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2月1日(水) 
今日はまた昼から滋賀に移動して打合せ。野洲行きの新快速で北に向かう。野洲といえば、新快速の終点という意識しかなかったのだが、先日高校サッカー選手権であそこの高校が優勝しましたな。いやしかし、決勝点が入ったシーンをテレビのスポーツニュースで見たんだが、あれは凄かった。ジーコジャパンより巧いんじゃないかと思ってしまったくらいである。

そう思ってたら、やっぱり「技術にこだわる姿勢は周囲から“異端”と見られた」ということなのね。でも、ぜったいこっちの方が見てて面白いよねえ。プロになって魅せることとか世界に出ることを考えれば、絶対にこっちの方がいいと思うんだけどなあ。日本代表に決定力がないのはそういう考え方で育てられてきてるからなんじゃないか、とも思ったりして。

そういうことで、今日は長時間移動するので「獣の夢」(中井拓志:角川ホラー文庫:→【amazon】)を持ってきている。読み始めた瞬間にもう、雰囲気が違う。昨日読んだ田中光二氏も凄かったが、今はこの文章の方がよく響く。最近古い小説を読んでいることもあるのかもしれないが、文体が新しい。こういうシャープでムダのない文章の方が若い人には受けるんだろう。カミさんくらいの世代は、これに対応できないと苦しくなるかもしれないな。実力があれば別だけど。

そして、物語の中では事件が起こる。頭の中が混乱する。まるで当事者のように、読者にパニックを起こさせる。

山科を過ぎたところでは、山のすぐ上のところに靄の固まりがくっついている。以前「左側はもう見上げるばかりの絶壁」と書いたが、それほどのこともなかったようだ。山のすぐ脇を通っているので横にある垂直に近い崖がコンクリートで固められている。今日は窓側に座っていたので上の方を見上げてみたが、それほど高くはなかったようだ。



2月2日(木) 
体調が悪いので今日は休むことにする。朝食を食べメールチェックなどをして寝室に入ったのだが、17時過ぎまで眠っていた。疲れてるなあ。

そういうことで朝は息子が学校に行き、カミさんは娘を保育所送りに行く。娘は家を出るときに「ばいばー」と言うのかと思っていたらこちらに向かって駈けてきたのでどうしたのかと思っていたら、ほっぺにブチュッとされてしまった。不意打ちである。な…なにが起こったんだ?



2月3日(金) 
昨夜は子供たちと一緒に早めに寝たのだが、朝までずっと眠っている。昨日1日中眠っていたせいで眠りの浅いところを漂っていたせいか、ずっと夢を見ていたような気がする。雨が降っていて傘がどうとか言っていたような夢。如何にいつもは深く沈んで眠っているか、ということだな。

引き続き通勤中に「獣の夢」(中井拓志:角川ホラー文庫:→【amazon】)を読んでいる。マチガッテイルということで例のクラスの先生が犯人じゃないかと思っていたのだが(かなりカワイソウな考えの持ち主だったみたいだし)、獣使いの少女が「カレ」と呼んでいたからハズレだったか。

後半に入ると、形の無いものを怖く描くのに苦労しているような感じがある。それに、どうもマスコミの喚き散らす言葉が嘘っぽく聞こえるのである。私はほとんど見ないのだが、ワイドショーのレポーターってこういう喋り方をするんだろうか。

常用しているブラウザのLunascapeがバージョン3になって使いにくく重くなってしまって失敗したかなと思ってたんだが、今日起動すると最新版があると表示された。「ソフトウェア起動速度および起動中のCPU利用率の改善」がされているという記事を読んでいたので、最新版にするという選択肢を選ぶ。そうするとダウンロードページが表示されたのだが、Lunascape2 Liteというのもあるのか。それで試しにLite版を入れてみたら、こちらの方が圧倒的に使いやすい。そうそう、昔はこうだったのよ。何でバージョンアップすると重く使いにくくなるソフトばかりなんだろうねえ。

これはLite版を使う以外の選択肢は無い。しかし、問題はブックマークの移行である。Lite版から高機能版のブックマークは読み込めないらしい。IEに対してエクスポート/インポートする機能はあるようなので、IE経由で移行する。すると並びが逆になってしまった。常用してるものは上に来るようにしてたのに。でも、日常のストレスを考えると使いにくいバージョンを使用する気はないので、よく使うものは手作業で上に持ってくるのである。一時期の苦労で日常が快適になるならば、そうすべきだ。コンピュータというのはそういうものなのよね。



2月4日(土)
今日は娘の通っている保育所の生活発表会。休日だが早起きしなければならない。カミさんと娘が起きて下りていき、そろそろ起きなきゃいけないか…と思っていたら息子が私の布団に入ってきた。「オシッコせんでええんか」と訊くとトイレに行き、また布団に入ってくる。

しかし、眉間の奥が真空状態になっているように痛い。針でも刺してプシュッと空気を入れたいくらいである。しばらく息子を抱きしめてやってから起きると彼も起きた。

息子も生活発表会に行きたいようだったが、今回は小学生の兄姉は行っちゃいけないそうだ。彼は不満そうである。まあ、客席は狭いからねえ。園児1人あたり観覧者2人とかいう制限がいちばん民主的なんだろうが、チェックが難しそうだからな。

最初とトリは最年長の5歳児(年齢は年度初めの時点。以下同じ)。それ以降は年齢の小さいものから順番に出てくる。オープニングが終わって0歳児が出てくると雰囲気が和んでしまいますな。娘のクラスはけっこううまく「演技(?)」を終えた。それ以上になると、あんまりうまくできてなかったりする。親を見つけて集中できなくなるせいなのかと思ったのだが、カミさんによると先生の指導力が違うそうである。そういうことであれば、ウチの子はいい先生に当たったということなのね。

午後から息子は将棋教室に行く。彼が出かけるのを、娘は窓の障子を開けて見ている。靴下を握りしめて恨めしそうに見ているのである。私が見送りを終えて屋内に戻ると、娘が「おしっこ…でた」とか言う。見ると、足下に水溜まりが広がりつつあった。あらー、最近は漏らすことはほとんどなかったのに、尿意を忘れるほど兄ちゃんと一緒に行きたかったですか。



2月5日(日) 
昨夜は私が子供たちを寝かせたのだが、例によって娘に痒いと言って何度も起こされる。休日なのに睡眠不足になっちゃうよ。

起きてパンツを選ばせようとすると娘は「あかい」「あかい(赤いのでなきゃダメですわ)」と言う。ズボンも上着も自分で選んでくる。選ぶ手間が省けるからラクといえばラクだが、そんなにこだわるですか。私なんか、衣服は身体を覆えればいいと思うんだがなあ。

カミさんがホットドッグを作りたいというので、材料を買いに行く。子供たちを外に出した方がいいということで、連れて出る。スーパーまでは歩いて行くことにする。娘は兄が父に手を握ってもらっているのを見ると、自分も手を繋いでくれと言ってくる。3人で手をつないで歩く。そのまま目的地まで歩いてくれればよかったのだが、娘は途中で抱っこしてくれと言うのであった。まあ、今日のルートは交通量が多いからね。抱っこしてあげましょう。

夜。子供たちを寝かせるために寝室に入ってから、カミさんが娘に痒み止めの薬を飲ませ忘れたという。それで娘と一緒に階下に下りて薬を飲ませることにする。彼女は母親に向かって「くちゅり、のんでぃくう(お薬を飲んでまいりますわ)」と言って寝室を出る。そして薬を飲み終えると「くちゅり、のんだよー」と言いながら上がっていく。発する言葉もかなり理解しやすくなってきた。まだ何を言ってるのかわからないことも多いんだけどね。



2月6日(月) 
引き続き通勤中に「獣の夢」(中井拓志:角川ホラー文庫:→【amazon】)を読んでいる。先週も書いたが、やっぱりこのマスコミの喚きたてる言葉の「文体」に違和感がある。これじゃ、そこらのオッサンオバハンの井戸端会議だよ。意識的に虚ろで扇情的な口調にしてるのかもしれないけど。

そして、やっぱり後半はちょっと力尽きた感じでしたね。集団的無意識という形の無いものの恐怖を表現しようとして。そういうものを見ようと思えば2ちゃんねるに投げつけられる大量の言葉を読めばいい(たぶん筆者もそれが本当に怖かったんだろうけど)のだが、そういうフィクションを創ろうと思えば大変でしょうなあ。

まあ、作者としては、それにも増して見かけ上はキレイな言葉を連ねるマスコミも含めた社会全体の方がより怖いということが言いたいんだろうけど。この作品にしても最後の一言はざくっと胸に突き刺さる。

今日は朝から滋賀に移動して作業である。往きに大阪駅に着き、新快速の出るホームに上がると、大気中には大量の細かい雪が舞い、視界は真っ白になっている。こりゃ滋賀はどうなってるんでしょうか。山科では山の木が真っ白になってそれぞれの輪郭がはっきり見える。滋賀に入ると、真っ白な校庭で遊んでいる小学生が見えたりする。しかし、目的の駅に着いたときには雪はやんでいた。助かった。

獣の夢」を読み終わったので日本SFベスト集成 ('74) (徳間文庫)の続きを読み始める。まず石川喬司氏「夜のバス」を読み終えた。うーん、意味がよくわからん。「SFベスト集成」に入っているにもかかわらず、少なくとも私の望んでいるSFとは違う。

続いて亜羅叉の沙氏「ミユキちゃん」。まーなんというか…ただ、この作品は短い分だけ逆に印象が強い。どこでかは定かでないが、読んだことがあるのは覚えていたからな。

次は河野典生氏「トリケラトプス」。いやー、こういう話は好きだな。トリケラトプスやティラノサウルスが生きていた時代と現在が重なり、それが見えるようになってしまった父子の話なんだが、トリケラトプスが好きな息子を持つような立場になると、読んでるときの感覚も違ってくるなあ。

そして小説とは違うが永井豪氏「真夜中の戦士」。これはジャンプに愛読者賞候補作品(だったっけ)として掲載されたときに読んでいた。ネタはそのときに途中で割れていたしそれを覚えていたのにもかかわらずオチを忘れていてどうなるんだろうと思っていたのだが、なるほどこういう結末ですか。素晴らしい。

今日の最後は半村良氏「フィックス」。いやこりゃ素晴らしい。私の考えるSFとはちょっと違うような気はするが、読ませる力がすごい。小説家としての基礎体力がある、というんでしょうか。



2月7日(火) 
今日から通勤中に「かまいたち」(宮部みゆき:新潮文庫:→【amazon】)を読んでいる。まず「かまいたち」を読み始める。相変わらず読みやすい。するりと作品世界に入っていける。

今日は早起きして梅田の診療所で朝から人間ドックに入る。CTの検査のときに、自分の周囲を取り囲んでいる筒の黒い帯の中を赤い光がキュンキュンと回っているというのはサイバーだなあ。

今年から検診後の軽食を食べる場所が変わってサンドイッチの量が少なくなってしまった。これは結果を聞きに行く前に別途昼食を食べないと保たない。それで、阪神1階のマクドナルドでチーズバーガーとマックチキンと野菜生活の昼食を摂る。しめて300円である。

ここは、すべて立ち食い。トレイさえも無し。まあ、西日本で有数の土地が高価い場所であるにもかかわらず全国一律のこの値段で食えるんだから仕方ないんでしょうな。大阪ドームでは協定価格になってたんだが、あれはマクドナルドに安く売られて他の店の売り上げが落ちると上納金が入ってこないというドーム側の都合なんだろうな。けっきょくは大阪市の腐れ役人のせいなんだろう。

昼休みに旭屋で「優しい煉獄」(森岡浩之:トクマ・ノベルズ EDGE:→【amazon】)を買う。e-honで監視対象の作家を登録していて見つけたのである。いわゆる電脳モノのようである。このジャンルは現実世界の感覚で描いているため嘘っぽい作品が多くて面白いと思ったものは少ないのだが、この人はネタについて深く考えて描いてくれる人だと思ってるので、どういう世界を見せてくれるか楽しみである。スペオペなんか書いてないで、もっとSF度の高い(私にとって)作品を描いてくれればいいのに。

しかし「ファイナルシーカー レスキューウイングス」(小川一水:MF文庫J:→【amazon】)を買おうとして何軒か梅田の大きな本屋を回ったのだが、MF文庫なんて、どこに行ってもありゃしねえ。マイナーなところはツライね、こんなに出版される本が多いと。しかし、マイナーな文庫だとはいえ、小川一水の新刊を置いてないとは、何も考えてないのか。書店としての見識が足りないと思うぞ。

以前バリウムが腹の中で固まって苦労したので、今日のうちに出してしまおうと努力している。しかし職場に戻って、なんだか右の肋の下が痛い。触ってみると固まりがある。今日は超音波検査をして異常なしだったから肝臓ガンとかで腫れてるわけではないと思うんだけど。バリウムが固まってるんでしょうか。慌てて便が出なかったら寝る前に飲めと言われてた錠剤を飲み、500mlのミネラルウォーターを買ってがぶ飲みする。しばらくすると、ちょっと下に移動したような気がする。ヘソの高さくらいですか。でも出てこない。だいたい、腸で滞留してるにしては位置が高すぎるからなあ。

家に戻ると、今日も停電があったそうである。何をやっているんだ関西電力。東証の件もそうだが、やっぱり最近、日本人の仕事の質が落ちてきているような気がするぞ。



2月8日(水)
カミさんと息子は寝過ごしたようである。娘も起きたが、カミさんには彼女を連れて下りる余裕はない。私と娘はまだしばらく寝ていられる時間なので、階下に向かって母親を呼んでいる娘を私の布団に引っ張り込んだのだが、嫌がってぎゃーぎゃー泣きわめく。仕方ないので連れて下りようとすると、さらに泣きわめくのである。無理矢理抱き上げて下りたが、また嫌われてしまったなあ。困ったもんである。

昨日の夕方に飲んだ薬のおかげか、起きてしばらくすると我慢しづらい便意がやってくる。家ではバリウムは排出したくなかったのだが、耐えられそうにないしそれで引っ込んでしまって体内で固まっても困るのでトイレに座る。それで排便後に水を流したのだがやはりバリウムの固まりは流れなかったようで、奥のほうに白い塊が残っているような雰囲気である。こんなところにこんなものが沈んでたんじゃトイレが詰まっちゃうぞ。困った。

まったく、検査するほうの都合ばかりで、検査されるほうのことなんか全く考えてないんだから。治療ならそりゃ仕方がないかもしれないけど、なんで検査で受けるほうがこんなに負担を甘受しなければならないんだ。それで異常が発見できて助かる人がどれだけいるというんだろう。病気は見つかったけど切り刻まれて苦しんでけっきょく死んじゃったというんじゃ悲劇にもならない。このあたりも、コストとメリットのバランスを考えてやってるんだろうか。検査機関がどれだけ儲かるかという基準じゃなくて。そういう検査はしないという選択肢もアリだと思うんだがな。

それよりも、まず便器の底深くに沈んだこのバリウムの塊を何とかしなければならない。どうするか。水を流しても、流れる量が少ないのでまったく動いた気配がない。トリビアでもやっていたが、環境に優しいように水の使用量を抑えてるんだな。それはそれで正しい。問題なのはバリウムの塊を一般家庭のトイレに沈ませて恥じない検査方法を考えた人間の思想だ。

そういうことを考えていて思いついた。水量が少ないなら他から水を持ってくればいいだろう。それで風呂場からバケツ一杯に水を汲んできて便器に流し込み、押し流す(前回流れなかったときもこうすればよかった)。どうやら流れたようである。まあ、その先で滞留してそうな気もするんだが。しかし、朝っぱらから何をやってるんだろうね、オレは。

引き続き通勤中に「かまいたち」(宮部みゆき:新潮文庫:→【amazon】)のタイトル作を読んでいる。おぼろげに真相は見えているのに、その細かいところがわからない。自分はわかってるんだという優越感を持ちながらも本当はどうなんだろうかという興味でどんどん読み進めさせられてしまう。

ああー、やっぱり宮部みゆきさんは巧い。ほぼ確実に、読み終えて「読んでよかった」と思えるからな。それで次も読もうと思う。だから売れてるんだよな。

今日もまた滋賀に移動して作業。それで長編の「優しい煉獄」(森岡浩之:トクマ・ノベルズ EDGE:→【amazon】)を読み始める。うん、期待どおりちゃんと考えて世界を構築しているのがわかる。これだけSFが拡散してくると、他人の考えたガジェットをそのまま持ってきて「SFでござい」とか言っているのもいるんだよねえ。

真剣に考えればディアスポラと似たところも出てくる。きっとこれはどちらもきちんと考察したからこうなっているんだろうとわかる。借り物の設定だったらどうしてもボロが出るからな。

イーガンの後に読んでも違和感を感じないというのは大したものである。逆にこの作品の方が、現実の世界をシミュレートしている理由が説明されているので、そちら方面の疑問は感じなくてすむ。念のため、いつ描かれたかを確認しようとすると…奥付に発行日が載ってないのか。それでも去年なんだな。

客先に向かうバスの中で最初のエピソードを読み終えた。オチもおっけーである。電脳モノでこれだけ素直に読めるのは珍しい。やっぱりスペオペなんか書いてないで…(以下略)

昨日人間ドックに行った帰りに梅田駅前ビル地下の安売りチケット屋を覗いて、大阪から滋賀までの安い切符を売っているのを見つけた。昼特きっぷというんだそうである。通常料金の半額くらいになるので買ったのだが、受け取ってみると2枚になっているのである。どうやら、京都までの昼特きっぷと京都からの通常回数券の組み合わせで売っているようなのだ。昼特きっぷは京都までしかないんですか。ひょっとすると、いちど路線を京都で切った方が安くなるということなのかもしれない。

昼特きっぷは10時以降に改札に入ったという記録がされないといけないらしい。私は大阪までは定期券があるので、大阪駅で一度改札を出なくちゃいけない。それで目的の駅に着いてポケットを探ったが、昼特きっぷが入ってないのである。大阪駅で改札の外に出るつもりだったのに、トイレに入って忘れてしまって出てなかったのだ。馬鹿だ。

仕方がないので改札にいる駅員のねーちゃんに定期券と切符2枚を見せ、「この定期で入ってこの切符を持ってるんですけど…」と言ってみる。10時以降に入った記録がないから駄目と言われれば「これから大阪に戻って入り直すぞ」と脅すつもりである。しかし彼女はその3枚を見てあっさりと通行を認めてくれたのだった。そして「入場記録消しますね」と言って定期券を窓口内の機械に通す。まあ、そうしないと帰りは入場券で帰れてしまうからな。

今日の昼食は客先のビルの上の方にある食堂で食べる。はるか遠く、山の際を白い針のような新幹線が、ぴゅーんと走ってゆく。そして気がつくと雪が降ってきた。朝は晴れてたから楽観してたのに。

帰るときにはものすごい強風が吹いている。バス停で舞っていると、びゅうううううう〜ううう…と風が音を立てている。ここはまだ壁があるからいいが、この気温で道端にある吹きさらしのバス停だったら、脂肪の少ない私のような人間は数分で体温を奪われて凍死しそうだな。

駅のホームも寒い寒い。ほんの数分が耐えられない。グループの人たちはビールを飲んでいる。これだけ遠いと新幹線で名古屋あたりから帰ってくるのと変わらんのだろうけど、こんなに寒いのにビールなんて飲むですか。カップ入りの酒を燗にしたのとか売ってないんだろうかねえ。

帰りにも「優しい煉獄」の続きを読む。人格のコピーとか主観時間と処理能力の関係とか、イーガン的なネタを組み込みながら、これだけ読みやすい作品に仕上がっている。これぞプロの仕事。



2月9日(木) 
今日は帰りに帰りに本屋で「この胸いっぱいの愛を」(梶尾真治:小学館文庫:→【amazon】)を買う。これもe-honで監視対象の作家を登録していて見つけたものである。映画のノベライズということでちょっと不安はあるんだが、やはり梶尾先生の作品はチェックしておくべきであろう。映画の原作もご本人らしいし。

世間では女性天皇を認めるかどうかでかまびすしいようだが、懐妊報道一発で世論の流れを変えてしまいましたな。流石だ。これが帝の血を引くものに与えられた力か(笑)。

でもなあ、日本でも過去に女帝は存在したと思うんだが、何で日本の伝統とか言うのかなあ。ああいう人たちにとっては「日本の伝統」ってのは明治時代に作られたものなんだろう。皇室典範だって制定されたのは1947年だし。問題は女系天皇だと言ってる人たちもいるようだが、それなら何で「Y染色体」なんて言うのさ? 女系じゃなくても女性だったらY染色体は持ってないぞ(爆笑)。もう言ってることが滅茶苦茶。もともとが感情論でしかないという証ですな。

一昨日、HDD&DVDレコーダーに録画していた舞-乙HiMEを夕食を食いながら観ていたら…ああー、エルスちゃんが死んじゃったよ〜。ええーん。前作もそうだったが、この作品もこれからどんどんダークな方向に進んでいくんだろうな。オープニングも学園生活の楽しさを表現したものから、この世界の苦難の運命を暗示するものへと変わってしまったし。

アニメの登場人物が死んで泣いたといえば、ウチの弟はファーストガンダムの本放送のときは大学生だったのだが、放映時間が早かったので大学の食堂にあるテレビで観ていたらしいのだ。それでマチルダさんが戦死した回が終わったときには、「マチルダさ〜ん」と泣きながら叫ぶ大学生が学食の出口からゾロゾロと出てくるという光景が目撃されたらしい。あの時代からそういう層は一定量存在したということですな。



2月10日(金) 
今日は通勤中に「優しい煉獄」(森岡浩之:トクマ・ノベルズ EDGE:→【amazon】)を読み終えた。SF的なネタが深く練られていてかつ、楽しめるエンターテインメントになっている。こういうバランスの取れた人は貴重だ。

続いて「かまいたち」(宮部みゆき:新潮文庫:→【amazon】)の続きを読み始める。帰りに「師走の客」を読み終えた。うーん、読みやすくはあるんだが、話としては「それがどうしたの」という感じだな。まあ、おとぎばなしみたいなもんなんでしょう。いちおうトリックも入ってるし。それでもこのオチはちょっと…

帰りに「ファイナルシーカー レスキューウイングス」(小川一水:MF文庫J:→【amazon】)を求めて京橋の紀伊国屋まで遠征する。しかし見つからない。こんな大きな本屋でもMF文庫は置いてないのか。というか、ライトノベルじたい置いてないし。マンガは置いてるのになあ。梅田店みたいに検索用の端末は置いてないのか…と思ったら隅っこにひっそりと設置されていた。検索してみるとやはり在庫なし。こりゃインターネットで買うしかないですかね。しかしこの端末、文字が入力されてないのにピッと音を出すのはやめてほしい。タッチパネルに触れたことは触覚でわかるんだからさ。これは設計が間違ってると思うぞ。

そして目的の本を探しているうちに「ヤミナベ・ポリスのミイラ男」(梶尾真治:光文社文庫:→【amazon】)を見つけてしまった。こういうのが出てたとは。やはりアンテナが狭いな。リリカル路線ではないようだが、とりあえず買っておく。



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