら、なんだか揺れを感じる。地震か。時計を見ると19時8分。それほど大きくないか…とか思っていたのだが、なんかずっと揺れてるような気がする。そのうちに揺れが大きくなってきた。長いな。こりゃけっこう遠いかもしれない。それでこんだけ大きいということは、震源地では大変なことになってるんじゃないだろうか。カミさんは娘を抱き上げ、息子を連れて廊下に避難している。私はといえば、我が家は新築だし太い鉄骨が入ってるし、揺れもこれがピークだろうと高をくくってご飯をついでいる。テレビでは「近畿地方で地震」のテロップが。速いな。しばらくすると「東海地方で地震」というテロップが出た。えっ、すると東海地震ですか。大阪でこの揺れ(体感震度4)で震源が東海地方ならそうに違いない。こりゃ大変だ。震源じゃ震度6を超えているに違いない。阪神大震災並みの被害が出ているぞ。電車が走っている時間帯だからさらに酷いかもしれない。そんなことを考えている。
しばらくするとテレビに震度分布が出た。奈良が「震度5−」で三重が「震度4」ですか。だったら震源は紀伊半島の中部かその南北方向の延長線上だな。すぐに震源地も出た。紀伊半島沖だそうである。何が東海地方だよ。驚かすなよ>NHK。まあ、東海地方でも揺れたのかもしれないが。
しかし、震源地があそこだとすると、気になるのは南海地震である。もうちょっと西にはかなりエネルギーが溜まっているという話だからなあ。南海地震が来ると、我が家もタダでは済むまい。まあ、すぐ近くであれだけ揺れても破砕しなかったということは、まだ余裕があるのかもしれないが。
落ち着いてから家の中を点検する。書籍流などは起きていない。揺れは大きかったが、ゆっくりした揺れだったせいかな。以前息子が金魚すくいでもらってきた金魚を洗面器に入れて階段に置いているのだが、その洗面器から水がこぼれていたくらいである。我が家で最も被害を受けたのは、金魚さんたちなのだった。まあ、金魚の数も2匹に減っているので、多少水が減ってもしばらくは大丈夫だろう。
娘は自分が呼ばれたのがわかるようになっている。行ってはいけないところに這っていこうとしているのを見て「レイちゃん(仮名)!」と呼ぶとこちらを見てニッコリ笑う。そして両掌を上に向けてみせるとこちらにやってくる。「呼んだら来るのよ〜」と何度も言ってしまってカミさんに呆れられるのである。
今夜はカミさんが子供たちを寝かせてくれたのだが、娘がなかなか眠らないというのでカミさんは先に下りてきた。10分もすれば疲れて寝るだろうと言っていたのだが、なかなか泣き止まないようである。私も早く寝たいので、上がって娘を寝かせることにする。寝室に入って抱き上げると、ずっと泣いていただけあって、すぐに目を閉じた。それでも10分くらい寝室内を歩き回って、布団の上に横たえる。なるべく動かしたくないので、腕はまだ彼女の身体の下。しばらくそのままでいて、落ち着いてから腕を引き抜く。これでやっと私も眠れるな。眼鏡を外してケースに入れようとしたのだが、眼鏡ケースが見つからない。どうしたんだろう。と思っていたら、棚の下に落ちていた。誰が落としたんだ、とか見当違いのことを思いながら眠りに落ちる(ちょっと考えれば地震のせいだと分かるだろうに)。
とか思って眠ってたら隣で娘が寝返りして、うにゃうにゃ言いだした。彼女を胸の上に乗せて、背中をトントンしていたら………………来た! また地震だよ。今度も長いよ。娘を胸に乗せたまま、いつまで続くんだろうと思いながら揺れに身を任せている。暗いし娘を抱えているので時計を見づらいが、23時58分か59分を表示しているように見える。揺れの強さは前回と同程度だと思うんだが、2階だし床に背中をつけているので恐怖感は今回の方が強い。横揺れが長く続いているのでこれ以上強くなる可能性は小さいだろうと頭では考えているのだが、いつこの揺れがパワーアップするかと気が気じゃない。こりゃ余震じゃないな。
娘を抱えて揺れていると、あの阪神大震災のときのことを思い出してしまう。あのときも、6時前だというのに夫婦二人してなぜか目が覚めて、揺れが始まってからは二人で手を握りあって揺れに身を任せているしかなかったのだ。
カミさんの本が積んであるラックから畳んである段ボールが落ちた。これは、子供は部屋の真ん中に寝かせた方がいいですね。貴重品や靴も枕元に置いておいた方がいいかもしれない。19時の地震の時は「東南海地震と関係薄い」と言っていたみたいだが、続けて起こると意見も変わってくるかもしれない。
▲9月6日(月)▼
昨夜の地震2連発でちょっと不安になっているので、今日は午前中を休んで家にいることにする。何も起きなければそれでラッキーだ。
引き続き、通勤中には「かれはロボット」(草上仁:ハヤカワ文庫JA:→【amazon】)を読んでいる。今日は「夢よもう一度」を読み終えた。うーん、これもあんまり面白いネタじゃないなあ。話にもそれほど必然性を感じなかったし。まあ、最後はちょっと笑わせてもらったんだけど、それでも…
今夜は食前酒としてバーゲンブローを飲む。しかし、昨日「ヱビス<黒>」の深い味覚を味わっていると、バーゲンブローの味も以前よりよく見えてきたような気がする。いいものを知ると、今まで見えなかったものが見えてくるということもあるものなんですな。
▲9月7日(火)▼ →
朝食時、カミさんがまた揺れていると言う。08:31また地震。それほど強くないが、これも長い。単なる余震だろうが、今後どうなるか心配だなあ。
地震に加えて、また台風が来ているようである。やっぱり熱帯化しているのかなあ。玄関を出ると、家の前に置いてあった箒や息子の竹馬が強い風で倒れそうになっている。玄関内に入れていたらカミさんが娘を保育所に預けて帰ってきた。
先日京都で酷い目にあったので、傘を持って家を出る。しかし、歩き始めてすぐに後悔した。すごい風である。今は日差しが強いので日傘にしようかと思ったのだが、風が強くて広げる気にならない。まだ九州に上陸もしてない段階でこんなだったら、最接近時にはとても差していられないんじゃないだろうか。
駅に着くと、電車の運行が地震で15分ほど遅れているという。台風じゃなくて地震ですか。大変なことだなあ。
今日は台風が来ているので定時で仕事を終える。エレベーターホールでエレベーターを待っていると、ゴオオオオオォォォォ……という音が響いている。誰かが悪い冗談で脅かすために出しているんじゃないかと思うほどのわざとらしい音である。でも本物である。
ビルの外に出ると、やはりすごい風である。雨が降っていないことに感謝する。この風じゃ、傘は役に立たないだろう。道路上の枯れ葉や埃がものすごい勢いで足元を吹き飛ばされてゆく。真っすぐ歩けない。街路樹は、太い枝が折れそうなくらい前後左右に揺らされている。眼鏡を装着しているにもかかわらず、目に埃が入ってくる。桶屋に儲けさせてはいけない。必死で瞬きをして眼球を涙で洗い流すのである。
山陽電鉄が運行を停止したというニュースを耳に挟んで心配だったのだが、私の利用する鉄道は止まっていなかった。家の最寄り駅で降りて歩いていると、飛行機が飛んでいるのが見えた。勇気あるなあ。空中ならともかく、この風の中でちゃんと着陸できるとは思えないんだが。
空中でも、墜落の心配はないが大変である。かつて私も嵐の中で飛んだことがあるのだが、けっこう楽しい思いをさせてもらった。ちょうどお茶を飲んでいるときにエアポケットに入ったりしたのだが、手に持っている紙コップの重さが一瞬にして消失するのである。それで、ふだんは意識していないが腕はコップに対して重力と等しい上向きの力を加えているので、その力のバランスが崩れて紙コップを頭の上に持ち上げてしまう。まあよくそんなときにお茶を配ってたもんだと思うよな。すぐに乗務員も着席してシートベルトを締めたんだが。
そんなことを思い出しながら家に向かって歩いていると、私の前をヨボヨボの爺さんが煙草を吸いながらヨタヨタと歩いている。やがて煙草を足下に投げ捨て火を踏み消そうとするのだが、風に吹かれて転がるので踏むことができない。風に飛ばされて何かに燃え移ったらどうするつもりなんだよ。もう長くないから責任は取らなくていいってか?
けっきょく家に着くまで雨は降らず、傘を使うことはなかったのだった。まあ、雨が降らなくてラッキーだったと思うべきなんだろうな。
今夜は先日贅沢をして買ってきたもう一種類のモルツを飲む。たしかにちゃんと味があって旨いし飲みやすい。やっぱりこれが本当のビールなんだろうな。前にも書いているがスーパードライは辛いだけでぜんぜん味を感じなかったので好きじゃなかったんだが。
Microsoftや毎日のサイトが見づらいのを回避する方法がやっとわかった。インターネットオプションの「全般」→「ユーザ補助」で「Webページで指定されたフォントサイズを使用しない」にチェックを入れればよかったんだ。でもなあ、これをやると他のサイトでもフォントがページの作者の思い通りに表示されなくなるんだ。困ったモンである。
▲9月8日(水)▼ →
引き続き通勤中に「かれはロボット」(草上仁:ハヤカワ文庫JA:→【amazon】)を読んでいる。今日は「キャンペーン虫!」を読み終えた。これはなかなか笑えたな。
今日は急遽京都に行くことになってしまった。それで「かれはロボット」を中断して、カミさんに勧められた「波のうえの魔術師」(石田衣良:文春文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読み始める。こちらからはバーターで「リスクテイカー」(川端裕人:文春文庫:→【amazon】:→【bk1】)を渡してある。「The S.O.U.P.」のあとがきで石田衣良氏が「扱うテーマも共通することがある」と書いていたのはこの作品のことだったのだな。そのせいか「リスクテイカー」の影響を感じるなあ。まあそれでもけっこう面白く読める。ふつうの本を読んでいたらきっと眠ってしまうくらいの体調なのに、眠らずに読み続けている。これは大したものだ。まあ、「リスクテイカー」のような知的興奮というのはあまり感じないが。
▲9月9日(木)▼ →
今日、通勤中に「波のうえの魔術師」(石田衣良:文春文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読み終えた。面白かった。ただ、「リスクテイカー」(川端裕人:文春文庫:→【amazon】:→【bk1】)を読んでなければもっと面白かっただろうと思ってしまうんだな。著者も「リスクテイカー」を読んだ後でこの作品を書いたと思うんだが(決めつけちゃってます)、ワタクシ的には越えられてない。どうしても影響が目についてしまう。銀行の悪逆非道さとか、新しい仕掛けも入ってるのだが、どうしても亜流の域を越えてないように見えるのである。
なんてことだ。ドラフトワンを旨く感じない。「ヱビス<黒>」を味わってしまったせいなのだろうか。それまではけっこう美味く飲んでたんだがなあ。まあ、ちょっと飽き気味ではあったんだが。でもなあ、やっぱり本物のビールというのは高価いだけのことはあるのだなあ。ドラフトワンのようなまったく新しい商品を生み出した研究開発の努力に関しては無条件に賞賛を送っているんだけれど。
「ハエを食べて燃料にするロボット」ですか。こりゃいいですねえ。個人的には蚊を食べてくれる方が嬉しいんだが。でもなあ、こういうのが作れるということは、人間を食うものも作れるということだよな。
▲9月10日(金)▼ →
出勤時、阪急の特急に乗り梅田駅を出たところでゴジラの新作映画のポスターが見える。ありゃもうゴジラじゃないよなあ。ゴテゴテ飾りを付けて、どんどん醜くなってしまう姿。進化といえば進化なのかもしれないが、先にあるのは袋小路でしかない。だからこそこれで終わりだと言っているのかもしれないが、どうも信用できないんだよな。何年か後には何かと理由をつけてぜったい復活させるに決まっている、と思ってしまうのである。
なんで記念硬貨を額面より高い「プレミアム価格」で売るんだ? おかしいじゃないか。通貨というのは原価に関係なく価値を国が保証しているものではなかったんだろうか。発行元が通貨をそれ以上の額面の通貨と交換するというのは自己矛盾じゃないのか?
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